漫画LPとは?活用の効果から作り方・事例・成果を出すポイントを徹底解説!

漫画LPとは?活用の効果から作り方・事例・成果を出すポイントを徹底解説!

LP(ランディングページ)へのアクセスはあるもののコンバージョン率が低く、獲得効率が悪いとお悩みではありませんか。

米国のコンサルティング会社ニールセン・ノーマン・グループの調査によれば「ユーザーはWebページにアクセスしてから最初の10秒間で、有益性を感じなければ離脱する判断をする」とのこと。いくらアクセスが多くても、離脱が多ければコンバージョンにつながりません。

一般的なLPと違い、離脱を防ぎ、コンバージョンにつながりやすい表現として、「漫画LP」が注目されています。当記事では「漫画LP」の効果や作り方、事例、成果を出すポイントを詳しく解説していきます。LPにおけるコンバージョン獲得を課題にしているマーケティング担当者の方に、参考にしていただければ幸いです。

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漫画LPとは?通常のLP(ランディングページ)との違い

漫画LPとは、漫画を用いて商品やサービスの紹介を行うLP(ランディングページ)です。もともと、ダイレクトメールや雑誌などの紙媒体で「漫画を使った広告」が使われ始め、その後、LPなどのデジタル媒体にも活用されるようになりました。

LPは、検索やWeb広告などから流入したユーザーに、商品への詳しい理解を促進するため情報を1ページにまとめたページであり、目的はコンバージョン獲得。通常のLPが文字や写真、動画などで説明する内容を、漫画LPは文字と漫画で、ストーリーを軸にして説明します。

ストーリーを軸にすることで、ストーリーの主人公と同じ悩みを持つユーザーが共感・納得しながら自分ゴト化して読み進め、悩みを解決する商品・サービス情報にスムーズにたどり着けるため、コンバージョンにつながりやすくなります。

通常のLPと漫画LPの違い

紙媒体における漫画広告は、主に子どもやその親をターゲットにした教育業界などで活用が始まりましたが、現在展開されている漫画LPは「ストーリーを駆使した伝わりやすさ」から、子ども向けにとどまらず、金融や化粧品、健康食品といった、大人向け商材の理解促進にも活用されています。

漫画LPのおもな効果

漫画LPには、主に次の3つの効果があります。

  • セールス色を薄め、好意的に読んでもらえる
  • ストーリーや主人公に共感し、商材への興味関心を高められる
  • 難しい情報であっても、わかりやすく伝えられる

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

効果1:セールス色を薄め、好意的に読んでもらえる

漫画LPはセールス色を薄め、好意的に読んでもらえる効果があります。通常LPでは、企業が商品やサービスについて語りますが、漫画LPでは漫画の登場人物が語る。つまり、ユーザーが向き合うのが「対企業」ではなく「対人物」となるため、セールス色が薄まるわけです。

そして、漫画という表現方法は日本人に好まれています。「gooリサーチ」によれば、15~44歳の75%が、漫画を「とても好き」「好きな方である」と回答。さらに、CCCマーケティング株式会社が実施した『マンガに関するアンケート調査』によれば、18~69歳の男女1504名の53.1%が「年に1冊以上読んでいる」と回答。好きなだけでなく、実際に2人に1人が年に1冊以上は漫画に触れていることがわかっています。
マンガに関するアンケート調査

(出典:CCCマーケティング株式会社『マンガに関するアンケート調査』)

セールスされている受動的な状態でありながら、漫画が気になって能動的に読む状態となり、漫画LPは通常LPよりもユーザーが読み進める確率が高くなります。

効果2:ストーリーや主人公に共感し、商材への興味関心を高められる

次に、漫画LPには、ストーリーや主人公に共感し、商品やサービスへの興味関心を高める効果があります。

通常のLPにはストーリーはありませんが、漫画LPにはストーリーが入ります。スタンフォード大学のマーケティングおよび心理学専門教授Jennifer Aaker(ジェニファー・アーカー)氏によると「ストーリーがあると事実や数値の羅列よりも最大で22倍記憶に残りやすい」ことが明らかになっています。

ストーリーは読み手の記憶に強く残り、商品を使うと未来はどうなるのか主人公を通して一緒に想像・体験するため、自分ゴトとして興味や関心を高めるのです。

例えば、整体・カイロプラクティックのサービスを紹介する場合、主人公の痛みが施術やアフターケアによって解決するストーリにすると、ユーザーは悩み解決の流れが強く印象付けられ、問い合わせやネット予約などのコンバージョンにつながる行動を検討し始めるでしょう。

効果3:難しい情報であっても、わかりやすく伝えられる

漫画LPであれば、難しい情報であってもわかりやすく伝えられます。

富山大学教育学部の実験によれば、漫画表現のある教材で学習後、テストを行い学生の理解度を確認した結果、深い考察や知識が必要なテストでは「ストーリーがない漫画よりストーリーのある漫画の方が高い理解度を示した」とのことです。

例えば、投資商品のような無形商材について解説する場合、文字や図以上の解説は難しくなります。しかし漫画LPでは、ストーリーにのせて情報を伝達するため、商品をどのように購入し、どう運用状況がわかり、結果としてどうなるのかがよりわかりやすくなります。

商品のメリットやデメリットを紹介する際も、文字だけで伝える場合は一つの文章を読み切るまでに時間がかかりますが、漫画で主人公の表情によって表したり、主人公に「つまり~ということね!」などと語らせたりすると、一目で内容をつかむことが可能です。

漫画LPの作り方と一般的な構成

次に、漫画LPがどのように制作されるのかを見てみましょう。漫画LPの一般的な構成と作り方についてご紹介します。

漫画LPの一般的な構成

漫画LPは、通常LPと同様に、ファーストビュー、ボディ、クロージングによって構成されます。この中で、ボディの部分に漫画を挿入するのが一般的ですが、挿入方法は漫画分散型漫画集中型の2つの方法があります。

漫画分散型とは

文字コンテンツの間に短い漫画を分散させ、ユーザーにコンテンツを読みつなぐよう促す方法です。例えば次のように、漫画A~Dを、文字コンテンツの間に挿入。新商品やまだ無名のサービスを認知させてニーズを顕在化させたり、詳細な商品説明やメリット・デメリットなど多くの情報を盛り込んだりする場合に適します。
漫画分散型

漫画集中型とは

ボディのメインは漫画。途中に挟む文字コンテンツは少量で、漫画を一気に読ませる方法です。例えば次のように、漫画A~Cを一気に示し、文字コンテンツを少量に抑えるなどの構成。すでにユーザーが商品を認知していて商品に興味があったり、ユーザーの悩みや解決までのプロセス・説明がシンプルで明確だったりする場合に適しています。
漫画分散型

漫画LPの作り方

続いて、漫画LPの作り方を4ステップでご紹介します。
漫画LPの作り方

1.企画、シナリオ作成

漫画LPを通じて主人公のストーリーを自分ゴト化してもらうには、顧客が何をわかりづらいと感じているかや、どのような課題を抱え、どのような情報を必要としているかなど、理解を深めた上でLPを企画することが大切です。顧客理解を深めるには、顧客ヒアリングやアンケートを元に、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成することがおすすめ。顧客理解を深めた上で、漫画の主人公や登場人物、ストーリーを決定しましょう。

また必要な情報を踏まえて、「漫画集中型」と「漫画分散型」のどちらが適しているかを検討し、漫画の役割を明確にします。

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関連記事:【初心者向け】カスタマージャーニーマップの作り方を7ステップでわかりやすく紹介!

2.ネーム・ワイヤーフレーム作成

コマ割や各コマの構図を下書きしたネームを作成し、LP全体のフレームも作成。

3.漫画制作、デザイン、コーディング

ストーリーに沿って漫画を制作し、商品説明などのコンテンツと合わせてデザイン・コーディングを実施。

4.調整、完成

全体のバランスを見直し、調整が必要な場合はコンテンツを入れ替えるなどして調整し、完成。

費用の相場は、通常LP制作よりも作画工程があるため高価な傾向があり、またカラーか単色かの違いによって20万円~50万円と開きがあります。漫画LPの制作に特化した会社を3社ご紹介します。

株式会社シンフィールド 制作実績数が3500件以上
登録漫画家が1500名以上
コンバージョン率平均4.9倍、CPA(顧客獲得単価)3分の1など実績多数
株式会社ナインピース 制作実績が2000件以上
登録漫画家300名以上
コンバージョン率5.7倍へ改善した顧客実績もあり
株式会社ミウ 20以上の業種と幅広く実績あり
漫画の二次利用も可能
動きのある漫画動画も制作できる

漫画LPが効果的なケースと活用事例

それでは、具体的にどのようなケースが漫画LPに適しているのでしょうか?以下ではケース別に漫画LPを活用した事例をご紹介します。

ケース1:複雑な内容をわかりやすく伝え、興味喚起したい

商材が複雑で、LPでの興味喚起ができておらず、離脱につながっていることが予想できるケースです。漫画はストーリーを通じて難しい内容をできるだけわかりやすく伝えられるという特徴があるため、例えば、金融商品、アプリやシステム、代行サービスなど、専門用語が多く理解が難しい商材や、メリットやデメリットをイメージしにくい商材に適しています。

LP幹事「DMM.com証券の漫画LP」

(出典:LP幹事「株式会社DMM.com証券の漫画LP」

DMM.comのLPでは、FX(外国為替証拠金取引)の魅力と、証券会社の選び方を紹介。構成は漫画分散型を使用し、文字による説明を漫画のストーリーでわかりやすくサポートし、メールやLINEの問い合わせや口座開設といったコンバージョン促進。ファーストビューに漫画を入れることで「漫画があればわかりやすいだろう」という印象を与え、ファーストビューからの離脱を防止。

ケース2:ターゲットに共通する「課題」と「メリット」を描いて共感を呼び、行動を喚起したい

ターゲットに共通する課題やメリットを訴求して共感を呼び、ユーザーの行動を喚起したいケースにも適しています。例えば、美容や健康、食品や学習教材など、現在の悩みと課題解決後のメリットがターゲット全員に共通するような商材に適しています。

LP幹事「株式会社エイムプレイスの漫画LP」
(出典:LP幹事「株式会社エイムプレイスの漫画LP」

「美容外科求人ガイド」のサイトでは、美容クリニック専門の看護師転職サポートを行っていることを紹介。構成は漫画集中型を使用し、ターゲットの課題やサービスのメリット、サービスを受けて転職がうまくいくことをストーリーにのせて共感を呼び、無料相談のアクションを喚起。ファーストビューに漫画キャプチャと「漫画で読む転職ストーリー」の文言を入れることで、下に続く漫画を読ませ、一気にコンバージョンにつなげていく展開です。

漫画LPに適さないケースとその対応策

万能に思える漫画LPですが、中には漫画LPが適さないケースもあります。具体的なケースと対応策をご紹介します。

ケース1:有形商材や空間などを紹介したい

形のある商材や、空間などを紹介するケースは、漫画LPには不向きです。漫画はあくまでも二次元の表現であり、実物の再現が難しいためです。

例えばアパレル商品の色や着用状態、英会話教室の雰囲気や受講生の様子を伝えたい場合は、音や動きを表現できる動画を使って補完したほうが適切でしょう。具体的なイメージがわくため、ユーザーが興味を持ち行動を起こしやすい状態になります。
シェーン英会話

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ケース2:情報量の多い商材をスマホ上で紹介したい

サービス認知のための説明や、商品説明が長くなりがちな情報量の多い商材をスマホ上で紹介するケースも、漫画LPに不向きです。

ターゲットのメインデバイスがスマホであると考えられる場合に、解説の必要な専門用語が多かったり、サービスの使用上の説明が長かったりすると、漫画にしても文字量が多くなり、漫画の良さが活かせなくなります。また、情報量が多いと縦に長いLPになってしまい、最後まで読まれず離脱を招くことも。

カナダのソフトウェア会社Unbounce(アンバウンス)社の調査によると、文字の少ないLPの平均コンバージョン率は14.3%、文字の多いLPの平均コンバージョン率は11.0%と、文字数が多いほどコンバージョン率が低くなることが明らかになっています。
カナダのソフトウェア会社Unbounce(アンバウンス)社の調査

例えば通信料金や資産運用などのように複雑な情報を紹介する場合は、漫画自体を動画(アニメーション)にしたり、図やグラフに動きを入れたりすると、文字量が減って読みやすくなります。画面スクロールを減らしつつ、必要な情報量を確保できます。

ケース3:顧客毎のニーズに合わせて情報を提供したい

顧客毎のニーズに合わせ、多種類の商品バリエーションを紹介するケースも、漫画LPには不向きと言えるでしょう。漫画LPは主人公を設定するため、ターゲットがある程度絞り込める商材に向いており、バリエーションが豊富な商材には残念ながら適していません。

個々に合わせた情報提供が必要なLP、例えば不動産や保険商品・化粧品などの場合は、ユーザーに選択肢を提示し、ユーザーが自分に合う選択肢を選びながら読み進められるような手法が適しています。手法の一例として、診断コンテンツインタラクティブ動画といったものがあります。

「診断コンテンツ」とは、1問1画面形式やYES・NOで答えるチェックシート形式などでユーザーに回答させ、「インタラクティブ動画」とは、動画中に視聴者が触れる仕掛けを組み込んで回答させるもの。どちらも、ユーザーの回答に沿って展開し、個々のユーザーに最適な情報を最短距離で案内するため、自身で納得してコンバージョンにつながる行動をとりやすくなります。

まとめ

今回は、漫画LPの特徴や作り方、事例、漫画LPが適している場合や適していない場合をご紹介しました。

漫画を好む人は多く、漫画LPにすると読まれやすい効果がある半面、絵のイメージが好みでないと離脱することもありますし、情報量が多い場合など、そもそも漫画表現が適さない商材もあります。ユーザーが必要としている情報にストレスなくたどり着けるLPこそ、ユーザーが心を動かされコンバージョンとなるアクションをとってくれます。

漫画LPの特性をよく理解し、場合によっては診断コンテンツや動画など、コンバージョンにつながるベストな表現手段を選んでみてください。

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執筆者
黒谷 純子

MIL株式会社 マーケティング

大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841

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