インタラクティブコンテンツとは?活用メリットから、種類・事例・活用のポイントまで徹底解説

インタラクティブコンテンツとは

インタラクティブコンテンツとは、ユーザーと双方向にコミュニケーションを取りながら、一人ひとりのニーズに沿った情報・商品を紹介するコンテンツです。消費行動のデジタル化が加速する中、Web上で企業と消費者のコミュニケーションが求められるようになり、双方向で対話できるインタラクティブコンテンツの活用が注目されています。

インタラクティブコンテンツを活用すれば、離脱率やコンバージョン率の改善、商品理解の促進などさまざまな効果を見込めます。実際にDemand Gen Reportの調査によると、インタラクティブコンテンツは従来の静的コンテンツと比較して、2倍のエンゲージメントを生み出した例もあるほどです。

しかし、インタラクティブコンテンツで成果をあげるためには、コンテンツの種類と特徴を理解したうえで自社の課題に合ったコンテンツを選び、活用しなければなりません。本記事では、インタラクティブコンテンツの活用メリットや種類ごとの特徴と事例、活用ポイントまで詳しく解説します。

インタラクティブ動画入門ガイド

インタラクティブコンテンツとは?

インタラクティブとは、「対話」や「双方向」を意味する単語です。そしてインタラクティブコンテンツとは、ユーザーと双方向にコミュニケーションを取りながら、パーソナライズ化したメッセージや商品・サービス・情報を紹介できるコンテンツです。例えば、サイト上で回答し、結果のわかるクイズ型コンテンツや、入力した内容に対する回答を表示するチャットボットなどが該当します。

インタラクティブコンテンツ

一般的なコンテンツとの違い

従来のブログ記事や動画などの静的コンテンツは、ユーザーが情報を消費するだけの「受動的」なコンテンツであるのに対し、インタラクティブコンテンツはユーザーが「能動的」に関与するコンテンツという違いがあります。

例えば、YouTubeだとユーザーは再生される動画を視聴するだけです。しかし、動画内をタップ・クリックできる「インタラクティブ動画」の場合、自分自身で視聴する内容を選んだり、動画内でクイズに回答したりと能動的に視聴ができます。

この例のように、インタラクティブコンテンツならユーザーは能動的にコンテンツと関われるため、パーソナライズ化した体験を得られるのです。その結果、コンバージョン率やエンゲージメント率の向上、離脱率の改善などさまざまな効果を見込めます。

インタラクティブコンテンツを活用するメリット・デメリット

ここからは、インタラクティブコンテンツのメリット・デメリットを企業側と顧客側に分けて解説します。

企業側のメリット

企業がインタラクティブコンテンツを使用するメリットは下記のとおりです。

  • コンバージョン率の向上
  • 一人ひとりに最適な情報提供
  • SNSでの大きな拡散
  • 顧客データの収集

それぞれの詳細を見ていきましょう。

<企業側のメリット1:コンバージョン率の向上>

「ユーザーの滞在時間が短い」「集客ができているけどコンバージョンにつながっていない」とお悩みの場合、インタラクティブコンテンツの活用がおすすめです。

APESTERの調査によれば、インタラクティブコンテンツの導入により、エンターテインメント系のサイトではユーザーのサイト滞在時間が85%、ニュース系サイトでは74%伸びています。インタラクティブコンテンツを通しユーザーの興味関心を持続できれば、サイト滞在時間や離脱率の改善を見込めるでしょう。

また、インタラクティブコンテンツはコンバージョンの向上にも貢献します。そもそもユーザーをコンバージョンへ導くためには、ユーザーの潜在ニーズの顕在化や課題の解決に適切なものとして、サービスや商品を紹介しなければいけません。そして、その態度変容を可能にするのがインタラクティブコンテンツです。

例えば診断型コンテンツなら、ユーザーは回答内容に応じた商品や情報を得られます。DEMAND METRICの調査では、計算機やクイズなどインタラクティブコンテンツを活用した場合のコンバージョン率は70%なのに対し、静的コンテンツのコンバージョン率は36%にとどまると判明しています。

<企業側のメリット2:一人ひとりに最適な情報提供>

インタラクティブコンテンツは、ユーザー一人ひとりの興味関心や好みに合った情報提供にも役立ちます。

一例として、下記画像のビューティー雑誌MAQUIAのお似合いチーク診断をご紹介します。自分に合ったチークを選ぶためには、肌や瞳の色、肌の悩みなどさまざまな要素を考慮する必要があります。「チークを買いたい」と漠然な願望を持っているものの、チークはラインナップも多いことから「どのチークを選べばいいのかわからない」と悩むユーザーは多いでしょう。お似合いチーク診断を使えば、ユーザーは質問に回答するだけで、自分に合ったチークを見つけられるのです。

ビューティー雑誌MAQUIAのお似合いチーク診断
出典:MAQUIA

インタラクティブコンテンツを導入すれば、検討・意思決定におけるユーザーの疑問や不安を取り除けるため、コンバージョン率の改善を見込めるわけです。診断型コンテンツのほか、インタラクティブ動画やチャットボットなどもユーザーニーズに合った情報提供に強みを持っています。

<企業側のメリット3:SNSでの大きな拡散>

インタラクティブコンテンツは、エンターテインメント性が高く、ユーザーが気軽に参加できる性質があり、SNSでの大きな拡散に期待できます。

お金の無料相談サービスを提供する「お金の健康診断」は、質問に答えるだけで家計診断ができる診断型コンテンツを配信しています。診断結果ページの下部にSNSアイコンを表示し、簡単に結果をシェアできる仕様です。実際にTwitterで「お金の健康診断」で検索すると、多くのユーザーが結果をシェアしていることが分かります。

お金の健康診断結果画面
出典:お金の健康診断

The New York Timesの調査によれば、回答者の78%が「友人知人との関係性を維持するためにコンテンツをシェアしている」と回答。家計や美容など多くの人に共通するトピックを、楽しみながら学べるインタラクティブコンテンツとして配信すれば、二次拡散や三次拡散などにつながる可能性があります。

<企業側のメリット4:顧客データの収集>

クッキー規制やパーソナライズ体験の重要性の増加に伴い、顧客データがこれまで以上に大きな価値を持つようになりました。Merkleのレポートによれば、マーケティング担当者の88%が「ファーストパーティデータの収集が優先事項」と回答しています。

「重要性はわかっていても、なかなか顧客データを収集できない」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。インタラクティブコンテンツを導入すれば、ユーザーの興味関心や嗜好、メールアドレス、フィードバックなどを効果的に収集できます。

お金の健康診断の登録画面
出典:お金の健康診断

先にご紹介したお金の健康診断の場合、診断前にLINEもしくはメールアドレスの登録をユーザーに促しています。さらに、ユーザーの回答内容から性別や年齢、貯金額などの詳細なデータ収集ができます。

Merkleの調査では、消費者の76%が「パーソナライズ体験のために個人情報を快く渡す」と回答していることからも、診断型コンテンツやクイズなどのパーソナライズ体験を提供するインタラクティブコンテンツはファーストパーティデータの収集に役立つといえるでしょう。

企業側のデメリット

続いて、企業がインタラクティブコンテンツを使用するデメリットは下記のとおりです。

  • コンテンツ制作に費用がかかる
  • 企画力が求められる

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

<企業側のデメリット1:コンテンツ制作に費用が掛かる>

インタラクティブコンテンツを使うデメリットは、通常のコンテンツよりも制作費用がかかることです。ただし、制作費用はインタラクティブコンテンツの種類によって、異なります。

例えば、高度な技術が必要となるインタラクティブゲームやアプリは費用が高くなる傾向にありますが、クイズや診断型コンテンツは比較的安価で制作可能。具体的な費用は制作会社によって異なるため、事前に複数の制作会社に見積もりを出してもらいましょう。

<企業側のデメリット2:企画力が求められる>

インタラクティブコンテンツで滞在時間やコンバージョン率の改善を実現するためには、ユーザーが楽しめる、かつ記憶に残る体験設計が必要。ターゲットの課題やニーズ、Webサイト上での行動、提供する体験などを考慮したクリエイティブな企画力がなければ、インタラクティブコンテンツで成功するのは難しいです。初めてインタラクティブコンテンツに取り組む場合や社内での企画が難しい場合は、企画段階からそれぞれのコンテンツの専門会社に相談するのもよいでしょう、

顧客側のメリット・デメリット

ここからは、インタラクティブコンテンツが顧客にもたらすメリット・デメリットを見ていきましょう。

<顧客側のメリット>

顧客がインタラクティブコンテンツを使うメリットは、自身が求める情報を得たり自身でも気づいていないニーズに気づけたりすることです。

例えば、漠然と××を解消する商品が欲しいと思いながらも、具体的な商品が分からない場合、診断型コンテンツが商品選びの助けになります。またチャットボットがあれば、手続きや発送などに関する疑問を解決したうえで、商品購入が可能。

難解で複雑な商品サービスも、能動的に関与できるインタラクティブコンテンツなら、分かりやすく理解でき、商品サービス購入の意思決定が容易になるのです。

<顧客側のデメリット>

インタラクティブコンテンツの顧客側のデメリットとしては、期待やニーズに沿わない情報が提示されると、不満が生じる可能性があることです。Gartner社の調査では、質の低いパーソナライズ体験を提供した場合、顧客の38%を失うリスクがあると判明しています。

やみくもにインタラクティブコンテンツを導入するのではなく、顧客の課題やニーズを正確に理解したうえで、制作・活用する必要があるでしょう。

インタラクティブコンテンツの種類と事例

インタラクティブコンテンツにはどのような手法があるのでしょうか?ここでは主なインタラクティブコンテンツの種類として、以下7種類をご紹介します。

  • インタラクティブ動画
  • 診断・テスト
  • 見積もり・計算
  • ゲーム・クイズ
  • 電子カタログ・e-book
  • チャットボット
  • ポップアップ

それぞれの特徴と事例について解説していきます。

インタラクティブ動画

インタラクティブ動画とは、ユーザーがタップ・クリックできる動画です。従来の動画は全員に同じ情報を発信する一方通行のメディアのため、「知りたい情報にすぐにたどり着けない」「すぐに離脱率されてしまう」「動画からコンバージョンにつながりにくい」などのデメリットがありました。

インタラクティブ動画を使えば、メニューから視聴したい項目をタップ・クリックして視聴したり、詳しく知りたい項目をタップ・クリックして詳細情報を確認したり、動画内からWebサイトやECサイトに遷移して購入・申し込むなどの能動的なアクションができるため、サービス理解とコンバージョン促進が可能になります。多くの説明を必要とする商材や、商品やサービスラインナップの多い企業、文字と画像だけでは表現の難しいニュアンスの伝達が必要な商材などと相性が良く、サイトや広告の効果を上げるために活用されています。

<新生銀行のインタラクティブ動画事例>

※下の画面をタップ・クリックするとインタラクティブ動画が始まります。ぜひ“触って”体験してみてください。

株式会社新生銀行では、新型コロナウイルス等の影響で店舗へ来店しにくい顧客に対して、インターネットチャネルでのサービス提供を拡充するため、Webサイト上にインタラクティブ動画を設置。従来、長文のテキストで説明していた内容を動画化しました。顧客が自身の選択(タップ)から診断形式で、運用意向に近い金融商品を選ぶことができる内容になっています。

動画内では店舗の営業スタッフが実際の接客と同じテンポで説明。対面接客で資料を見せながら視覚的に説明している部分には、動画ではグラフとアニメーションで分かりやすく表現する工夫を加えたり、右下に表示される「ポップアップボタン」をタップするとより詳細な情報が表示されたりと、インタラクティブな機能を使って、顧客の理解を促進しています。

関連記事:新生銀行、インタラクティブ動画でインターネットチャネルでの資産運用顧客の新規獲得を目指す

<シェーン英会話のインタラクティブ動画事例>

シェーンコーポレーション
英会話教室を展開するシェーンコーポレーションは、コロナの影響を受けて大人層の集客が難しくなったため、ターゲットを子ども層に変更しました。Webサイトからの無料体験の申し込みを増やすため、インタラクティブ動画を設置。

「子どもに英語を楽しく学んでほしい」と思う親が、インタラクティブ動画の授業風景を通してシェーン英会話の特徴である「楽しいレッスンの雰囲気」を感じられるようにしました。インタラクティブ動画の接触者は非接触者と比べて、無料体験のコンバージョン率が約5倍高くなるという成功を収めています。

関連記事:インタラクティブ動画接触者のCVRは非接触者の約5倍に!Webサイトからの「無料体験レッスン申込」を促進

診断・テスト

診断・テスト型コンテンツとは、ユーザーの回答内容をもとに、診断結果を表示するコンテンツです。ユーザー自身でさえ気づいていない好みやニーズを顕在化しながら、適切な情報や商品を表示できます。また、数ある商品の中から、ユーザーに最適な商品を紹介することも可能。

米国の大手コンサル会社のBain & Company(ベイン アンド カンパニー)の名誉ディレクター、Frederick Reichheld (フレデリック ライクヘルド)氏の調査によると、顧客に提示する商品数を少なくすることで、5〜40%の収益向上を見込めるとのことです。

つまり、顧客に適した製品を紹介して、購買決定を簡易化する診断・テストコンテンツを使えば、購入につながる可能性が高くなると言えます。診断・テスト型コンテンツは、下記のような商材に向いています。

  • ラインナップ数が多い商材
  • 個人によって悩みやニーズが異なる商材
  • 保険や住宅などの高額で長期間利用する商材

ライフネット生命の保険診断
出典:ライフネット生命

ライフネット生命の保険診断コンテンツでは、生年月日や性別、簡単な質問に答えるだけで、自身にぴったりの保険種類や料金が分かります。診断結果画面には、資料請求や申し込みなどのCTAボタンが設置されてあり、コンバージョンへの流れもスムーズ。また、保険診断コンテンツを通して、見込み客の層や抱えている悩みなどのデータ獲得もできています。

このように診断型コンテンツを導入すれば、ユーザーは自身の悩みを解決しながら最適な商品を発見できるため、離脱率やコンバージョン率の改善が期待できます。

関連記事:診断コンテンツの作り方を徹底解説!企画・ロジック・事例3選をご紹介!

見積もり・計算

見積もり・計算シミュレーターとは、商品サービスの見積もりや費用を算出するコンテンツです。資産運用や毎月のローン支払い額、商品サービスの見積もりなどで使用されます。

Outgrowの調査では、マーケティング担当者の51%が「検討段階における顧客にオンライン計算機は有効な施策」と回答。その理由として、ユーザーはさまざまな商品サービスの料金を比較し、納得したうえで購入するかどうかを決められることがあげられます。

ライフネット生命の保険料シミュレーター
出典:ライフネット生命保険

ライフネット生命は、保険料のシミュレーターをWebサイトに設置。ユーザーは生年月日と性別、検討中の保険商品を選択すれば、すぐに毎月の保険料を把握できます。保険料に納得した場合、そのままオンラインで申し込みできるため、コンバージョン獲得に貢献していると考えられます。

ゲーム・クイズ

ゲーム・クイズ型コンテンツとは、質問と回答で構成されるインタラクティブコンテンツです。マーケティングにおいては、主にブランドや商品に関する理解促進やエンゲージメント向上を目的に使用されます。

ユーザーはゲームやクイズを通じて、能動的に、かつ楽しみながらコンテンツに関与できるため、効果的な商品理解やエンゲージメント率の向上などを見込めます。

大和アセスメントのクイズ型コンテンツ
出典:大和アセスメント

大和アセスメントはレバレッジ型ファンド「iFreeレバレッジNASDAQ100」の理解促進を目的に、クイズ型コンテンツを作成しました。取説サイトも用意することで、クイズで間違った問題は取説サイトで詳しく理解できる仕組みになっています。

この事例のように、クイズ型コンテンツを使ったコミュニケーションにより、ユーザーは商品理解を深め、自身に合っていると納得したうえで契約や購入が可能。結果的に、コンバージョン率とエンゲージメントの改善のほか、自社に適した顧客に販売できるため、リピート率やLTV(顧客生涯価値)の向上も見込めます。

電子カタログ・e-book

インタラクティブ電子カタログ・e-bookとは、従来の電子カタログやe-bookにシミュレーターや動画、インフォグラフィックなどのインタラクティブ要素を加えたものです。また、目次より読みたい箇所へ飛べるリンク機能や辞書機能などもあります。
Interoのインフォグラフィックカタログ
出典:INTERO

米国の不動産会社のINTEROは、電子カタログにYouTube動画やアニメーションを使用することで、ユーザーの興味関心を維持しながら、分かりやすく商品の訴求をしています。電子カタログにインタラクティブな要素を追加すれば、カタログからサイトへの遷移を促せ、コンバージョン率の向上が見込めるでしょう。

チャットボット(ポップアップ)

チャットボットとは、Webページやアプリ上でユーザーの問い合わせに回答するインタラクティブコンテンツです。あらゆる業界が、カスタマーサポートや各種手続きのサポートを目的に導入しています。

Driftの調査では、チャットボット導入企業の55%が「チャットボット導入により、確度の高い見込み客を獲得できている」と回答。またHubSpotの調査によると、回答者の47%が「チャットボットを通しての商品購入に興味がある」と回答しています。

これらの調査も踏まえると、チャットボット導入により24時間365日ユーザーの疑問や悩みを解決できるため、コンバージョン率の向上を見込めるでしょう。

東京スター銀行のチャットボット
出典:東京スター銀行

東京スター銀行は、顧客ニーズが多様化する中、ユーザー一人ひとりのニーズを正確に把握し、最適な情報を提供するためにチャットボットを導入。結果、ユーザーが求める情報を迅速に提供できるようになりました。また、ユーザーの質問内容とサイト行動を分析してニーズを把握することで、顧客の利便性や体験を高める施策が展開できるようになったのです。

ポップアップ

ポップアップとは、特定の行動を起こしたサイト訪問者に表示するウィンドウです。例えば、Webページの半分以上まで閲覧したユーザーに、クーポン情報を配信するなどの設定ができます。

OptiMonkの調査によれば、ポップアップの平均コンバージョン率は11.09%とのこと。ユーザーに最適なタイミングでポップアップを配信すれば、離脱率やコンバージョン率の改善を見込めるでしょう。

SMBC信託銀行のポップアップ画面
出典:外貨取引の申し込みが1.4倍に! SMBC信託銀行が実践したリアル店舗に学ぶWeb接客手法とは|SPROCKET

SMBC信託銀行は、既存顧客の活性化とエンゲージメントの向上を目的に、ポップアップ配信施策を展開。ログイン履歴がないユーザーを対象に、ポップアップで新キャッシュカードの切り替えや口座登録を促進した結果、申し込み完了の改善率が138%を達成しました。

SEOやWeb広告などで集客ができていながらも、離脱率やコンバージョン率に悩んでいる場合は、ポップアップ施策が有効になる可能性があります。

関連記事:Web接客のポップアップとは?CVR改善・離脱防止の効果やポイントを事例を交えてわかりやすく解説

インタラクティブコンテンツが適したサイトの特徴

さまざまな種類のインタラクティブコンテンツの特徴や事例をご紹介しましたが、そもそも、自社サイトや商材自体の特徴とマッチしていなければ、効果は期待できないかもしれません。以下では、インタラクティブコンテンツが適したサイトの特徴をご紹介します。

商品・サービスの種類が多く、自分に合った情報を探しにくいサイト

商品・サービスの種類が多く、ユーザーが自分に合った情報を見つけにくい場合、診断・テストやクイズ、チャットボットなどのインタラクティブコンテンツが向いています。例えば、美容関連や金融・不動産、アパレル、ECサイトなどが該当します。
離脱率と滞在時間の調査結果
出典:How Long Do Users Stay on Web Pages?|Nielsen Norman Group

ニールセン ノーマン グループの調査によれば、Webサイトを閲覧するユーザーは「有益性を感じられなければ10〜20秒で離脱する」とのこと。ファーストビュー付近など閲覧数の多い場所にインタラクティブコンテンツを設置すれば、ユーザーはすぐに自身の興味関心のある情報を得ることができるため、離脱率とコンバージョン率の改善を見込めるわけです。

商材の理解が難しいサイト

専門用語が多く、内容理解が難しい商材を取り扱う場合も、インタラクティブコンテンツが適しています。

アメリカ国立訓練研究所が提唱する「ラーニングピラミッド」によると、講義や読書の平均学習定着率が5〜10%なのに対し、「自ら体験する」の定着率は75%まで高まるのです。つまり、ユーザーが能動的に学習できるインタラクティブコンテンツを使えば、効果的に商材の強みや訴求ができるでしょう。

ラーニングピラミッド

実際に前の項でご紹介した事例のとおり、金融機関や不動産、市場にない新しい商品を取り扱う企業は、インタラクティブ動画やクイズ型コンテンツなどを活用しています。インタラクティブコンテンツを使えば、ユーザーはコンテンツ体験を通して自分ごと化しながら理解を深められるため、購入や申し込みなどのコンバージョン行動へとつながりやすいのです。

インタラクティブコンテンツでWebマーケティングの成果を高めるポイント

インタラクティブコンテンツでWebマーケティングの成果を高めるポイントは、下記のとおりです。

  • 目的・KPIの明確化
  • ファーストビューに近い場所へのコンテンツ設置
  • 最適なツール・外注業者の選定~PDCA体制の構築

ここからは、各ポイントの詳細を解説します。

目的・KPIの明確化

単に「面白そう」という理由でインタラクティブコンテンツを始めても、効果は見込めません。まずは自社の課題をリストアップしたうえで、インタラクティブコンテンツで解決できる課題を見極めましょう。

例えば、自社サイトに集客ができていながらも、コンバージョン率が低い場合、インタラクティブコンテンツで課題を解決できる可能性があります。この場合、KPIは「インタラクティブコンテンツ経由でのコンバージョン数××件/月」や「コンバージョン率××%改善」などです。

インタラクティブコンテンツの目的を明確にしたら、KPIやターゲット、コンテンツ種類、スケジュール、予算などを整理します。効果検証できるKPIの設定により、費用対効果や継続可否の判断ができます。

ファーストビューに近い場所へのコンテンツ設置

インタラクティブコンテンツを制作しても、ユーザーに見られなければ意味がありません。それでは、ユーザーに確実に見てもらえる箇所はどこでしょうか? それはファーストビューです。

ユーザーの滞在時間とスクロールの関係
出典:Scrolling and Attention|Nielsen Norman Group

ニールセン ノーマン グループの調査では、ユーザーの滞在時間の57%はファーストビューに費やされ、スクロールとともに滞在時間が大幅に減少すると判明しています。インタラクティブコンテンツはファーストビューに設置するのが賢明でしょう。実際に本記事でご紹介した事例の大半は、ファーストビューにインタラクティブコンテンツを設置しています。

関連記事:LP(ランディングページ)のファーストビューのポイントとは?CVにつながる4つの要素を解説

最適なツール・外注業者の選定~PDCA体制の構築

インタラクティブコンテンツの内製は難しいため、目的達成のために最適な手段やツールの導入、外注が必要な場合は委託先を選定しましょう。

また、インタラクティブコンテンツはタップ・クリックされた箇所からユーザーの好みや興味関心をデータとして収集できるため、データをもとに分析・改善をし、ユーザーニーズに合ったコンテンツ提供へと還元することが大切です。データを基にしたPDCAを前提とし、業者選定の際も、コンテンツを制作・納品して終わりではなく、データ分析や改善運用ができる専門業者に依頼するのが望ましいです。

また、インタラクティブコンテンツの作成から運用においては、他部署と協同して行うとよいでしょう。営業やカスタマーサポートと共にユーザーニーズに合ったコンテンツ制作をし、コンテンツ運用で得られた知見を他部門と共有すれば、各部門が顧客視点に立った施策展開ができます。

まとめ

インタラクティブコンテンツを使えば、顧客と双方向にコミュニケーションを取りながら、検討・意思決定における不安を取り除き、最適な情報・商品を提供できるようになります。ただし、目標や課題を明確にしないまま、インタラクティブコンテンツを導入しても大きな成果にはつながりません。

まずは自社の課題をリストアップし、インタラクティブコンテンツで解決できるかどうか検討しましょう。そのうえでインタラクティブコンテンツの導入を決定したら、本記事を参考に自社に適したインタラクティブコンテンツの種類やパートナー企業を選び、施策を推進していただければと思います。

インタラクティブ動画入門ガイド

執筆者
黒谷 純子

MIL株式会社 マーケティング

大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841

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