ランディングページ(LP)を最適化する「LPO施策」に取り組む際、ターゲティング機能やABテストなどの機能を備えたLPOツールを利用することで、より効率的な改善が可能になります。
LP作成ツールの世界市場(Landing Page Builder Market)は2022年の4億9,000万米ドルから2032年には19億米ドルに成長すると予測されていることからも、LP関連市場の急速な成長度合いがわかります。しかし、多くのLPOツールが乱立するがゆえに「どのLPOツールが自社のCVR改善につながるのかわからない」という課題も発生するでしょう。
当記事では、LPOツール選定の際に着目するべきポイントを解説し、主要なLPOツールを比較検証します。自社に合ったLPOツールを検討中のマーケティング担当者は、ぜひ参考にしてください。
目次
LPOツールとは?
近年は、ユーザーと企業の接点がオフラインからオンラインへと移行しており、デジタル広告の費用対効果を改善する重要性が増しています。
LPOとは「Landing Page Optimization」の略で、日本語では「ランディングページ最適化」と訳します。LPOの目的は、Web広告などを経由してLPに訪問したユーザーの離脱率を下げ、コンバージョン率の改善を図ること。そのためにファーストビューやCTA、ページ構成などのブラッシュアップを行います。
これらのLPOを成果につなげるため、専用の「LPOツール」に注目が集まっています。LPOツールを使えば、ヒートマップによる改善箇所の可視化や、ABテスト機能によるクリエイティブの最適化などを効率的に実施できるためです。ファーストビューやCTAボタンなど、LPの構成要素をより最適なものにすれば、ユーザーのスクロール率やCTAボタンのクリック率が上がり、CVR促進が期待できるでしょう。
LPやLPOの基礎的な知識については、以下の記事でも解説しています。あわせてご参照ください。
関連記事:LPとは?ランディングページのメリット、目的、流入経路、トレンド、成功事例など基本をまるごと解説!
関連記事:LPOとは?コンバージョン率(CVR)を改善する流れ、効果的な対策のポイントを解説!
LPOツール活用のメリット・デメリット
それでは、LPOツールを活用することで、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?以下では、メリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
LPOツール活用のメリット
メリットとして、以下の点が考えられます。
- 短期間のCVR改善
- LPOのコスト最適化
- 訴求力のあるLP作成
LPOツールを使って効果改善を図る際には、LPで改善が必要な部分のみを差し替えてテストを実施するのが一般的です。LPOツールを使ってスピーディーにLPの要素改善やABテストによる効果検証ができれば、短期間でCVR改善につながるでしょう。ページ単位での大掛かりな作り直しが不要であることから、LPO施策にかかるコストの削減にもなります。
またLPOツールを使えば、LP上でユーザーがとった行動データやユーザー自身の属性情報も取得した上でのターゲティングが可能となり、より訴求力のあるLPを作成できます。
LPOツール活用のデメリット
デメリットとしては、以下の点が考えられます。
- クリエイティブの良し悪しの判断が求められる
- データ分析に関する知見も必要
LPOツールを効果的に運用するためには、自社に「高品質なクリエイティブを判断、もしくは見極められる」だけの知見を持った人材が必要でしょう。ツールを使って効果改善を図ろうとしても、そもそも「クリエイティブの良し悪し」が判断できなければ、成果にはつながりません。
LPOツール活用では、取得したユーザーの行動データから「どのようなクリエイティブが効果的か」についての仮説立ても必要です。データを「取得しただけ」ではユーザーの興味関心を捉えたクリエイティブの作成は難しいため、数値の裏側にあるユーザー心理まで読み取れる人材がいるのが望ましいでしょう。
このように、効果的に運用するにはナレッジ(知見)が必要となる点が、LPOツール活用のデメリットといえます。
CVR改善に効くLPOツールを選ぶポイント
CVRの改善を目的としてLPOツールを選定する際、注目したいポイントとしては以下の5点があります。
- 機能
- 運用・サポート体制
- 実績
- 費用対効果
- 無料トライアル
ここから、それぞれについて解説します。
機能
LPOツールを選定する際には「自社のCVR改善につながる機能があるかどうか」が第1のポイントです。一般的に、LPOツールには以下のような機能が実装されています。
ターゲティング(パーソナライズ) | ユーザーの年齢や地域といった「属性情報」や「検索キーワード」などの情報をもとに、表示されるコンテンツを切り替える機能。ユーザーの興味関心に寄り添った情報提供を行うことで、自社商材の理解を促し、コンバージョン行動を促進する。 |
---|---|
ABテスト | LPのファーストビューやCTAなどの各要素を、2パターン作成し「どちらがより優れたパフォーマンスを発揮するか」をテストする機能。より効果的なクリエイティブパターンを短期間で見つけ出す。 |
多変量テスト | 「パターンを変えた複数要素 × 複数の組み合わせ」をテストする機能。ABテスト以上にテスト母数や期間が必要なものの、多くの要素についてテストできるため、LP上の各要素のベストな組み合わせを特定するのに役立つ。 |
ヒートマップ | LP上でのユーザーの行動データを、色の濃淡で識別する機能。「ユーザーによく閲覧されている箇所」「ユーザーが離脱しやすい箇所」を可視化できるため、改善箇所の把握に役立つ。 |
実際は、各ツールで細かな仕様が異なるため、それぞれの製品ページを確認しましょう。例えば、「ABテスト機能」といっても、ツールごとに同時にテスト可能な組み合わせ数などに違いがありますので、詳細を確認しましょう。
ABテストやヒートマップについては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、合わせてお読みください。
関連記事:LP(ランディングぺージ)のABテストでコンバージョン率や離脱率を改善する方法とは?事例や効果的なやり方を解説
関連記事:Web分析に使えるヒートマップとは?導入に失敗しないための基礎知識を解説
運用・サポート体制
LPOツールを選定する際には、機能や利用価格だけでなく、提供企業のサポート体制も確認したいポイントになります。特に「自社がLPOに関する知見をあまり持っていない」「LPOツールの導入がはじめて」といったケースでは、ツールの使い方やLPの改善方法について、専門家の意見を聴くことは必須。企業によってはLPOの本格的なコンサルティングや導入企業側への研修サービスを提供してくれる場合もあるため、ツールの選定時にチェックしましょう。
実績
「どれだけのLP改善の実績があるのか」も、LPOツールを選定する際の確認ポイントです。特に、「自社と同じ業界」や「似た課題を抱える企業」のLP改善実績があれば、自社LPの課題解決にも寄与してくれると期待できます。
LPOツールの製品サイトでは「導入事例」が公開されていることが大半です。より自社が求めるLPOツールを選定するために、導入事例ページも事前にチェックし「どういったLPの、どのような課題を改善したのか」を確認しましょう。
費用対効果
LPOツール導入の目的は、CVR促進による売上増加であり「LPを改善すること」そのものではありません。LPOツールを選定する際には、導入費用と増加が期待される売上をシミュレーションし、費用対効果の高いツールを選びましょう。
一般的にLPOツールの料金体系は「月額固定費」または「従量課金制(クリック数や利用状況にあわせて都度課金)」のいずれかです。自社の活用頻度も想定しつつ、コストパフォーマンスの高さを見極めましょう。
無料トライアル
自社LPの課題を解決してくれるLPOツールを選定するためには「まずは使ってみること」も大切です。無料トライアル期間のある製品なら、コストをかけることなく使用感を確かめられますので、ツール選びで失敗する確率を下げられるでしょう。
【無料】LPOツールのオススメ2選
以下より、LPOに役立つ無料ツールについて、以下の2点を紹介します。
- Googleアナリティクス
- Googleオプティマイズ
いずれも手軽に利用をスタートできるため「まずは使ってみる」ことを意識しましょう。
(2023年8月時点の各社公式サイトをもとに、情報をご紹介します)
Googleアナリティクス
「Googleアナリティクス」はGoogleが提供している無料の解析ツールです。解析対象となるLPに流入したユーザーの年齢・性別といった「属性情報」に加え、どの広告経由でLPへ流入したのかという「流入経路」を測定できます。
LPOの初期段階では、LPのパフォーマンスを図り、改善箇所を特定することが不可欠。Googleアナリティクスは、LPOの初期段階における効果測定に役立ちます。
さらに、Googleアナリティクスでは「Googleアナリティクスリマーケティング」と呼ばれる、広告出稿のターゲティング機能も利用可能。リマーケティング機能では、Googleアナリティクスのデータを利用して「自社ホームページを訪問したことがあるユーザー」「特定のページに10秒以上滞在したユーザー」といったターゲティングによる広告出稿ができます。
Googleアナリティクスは無料ツールであるため、あらゆる企業で活用されています。なお、現在はUA(ユニーバーサル・アナリティクス)と呼ばれるバージョンが主流ですが、こちらは2023年7月に計測が終了します。最新バージョンはGA4(Googleアナリティクス 4プロパティ)版となるため、UA版からの移行が必須です。
ABテスト | ◯ |
---|---|
ターゲティング | ◯(行動ターゲティング) |
多変量テスト | ◯(最大16の組み合わせが可能) |
ヒートマップ | × |
無料トライアル | ー |
サポート体制 | チャットによるサポート+コンサルタントの伴走支援 |
実績 | 世界2,810万のWebサイトで導入 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://analytics.google.com/analytics/web/provision/?hl=ja#/provision |
Googleオプティマイズ
同じくGoogleが提供している無料のABテストツールが「Googleオプティマイズ」です。Googleオプティマイズでは、Googleアナリティクスで取得したデータを基にABテストや多変量テストを実施可能。無料版でも最大16の組み合わせまでテストができ、LPOに役立てられます。
引用:Googleオプティマイズ
ほかにも、LPのクリエイティブパターンを手軽に変更できる「ビジュアルエディタ」や行動・地域データによる「ターゲティング機能」もあるのが特徴です。
多くの企業に使われてきたGoogleオプティマイズですが、2023年9月30日でサポートが終了します。GA4版のGoogleアナリティクスには、ABテストの機能も実装されていますので、長期的に利用したい場合は、GA4版のGoogleアナリティクスを利用しましょう。
ABテスト | ◯ |
---|---|
ターゲティング | ◯(行動ターゲティング、地域ターゲティングなど) |
多変量テスト | (最大16の組み合わせが可能) |
ヒートマップ | ◯ |
無料トライアル | ー |
サポート体制 | ヘルプセンターとユーザーコミュニティ |
実績 | 28万ドメインへの調査では、59%がGoogleオプティマイズを使用 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/optimize/features/ |
【有料】LPOツールのオススメ6選
ここからは、LPOに効果的な有料ツール6点について解説します。
- DLPO
- Optimizely
- Visual Website Optimizer
- KAIZEN UX
- SiTest
- Ptengine
「各ツールのどのような機能が、どうCVR改善に貢献するのか」について把握し、自社に合ったツールを見つけましょう。
(2023年8月時点の各社公式サイトをもとに、情報をご紹介します)
DLPO|万全のサポート体制で初心者も安心
「DLPO」はDLPO株式会社が2005年から提供を開始した、日本初のLPOツールです。DLPOにはABテストや多変量テスト、パーソナライズ機能といった、LPOに必要な主要機能がひと通り実装されています。
引用:DLPO
DLPOを使ったABテスト・多変量テストでは「流入元」「アクセス環境」「1st Partyデータ(例:会員属性や購入情報など)」「3rd Partyデータ(例:年齢や性別、職種など)」に応じて、パーソナライズされたコンテンツの配信設定が可能。テスト途中の結果から、CVRの良くないページは自動的に配信停止される「自動最適化機能」もあるため、より早く効果的なLPを導き出し、テスト実施中にコンバージョン率の改善につなげられます。
さらに「LPOコンサルティング」「LPO代行」などのDLPO株式会社側によるサポート体制も充実。無料トライアルもありますので「有料のLPOツール導入を検討しているけど、ノウハウがないので手厚くサポートしてほしい」という企業におすすめです。
ABテスト | ◯ |
---|---|
ターゲティング | ◯(行動ターゲティング、流入元ターゲティング、アクセス環境ターゲティング) |
多変量テスト | ◯(最大100の組み合わせが可能) |
ヒートマップ | × |
無料トライアル | × |
サポート体制 | ツール設定のサポート・代行、LPOコンサルティング |
実績 | 国内800社で導入。「美容・健康食品業界」「教育業界」といったさまざまな業種で利用 |
料金 | 初期費用20万円、月額費用10万円~ |
公式サイト | https://dlpo.jp/ |
Optimizely | パーソナライズやABテストに定評あり
「Optimizely」は英Optimizely社製のLPOツールで、パーソナライズ機能やABテスト機能を備えています。
引用:Optimizely
Optimizelyを使ったパーソナライズでは、広告キャンペーン、地域、Cookie、またはその他のさまざまな切り口で細かくターゲティング設定が可能。テストページはソースコードを変更せずに簡単に作成できるため、短期間でさまざまLPのクリエイティブをテストし、CVR向上に貢献するパターンを見つけられます。
「リソース不足でなかなかABテストを実施できなかった」という企業にとっては、有用なツールといえるでしょう。日本では、2016年から業務提携を結んでいる株式会社ギャプライズが代理店となっており、日本法人のサポートを受けながら安心して利用ができます。
ABテスト | ◯ |
---|---|
ターゲティング | ◯(行動ターゲティング、地域ターゲティングなど) |
多変量テスト | ◯ |
ヒートマップ | × |
無料トライアル | × |
サポート体制 | 日本の代理店による導入サポート |
実績 | 世界で8,000以上の導入実績、日本企業の導入実績も多数 |
料金 | 要問い合わせ |
公式サイト | https://www.optimizely.com/ |
Visual Website Optimizer | ユーザーアクションをもとに迅速に改善
「Visual Website Optimizer」は印Wingify社の提供するプロダクトで、ABテスト、多変量テスト、ヒートマップ機能が含まれています。
引用:Visual Website Optimizer
Visual Website Optimizerは、ヒートマップを使って「訪問ユーザーが使うLP上でのマウスの動き」「実際のLP内での滞在時間を色で分けて表現」などのユーザー行動の明確化が可能。ユーザーニーズについて仮説を立てた上で、よりコンバージョンを促進させるLPの各要素を見つけるためのABテストや多変量テストを実施できます。
さらに、Visual Website Optimizerではビジュアルエディターの組み込み機能を利用すれば、テキストや画像、背景色といった各要素を簡単に入れ替えることが可能。専門知識がなくても、スピーディにLPOの検証→改善のサイクルを回し、コンバージョンを促進できるでしょう。
日本では「株式会社アッション」が、公式代理店としてVisual Website Optimizer導入をサポートしています。「LP上でユーザーがとった行動を元に、早いサイクルで効果改善につなげたい」というスピードを重視する企業におすすめのツールです。
ABテスト | ◯ |
---|---|
ターゲティング | ◯(行動ターゲティング) |
多変量テスト | ◯(最大16の組み合わせが可能) |
ヒートマップ | ◯ |
無料トライアル | ◯(最大5万セッション/月まで) |
サポート体制 | 日本の代理店による導入サポート |
実績 | 90カ国で2,500以上のブランドが導入 |
料金 | 要問い合わせ |
公式サイト | https://vwo.com/ |
KAIZEN UX | 豊富なUX改善機能でCVRを改善
「KAIZEN UX」は株式会社Kaizen Platformが提供するツールで、LPのUX改善に役立つ機能を多数備えています。例えば「流入経路毎に異なるLPファーストビューの出し分け」「ユーザーごとのマイページでパーソナライズされたコンテンツを表示したクロスセルの促進」などです。
引用:KAIZEN UX
ユーザー属性や閲覧・購入履歴に応じてコンテンツを出し分けできるため、ユーザーニーズを捉えた訴求を通じて、LPのCVR最大化が可能。KAIZEN UXは、ユーザーごとのリピート率が重要な商材(例:コスメ用品や健康食材など)を扱う企業に特に適しているでしょう。
ABテスト | ◯ |
---|---|
ターゲティング | ◯(行動ターゲティング) |
多変量テスト | ◯ |
ヒートマップ | × |
無料トライアル | × |
サポート体制 | 専門人材の伴走支援 |
実績 | 導入1,000社以上 |
料金 | 要問い合わせ |
公式サイト | https://kaizenplatform.com/ux |
SiTest | LP上のユーザー行動の録画など、ユーザーニーズの分析機能が充実
「SiTest」は株式会社グラッドキューブが提供するLPOツールで、ユーザーの行動データ解析を基にしたLPの効果改善が可能です。
引用:SiTest
SiTest を活用したLPOでは、ヒートマップ解析などを用いた「定性データ」に加え、Google アナリティクスと連携することで「定量データ」の取得ができます。さらに、LP訪問ユーザーの行動をすべてリプレイする「録画再生機能」もあるため、クリックやスクロール、マウスポインターの動きについて詳しく把握できる点が特徴です。
得られた行動データからユーザーニーズの仮説を立てれば、より精度の高いABテストを行えるでしょう。ユーザーの属性・情報などの条件を設定したパーソナライズ機能も活用することで、LP上のコンバージョン促進につながるクリエイティブパターンを見つけられます。
LPO上のユーザー行動を詳しく把握できるSiTestは、高単価商材や複雑な情報提供が必要な商材に適しています。
またパーソナライズ機能があるため、パーソナライズ化粧品やスクール系ビジネスなど、ユーザーごとにニーズが異なる商材のLPにも効果を発揮するでしょう。
ABテスト | ◯ |
---|---|
ターゲティング | ◯(行動ターゲティング、属性ターゲティング) |
多変量テスト | ◯ |
ヒートマップ | ◯ |
無料トライアル | ◯ |
サポート体制 | 導入前後のチャットによるサポート、ヘルプセンター。コンサルタントの伴走支援 |
実績 | アジア圏での導入70万社以上 |
料金 | 要問い合わせ |
公式サイト | https://sitest.jp/ |
Ptengine
「Ptengine」は株式会社Ptmindが提供するプラットフォームで、1つのタグをサイトに設置するだけで、「直感的な分析」と「直感的なLPの最適化」を実現します。
引用:Ptengine
Ptengineは目的や機能に応じて、以下のように3種類のプロダクトに分割されているのが特徴です。
- Ptengine Insight
- Ptengine Experience
- Ptengine Datadeck
Ptengine Insightは「ユーザー行動」を可視化するプロダクト。LP上でユーザーがとった行動をトラッキングして、LPのトラフィック分析やヒートマップによる行動分析を行えます。LPOで必要な「改善箇所」の可視化に役立つでしょう。
Ptengine Experienceは、ユーザーのLP上における体験価値を最大化するためのプロダクトです。ページ改修やABテスト、Web接客システム、パーソナライズ機能を使ってLPOを実施し、コンバージョンを促進します
Ptengine Datadeckは、自社のデータベースにあるデータ、さまざまな外部サービスのデータを統合し、リアルタイムで処理、分析、視覚化します。ユーザーの訪問からクリック、購入完了、継続利用に至るまでのビッグデータをリアルタイム計測することで、各ユーザーの属性情報や行動データを詳細に把握可能。自社のカスタマージャーニー全体を視覚化できるため、LPOで改善するべき箇所を正確に見定められます。
ABテスト | ◯ |
---|---|
ターゲティング | ◯(行動ターゲティング、属性ターゲティング) |
多変量テスト | × |
ヒートマップ | ◯ |
無料トライアル | ◯ |
サポート体制 | チャットや電話によるサポート、専属カスタマーサクセス担当(※Premium版のみ) |
実績 | 世界180ヶ国、20万人以上のユーザーにサービスを提供 |
料金 | Ptengine Insight 4,980円/月〜 Ptengine Experience 7,980円/月〜 Ptengine Datadeck 9,980円/月〜 |
公式サイト | https://www.ptengine.jp/ |
LPOツール比較表
LPOツール導入では解決できない課題とその対応策
LPの最適化で大いに役立つLPOツールですが、ツールの導入では解決できない課題があります。LPOツールの導入が不向きなのは、以下のようなケースです。
- サイト流入が少ない場合
- サイト上での接客が必要な場合
では代わりにどういった対策をとれば良いのかについて、次項より解説します。
サイト流入が少ない場合
そもそも、肝心の測定対象となるLPへの訪問者数が少なすぎると、費用をかけてページ内容を最適化したとしても、十分なコンバージョン数は得られないでしょう。LPOで効果改善を図る際には月間2,000PVほど必要といわれています。流入数が少ない状態でLPOツールを導入しても大きな効果は得られないため、まずは「流入を増やす施策」を優先する必要があります。
LPの流入経路は「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」「記事広告」など。各広告媒体は、閲覧ユーザーの心理状態も異なります。例えば、検索結果に対して表示されるリスティング広告からLPへ流入するユーザーは課題が顕在化しているため購買意欲が高いのに対し、ディスプレイ広告から流入するユーザーは自身でもニーズを自覚していない「潜在層」であるのが特徴です。
「各媒体のユーザー特徴を捉えたクリエイティブ改善」や「広告媒体選定の最適化」を行い、ユーザー獲得数アップを目指しましょう。
一人ひとりに合わせた情報提供が必要な場合
ユーザーごとにお悩みやニーズの異なる商材や、バリエーションが多く自分に最適なものを見つけづらい商材の場合、顧客ニーズに即した情報提供が必要になりますが、LPOツールでのパーソナライズには限界があります。
一人ひとりに向けて、最適な情報を提供するには「LP上の顧客コミュニケーション」が効果を発揮します。
具体的にはユーザーの疑問に迅速に回答する「チャットボット」、行動履歴に応じた興味がありそうな情報を提供する「ポップアップ」、自身の回答をもとに最適な情報を案内する「診断コンテンツ」などがあります。また自身の気になる項目をタップ・クリックして選択できる「インタラクティブ動画」を活用すれば、ユーザーのアクションを元にした最適な情報提供が可能になります。
一人ひとりに合わせた複雑な情報提供が必要な商材のLPでは、LPOツールの導入だけでなく、こうしたコミュニケーション施策や必要なツールの併用を検討すると良いでしょう。コミュニケーション施策は、ユーザーのお悩みやニーズなどの「本音」をデータとして取得できる点もメリットです。ユーザーニーズをLPのコンテンツや構成にも反映し、より効果的なLPへと成長させていきましょう。
関連記事:インタラクティブ動画とは?触れる動画の事例、メリット、作り方を完全解説!
まとめ
すでに流入を獲得できているものの、LPのパフォーマンスを最適化できていないと感じる場合は、LPOツールの導入が推奨されます。LPOツールを使えば「LPの改善箇所の可視化」「ABテスト」などの機能を使った、短期間でのCVR改善が可能です。無料・有料を含めLPOに役立つツールはさまざまな企業が提供しているため、選定時には「自社が求める機能があるかどうか」「運用・サポート体制」「実績」「費用対効果」「無料トライアルの有無」を確認しましょう。
ただし「LPへの流入がそもそも少ない」「多くの説明を必要とする商材で、LP上での顧客コミュニケーションが必要」といったケースでは、LPOツールを導入したとしてもコンバージョンの最大化は困難です。これらの課題がある場合は、流入増を図る施策を実施したり、新たなコミュニケーション施策を検討すると良いでしょう。自社の特徴に合わせたLPOを検討してみてください。
執筆者
黒谷 純子
MIL株式会社 マーケティング
大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841