ウェビナーを案内する主要な手段として、多くのBtoB企業でメールが活用されています。WACUL株式会社の調査では、参加者がウェビナーを知るきっかけの1位は「メール」となっています。
メールは、広告配信よりも低いコストで送信可能であり、タイミングを選んで告知できるメリットがありますが、メールからウェビナー申し込みにつなげるにはコツが必要です。
この記事では、効果的にウェビナーに集客する案内メールのコツを解説します。案内文テンプレートもご紹介しますので、ウェビナーの集客を最大化したいとお考えの方にぜひご覧いただければ幸いです。
目次
ウェビナーのおもな案内・告知方法
ウェビナーとはインターネットを通じてオンライン上で開催するセミナーであり、コロナ禍を経て営業手法の一つに定着しつつあります。商品や開催企業への興味喚起、新規リードの獲得や商談化にもつながる取り組みであり、
ウェビナー案内の代表的な方法には、下記のように自社サイトやSNS、メール、広告出稿、ウェビナー集客サイト掲載、対面やDMでの告知などがあります。
案内方法 | 目的 |
---|---|
自社サイト・自社SNS | 自社に興味関心のある新規・既存ユーザーへの告知 |
メール | 接点のある既存ユーザーへの告知 |
広告出稿 | ポータルサイトや新聞・雑誌などを閲覧する新規ユーザーへの告知 |
ウェビナー集客サイト | ウェビナー情報を収集したいユーザーや、Webマーケティング担当者への告知 |
対面やDMでの告知 | オフラインの接点での集客 |
WACUL株式会社の調査では、BtoB企業のオンラインイベントを認知した経路として「メール」の割合が最も高くなっており、ウェビナー集客にメールが有効であることがうかがえます。
出典:WACUL株式会社
ウェビナー案内メールのメリット・デメリット
ウェビナーの案内にメールを活用するとどのようなメリット・デメリットがあるのか? それぞれについて見ていきましょう。
ウェビナー案内メールのメリット
メールは、自由に送信タイミングを決められることが最大のメリットです。例えば「ウェビナー開催1か月前」「申込締切間近」「開催日当日」など、参加者の申し込み状況に応じて調整しながら、適切なタイミングで案内できます。
また、ターゲット層以外も含めて広く周知することが得意な広告出稿と比較すると、メールは届けたい相手に確実に届けられることがメリットだといえます。
さらに、広告では出稿規模に応じて費用がかかりますが、メール送信は大きな費用がかからない点もメリットです。
ウェビナー案内メールのデメリット
デメリットは、ハウスリスト数次第で効果が生まれにくくなる点です。母集団が少なければウェビナーに申し込む確率も低くなるため、ハウスリストが少なすぎる場合は、メールは集客に不向きであるといえます。この場合は他の案内方法を検討した方がよいでしょう。
また、メールを開封されなければ集客につながらない点もデメリットです。広告であれば自然とウェビナー情報を目にしてもらえますが、メールは開封されなければ情報を見てもらえません。申込率アップに加えて、開封率を上げる工夫が必要です。
ウェビナー案内メールの作成・配信ステップ
ウェビナー案内メールは、作成から送信まで次のようなステップで行います。
集客を最大化する!ウェビナー案内メールのコツ4点
案内メールでウェビナーへの集客を最大化するためには、開封率を上げ、申し込みにつながるメールを作成する必要があります。そのようなメールの送り方のコツを4つご紹介します。
- 開封率を上げる!タイトルのコツ
- 申込率を上げる!送信タイミングのコツ
- 興味・関心を引き出す!画像のコツ
- ターゲット層を惹きつける!コピーのコツ
1.開封率を上げる!タイトルのコツ
メール開封率を上げるために、案内メールのタイトル(件名)を工夫しましょう。
日本法人Benchmark Japanの調査「メールマガジン購読状況調査 2022年度版」によると、メルマガ開封の判断に最も影響するのは「件名・タイトル」と回答した人の割合が50.8%でした。
上記の調査では、仕事用メルマガはPCで読む人が約半数ですが、スマートフォンで読む人の割合は年々増加しているとの結果です。
ウェビナーの案内メールもスマートフォンで読まれることを想定し、タイトルの前半15文字に興味を引く言葉を入れるとよいでしょう。
<例> | |
---|---|
・緊急性を訴える言葉 | 緊急開催、限定〇名、先着順、今回限り、明日締切、満席間近 |
・興味喚起を起こす言葉 | 有名マーケター〇〇氏、100社が導入、プレゼント付、増席中 |
・安心感を与える言葉 | 送信元名、ブランド名、初心者向け、初めての方へ、解説付き |
その他「山田様を特別セミナーにご招待します」といったように、タイトルに個人名を差し込んだ特別感のある演出も効果的です。以下の記事でも、メルマガ開封率を上げるコツをご紹介していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:開封率を上げる!メルマガタイトル(件名)のコツ【事例・フレーズ付】
2.申込率を上げる!送信タイミングのコツ
続いて、ウェビナーへの申込率を上げるために、案内メールの送信タイミングを工夫しましょう。
米国GoTo社によると、4週間以上前に案内を開始すると平均で12%登録率が向上し、登録の59%は1週間以内に行われ、そのうち17%は当日に行われるとのこと。ウェビナー申込率を上げるためには、4週間以上前に案内を開始し、開催日1週間以内にも申し込みを促すことがポイントといえます。
株式会社シャノンでは送信タイミングに合わせて送信先をセグメント化し、興味深い結果を得ています。
- 1回目:メルマガ(全員へ送信)
- 2回目:単独メール(過去1年以内にサイトへアクセスした人へ送信)
- 3回目:直前再案内(ウェビナーLPへアクセスしたものの申し込んでいない人へ送信)
3回配信した場合の集客率を100として、1回目のメルマガの集客比率が45%、2回目の単独メールは50%、3回目の直前再案内メールは5%となりました。つまり、メール集客の約50%が2・3回目のメールによるものです。しかもメルマガ配信停止はごくわずかでした。
出典:株式会社シャノン
このように、送信対象をセグメント化してタイミングを見計らって送信することで申込率向上につながるケースもあります。
送信時間帯は、BtoB企業のメルマガであれば業務用メールで受信している可能性が高いため、出勤時間に合わせた8時~9時や、日中の打合せなどが落ち着いた15時〜17時頃がねらい目です。
3.興味・関心を引き出す!画像のコツ
ウェビナーへの興味・関心を引き出すために、案内メールにウェビナーの内容が瞬時にわかる画像を入れましょう。
ウェビナーのキービジュアルとは、ウェビナーの日程や内容など必要な情報が盛り込まれた画像です。これを案内メールでも活用し、メールを開いたファーストビューにウェビナーのキービジュアルを表示しましょう。
キービジュアルには登壇者の顔写真や実績・権威がわかるプロフィール画像も設置しましょう。
出典:MIL株式会社
また、次のような、ウェビナー内容の一部をメール内に表示するのも有効です。
◆当日に得られる知識がわかるような講演資料の一部キャプチャ
出典:MIL株式会社
これらの画像をメール内で表示すると、コンテンツ紹介の案内メールとして注目してもらいやすくなります。
4.ターゲット層を惹きつける!コピーのコツ
ウェビナーのターゲットに魅力を伝えるために、案内メール内のコピーを工夫しましょう。
◆ターゲットの「課題解決」をイメージさせる文章を入れる
ウェビナーのターゲットを明確に示し、ターゲットの課題解決をイメージさせる文章を入れます。
例えば次のキービジュアルの「こんな方におすすめ」のようなコピーをメール文に入れると「自分のことだ」と感じてもらいやすくなります。
出典:株式会社ビーライズ
◆ウェビナー参加のメリットを伝える
「ウェビナーに参加すると課題の解決策がわかる」「詳しい資料やテンプレートなど特典をもらえる」といった参加のメリットをわかりやすく伝えます。
◆ウェビナーの特徴を伝える
同じテーマでも、他社ウェビナーとの違いが何かしらあるはずです。例えば「初心者向けに丁寧に解説」「権威のある専門家が登壇」など、ウェビナーに参加したくなるような特徴を伝えます。
次のキービジュアルの「たった45分で」というコピーは、1回のウェビナーで十分にコツがつかめそうだと感じさせる特徴です。
以下の記事でも、ターゲットに刺さるウェビナータイトルやコピーについて解説していますので、ぜひご参照ください。
関連記事:集客力UP!ウェビナータイトルの付け方とポイントを、タイトル例と共に紹介!
関連記事:ウェビナーの集客方法5選!集客力と商談化率を高めるポイントを合わせてご紹介
案内メールの掲載項目と文章テンプレート【コピペして使える!】
弊社のウェビナー案内メールをもとに、メールの例文付きテンプレートを作成しました。自社のウェビナー内容に合わせて書き換えてみてください。
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【メール件名】
CV改善の新手法とは?無料オンラインセミナー開催のご案内
【ウェビナーキービジュアル】
【ウェビナータイトル・サブタイトル】
LPのコンバージョン改善の新手法「診断コンテンツ×動画」活用法
〜顧客の購買意欲を左右する!商品・サービスの自分ごと化とは?〜
【申し込みページへのリンク(CTA)】
詳細を見る
【挨拶文】
いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
【ウェビナー日程】
このたび、〇月〇日(〇)〇:〇〜〇:〇に無料オンラインセミナーを開催する運びとなりました。
【ウェビナーテーマ】
本セミナーでは、ユーザーに商品・サービスを深く理解し自分ごと化してもらうことで購買意欲を促進する、LP改善の最新施策をご紹介します。
【ターゲット】【課題・悩みに共感】
LPの重要性が高まっている中、
「サイト流入はあるが、直帰率が高くコンバージョンに繋がらない」
「コミュニケーションが一方通行で、顧客ニーズが分からない」など
LPからのCV獲得に課題を感じている企業様におすすめのコンテンツとなっております。
【特徴】【メリット】【特典】
セミナーでは、未公開の成功事例を数多く紹介しますので、身近に感じていただけること請け合いです。
ご参加くださった方には、当日の資料とアーカイブ動画を後日お送りします。
【ウェビナー概要】
<プログラム>
■ 第1部
LPのあるべき姿とは?~説得から納得のコミュニケーションへ~
■ 第2部
商品・サービスを 自分ごと化 させる「診断コンテンツ×動画」とは?
<登壇者>
〇〇〇〇(株式会社〇〇)
CFO/コーポレート部長
【再度、申し込みページへのリンク(CTA)】
セミナーへのお申し込みはこちら
【結び文】
ご不明点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
ご参加を心よりお待ちしております。
案内メール以外に、集客を最大化するために考えるべきこと
ウェビナーの案内メール以外に、ウェビナーへの集客を最大化するためのヒントを3つご紹介します。
- 他の集客方法の活用
- 他社との共催
- 視聴者ファーストの配信体制
他の集客方法の活用
ハウスリスト数が少ない場合や新規リードの獲得を目的としている場合は、メールがウェビナー集客に有効な手段とはなりにくいため、他の集客方法も併せて活用しましょう。
株式会社IDEATECHの調査では、BtoB企業のウェビナー担当者がメールの他にもさまざまなチャネルをウェビナー集客に活用していることがわかります。ウェビナーのターゲットがアクセスしそうなメディアに情報を掲載していきましょう。
※画像:上記の調査をもとにしてMIL株式会社で作成
他社との共催
ウェビナーを他社と共同開催することで、ウェビナーへの集客最大化をはかれます。
複数の登壇者によるウェビナーとなることで、よりコンテンツの魅力が増します。また、ウェビナー申込者の中にはお互いのターゲット層が含まれ、新たなリードを獲得につながります。
共催相手の選定のポイントは「ターゲットが一致するか」「製品・サービスが競合ではなくシナジーであるか」です。
例えば弊社MILでは、動画によるコンテンツマーケティングを手がけるサムライト株式会社と、「動画活用法」をテーマにウェビナーを開催しました。動画マーケティングに興味を持つユーザーに向けて、ショート動画からインタラクティブ動画まで幅のあるご紹介をすることで、両社の顧客にシナジー効果をご提供しています。
関連記事:集客からCVまで成果を最大化する「一歩先」の動画活用法
ターゲットが一致しないと集客のプロセスでブレが生じ、期待する集客効果を得にくくなります。また、シナジーのある先でないとターゲットも一致しづらく、競合先ではウェビナー後のアプローチに影響が出ることも。ターゲットにとって双方の情報が有益だと思われる企業を選定しましょう。
視聴者ファーストの配信体制
視聴者ファーストのウェビナー配信体制となっているかを見直しましょう。
ライブ配信やアーカイブ配信などいくつかの配信体制がありますが、どんなに魅力的なウェビナー案内メールを送信しても、そもそもターゲットが参加しにくい日程や時間帯であれば集客が難しいでしょう。
そのため、例えば次のような方法を検討します。
- 録画したウェビナーを、特定のタイミングで録画配信する
- ライブ配信したウェビナーをサイトに掲載し、アーカイブ配信を行う
- ウェビナーと対面セミナーのハイブリッド型にする
中でも、アーカイブ配信は当日参加できなかったユーザーにもリーチできます。次の記事で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
関連記事:ウェビナーアーカイブの配信方法&成果を出すポイントを解説!動画でリード獲得やナーチャリングを促進
まとめ
今回は、ウェビナー案内メールについて、メリット・デメリット、メール作成のステップ、効果的に集客するコツをご紹介しました。ウェビナー案内は、適切な送信タイミングを選びやすく、タイトル付け・画像・コピーで工夫すると開封率や申込率アップが期待できます。
集客を最大化する手段として、メール以外の案内方法や、共催ウェビナーの開催、ウェビナー配信方法の見直しについても解説しました。これらの取り組みでウェビナーへの集客を最大化し、新規リード獲得や既存リードのナーチャリング・商談化へ展開させていきましょう。
執筆者
瀧口 愛
MIL株式会社 マーケティング
Web制作会社でサイト構築に従事後、MIL株式会社へ入社し、マーケティングチームに所属。ウェビナーや展示会実施の基盤を構築し、毎月のウェビナーやオフラインイベントの企画・運営全般を担当している。その他、メルマガ配信やマーケ全体の施策効果分析など、フィールドマーケティング領域全般を担う。