リード獲得広告の媒体5選!facebookなどの媒体特徴と成果を出す運用ポイントをわかりやすく解説!

リード獲得広告の媒体5選!媒体特徴と成果を出す運用ポイントをわかりやすく解説!

コロナ禍以降のBtoBビジネスでは、購買担当者が製品・サービスに関してオンラインで情報収集をする傾向が高まっています。株式会社ベーシックが実施した調査によると「(ユーザーが)オンラインで情報収集しようとする割合が増えた」と感じているBtoBマーケターは半数近くにのぼることが明らかに。このような状況のもとで「オンラインで見込み顧客との接点を増やしたい」「営業DXの導入を急いで進めたい」と考え、新たなリード獲得手法をさまざまに模索している企業も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、「リード獲得広告」に焦点を当て、オンラインで効率的にリード獲得するためのヒントをお届けします。

ウェビナーアーカイブ活用ガイド

リード獲得広告とは?目的・種類

「リード(Lead)」とは、製品・サービスの購入検討段階にある「見込み顧客」ののこと。「会社名、役職、氏名、電話番号、メールアドレス、検討度合い」など、企業側から営業アプローチを行うために必要な情報を含みます。

そして「リード獲得広告」とは、リードを収集する目的に特化したWeb広告・SNS広告の種類を指します。以下はその一例です。
リード獲得広告_Linkedin
引用:LinkedIn

広告下部に表示された「サインアップ」の部分をクリックすると、入力フォームが現れます。

広告経由でリードを獲得するためには、自社独自のノウハウを示した「ホワイトペーパー」「eBook」「セミナー・ウェビナー・イベント」などをフックにユーザーの興味を引き付けて、クリックを促す必要があります。また、提供するコンテンツの内容と関連性が高く質の高いリードを獲得するためには、特定の業界・職業・役職にターゲットを絞り込む工夫も必要です。

ユーザー視点では、「いま閲覧しているSNSに登録した情報が自動でフォームに反映され、氏名、職業などを一から入力する手間が省ける」といった具合に、入力するストレスが軽減される仕組みとなっています。

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通常のWeb広告との違い

リード獲得広告の目的は、製品・サービスや企業・ブランドに対するユーザーの興味を喚起し、関心を持った見込み顧客の情報を収集することです。
リード獲得広告を出稿できる媒体は、以下の通りです。

  • Facebook
  • Instagram
  • TikTok
  • LinkedIn
  • Google

各媒体の広告設定画面で、「リード獲得広告」にあたるメニューを選択することで出稿できます。

通常のバナー広告と違い、掲載媒体から外部のランディングページ(LP)に遷移することはありません。リード獲得広告には、入力フォームが付加されるため、通常のWeb広告のように、広告から遷移するランディングページ(LP)や入力フォームを別途用意する必要がありません。

リード獲得に広告を活用するメリット

リード獲得に広告を利用するには以下のようなメリットがあります。

認知拡大 

各種SNS広告やGoogle広告では、ユーザーの興味や行動、地域などに基づいて細かくターゲティング設定ができます。この機能を活用すると、自社の製品・サービスと関連性の高いユーザーに向けて効果的にアプローチできるでしょう。製品や企業の認知拡大が期待できます。

ROIの最大化

Web広告は、分析ツールを活用することで、効果測定を容易にできます。運用担当者が適切にPDCAを実行して、広告パフォーマンスの最適化を図れば、一件のリード獲得にかかる投資対効果(ROI)の最大化を期待できるでしょう。

リードの質の向上

広告経由でリーチすべきターゲットを明確に定め、ユーザー層に即した広告クリエイティブや、コンテンツを精査します。ターゲットに合ったコンテンツを適切に提供する取り組みを通して、あなたの会社に対して関心度が高く、質の良いリードを引き付けることにもつながるでしょう。

競合との差別化

広告展開を通じて「自社の強み」を打ち出し、ユーザーの印象に残れば競合他社との差別化に。市場における立ち位置を強化し、ブランド価値向上も期待できます。

リード獲得に広告を活用するデメリット

さまざまなメリットの一方、デバイスの制限、CRM連携の手間など、何点かデメリットもあると言えます。

費用面

「リード獲得ができたら広告費が発生する」というわけではなく「インプレッションごとに課金」という料金体系のプラットフォームが多い傾向です。つまり、リード獲得に至らなくても、広告が表示されただけで費用が発生します。

インプレッション課金 Facebook、Instagram、LinkedIn(LinkedInはクリック課金も選択可能)
クリック課金 Google

配信可能なデバイスが限定される場合も

リード獲得広告は「スマートフォンにしか配信できない」という媒体もあります。BtoBユーザーは、勤務時間中にデスクトップ環境で情報収集するケースも多いと想定されるため、ターゲットユーザーの環境に合った媒体選びが重要です。

スマートフォンのみ Facebook、Instagram、TikTok
パソコンも可能 LinkedIn、Google

CRMとのデータ連携

広告経由で獲得・蓄積されたデータへのアクセスにも注意が必要です。

Facebook、Instagramは、CRMシステムを「Meta Business Suite」に連携すれば、データにアクセス可能です。「Meta Business Suite」とは、FacebookやInstagramの広告管理ツールです。CSVダウンロードもできますが、90日経過すると取得したリード情報にアクセスできなくなります。

TikTokも同様に、CRMツールを連携させる設定が必要です。なおLinkedIn、GoogleはCVS出力してCRMに取り込むことが可能。自社が普段使っているCRMとの親和性も考慮するとスムーズでしょう。

リード獲得広告の戦略設計(目標設定・媒体選定)とは?

リード獲得広告の成果を最大化するために、次のヒントをぜひ参考にしてください。

目標設定

リード獲得広告の成功は、リードの「数」か「質」のどちらに目標を置くかを明確にすることが鍵です。多くのリードを獲得するには、多様なチャネルでの配信が効果的。一方、質の高いリードを求める場合は、カスタム質問(「氏名」「勤務先メールアドレス」「役職」「会社名」を聞くほか、「従業員数は?」「サービスで重視する点は?」「現在のビジネスにおける最大の課題は?」などを設定し、興味の強い人のみをターゲットにします。

媒体選定

媒体選定も広告の成功の鍵です。各媒体の特性を把握し、ターゲットに合わせて選択しましょう。競合との差別化と訴求軸の検討も必要です。(「同じ媒体で競合と差別化をするために、自社はどのような訴求軸を打ち出すのがベストか?」という点を検討)予算は高パフォーマンスの媒体に重点的に、成果に応じて調整します。

リード獲得広告の配信ができる媒体5選

Facebookリード獲得広告

Facebookユーザーに対してリード獲得広告を配信できます。

ユーザー層 30〜50代の利用者が多い。
ビジネスの決裁権を持つユーザーが多く含まれる年代だと想定される。
特徴 ユーザーの「興味」「行動履歴」だけでなく、「学歴」「仕事」まで絞り込んだ詳細なターゲティングが可能。
実名登録制で、ライフイベントや仕事をプロフィールに登録するユーザーが多い。
クリエイティブの種類 画像:1,080 x 1,080ピクセル
動画:15秒以内

リード獲得広告 Facebook事例 NTT東日本

引用:NTT East: Facebook ads case study | Meta for Business

NTT東日本の法人向けクラウド型防犯カメラサービス「ギガらくカメラ」はFacebookリード獲得広告を使い、動画で無料トライアル申し込みを促進しました。Facebook内でシームレスに申し込みが可能な仕組みで、従来の広告より高いパフォーマンスを達成。関心のある法人向けリードを質・数ともに獲得する成功を収めました。

Instagramリード獲得広告

Instagramユーザーに対してリード獲得広告を配信できます。

ユーザー層 全年代で利用者数が多く、特に10〜20代が多い。
特徴 10代〜20代のユーザーが多いため、若年層のユーザーを引き付けたい企業に向いている。
クリエイティブの種類 画像:600 x 315ピクセル / 600 x 600ピクセル / 600 x 750ピクセル
動画:15秒以内

リード獲得広告 Facebook事例 韓国BtoBコーヒー会社

引用:BLISS: Instagram Ads Case Study

韓国のBLISSは法人向けコーヒーマシンレンタルと豆の定期購入サービスを提供しています。Instagram動画で利用シーンを訴求し、2つのリード獲得広告をテスト。入力項目が少ない問い合わせフォームの方が獲得率が2.5倍高く、コストも低減しました。

TikTokのリード獲得広告

TikTokの特徴は以下の通りです。

ユーザー層 10代が最も多く全体の24.4%、20代は23.8%、年長になるほどTikTok利用率が下がっていく。
特徴 ・知名度がなくてもユーザーの注目を集める可能性がある。
(TikTokのタイムライン表示は「おすすめ」がデフォルト。ユーザーの閲覧・行動履歴などからおすすめコンテンツを配信。フォロワー以外にもリーチできる可能性がある)
・動画音声を「ON」にして全画面視聴するユーザーが多いため、広告の高い訴求効果を期待できる。ハウツーの実践といった行動につながりやすい。
クリエイティブの種類 動画:5~60秒。9〜15秒の短い動画を推奨。

リード獲得広告 TikTok事例 Lazada

引用:Lazada | TikTok for Business Case Study

東南アジアのeコマースプラットフォームLazadaは、TikTokのショート動画広告で「Lazadaでの販売のメリット」を訴求し、新規顧客と接触を試みました。広告経由で獲得できたリードの47%が1週間以内にLazadaで販売を開始しました。

LinkedInのリード獲得広告

LinkedInの特徴は以下の通りです。

ユーザー層 20〜40代のビジネスパーソンが多い。
特徴 ・個人の情報(勤務先、役職、職種など)と、ビジネスバックグラウンド(職歴やスキルなど)に関するデータを活用できる。広告配信の際にターゲット層を精緻に絞り込むことが可能。
・特定の業界や職種に特化した効果的な広告展開ができる。
クリエイティブの種類 ・画像
・カルーセル(複数枚の画像の連続)
・動画:3秒〜30分
・メッセージ広告:LinkedInメッセージング(DM)上で表示される広告
・会話型広告:LinkedInメッセージング(DM)を通じて、専門家やビジネス意思決定者との会話を展開できる。
・ドキュメント広告:フィードで直接ドキュメントを宣伝、ユーザーに読んでダウンロードを促せる。

リード獲得広告 LinkedIn事例 IR社

引用:Integrated Research (IR) Advertising Case Study | LinkedIn Marketing Solutions

オーストラリアのソフトウェア企業「IR」は、LinkedInでITネットワーク関連のリード獲得広告を展開。ターゲティング機能を活用し、インフラエンジニア向けのメッセージを強化。結果、コンバージョン率が2倍に、リードあたりのコストは44%削減し、大きな成果を得ました。

Googleのリード獲得広告

Googleのリード獲得広告の特徴は、以下の通りです。

ユーザー層 全世界の検索エンジン利用ユーザーの8割以上がGoogle検索を利用。
特徴 ・ビジネスや、商品、サービスに関心を持っているユーザーを見つけて呼び込める。
・Google上で検索しているユーザーをリードとしてマーケティングファネルに取り込み、コンバージョンを促進。
クリエイティブの種類 出稿した広告文や、動画広告の下に、入力フォームが付加される。

リード獲得広告 Google検索広告※画像:Googleレスポンシブ検索広告出稿画面キャプチャ

この機能は、グーグル広告の「レスポンシブ検索広告」(より関連性の高いメッセージをユーザーに表示する広告)を出稿している場合のみ利用できます。また「Google広告の合計費用が50,000米ドルを超えていること」など、いくつかの追加要件を満たす必要があります。

リード獲得を最大化する!広告運用のポイント

リード獲得を良質かつ最大化するためのポイントを解説します。

データを基にしたPDCA

リード獲得広告は「出稿すれば必ず成果につながる」というわけではありません。出稿後はデータ分析にもとづくPDCAが重要です。「ターゲットに適したキャッチコピーやデザインになっているか?」など、データをもとに運用改善をしましょう。

計画(Plan) ターゲットユーザーを絞り込み、適切なキャッチコピーとデザインを計画
実行(Do) 計画に基づいて広告を出稿
チェック(Check) 広告のパフォーマンスをデータ分析を通じて評価。どの広告が効果的であったか、どの部分が改善が必要かを特定
行動(Act) 分析に基づいて広告戦略を調整し、改善

このサイクルを繰り返すことで、広告の効果を最大化し、リード獲得を増加させることができるでしょう。

魅力的なコンテンツの提供

リードを獲得するには、ターゲットユーザーに「情報を入力してでも、今すぐ手に入れたい、申し込みたい」と感じさせる魅力的なコンテンツが必要です。

  • ホワイトペーパー:専門的な情報や調査結果を提供する文書
  • ノウハウ系のebook:特定のトピックに関する専門的なガイドやヒント集
  • ウェビナー(あるいは、ウェビナーのアーカイブ): オンラインでのセミナーやワークショップ

それぞれのポイントについて、以下記事でご紹介しています。
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リード獲得後の適切なアプローチ

施策を実施する際は、ナーチャリング設計を事前に準備し、リード獲得後にリードの関心が冷めないうちの迅速なアプローチが必要です。

◆パーソナライズされたフォローアップ
リードの情報や行動から興味・ニーズを分析し、メールなどで個別の情報を提供しましょう。割引や特典の提供、直接の通話で個別のニーズに対応することも効果的です
◆ウェビナーアーカイブを活用したナーチャリング
リードナーチャリングのプロセスでは、ウェビナーアーカイブの活用が有効です。ウェビナーのアーカイブ配信は、ウェビナーを録画した映像をオンライン上に掲載し、終了後でも視聴者がアクセス可能にする手法です。これにより、リアルタイムでセミナーに参加してもらうだけではなく、ナーチャリング用のコンテンツとしてメールで配布するなど、繰り返し使用できます。その結果、製品やサービスへの興味向上を図ることができるでしょう。さらに、アーカイブされたウェビナーは簡単に共有できるため、新しいリードの獲得やブランド認知の向上にも寄与すると言えます。
ホワイトペーパー以外のリード獲得コンテンツ_ウェビナーアーカイブ

ウェビナーアーカイブで成果を出すポイントについて詳しくは、以下でご紹介しています。
関連記事:ウェビナーアーカイブの配信方法&成果を出すポイントを解説!動画でリード獲得やナーチャリングを促進

まとめ

この記事では、リード獲得広告のメリット、留意点、効果を最大化する方法を解説しました。ターゲットを絞った広告配信で新たな層を獲得し、有益なコンテンツで興味を引きつけ、リード情報を獲得することが重要です。質の高いコンテンツ提供を心掛け、リード獲得を成功に導きましょう。

ウェビナー企画・運営完全ガイド_900_280

執筆者
瀧口 愛

MIL株式会社 マーケティング

Web制作会社でサイト構築に従事後、MIL株式会社へ入社し、マーケティングチームに所属。ウェビナーや展示会実施の基盤を構築し、毎月のウェビナーやオフラインイベントの企画・運営全般を担当している。その他、メルマガ配信やマーケ全体の施策効果分析など、フィールドマーケティング領域全般を担う。

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MILであれば、インタラクティブ動画を素早く編集でき、動画配信後の測定結果はレポート画面より確認できます。インタラクティブ動画の制作から運用まですべての機能をプラットフォーム化し、動画PDCAを回します。