現在、動画は幅広い分野で活用されており、ランディングページに動画を活用する企業も増えてきています。コンバージョンが重視されるランディングページにおいて、動画は成果を高める重要な要素です。この記事では、ランディングページに動画を活用するメリットと、動画の効果を高める5つのポイントを分かりやすく解説します。また、三井住友カード株式会社における「動画付きランディングぺージの成功事例」をご紹介します。
目次
ランディングぺージ(LP)に動画を活用するメリット
ランディングページは、提供する商品やサービスに対して、お問い合わせや申し込みといったアクションを促すことが目的です。ランディングぺージに動画を活用することで、以下のようなメリットが期待できます。
ランディングぺージについて詳しくは、以下記事で解説しています。
関連記事:ランディングページ(LP)とは?メリット、目的、作り方など基本をわかりやすく解説!
メリット1:情報理解を促進する
ランディングページに設置した動画には、ユーザーの理解度を向上させる効果があります。
文字だらけのコンテンツだと、読むことにストレスを感じる読者もいるかもしれません。一方、動画であれば文字をたくさん読むというストレスを与えることなく、視聴覚を通じて多くの情報を伝え、理解を促進することができます。特に金融商品や生命保険など、複雑な条件があったり、専門用語が含まれていたりして、内容の理解が難しいランディングページに動画を設置すると、理解促進の効果が高まります。
また、「視聴覚情報が入った動画コンテンツは、文字・静止画だけの記事コンテンツと比較し、学習定着率が2倍」という研究結果も出ています。アメリカ国立訓練研究所が提唱する「ラーニングピラミッド」の理論によると、文字のみのコンテンツより、動画コンテンツの方が、記憶に残る割合が2倍になるようです。
メリット2:モバイルに適している
ランディングページは情報量が多いため、縦に長いページになりがちで、モバイル端末で最後まで読むのには時間がかかります。動画であればページをスライドする必要がないので、操作の手間を減らすことができます。片手で操作することが多いモバイル端末において、動画は最適なコンテンツであり、離脱率の低下も期待できます。
メリット3:コンバージョンにつながりやすい
ランディングぺージに動画を活用すると、コンバージョンを高める効果も期待できます。文字のみの情報と比較し、動画は商品やサービスのイメージや情報を、多面的にわかりやすく伝えることができます。具体的なイメージが湧き、不安や不明点が軽減すれば、ユーザーはお問い合わせや資料請求といったネクストアクションを起こしやすい状態になり、コンバージョンにつながりやすくなるでしょう。
ランディングページ(LP)で動画効果を高める5つのポイント
ランディングページに設置した動画の効果を高めるには、以下の5つのポイントを抑えることが重要です。
ポイント1:ランディングページ(LP)内での動画の役割を決める
動画の効果を高めるには、ランディングページ内での動画の役割を決めることが重要になります。
商品やサービスに関するすべての情報を、動画のみで提供するのは難しいことです。サービス・商品の利用方法や解説などは、動画の方が効率良く伝えることができる一方、数値やスペック表などの情報は静的ページでじっくりと見られるようにしたほうが親切かもしれません。
動画で伝える情報と、静的ページで伝える情報を区別して、ページの構成を考えましょう。構成については「LP(ランディングページ)構成の鉄板とは?ファーストビュー&各要素のポイントを徹底解説!」の記事も参考にしてみてください。
ポイント2:閲覧環境に注意して制作する
ランディングページに設置する動画は、ユーザーのデバイス・閲覧環境に注意して制作する必要があります。
パソコンで視聴する場合には、字幕・テロップや画像が小さくても読むことができますが、スマホで視聴すると、視認性が悪いかもしれません。また、スマホからのアクセスが多ければ縦型動画のほうが視聴しやすいかもしれません。閲覧環境やユーザーの特性を踏まえて、最適な動画を検討しましょう。
引用:スマートフォンの動画視聴実態調査(モバーシャル株式会社)
ポイント3:適切な再生時間(尺)を設定する
ランディングページの動画は、適切な再生時間を設定することで効果が高まります。情報を詰め込み過ぎて再生時間が長すぎれば、途中で離脱されるかもしれませんし、逆に短すぎて内容が薄いと、魅力が伝わらないかもしれません。
特に動画の冒頭10秒は、意識して作り込む必要があります。アメリカのVisible Measures社の検証(※)によると、最初の10秒で20%が離脱、30秒で33%、60秒で44%、90秒の時点で50%以上が離脱しているようです。5秒でスキップできるスキッパブル広告でも冒頭の5秒は重視されているため、動画を制作する際に参考にすると良いでしょう。
引用:AdAge「WHY YOUTUBE VIEWERS HAVE ADD AND HOW TO STOP IT」
ポイント4:ページ上部に設置する
ランディングページのなるべく上部に動画を設置することで、動画の効果を高めることができます。
ランディングページの課題は、ユーザーを途中で離脱させないことです。最後まで読んでくれるかどうかは、ページを開いたときに表示されるファーストビューの印象に大きく左右されます。有益な情報が得られるか、魅力的な文章になっているか、ユーザー目線で検討しましょう。
ファーストビューに動画を設置することでの興味を惹くことができ、サービス・商品についてもっと知りたいと思わせることができます。
ポイント5:動画の近くにCTAを設置
動画の近くにCTA(Call To Action)を設置することで、コンバージョン率(CVR)を高めることができます。CTAとは「資料を請求する」「問い合わせする」など、Web上のユーザーに行動を喚起させるためのテキストや画像のことです。
動画を視聴して商品やサービスに興味を持ったユーザーは、非常に購買意欲が高くなった状態です。動画の近くにCTAがあれば、コンバージョンにつながる可能性が高まります。
また購買意欲の高いユーザーを逃さないためには、申し込みページや問合せページにつながるボタンを目立たせることが重要です。ボタンの周りに余白を設ける、ボタンの色を変える、クリックしやすいよう立体的にデザインする、などの工夫を心がけましょう。
効果的なLPの作り方について詳しくは、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:売れるLP(ランディングページ)の作り方!成果を出す5つのコツを徹底解説
CVが120%上昇!動画付きランディングぺージの成功事例(三井住友カード株式会社)
以下では、ランディングページ(LP)に動画を入れることで、CVR(コンバージョン率)が120%上昇した事例をご紹介します。
三井住友ビジネスカード for Owners(三井住友カード株式会社)
個人事業主の方向けビジネスカード「三井住友ビジネスカード for Owners」のランディングページにおいて、テキストだけでは訴求しづらいカードの特長を分かりやすく伝え、CV数を上昇させるための施策としてインタラクティブ動画(触れる動画)の埋め込みを行ったところ、CV数が120%上昇するという結果が出ました。
<動画設置後の効果>
- CV数:120%UP
- ページ平均閲覧時間:62秒
- インタラクション率(タップ・クリックの率):6.73%
- 視聴完了率:5.18%
実際の動画
ぜひタップ・クリックしながら視聴してみてください。
動画の成功ポイント
●見たい部分を視聴者が選択できる!(=適切な再生時間)
インタラクティブ動画の「ストーリー分岐機能」を用いて、視聴者自身が見たいパートを選べるつくりになっています。
⇒選択肢1:受注機会増加
⇒選択肢2:会社経理支援
⇒選択肢3:スマートな出張体験
これにより、視聴者は関心のあるパートをすぐに視聴できるので、無駄な待機時間がなく、離脱を防ぐことができます。通常の動画の場合、仮に3分の動画だとしたら、知りたい情報が動画のどの時点から始まるのかわからず、情報を待ちきれずに離脱してしまうことが多いのではないでしょうか。
●タップ・クリックすると詳細情報が表示される!(=理解促進)
分岐後の動画では、動画内のクレジットカードに、タップできるマークが付いており、マークをタップ・クリックするとポップアップ画面が表示されて、簡潔にまとめたメッセージが表示されます。
●動画から申し込みページへ直接遷移できる!(=動画内CTA)
動画内のリンクをタップ・クリックすると、三井住友カードのお申込みページへそのまま遷移できます。動画をいったん閉じてから申込ページへ移る手間が省け、カードへの興味が高まった状態で、ネクストアクションへつなげることができています。
●視聴者の興味・関心をデータで把握できる!
インタラクティブ動画では、視聴者の興味関心をデータとして取得することが可能です。当事例では、個人事業主やスタートアップ経営者は「会社経理支援」について一番興味を持っている事がわかりました。この結果を元に、次の動画クリエイティブにつなげることができます。
インタラクティブ動画(触れる動画)とは?
インタラクティブ動画(触れる動画)とは「タップ・クリックするなど、視聴者が触れる仕掛けを組み込んだ次世代型動画」です。従来「視聴のみ」で終わっていた動画の中に「仕掛け」があることで、視聴者自身が能動的に「動画を体験」できるようになります。
動画上にポップアップで情報を表示したり、選択肢を表示したりと、双方向コミュニケーションにより視聴者のエンゲージメントを高め、動画上で興味喚起からコンバージョンまでを完結します。視聴ログの分析により、動画のPDCAを回せる点も、従来型動画との大きな違いです。
特にカード会社、生命保険会社、銀行など、商品やサービスの理解が難しい業界との相性が良く、ランディングページをはじめ、SNS・広告・メルマガ等で活用が進んでいます。
関連記事:インタラクティブ動画とは?触れる動画の事例、メリット、作り方を完全解説!
まとめ
いかがでしたか?ランディングページへの動画活用は、情報理解を促進でき、モバイル視聴にも適しているため、コンバージョンにつながりやすいというメリットがあります。記事内でご紹介した5つのポイントや事例も踏まえ、ぜひ効果的に動画を活用してみてください。
執筆者
桑田 将臣
MIL株式会社 セールスグループ マネージャー
WEB系ベンチャー企業にて新規事業の立ち上げ・セールスなどを経験後、PR会社にてデジタルプロモーションの企画提案を担当。2019年3月よりMIL株式会社に入社し、現在はセールスグループの各部門を統括している。