LTV(ライフタイムバリュー)を最大化するには?5つの方法とメリットをわかりやすく解説

LTVとは、Life Time Value(ライフタイムバリュー)の略で日本語では「顧客生涯価値」と訳され、マーケティング施策を検討する際に使われる指標です。顧客が、ある企業の商品を何度か購入し、買わなくなるまでの間に、企業にどれだけ価値をもたらすかを表します。LTVを最大限まで高めることは企業に大きなメリットをもたらすため、近年この指標が注目されています。

当記事では、LTVの最大化がどのようなメリットをもたらしてくれるのか、またLTVを最大化する方法についてわかりやすく解説しました。LTVの最大化を検討中のマーケティングご担当者様に、ぜひお読みいただければ幸いです。

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LTV最大化のメリット

現在、市場が成熟してさまざまな製品があふれ、私たちの生活はどんどん便利になっています。しかし、企業の立場からみると、競合するライバルが多く、顧客に新規の需要を喚起することが難しくなりつつあります。さらに、少子高齢化による人口減少で、新規顧客の獲得はさらに困難になりつつあります。2006年に1億2,774万人でピークに達した後は、人口減少段階に入っています。

人口の推移
引用:内閣府ホームページ「総人口の推移(中位推計)」

このように新規顧客の獲得が従来よりも難しくなっている現在、新規顧客の獲得コストは、既存顧客と関係を維持することによって同じ収益を得る場合と比べ、一般的には5倍かかり、マーケティングにおいては「1:5の法則」と呼ばれています。
1:5の法則

既存顧客のリピート率の向上や離脱率の低下を図ることで、効率よく収益を生むことができる点が、LTV最大化に取り組む大きなメリットであり、各社が注力しています。

関連記事:LTV【ライフタイムバリュー】とは?注目される背景や計算式、活用法までわかりやすく解説

LTVを最大化する5つの方法

それでは、LTVを最大化するためには、どうすればよいのでしょうか。

LTVは、一般的に以下の計算式で算出します。

LTV=【顧客単価】×【粗利率】×【購買頻度】×【取引期間】-【顧客の獲得・維持コスト】

この一つひとつの要素を改善していけば、LTVの数値を最大化することができます。
具体的には以下の5つの方法です。

  • 顧客単価を上げる
  • 粗利率を上げる
  • 購買頻度を上げる
  • 取引期間を延ばす
  • 顧客の獲得・維持コストを下げる

まずは自社の状況を分析し、改善によるインパクトの大きい要素から重点的に改善していくとよいでしょう。以下では、それぞれの方法について具体的にご説明していきます。

【方法1】顧客単価を上げる

1つ目は、顧客単価を上げる方法です。

顧客単価(顧客が1回の購買時に支払う平均額)を上げる方法として、3点をご紹介します。

  • 商品・サービス価格の見直し
  • アップセル
  • クロスセル

1つずつ詳しく見ていきましょう。

商品・サービス価格の見直し

顧客単価を上げる1つ目の方法が、商品・サービス価格の見直しです。

見直しの結果、値上げできそうな商品については値上げを行います。しかし、単に値上げを行うだけでは、顧客に不安を抱かせてしまい、かえって解約や離脱につながりかねません。
例えば、値上げとともに以下のような施策を行うことで、顧客離れを防ぎます。

・新しい価格となってどこが変わったのか、顧客にとっての付加価値をわかりやすく説明する。
・既存顧客には、値上げを待つ期間を作り、先行者利益を与える。
・力を入れたい商品をメインとして設定し、それより上位価格・下位価格の商品を用意して、松・竹・梅のような商品ラインナップにする。

こうした価格の見直しにより、顧客の単価を上げます。

アップセル

アップセル(up sell)とは、さらに上位となる商品・サービスの購入を提案することです。例えば、クレジットカードであれば、付帯サービスが多く、カードの色などのランクが高いカードを提案するものです。
このときに、顧客にとってなぜそれがより良い選択なのか、どのような価値をもたらすのかを明確に説明できると、提案を受け入れてもらいやすくなります。

上位となる商品・サービスを購入いただくことにより、顧客の単価を上げます。

クロスセル

クロスセル(cross sell)とは、関連商品・サービスの購入を提案することをいいます。例えば、保険であれば、生命保険の加入時に、自転車保険など他の保険の付帯もすすめることがあるでしょう。その他、ECサイトであれば、顧客の購入履歴や閲覧履歴に基づいて関連商品の同時購入をおすすめしたり、他の顧客が同時購入している関連商品をおすすめしたりするのもクロスセルです。

関連商品・サービスを合わせて購入いただくことにより、顧客の単価を上げます。

【方法2】粗利率を上げる

2つ目は、粗利率を上げる方法です。

粗利率は、一般的には以下の計算式で算出します。

粗利率=利益(売上 - 原価・コスト)÷売上

つまり、粗利率を上げるということは「売上を上げて、原価・コストを下げる」ことです。

ただし、コストを落とすことで商品やサービスの質が低下してしまうと、かえって顧客は不満を感じ、離脱率の上昇や購買頻度の低下につながってしまいます。人手の代わりにツールで自動化する、仕入れの方法を見直す、商品の種類を絞るなど様々な方法を検討し、コストは注意深く見直す必要があります。

【方法3】購買頻度を上げる

3つ目は、購買頻度を上げる方法です。

購買頻度を上げるためには、顧客とのコミュニケーションを増やし、商品・サービスの利用を促進することが有効です。さまざまな情報を目にしてもらい、商品や会社名、ブランド名を思い出してもらうように努めます。また必ず「顧客のメリット」になる情報を盛り込みましょう。顧客の購買頻度をコントロールするのは難しいかもしれませんが、複数の施策を実施し、PDCAサイクルを回しながらチャレンジしていきましょう。

<顧客とのコミュニケーションの例>
例えば、以下のような施策をメール・DM・アプリなどでアナウンスして、利用・購買を促します。
・期間限定キャンペーン
・バースデー特典
・ポイント制度の導入
・新商品のお知らせ/サービスのバージョンアップ
・イベント・セミナーのお知らせ
・顧客の利便性向上(商品購入やサービス利用の時間帯や場所の増加など)

【方法4】取引期間を延ばす

4つ目は、取引期間を延ばす方法です。

これは、商品やサービスの契約期間を延ばすもので、コストをあまりかけずに行うことができるものです。また、購買頻度とは違って、コントロールしやすいのが特徴です。顧客に価値を感じてもらい、最終的には顧客ロイヤリティを高める(愛着をもち、ファンになってもらう)ように、期間延長とともに取引の魅力がアップすることを周知しましょう。

顧客ロイヤルティを高める具体的な方法については、後の章で説明します。

【方法5】顧客の獲得・維持コストを下げる

5つ目は、顧客の獲得・維持コストを下げる方法です。具体的には、以下の2つのやり方があります。

  • 広告配信の最適化
  • 顧客単価に応じたアプローチ

どのような方法なのか、一つずつご説明します。

広告配信の最適化

広告配信の最適化とは、広告により注文や申込などの獲得ができたか、つまりコンバージョン率(Conversion Rate、CVR)の良い状態に整えることを指します。このCVRを改善するためには、以下のような方法があります。顧客の立場に立って、広告から購買までの道筋を見直し、ボトルネックになっている箇所を改善しましょう。

<広告配信最適化の例>
・広告のターゲットを絞り込む
・広告媒体を見直す
・広告内容を改善し、目を引くものにする(キャッチコピー/デザイン)
・広告からの導線を見直す
・ランディングページを見直し、CTA(Call To Action)をより明確にする

顧客単価に応じたアプローチ

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した「パレートの法則」によると、物事を構成する中の8割は、全体を構成する2割の少数の要素が生み出しています。

これをマーケティングに応用すると、2割のロイヤルカスタマーが売上の8割を占めていると言えます。

こういった顧客単価の高い顧客に手厚いアプローチを行うと、大きな成果に結び付く可能性が高く、最も重点的にフォローをすべき対象です。一方で、顧客単価が向上する見込みのない顧客については特別な販促を行わないなど、費用対効果を考えてメリハリのあるアプローチを行うことで、コスト削減につながります。
パレートの法則

LTV最大化の共通の鍵は「顧客ロイヤルティ」

LTVを最大化する5つの方法をご紹介しましたが、いずれにも共通して重要になるのは、顧客ロイヤルティを上げることです。顧客ロイヤルティが高いとは、顧客が企業や商品・サービスについて愛着や信頼感を持ち、ファンになっている状態を指します。

顧客ロイヤルティの高い顧客は、「資産運用のことなら〇〇銀行に相談する」というように商品・サービスを継続的に購買してくれ、リピート率が高い傾向にあります。単に顧客満足度が高いだけでなく、家族や友人など周囲の人にも熱心に商品をすすめたり、SNSで発信をしたりと、販促コストをかけなくても宣伝効果をもたらしてくれます。

そのような顧客ロイヤルティを高める方法は、最高の顧客体験(CX=Customer Experience)を提供することです。

「顧客体験(CX)」とは、顧客が商品・サービスに興味を持った段階から、検討を経て購入し、使用して、購入後のアフターサービスを受けるまでの、全ての体験のことを指します。以下では、CX向上のための具体策を4点ご紹介します。

CX向上のための具体策

カスタマージャーニーマップを作る

商品との出会いから購入後までの全てのフェーズにおいて、顧客の満足度を高めてファンになってもらうことが、継続利用の鍵となります。商品・サービスの質が良いことは大前提であり、さらに顧客の期待値を上回るような高揚感を感じさせることが重要です。

CX向上の施策を考える際には、まずカスタマージャーニーマップを作り、顧客との接点(タッチポイント)を全て洗い出します。接点それぞれで顧客がどう感じるか、もっとファン化できるかを検討し、課題があれば改善策を打ち出していきます。このきめ細やかな見直しの積み重ねによって、CXを向上させていくことができます。

関連記事:【3分でわかる!】カスタマージャーニーとは?カスタマージャーニーマップのメリット・活用法を徹底解説

顧客との良好な関係構築

CXを高めるために、顧客との良好な関係を構築しましょう。

商品・サービスを利用した顧客に、アフターフォローをしっかり行います。例えば、メッセージを送り、商品の効果的な使用方法や購入した人だけのお得な情報を提供します。メルマガやSNS、DMなどさまざまな媒体を用いて、継続的なアプローチを行い、適切な接触頻度を保っていきましょう。

CRMツールを活用する

顧客との良好な関係を構築する土台として、CRM(Customer Relationship Management)ツールを活用しましょう。CRMにより、顧客の属性情報や購入履歴、問い合わせやアンケートの履歴といった顧客データを一元管理して、顧客がいつどこで何を必要とするかを予測してアプローチする流れが実現します。

CRMを用いると、顧客をフォローするタイミングや、適切なフォロー内容をできるだけ正確に把握できるため、顧客にとって最適なタイミングでアプローチすることが可能になります。

離れられない仕組みを作る

サービスを何度も利用したり、商品を頻繁に購入してくれたりする優良顧客に、企業が特典を与えるマーケティング施策のことを、ロイヤルティプログラムといいます。このプログラムの内容を魅力的なものにして、2回、3回と、顧客が継続してサービスを利用したくなるようにします。

例えば、投資商品の額を増やすたびに手数料を割り引いたり、ステージの高い会員しか利用できないサービスを用意したりするなど、ターゲットとなる顧客が一番喜ぶこと、顧客の役に立つことを提供します。この他にも、ポイントやマイル、グループ会社内の優待サービス、決済方法を一元化してもらうなどの仕組みを導入することで、「このサービスを離れられず、気づいたら何十年も利用している」という顧客を増やしていきましょう。

まとめ

LTV(ライフタイムバリュー)の数値を最大化させるメリットとその方法について解説しました。新規顧客の獲得は既存顧客の5倍のコストがかかるため、LTVを最大化すると経営効率が良くなるメリットがあります。

LTV最大化には、顧客ロイヤリティを高めることがポイントです。商品・サービスの質が良いだけでなく、購入に際する体験が魅力的で、また購入するほどメリットがあれば、顧客は企業や商品のファンとなり顧客ロイヤルティが高まります。そのために、CRMツールなどを使いながら、適切なタイミング・内容で顧客とコミュニケーションを図り、より顧客に喜ばれる商品・サービスや顧客体験を提供していきましょう。

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執筆者
黒谷 純子

MIL株式会社 マーケティング

大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841

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