現在、多くの企業が活用しているYouTubeですが、再生回数が伸びずに苦労しているチャンネルも多いかもしれません。検索からの流入や再生回数を伸ばすために有効な手法として、「タグ(メタタグ)」と「ハッシュタグ」の活用があるのをご存知でしょうか?
当記事ではYouTubeチャンネルの成長を目指す方のために、「タグ(メタタグ)」と「ハッシュタグ」の違いや特徴、活用のメリット、効果的なタグ・ハッシュタグを付けるコツについて解説していきます。
目次
YouTubeの「タグ」とは
YouTubeのタグとは、動画を検索しやすくするために追加するキーワードです。YouTubeのSEOについて、YouTubeヘルプには以下の記載があります。
Googleの検索エンジンと同様に、YouTube 検索でもキーワード検索への関連性が最も高い結果が表示されます。動画のランキングは、次の要因によって決まります。
・タイトル、説明、動画のコンテンツが視聴者の検索にどれだけ一致するか。
・検索から特に多くのエンゲージメントが引き出された動画はどれか。
つまり、YouTubeのSEOにおいては、動画のタイトルやサムネイル、説明欄、検索意図とコンテンツの一致度などが重要視されていると分かります。
これらと比較すると、タグはSEO効果が薄いものの、動画の内容やジャンルをYouTube側に伝えてくれるのが特徴。視聴者側からは見られないもので、チャンネル運営者のみが設定・確認できます。タグは10〜15個以内を目安に設定し、最大500文字まで入力できます。再生回数の底上げにつながる要素として活用していきましょう。
関連記事:【YouTube担当者必見】SEO対策の重要ポイント4点をYouTube公式見解から厳選!
YouTubeの「ハッシュタグ」とは
YouTubeのハッシュタグとは、先頭に「#(ハッシュ)」の付いたキーワードのことです。ハッシュタグを設定すると、YouTube動画のタイトル上に青文字で表示され、ハイパーリンク化されます。タイトルや説明欄に入力でき、視聴者側からも見ることが可能です。
主に視聴者にアプローチするもので、ハッシュタグ検索により動画を探しやすくなります。同じハッシュタグ同士を結びつけられ、視聴者がハッシュタグをクリックすると、同じハッシュタグのついた動画が表示されます。
おすすめは、動画の説明欄にハッシュタグを入れる方法。ハッシュタグは、タイトル上に表示されるので、説明欄に入れた方が効率的です。3〜5個前後が良いとされ、1タイトルにつき3個まで表示されます。なお、ハッシュタグを60個以上入れると無効になりますので注意しましょう。
YouTubeのタグとハッシュタグの違い
YouTubeに公開する動画には、タグ(メタタグ)とハッシュタグを付けることができます。この2つは、同じ位置付けだと思われがちですが全くの別物。違う特性を持っているので、違いを理解して活用しましょう。
YouTubeのタグ(メタタグ) | 目的:動画のジャンルや内容をYouTube側に知らせる 入力場所:タグを付けたい動画の詳細>タグ 表示場所:表示されない(視聴者からは見えない) 個数・文字数:10~15個以内推奨・最大500文字まで |
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YouTubeのハッシュタグ | 目的:検索したユーザーが動画にたどり着きやすいようにする 入力場所:タグを付けたい動画の説明欄(先頭に配置) 表示場所:タイトル・説明欄(タイトルには上位3つまで表示される) 個数・文字数:3~5個前後推奨(60個以上付けると無効になる) |
「タグはYouTube側に伝えるもの」、「ハッシュタグはユーザー側に伝えるもの」と覚えておくと良いでしょう。
いずれもキーワードから動画への流入を増やし、視聴回数を伸ばす効果が期待できます。
YouTubeの「タグ」と「ハッシュタグ」を付けるメリット
YouTubeのタグとハッシュタグを付けることで、どのようなメリットを得られるのでしょうか?
それぞれについてご紹介します。
YouTubeの「タグ」を付けるメリット
YouTubeのタグをつけると、関連動画に表示されやすくなります。関連動画とは、動画が再生される際、画面下部(スマホ)や画面右側(PC)に表示されるレコメンド動画で、視聴者の視聴履歴や属性によってAIが自動で表示するものです。複数のタグを付けておけば、他の動画との関連性をYouTube側に伝えられます。
またYouTube動画の検索時に上位表示されやすいのもメリット。ただし前述の通り、YouTube検索では、タイトルやサムネイル、説明欄などの方が重要視されるため、タグの役割はそこまで大きくありません。
YouTubeの「ハッシュタグ」を付けるメリット
YouTube動画にハッシュタグを設定すると、ユーザーがハッシュタグ検索から流入しやすくなります。タグと同様に、検索結果や関連動画に表示されやすくなる点もメリット。YouTube側は、サムネイルやタイトル、説明欄、タグ、ハッシュタグを総合的に判断して動画を分析しているため、細かい部分まで設定しておきましょう。
YouTubeの「タグ」「ハッシュタグ」を付ける方法
続いて、「タグ」「ハッシュタグ」を付ける方法について、裏ワザや注意点とともに具体的な手順をご紹介します。
YouTubeの「タグ」を付ける方法
YouTube動画にタグを付ける方法を解説します。
1.YouTube Studio にログインします。
2.右上の「作成」を選択し、「動画をアップロード」をクリック。
3.アップロードするファイルを選択。
4.動画をアップロードする際、「その他のオプション」をクリックしてタグを追加します。
〈アップロード済み動画の場合〉
2.左側のメニューから「コンテンツ」を選択し、タグを付けたい動画を選択。
3.タグを追加します。
効率的にタグを付ける裏ワザ
動画を投稿するたびにタグの設定が必要になりますので、少しでも効率的に作業をしたいものですよね。以下では、効率的にタグを付ける裏ワザを2つご紹介します。
1:「アップロード動画のデフォルト設定」を使用
「アップロード動画のデフォルト設定」を使用し、自社のチャンネルに共通するタグを設定しておくと効率的です。あらかじめ設定しておけば、動画投稿時に入力された状態から始められます。
2:「カンマ(,)」を使用
通常タグは、タグ入力欄へひとつひとつ入力しなければなりません。しかしキーワードを「カンマ(,)」で区切って入力すれば、コピーして貼り付けるだけで自動的にタグが設定されます。例えば「お金,勉強,大人,投資,」と入力したものをコピーして、タグ入力欄に貼り付ければ、タグがきれいに分かれるので便利です。
YouTubeの「ハッシュタグ」を付ける方法
YouTube動画にハッシュタグを付ける方法を解説します。ハッシュタグは、動画のアップロード時、またはYouTubeショート動画を撮影する際に、タイトルや説明欄に追加できます。例えばYouTubeのショート動画では、タイトルや説明欄に「#shorts」を入れることでショート動画専用のタブに表示されるようになり、視聴者が他のショート動画を探している時にそのコンテンツを見つけやすくなります。
1.タイトルまたは説明に「#」 記号を入力。
2.「#」の後にキーワードを入力。
ハッシュタグを付けるときの注意点
ハッシュタグを付けるときの注意点は以下の3点です。
- ハッシュタグは必ず半角にする
- 2語以上の場合はスペースを空けない、もしくは2語に分ける
- YouTubeのポリシーを遵守する
ハッシュタグは半角でなければ表示されない仕組みです。また2語以上でスペースを空けると、2つ目のワードが反映されないため、スペースを空けない、もしくは2語に分けることが大切です。これらに注意しつつ、YouTubeポリシーを遵守したハッシュタグを作成しましょう。
YouTubeで効果的なタグ・ハッシュタグを付ける6つのコツ
以下では、YouTubeの「タグ」と「ハッシュタグ」を効果的に活用するコツを6つ紹介します。
- 動画の内容と関係性の高いタグを設定する
- 抽象的なワード、具体的なワードをバランスよく入れる
- 重要なキーワードから並べる
- 同ジャンルの人気動画についているタグを使う
- スペルを間違えやすいキーワードを補足する
- オリジナルのハッシュタグを使う
それぞれについて解説していきます。
1.動画の内容と関係性の高いタグを設定する
タグは動画の内容と関係性の高いキーワードを設定しましょう。動画の内容と関係のないタグを入れると、YouTubeポリシーに違反していると判断され、評価が下がる可能性があります。
例えば、投資に興味のある30代独身男性をペルソナに「初心者向けの投資の始め方」という動画を作成したとします。この場合のタグは「投資,お金,株式,不動産,初心者,男,独身,勉強,副業,稼ぐ」といったように、関係性の高いものを入れると良いでしょう。
2.抽象的なワード、具体的なワードをバランスよく入れる
抽象的なワードや、具体的なワードをバランスよくタグに入れておくと、YouTube側に動画の概要を伝えることができます。ただし、抽象度の高いキーワードは競合も多いため、具体的なキーワードを織り交ぜつつ、上位表示を狙うのがおすすめ。
またタグにはビッグワードだけでなく、ミドルワード、スモールワードなども入れると効果的。例えば、中高年をペルソナに「40代からにおすすめの終身保険5選」という動画を作成する場合、「保険」というビッグワードに加えて、「見直し」「掛け捨て」「相続対策」など、細かいタグも設定しておくと、検索の取りこぼしを防げます。
3.重要なキーワードから並べる
YouTubeは動画を分析する際、前半のタグを重視すると言われています。またハッシュタグも、タイトルの上に表示されるのは3つだけなので、重要度の高い順にキーワードを設定することが大切です。
例えば、「投資の始め方」という動画であれば「投資」「始め方」「初心者」という感じで、ペルソナを踏まえたタグを前半に入れると良いでしょう。
4.同ジャンルの人気動画についているタグを使う
同ジャンルの人気動画についているタグを使うと、再生回数アップにつながります。
タグの場合は、同ジャンルで上位表示されている動画のタグを調べて、同じタグを複数入れると、関連動画に表示されやすくなります。他チャンネルの動画のタグは見られない設計になっていますが、ショートカットキーを使ってソースコードを表示させることができます。
1.タグを調べたい動画の再生ページを表示させる。
2.画面上で「Ctr+U」を押すと、ページのソースコードが表示される。
3.ソースコード画面で「CTR+F」を押すとページ内検索が表示される。
4.検索窓に「keywords」と入力すると、設定されたタグの列が表示される。
ハッシュタグの場合は説明欄を確認し、同ジャンルの人気動画についているハッシュタグを使いましょう。なぜなら、その動画に訪れたユーザーがハッシュタグを辿って、自分の動画を見つけてくれる可能性があるからです。しかし、そのチャンネル特有のハッシュタグ(チャンネル名など)を真似てしまうと、信頼を失いかねませんので、注意が必要です。
5.スペルを間違えやすいキーワードを補足する
タグは、スペルを間違えやすいキーワードを補足するのに役立ちます。YouTubeヘルプにおいても、以下の記載があります。
タグは、スペルを間違えられやすいものが動画のコンテンツである場合に役に立つことがあります。
タイトルや説明欄に入れているキーワードの中で、スペルを間違えやすいものや、複数の表現がある場合はタグで補足しましょう。例えば「小学生の子供におすすめの通信教育」という動画を作成した場合、「子ども」「こども」「小学校」「お勧め」などのタグを入れておくと、検索の取りこぼしを防げます。
引用:パーソル パ・リーグTV公式「PacificLeagueTV」
上の画像の例では、動画タイトルには「ナイスプレー」と表記し、ハッシュタグには「#好プレー」「#fineplay」と似た意味を持つ他の言葉を使用しています。
6.オリジナルのハッシュタグを使う
ハッシュタグは、オリジナルのキーワードを活用すると、ユーザーに見つけてもらいやすくなります。チャンネル独自のハッシュタグを作れば、シリーズ動画を検索したり、指名検索されたりなどのメリットがあります。
例えば「#初心者向け投資信託講座」というハッシュタグを付けておけば、クリックして過去の動画講座を視聴してもらえるかもしれません。オリジナルハッシュタグを作成して、チャンネル内の回遊率を高め、再生回数を増やしてみてはいかがでしょうか。
人気キーワードを把握する方法(無料)
YouTubeの「タグ」や「ハッシュタグ」に適した人気キーワードを調べるには、以下のような方法があります。
- YouTubeデータ分析ツールの活用
- YouTubeの「急上昇」をチェック
- Googleトレンドの活用
- SEOツールの活用
- その他SNSでリサーチ
それぞれについてご説明します。
YouTubeデータ分析ツールの活用
国内最大級のYouTubeデータ分析ツール「kamui tracker」では、国内の登録者1,000人以上のYouTubeチャンネルのデータを網羅しており、独自の分析機能を備えています。利用料は無料ですが、「チャンネルの登録者が100人以上であること」が条件となります。条件を満たした後、登録を行いましょう。
kamui trackerの代表的な機能は以下の通りです。
- チャンネル検索:指定のジャンルのチャンネルを検索して数値で比較
- 動画検索:指定のジャンルの動画をリサーチし伸びている企画を検索
- 視聴評価:伸びている動画のサムネイルやタイトルを表示
自社だけでなく、YouTube市場全体のトレンドを掴めるのが、kamui trackerの特徴です。動画マーケティングに必要な市場予測にも役立ちますので、動画活用に取り組む全ての企業におすすめです。
YouTubeの「急上昇」をチェック
YouTubeのトップ画面のメニューにある「急上昇」に表示された動画からトレンドを調べる方法です。ユーザーごとにパーソナライズされておらず、1 つの国のすべての視聴者に同じ急上昇動画のリストが表示されます。
「急上昇」には幅広い視聴者の興味を引く動画やショート動画が表示される仕組みになっており、人気アーティストの新曲や新作映画の予告編などの予測可能なトレンドもあれば、クチコミで人気が出た意外なトレンドもあります。リストは約15分間隔で更新され、常に最新のランキングに移り変わっていきます。
YouTubeヘルプによると、「急上昇」へ掲載する基準は以下の通りです。
- 視聴回数
- 動画の視聴回数の伸びの速さ(現在話題になっているか)
- 視聴された地域(YouTube 以外のソースを含む)
- 動画の新しさ
- 同じチャンネルから最近アップロードされた他の動画と比べたパフォーマンス
急上昇機能の注意点として、「最新」「音楽」「ゲーム」「映画」の4つのカテゴリーで構成されているため、エンタメ系の動画が表示される傾向が強い点を覚えておきましょう。
Googleトレンドの活用
Googleトレンドでは、Googleの検索エンジンで検索されている回数の多いキーワードを確認できます。「地域」や「期間」を絞ったトレンドキーワードの検索もできるため、YouTubeの急上昇リストよりも効率的なトレンド調査が可能です。
上の画像のようなキーワード検索もできますし、「急上昇」のタブから「毎日の検索トレンド」と「リアルタイムの検索トレンド」の確認も可能です。
SEOツールの活用
YouTubeのキーワード検索ボリュームを調べられるSEOツール、ahrefs(エイチレフス)等を活用し、ニーズを調べるのも良いでしょう。但し、ahrefsは有料になります。他の機能の活用頻度なども加味して、費用対効果を考えた上で導入しましょう。
引用:ahrefs
その他SNSの活用
その他、TwitterやInstagram、TikTokなど、YouTube以外のさまざまなSNSでトレンドをリサーチするのもよいでしょう。例えば、Twitterを使えば、ジャンルを絞って細かくトレンドを追うことが可能となります。但し、それぞれのプラットフォームの利用方法や性質、ユーザー層が異なることを理解した上で分析しましょう。
タグ・ハッシュタグの効果測定と改善法
YouTube動画にタグやハッシュタグを設定したら、アクセス解析を元にPDCAを回し、その後の成果につなげていくことが重要です。「YouTubeアナリティクス」を活用して、再生回数や視聴者維持率、インプレッションなど各種数値を確認し、改善へとつなげましょう。
以下の記事では、特に注目すべき5つの指標について、初心者向けに分かりやすく解説しています。
関連記事:YouTubeアナリティクスの見方&5つの注目指標をわかりやすく解説!
まとめ
YouTubeのタグやハッシュタグを活用すれば、再生回数のアップや認知度向上につながります。どちらもYouTubeのSEOに大きな影響を与えるものではありませんが、考えられる施策はすべて実施することが大切。ぜひ小さなことからコツコツと取り組み、チャンネル成長へとつなげていきましょう。
執筆者
岡本 祐樹
MIL株式会社 インサイドセールス マネージャー
京都大学大学院を中退した翌月にITベンチャー企業に早期就職。SaaSのグループ会社にて大手企業の新規開拓営業を経験した後、IS代行のグループ会社に異動しコンサルティングに従事。動画編集フリーランスとして独立後、インタラクティブ動画マーケティングに可能性を感じ、2021年にMIL株式会社へ入社。ISの立ち上げをミッションに、既存顧客のデータからターゲティングとアプローチを繰り返し、日々多くのお客様の課題解決に伴走している。定期的にウェビナーにも登壇。