メルマガの効果は「開封率」次第で決まるといっても過言ではありません。当記事では開封率の計算式と業界別の開封率平均値、開封率を上げるための7つのテクニックをまとめました。開封率を上げて、メルマガの成果につなげましょう。
メルマガの開封率とは?~計算式と測定方法~
メルマガは読者に届いて読まれてこそ、効果を発揮します。メルマガの読者数を増やすと同時に開封率を高めることで、クリック率の増加、ひいてはコンバージョンの向上につながります。
メルマガ開封率の計算式
まず最初に「開封率」の算出方法を確認しましょう。メルマガの開封率は、全配信数からエラーで届かなかったものを除いた数に対して、どれだけの方に開封されたかで算出します。
例えば、全配信数1,010件のうちエラーが10件の場合、届いたものは1,000件。
そのうち開封が150件であれば、開封率は15%となります。
開封率の測定方法
簡単なのは、開封率を測定することができるメール配信システムを利用して、HTML形式で配信する方法です。配信システムを使わない場合、計測用のタグを埋め込んでHTML形式で配信します。
メルマガ開封率の平均値(業界別)
「平均的な開封率ってどれくらいなの?」と、多くの方が関心をお持ちです。業界やメルマガ読者との関係性、配信対象者の属性などによってバラつきがあり、一概に言えないのが現状ですが、多くの調査データでは10〜20%程度と発表されています。
2022年度メルマガ開封率の業界率平均値(抜粋)
以下では、米国発のメール配信システム会社・Benchmark社のレポートから抜粋して、開封率の平均値をご紹介します。Benchmark社のプラットフォームで送信された、約1万のユーザー・15の業種・世界22の国と地域の電子メールを分析した内容になります(2022年1月時点)。
※開封率の平均値は、業界ごとに大きく異なります。また送信対象者の条件等は企業によって異なるため、あくまでも参考値として捉え、効果検証には自社の過去数値と比較することをおすすめします。
全体の平均 | 23.13% |
---|---|
教育 | 29.02% |
小売/消費サービス | 27.29% |
観光/エンターテイメント/ホスピタリティ | 26.86% |
建設・建築 | 26.00% |
医療 | 25.92% |
テクノロジー/通信 | 25.33% |
不動産 | 25.23% |
ファイナンス | 23.16% |
広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン | 21.94% |
製造/物流/エンジニアリング | 20.49% |
日用消費財 | 20% |
ウェルネス&フィットネス | 19.2% |
レストラン・フード&ビバレッジ | 18.5% |
出典:Benchmark「平均メール開封率・クリック率レポート (2022年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報」
開封率以外のメルマガ指標(KPI)
メルマガの効果測定を行う際には、開封率以外の指標も合わせて分析します。配信目的も考慮しながら、どの数値を改善すべきなのか、関係者で話し合って認識を合わせておくと良いでしょう。
エラー数(エラー率) | 全配信数に対して、届かなかったメールの数(率) ⇒アドレスが間違っている、などの原因が考えられる |
---|---|
クリック数(クリック率) | メルマガに記載したURLが何人にクリックされたか(率) |
コンバージョン数(コンバージョン率) | クリックされた先で、購入・問合せ・資料請求など 目的の行動をとった人が何人いたか(率) |
配信登録数 | メルマガの新規登録者数 |
配信解除数 | メルマガの解除数者数 |
「メルマガの平均クリック率」や「クリック率を上げる7つの方法」についてはこちらの記事でご紹介しています。
メルマガ開封率を上げる7つのテクニック
以下では開封率を上げるテクニックを7点ご紹介します。
- タイトルを工夫する
- セグメント配信と宛名の差し込みで特別感を演出する
- 送信元名を工夫する
- プリヘッダーを工夫する
- 配信時間や配信頻度を見直す
- 迷惑メール判定を避ける
- 動画コンテンツを活用する
それぞれについて、詳しく解説していきます。
1:タイトルを工夫する
引用:Benchmark Japan「日本のメールマガジン購読状況調査 2021年度版」
上記調査によると「メルマガを開く、開かないの判断に最も影響するところはどこですか?」の設問に対し、「件名タイトル」が1位に選ばれています。つまり、日々多くのメールが届くメールボックスの中で、いかに目に止まるタイトルを付けられるかが、開封率を左右するのです。
●最初の15文字に重要な文字を盛り込む
:BtoCのメルマガでは特にスマホで読む方が増えており、スマホでの表示文字数(15文字程度)に考慮する必要があります。またBtoBにおいても、メール画面を分割表示する人もいるため、やはり前半に重要な文字を入れることが重要です。
●目に止まりやすいパワーフレーズ・数字を入れる
:【本日23:59まで】「10月限定キャンペーン!」「●●限定」「新着」「プレゼント」など、今すぐに開封したくなるようなフレーズや数字を使い、開封意欲を高めます。
●記号・装飾などで目立たせる
:文字以外に記号が入っていると、受信ボックスの中で目立ち、目を惹きます
タイトルについては、「開封率を上げる!メルマガタイトル(件名)のコツ【事例・フレーズ付】」の記事も合わせてお読みください。
2:セグメント配信&宛名差し込みで特別感を演出する
読者との距離を縮める手法として効果的なのが、一定の条件に該当するお客様のみを抽出し、特別に配信を行う、セグメント配信です。
誕生日や節目の年齡、男性、女性、居住地域、特定商品の購入者などで対象者を絞り、「来月お誕生日を迎えるお客様だけの特別なご案内」というようなタイトルで配信します。
さらに「山田様を特別セミナーにご招待します」といったように、タイトルに個人名を差し込んで配信することで、一斉配信のメールであっても「自分だけに届いた特別なメッセージ」と読者に捉えていただけるため、開封率が高まります。
3:Fromアドレスに送信元名を設定する
送信元名の設定にも気を配りましょう。Fromアドレスに名前を設定しないままメルマガを送ると、送信元アドレスの部分に、メールアドレスがそのまま表示されます。Fromアドレスには自社の社名やサービス名を設定し、一目で分かるようにしましょう。
また内容によっては、社名に加えて「担当者名」を設定するのもおすすめです。一斉送信のメールではありますが、担当者個人から届いたようなパーソナル感をを演出でき、開封率アップも期待できます。
4:プリヘッダーを工夫する
プリヘッダーとは、メールの受信画面で数行表示されるテキストのことです。数多く届くメールの中から、開封する価値のある内容かどうかを判断するために、プリヘッダーテキストはとても重要な役割を持っています。
プリヘッダーを工夫してタイトルでは言い足りない内容を補完し、読者の興味を惹くことができます。特にモバイルの場合、件名よりもプリヘッダーの方が文字数が多く設定されていますので、スマホでの開封率アップを目指す場合は「プリヘッダー」を特に意識して、タイトルと同様に関心を惹く文章を作成しましょう。
5:配信時間や配信頻度を見直す
配信する曜日、時間帯、そして配信頻度も開封率に影響する重要な要素です。効果的な配信タイミングを設定するには、御社の商品・サービスの特性に加えて、読者のライフスタイルを把握しておく必要があります。
例えば、少し時間をかけて検討いただきたい金融商品や生命保険などの情報提供の場合は、家族と相談できる時間帯やゆっくり過ごせる週末に合わせて、金曜の夕方や土曜に週1回配信するなど、主要ターゲットとなる読者のライフスタイルを考え、開封してもらえそうな時間を狙うと効果的です。
配信時間については、主婦向けなら子どもが学校に行っている時間帯、会社員向けなら朝や夕方の通勤時や週末といったように、ターゲット属性の行動パターンに合わせて検討することをおすすめします。
開封率を上げるために、曜日や時間帯を変えたり、配信数を2つに分けたりしてABテストを行うなど、改善を図りましょう。
6:迷惑メール判定を避ける
開封率を下げる一因として「迷惑メール」への判定も考えられます。メールツールの多くには迷惑メールフィルタの機能があり、迷惑メールとして判定されると自動的に迷惑メールボックスに振り分けられてしまい、読者の目に触れることがありません。
迷惑メール判定を避けるには、スパムと認識されるような内容を送らないことが重要です。
具体的には以下のような点に気を付けましょう。
・迷惑メール業者がよく使うような、煽りの単語・表現が多い
・配信リスト内に無効なメールアドレスが多すぎる(送信エラーの繰り返し)
・スパムと誤解されるような配信動作
・信頼性の低いサイトのURLが記載されている
・件名や本文が空欄 他
7:動画コンテンツを活用し、期待感を高める
HTML形式のメールが主流になっている中、動画をメルマガに活用する企業も増えてきています。例えば金融商品のご案内や、保険加入の手続きといった、文字だけでは理解が難しいような内容も、動画であれば視聴覚情報付きで分かりやすく伝えることができ、動画入りのリッチなコンテンツは他社との差別化にもつながります。
動画を活用する場合、タイトルに「動画付」や「動画で分かりやすく解説」などのフレーズを入れると目に留まりやすくなります。またパソコンの場合、画面を分割表示している人も多いため、「メルマガのプレビュー」上で読者の目に留まるよう、なるべく上の位置に動画を入れることをおすすめします。
メルマガへ動画を埋め込む方法については、以下の記事でご紹介していますので、合わせてお読みください。
関連記事:メルマガへの動画の埋め込み方法4選!動画効果とトレンドの動画手法もご紹介!
<弊社で配信したメルマガの成功事例>
弊社(MIL株式会社)は、インタラクティブ動画マーケティングを提供しているBtoB企業です。週1回、メルマガを配信しておりますが、2021年に配信したメルマガの中から、最も開封率の高かったメルマガタイトルは以下の通りです(開封率=29.02%)。弊社の場合、開封率の平均が約24%となっており、このメルマガは平均を5%以上も上回ることができました。
タイトル冒頭に【××様】と名前の差し込みを入れることと、クリスマスイブ(12/24)という特別なタイミングで配信したことにより、「パーソナルなメッセージ動画が届いた」と感じていただくことができ、開封率が通常よりも高くなったものと分析しています。
また弊社サービスである「インタラクティブ動画」は視聴者が「触る」という参加型コンテンツのため、「触ってお楽しみください☆」というフレーズでコンテンツへの期待感を高めることができたものと思われます。
まとめ
いかがでしたか?メルマガの効果を測る指標として「開封率」はとてもわかりやすい数字ですが、開封率だけを気にしすぎるのは危険です。メルマガを配信する本来の目的を常に意識しつつ、読者と最適なコミュニケーションを図っていきましょう。
メルマガの作成についてのポイントや注意点は、以下記事も参考になさってください。
関連記事:メルマガとは?目的、メリット、形式、法律上の注意点など、基礎知識とポイントをわかりやすく解説!
関連記事:【2021年】メルマガの作り方7ステップ&効果の出るコツを徹底解説!
執筆者
黒谷 純子
MIL株式会社 マーケティング
大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841