顕在層と潜在層の違いとは?潜在層に有効なWeb広告・マーケティング手法とCVR向上のポイントを解説

顕在層と潜在層の違いとは?

「SEOやWeb広告などのデジタルマーケティングに取り組んでいるものの、新規顧客の拡大が難しい……」とお悩みではないでしょうか。その原因として、顕在層向け施策のレッドオーシャン化が挙げられます。リスティング広告をはじめとした顕在層向けの施策はすぐに成果が出ますが、多くの競合企業が参入しているため、顧客の取り合い状態となっています。つまり、顕在層の数は限られているため、その前段階にある潜在層に認知してもらい、関係性を構築し、顕在化させるアプローチが必要です。

しかし、「そもそも、潜在層と顕在層の違いがよくわからない」「潜在層にはどのような施策が有効?」とお悩みの方も多いかもしれません。そこで本記事では、潜在層と顕在層の違いや潜在層の集客に有効なWeb広告とマーケティング施策、潜在層のコンバージョン率を高めるポイントなどをご紹介します。

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顕在層・潜在層・非認知層の違いとは?

自社商材への認知度合や興味関心度合に応じて、顧客層は「顕在層」「潜在層」「非認知層」の3つに分類できます。まずは各層の定義や違いを見ていきましょう。

顕在層とは?

顕在層とは、すでに自社商材に興味関心のある層のことで、「見込み客」とも呼ばれます。

●顕在層=自社商材に関連する商品ジャンルやテーマへの興味関心があり、必要な商材イメージが具体化しているユーザー
(参考:Yahoo! JAPAN

潜在層

例えば、ある消費者が「日焼け止め べたつかない」でGoogle検索をしたとしましょう。この行動の背景には、「肌がべたべたしない日焼け止めがほしい」という顕在化したニーズがあります。この消費者に、飲むタイプの日焼け止めのリスティング広告を表示すると、「これが必要な商品だ!」と思い、そのまま購入してくれるかもしれません。

このように顕在層とは、自身に必要な商材はわかっていながらも、具体的な商品までは決めていない層を指します。顕在層の集客に有効なWebマーケティング施策は、以下のようなものがあります。

  • SEO
  • リスティング広告
  • SNS広告

潜在層とは?

潜在層とは、まだ商材に対する需要が高まっていないものの、将来の態度変容に期待できる層です。潜在層に対するマーケティング活動により、新規顧客の拡大が期待できます。

●潜在層=自社が扱う商材そのものへのニーズは顕在化していないものの、関連する商品ジャンルやテーマに興味関心を抱いているユーザー
(参考:Yahoo! JAPAN

例えば、Instagramでメンズメイクに関する動画を視聴したユーザーがいたとしましょう。この段階において、ユーザーはメンズメイクに興味はあるものの、まだ自分も試したいとまでは思っていません。このユーザーにメンズメイクのディスプレイ広告や動画広告を配信すれば、商品への興味関心が高まり、顕在層へ転換する可能性があります。

この例のように、潜在顧客をターゲットにした広告やプロモーションを仕掛けることで、新規顧客の獲得を見込めるわけです。

非認知層とは?

非認知層とは、自社商材を知らないうえに、商材に関するトピックにも興味関心が薄い層です。

●非認知層=自社商材が関わる商品ジャンルやテーマへの興味関心・知識が薄い層
(参考:Yahoo! JAPAN

極端な例ですが、若い世代で流行のメンズメイクも50歳代以上となると、興味関心がぐっと低くなれば、今後興味関心を持つ可能性も低いでしょう。非認知層は顧客になる可能性が少ないため、アプローチの優先度は低いです。

新規顧客を拡大する鍵は、潜在層

これまでは態度変容しやすく、成果を上げやすい顕在層に向けた施策展開をするのが一般的でした。電通株式会社の「2021年 日本の広告費」によれば、Web広告費はマスコミ四媒体を上回っており、最も構成比が高かったのは顕在層にリーチする「リスティング広告」。顕在層向けの施策展開が進む一方、潜在層に向けたアプローチは十分に行われていません。

また、個人情報保護への関心の高まりにより、顕在層向けの施策が影響を受けています。例えば、すでにSafariやFireboxはリターゲティング広告の制限を実施しており、2024年後半からはChromeも段階的に制限を進める予定です。今後は即効性の高い顕在層向けの施策だけではなく、潜在層向けの施策にも注力し、顧客の裾野を広げていくことが重要だと言えます。

新規顧客を拡大する鍵は、潜在層
潜在層は顕在層に比べて圧倒的に人数が多いため、潜在層を集客して継続的なコミュニケーションで態度変容を促し、準顕在層へと育て、最終的に顕在層へと転換させることが新規顧客拡大のカギとなるでしょう。

潜在層集客に有効なWeb広告とマーケティング手法

潜在層の集客施策は、顕在層に向けた集客施策とは異なり、商品やサービスを探していない人たちに対して行うアプローチです。代表的な手法として、以下のようなものがあります。

  • ディスプレイ広告
  • 動画広告
  • タイアップ記事広告/記事LP
  • オウンドメディア
  • セミナー・イベント

以下では、各施策の特徴について、事例を交えてご紹介します。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、WebサイトやSNS、アプリの広告枠に配信する広告です。ディスプレイ広告の特徴は、画像や動画などのビジュアルを用いて、多くのメディアに広告を配信できること。

ディスプレイ広告
例えば、Google ディスプレイ広告を活用すれば、YouTubeやGmailなどのGoogleが所有するサービスに加えて、数百万の提携WebサイトやSNS、アプリにも広告配信できるため、世界中のインターネットユーザーの90%にリーチできます。多種多様なWebサイトやアプリに広告を配信することで、幅広い潜在層に認知をしてもらえるでしょう。

潜在層にリーチできるディスプレイ広告の例
出典:はてなブックマーク

しかし、多様な層にリーチできるからこそ、適切なターゲティングとターゲットを意識したクリエイティブの作成が必要です。SemrushがGoogleディスプレイネットワーク(GDN)の上位eコマース広告主による4000万以上のインプレッションを分析した調査では、下記のことが判明しています。

  • 女性は男性よりもEコマース広告のクリック率が、30%高い
  • Eコマースの広告を見たユーザーの54%が、25歳から44歳
  • Eコマースサイトの訪問ユーザーのうち36%が、美容とフィットネスに興味を持っている
  • 全体の72%が、レスポンシブディスプレイ広告
  • ユーザー端末のターゲティングに偏りはない

また、Webサイトの訪問から購入に至るまでに複数デバイスを利用する人の割合は55%という調査結果も踏まえると、広告枠やユーザー端末に合わせて、最適な広告が自動作成されるレスポンシブディスプレイ広告を運用するとよいでしょう。

<潜在層向けアプローチの例:ディスプレイ広告>

株式会社フォトシンスは、家庭や企業向けのスマートロック「Akerun」の販売企業です。商品の強みは多々あったものの、スマートロック市場が小さく、一般的な認知度が低いことが課題でした。そこでサービスの認知を広げ、多くの潜在層を獲得するためにディスプレイ広告の運用をすることに。

家庭や金融関係者、不動産オーナーなどの複数ターゲット層に合わせたLPとクリエイティブを準備し、ターゲットごとに適したバナーとLPをディスプレイ広告で配信します。結果、開始から2カ月で目標コンバージョン数の500%を達成。成功のポイントには、ターゲットに合ったバナーとLPの用意と詳細なターゲティング設定が挙げられます。

動画広告

動画広告とは、WebサイトやSNS、アプリなどの広告枠に配信する動画です。1分間の動画は180万語相当の情報量に値する」と言われるほど、動画は情報の伝達性に優れており、大きなインパクトも残せるため、多くのマーケターの注目を集めています。特に、金融商品や不動産などの専門用語が多く理解が難しい商材、英会話やアパレルなどの文字だけでは伝えられない空間の雰囲気やニュアンスが訴求ポイントとなる商材に向いています。各種調査で動画はエンゲージメントやコンバージョンの改善に役立つと判明していますが、実は潜在顧客の獲得にも貢献するのです。

潜在層にリーチできるYouTube広告の例
出典:YouTube(広告の例)

ANIMOTOの調査では、消費者がのちに購入するブランドを発見する方法の第1位が動画広告であり、消費者の4分の1はInstagramのストーリー閲覧後に商品購入の経験があると回答。また、Googleによれば90%以上が「YouTubeで新たなブランドや商品を見つけた」、40%以上が「YouTubeで見つけた商品の購入経験がある」と回答しています。

これらの調査が示すように、動画広告は潜在顧客と接点を作る重要なチャネルといえるでしょう。特にSNS広告はターゲティングの精度が高く、動画クリエイティブとの相性もよいため、効果的に潜在顧客にリーチできます。

<潜在層向けアプローチの例:動画広告>

ムンバイに本社を置くアクシス銀行は、パソコンやスマートフォンから3ステップで口座開設できる銀行です。インドではマスメディアで潜在顧客にアプローチするのが一般的ですが、同社は消費者がより多くの時間をオンラインで費やしていることに注目し、潜在顧客の開拓と口座開設数の増加を目指してYouTube広告の出稿を決めます。

同社が初めに行ったのは、モバイル端末での支払いから初めての大きな買い物などターゲットが自社商品を使えるシチュエーションや課題を特定し、動画広告に反映させることです。

また、自社と関連性の高いキーワード検索をするユーザーリストを作成し、リストをもとにYouTube広告を配信。このアプローチにより、ブランド検索への関心が234%、ブランド検索ボリュームが93%、アプリを通じた新規顧客のアカウント数を30%増加させました。この事例からは、ターゲットのニーズを反映した動画制作と関連性の高いユーザーへの広告配信が重要と分かります。

記事LP/タイアップ記事広告

記事LPとは、見た目が記事のようになっているランディングページです。通常のLPとは異なり、ニュース風のタイトルや記事のような構成になっています。
記事LP
一方、タイアップ記事広告とは、メディアや媒体に自社商品の宣伝をしてもらう記事形式の広告です。

記事広告、タイアップ記事広告ともに潜在層にアプローチしたかったり、競合他社と差異化が難しい商品を取り扱っていたり、商材の価値を訴求してニーズを喚起したい場合に有効です。特にタイアップ記事広告は、多くのユーザーを抱えているメディアの目立つ位置に掲載できるため、幅広い潜在層に見てもらえる可能性があります。

記事広告
出典:VOGUE

また、ディスプレイ広告や動画広告とは異なり、広告主ではなく第三者である媒体が制作する点にも注目です。例えば、保険会社の営業員に「この自動車保険が良いですよ」と言われるよりも、第三者に「私もこの自動車保険に加入したけど、対応が早くておすすめなの」と言われたほうが、購入を検討する方は多いのではないでしょうか。この例のように、第三者の評価や評判が自身の購買に与える影響を、著名な社会心理学者のロバート・チャルディーニは「社会的証明」と呼びました。タイアップ記事広告は、このように社会的証明を出せるため、態度変容も促せます。

<潜在層向けアプローチの例:タイアップ記事>

フィンランドの時計メーカーSuunto(スント)は、スポーツウォッチSuunto7のプロモーションを目的に、Web制作会社のLIGにタイアップ記事広告の作成を依頼します。

タイアップ記事広告の内容は、LIGのメンバーが様々なメーカーの時計を着用してマラソンやサウナをし、心拍数や消費カロリーなどを計測するというもの。効果的に商品の訴求をしながらも、ユニークな内容になっているため、Facebookで1,300以上、Twitterで700以上のシェアと大きな拡散を生み出しています。

潜在層にリーチできるsuunto7のタイアップ記事広告
出典:LIG「Suunto7とApple WatchとG-SHOCKと体内時計をアウトドアで比較してみた!

オウンドメディア

オウンドメディアとは、自社で保有するメディアのことであり、多くの場合はブログ型情報サイトを指します。自社商品のターゲットである顧客の課題や悩みを解決するコンテンツを発信することで、潜在層との接点を構築し、長期にわたる信頼関係の構築ができるため、準顕在層への育成に向いています。

例えば、オンライン英会話の提供企業がキーワード「英語 学習方法」で記事を作成したとしましょう。BACKLINKOの調査では、検索ランキング1位記事の平均クリック率は27.6%。仮にこのキーワードの月間検索ボリュームが10万の場合、検索ランキング1位に表示されることで、27,600の流入を見込めるわけです。

オウンドメディアは半年から数年継続しなければ、成果を実感できない中長期施策ですが、潜在層の継続的な集客を見込める重要な集客チャネルの一つです。広告依存を防ぐためにも、並行してオウンドメディアの運用をするとよいでしょう。

顕在層と潜在層にリーチ_トヨタホーム・デジタルパークのトップ画像
出典:TOYOTA HOME DIGITAL PARK

トヨタホーム株式会社は、キャンペーンなどの一時的なつながりではなく、顧客と長期的な関係を築くためにオウンドメディア「TOYOTA HOME DIGITAL PARK」を開始。オウンドメディアには、家づくりのノウハウや3Dモデルハウスを体験できる仮想住宅展示場などの顕在層向けコンテンツのほか、名古屋グランパスやサーティワンアイスクリームとコラボレーションした潜在層向けのコンテンツも配信しています、オウンドメディアの公開直後にアクセス数が大きく増加するなど、潜在顧客と出会う新しい接点として機能していると考えられます。

<潜在層向けアプローチの例:オウンドメディア>

オンラインでプログラミングを学べるサービスを提供しているキラメックス株式会社は、オウンドメディア「TechAcademmyマガジン」を運営しています。2022年12月の流入数は約95万。そのうち流入元の92.7%が検索エンジンとなっており、SEO集客に成功していると言えるでしょう。業界トップの現役エンジニアへのインタビュー記事やプログラミングやWebデザインのスキル・知識に関する記事、プログラミングに関心のある潜在層を対象にSEO記事を中心に展開。

顕在層と潜在層にリーチ_techacademyマガジンのトップ画像
出典:TechAcademyマガジン

「転職を考えているけど、何をすればいいのか分からない」や「何かスキルを身に着けたい」と思う潜在層を対象に多くの記事を執筆しているようです。自社サービスに関する記事を通じて、潜在層の認知や興味関心を高め、無料相談やイベント案内、おすすめのコース診断などのCTAからコンバージョンを促進します。TechAcademyの事例からは、オウンドメディアを運用する際はターゲットの課題を解決するコンテンツ作成と、メディアに合った明確なCTAの設置が必要になるとわかるでしょう。

セミナー・イベント

セミナーやイベントを開催すれば、自社商品と関連するテーマに興味を持つ潜在顧客を集められます。特にオンライン上で開催するウェビナーやイベントは、企業側はYouTubeやSNSで簡単に配信でき、参加者側も気軽に参加できるため、多くの潜在顧客との接点構築に有効です。

ビジネスセミナーの実施スタイルとして、対面でなく「ウェビナーをメインとして開催している」と回答した企業の割合は49.5%という調査結果もあるように、コロナ禍以降、ウェビナーは一般的になり、BtoCにおいても、BtoBにおいても、企業規模を問わず多くの企業が開催しています。

セミナーやイベントを開催する際は、顧客ステージに応じてテーマを選ばなければいけません。たとえば、顕在層には商材の活用法を紹介するセミナーがメインテーマになりますが、潜在層の集客目的であれば、旬の話題やより広いテーマでのセミナー、著名人セミナー、外部イベントへの参加などがよいでしょう。

<潜在層向けアプローチの例:セミナー・イベント>

米国に拠点を置くSNS管理ツールMeetEdgarは、ブランドの認知度を高めることを目的に「1日で1年分のコンテンツを計画する方法」というテーマのウェビナーを開催しました。ターゲットは中小企業経営者やフリーランサーです。集客施策では、FacebookとInstagram広告の出稿、メールマガジンで複数回の宣伝をした結果、1,700名以上がウェビナーに登録。また、インフルエンサーであり企業家のAlyssa Coleman(アリッサ)氏にゲストスピーカーとして登壇してもらうことで、ウェビナー参加者に具体的な活用法や得られる価値などを自分ごと化してもらい、580名以上のメールアドレスの獲得に成功したのです。

この事例のように、潜在顧客の集客を目的にしたセミナーやイベントにおいては、複数チャネルでの集客と参加者が自分ごと化できるコンテンツ設計が重要となります。

潜在層のコンバージョン率を高める3つのポイント

潜在層の集客に有効な施策を見てきましたが、どれだけ集客できたとしても、そこからコンバージョンにつながらなければ新規顧客は増えません。そこでここからは、潜在層のコンバージョン率を高める3つのポイントをご紹介します。

潜在層の把握

まずは顧客データを分析し、優良顧客になる可能性が高い潜在顧客の特徴を把握しましょう。潜在層の把握には、ペルソナとカスタマージャーニーマップの作成が有効です。ペルソナとは、自社商材の典型的もしくは理想的な顧客像であり、一人の人物を思い浮かべられるまで具体性を高めます。
潜在層の把握に有効_ペルソナとターゲットの違い


潜在層を把握するためには、新規顧客を対象にヒアリングするのがおすすめ。
新規顧客はロイヤル顧客と比べて、記憶が鮮明であり、抱えていた課題や自社を知ったチャネル、自社を選んだ理由などを正確に覚えている傾向にあるためです。その他にも、顧客を対象にしたアンケート調査やWeb解析ツールでデータ分析などをして、潜在層の特徴や抱えている課題などを理解し、ペルソナに落とし込みます。

ペルソナが完成したら、カスタマージャーニーマップを作成し、購買プロセスごとの顧客心理や課題、接点を持つチャネル、自社が提供する価値などを可視化しましょう。ペルソナとカスタマージャーニーマップの作成により、潜在顧客の集客から顧客化までに有効な施策を可視化し、一貫した施策展開が可能になります。

関連記事:カスタマージャーニーに必須の「ペルソナ」の作り方とポイントを徹底解説!

商品・サービスの自分ごと化

Web広告やコンテンツを通じて、商材を自分ごと化して必要性を感じさせるなど、潜在層の態度変容を促すアプローチが重要です。商材の自分ごと化を促すためには、利用者の声(UGC)を掲載したり、双方向コミュニケーションが可能な「インタラクティブコンテンツ」の活用したりと、サイトやLP上のコンテンツの工夫が効果的でしょう。

潜在層を顕在層に転換させる_ニールセン社のUGCに関する調査
出典:ニールセン ノーマン グループ「オンライン、ソーシャル、モバイル広告に対する消費者の信頼が高まる

UGC(User Generated Content)とは、一般ユーザーによって作られたコンテンツで、SNS投稿やブログ記事、口コミなどを指します。ニールセン ノーマン グループの調査によれば、消費者の92%が家族や知人からの紹介を信用し、70%がインターネット上に投稿された消費者の声を信頼すると回答。

潜在層の顕在層化を見込める_BASE FOODのUGC
出典:BASE FOOD

また、UGCがあるWebサイトやキャンペーンは、そうでないキャンペーンと比較して、コンバージョン率が29%高くなるという調査もあります。自分に近い人のレビューや口コミを見ることで、ユーザーは商材に親近感を覚え、活用イメージを思い浮かべられます。

潜在層に向けた楽天銀行の診断型コンテンツ
出典:楽天銀行

また、ユーザーと双方向にコミュニケーションをとれるインタラクティブコンテンツも自分ごと化に有効な施策です。診断コンテンツインタラクティブ動画などを設置すれば、ユーザーのニーズや課題を顕在化させながら、最適な商材を紹介できます。

関連記事:インタラクティブコンテンツとは?活用メリットから、種類・事例・活用のポイントまで徹底解説

ニールセン ノーマン グループの調査では、Webサイト訪問ユーザーは有益性を感じられなければ10〜20秒で離脱すると分かっているため、WebサイトやLPのファーストビューにインタラクティブコンテンツを設置し、広告から流入してきた潜在層の態度変容を促すとよいでしょう。

商品・サービスの理解促進

広告から流入する潜在層は自身の悩みや課題について明確に認識しておらず、自社の商品やサービスについてもまだ知りません。商材の必要性や効果を実感していない顧客が、LPやWebサイトに訪れて、すぐにコンバージョンをする可能性は極めて低いでしょう。

認知後のコンバージョンへのハードルを下げるために、Web広告とLPの間に「クッションページ」を入れるという手法があります。コンテンツを通して商品・サービスへの興味関心と理解を深めた上で、LPへと遷移させましょう。

<クッションページに「インタラクティブ動画」を活用した例>

潜在層の顕在層化に期待_クッションページの例

総合住宅メーカーのトヨタホーム東京は、Facebook広告で集客ができていたものの、コンバージョンに課題を抱えていました。そこで、アンケート形式のインタラクティブ動画をLPに設置し、ユーザーにトヨタホーム東京の特徴を理解してもらったうえで、来場予約ページや資料請求ページへ遷移させる流れを作りました。ユーザーはファン化したうえで展示場へ来場できるため、成約率の向上も期待できます。

当事例について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

関連記事:Facebook広告の「クッションページ」にインタラクティブ動画を活用!動画で魅力を訴求し、CVR&成約率向上へ。

まとめ

課題やニーズが明確な顕在層へのアプローチには限界があり、新規のコンバージョン数を増やすためには、ディスプレイ広告や動画広告などを活用した潜在層向けの施策が重要になります。まずは自社のターゲットとなりうる潜在層を明確にし、どのような悩みを抱え、どのチャネルで情報収集するのかを考えて、集客施策を実施しましょう。また、比較検討期間の短いBtoC商材においては、商品・サービス理解や自分ごと化を促す施策を併用することで「準顕在層」へと育てられ、迅速なコンバージョン率改善も見込めます。ご紹介した施策をぜひ参考にしてみてください。

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執筆者
黒谷 純子

MIL株式会社 マーケティング

大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841

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