実名登録が推奨されているFacebookは精微なターゲティングが可能なため、商品・サービスの認知度向上やCV獲得などに適したSNS媒体で、多くの企業が活用しています。
当記事では、Facebook広告を活用するメリットや、広告の種類、広告出稿の手順やコツを詳しく解説。Facebook広告を活用して成果を上げたいマーケティング担当の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Facebook広告とは
Facebook広告とは、FacebookをはじめとしたSNS媒体に表示される広告の総称です。主にFacebook、Instagram、Messenger、オーディエンスネットワークに広告を出稿できます。
オーディエンスネットワークとは「Facebookの審査をクリアしたアプリやWebサイト」のこと(オーディエンス=広告配信の対象となるFacebookユーザー)。オーディエンスネットワークでは、Facebookと同じターゲット設定ができるため、より効果的な配信が行えるのがメリット。Facebook以外のユーザーに広告を配信する場合にも役立ちます。
ちなみに、Facebook広告と似たものに「Facebookページ」がありますが、これはFacebook内に個人アカウントとは別に作成できるコミュニティのこと。企業やブランドがユーザーに対して発信したり、交流を深めたりする場として活用されています。もちろん、Facebookページ自体を広告として配信することも可能です。
Facebook広告の特徴・活用のメリット
Facebook広告には以下のような特徴があります。
- ターゲティング精度が高い
- 複数の媒体に配信可能
- 少額から配信可能な運用型広告
- 目的に合わせた配信が可能
それぞれについて、詳しく解説していきましょう。
ターゲティング精度が高い
Facebook広告は、他のSNS広告よりもターゲティングの精度が高いという特徴があります。なぜなら、Facebookは実名登録に加えて、年齢や移住地、勤務先、結婚、引越し先など、細かい登録情報に基づいて広告を配信できるからです。例えば「男性」「30代」「既婚」「子供誕生」などの情報を元にターゲティングして、マッチした教育教材の広告を流すことも可能。
さらに、既存ユーザーの属性や行動に似た人をターゲティングできる「類似オーディエンス設定」が行える点も大きなメリットです。
複数の媒体に配信可能
Facebook広告は、Meta社(旧Facebook社)が運営する複数の媒体に広告を出稿できます。
- Messenger
- Audience Network(オーディエンスネットワーク)
Facebookの国内ユーザー数は2,600万人(2019年7月時点)で、地方創生やコミュニティ交流で活用されています。一方Instagramの国内月間アクティブ数は3,300万(2019年3月時点)で、男性が43%、女性が57%と利用者層が多様化しているのが特徴。
総務省の調査によると、Facebookの利用率は10代が少なく、20代~40代のユーザーがメインの層となり、男性のほうが女性よりも若干上回っています。一方、Instagramは10〜20代の利用率が7割以上と高く、30-40代でも5割以上の利用率に。こうした各媒体の特徴を踏まえ、最適な媒体を選びましょう。
引用:総務省「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
またオーディエンスネットワークでは、「東洋経済ONLINE」「グノシー」などのニュースサイト、「Retty」「食べログ」などのグルメサイト、「ジモティー」「ジョルダン乗換案内」などの情報サイトにも広告を出稿できます。例えば、金融商品の認知度を上げたいならビジネス層の多い「東洋経済ONLINE」を選ぶなど、目的やターゲットに合わせて検討しましょう。
このように幅広い媒体の中から、目的やターゲットに合わせて配信媒体を選定できるのがFacebook広告のメリットです。
少額から配信可能な運用型広告
Facebook広告は、少額から配信できる点もメリットです。課金形式には「インプレッション課金(CPM)」と「クリック課金(CPC)」があり、どちらも成果に応じて課金される運用型広告のため、リスクを抑えて出稿することが可能。また1日の平均予算の設定もできますので、予算オーバーも防げます。1日100円から始められるため、広告運用が初めての方でも安心して利用できるでしょう。
インプレッション課金(CPM) | 広告が表示されるたびに料金が発生する形式。ユーザーのアクションに関係なく料金が一定になるのが特徴。広告費用を抑えるのに効果的です。 |
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クリック課金(CPC) | 表示された広告がクリックされた時点で料金が発生する形式。料金はオークション形式によって計算されるため、常に変動しています。 |
目的に合わせた配信が可能
Facebook広告は、キャンペーンの目的に合わせた配信が可能です。
キャンペーンの種類は、購買行動の3つのフェーズ「認知」「検討」「コンバージョン」に分類され、全6種類に集約されています。例えば、商品・サービスの「認知」を目的にするなら、予算内でリーチを増やしたり動画の再生数をアップしたりと自動入札により調整されます。
自社の目的に合わせてキャンペーンを選ぶだけなので、広告配信やマーケティングの初心者にもおすすめ。配信目的やキャンペーンの詳細は次章にて解説します。
Facebook広告の基礎知識
Facebook広告を出稿する上で押さえておきたい「基礎知識」をまとめてみました。
- Facebook広告の構造
- Facebook広告のキャンペーンの種類
- Facebook広告のターゲティングの種類
- Facebook広告の配信面の種類
- Facebook広告の審査
以下では、それぞれについて、詳しく解説していきます。
Facebook広告の構造
Facebook広告は以下の3段階の構造で設定していきます。
キャンペーン | 広告の基礎となる部分。ページの宣伝方法などの目的を設定して広告を最適化していきます。 |
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広告セット | 広告の掲載方法を決定する項目。ターゲット選定や予算の作成、スケジュール設定をして配置を選択します。 |
広告 | ターゲットユーザーに表示されるもの。広告レベルが設定でき、画像、動画、テキスト、コールトゥアクションボタンなどの広告素材を選択できます。 |
参考:Metaビジネスヘルプセンター「 Facebook広告の構造について」
3段階のパーツ特性を理解しておけば、商品・サービスに適した広告を配信できます。中でも「キャンペーン」は広告の基礎ともいえる部分であり、最も重要な項目です。広告の出稿をする際に、まずすべきなのがキャンペーンの設定。最初に広告の目的を設定して、どのような成果を得たいのか明確にしましょう。
Facebook広告のキャンペーンの種類
広告キャンペーンの種類には、以下の6種類があります。
参考:Metaビジネスヘルプセンター「 Meta広告マネージャで適切な目的を選択するには」
自社の商品・サービスに合わせて、上記の目的を決めることが大切です。例えば、商品の認知度を上げたいのであれば「認知度アップ」を選択します。すると自動で広告に合わせたユーザーを選定し、配信を行ってくれます。
Facebook広告のターゲティングの種類
Facebook広告のターゲティングは、以下の3種類に分類されます。
コアオーディエンス | 年齢、興味・関心、地域などの条件でオーディエンスを指定できます。 |
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カスタムオーディエンス | オンラインまたはオフラインで、ビジネスに対してすでにアクションを実行した利用者に再度リーチできます。 |
類似オーディエンス | 優良顧客と共通の興味・関心を持つ利用者に新たにリーチできます。 |
引用:Meta 公式サイト
Facebook広告は、興味を持ってもらいやすいユーザーに自動的に配信されるのが特徴です。例えば「コアオーディエンス」では、過去の購入履歴やデバイスの利用状況などの消費者行動に基づいてターゲットを設定可能。購入履歴を元に、自社のサービスと相関性があるか確認できるのは大きなメリットといえるでしょう。
Facebook広告の配信面の種類
Facebook広告では、媒体毎に様々な広告枠が設定されており、また媒体の進化に応じて、広告枠が増設されていくのも特徴です。例えばショート動画の流行や動画広告の需要の高まりに乗じて、Instagramでは2021年6月から90秒以内の短尺動画を楽しむことができる「リール広告」の提供が開始されました。今後も、時代の進化に合わせて、配信面が追加されていくことが予測できます。
この章では、2022年9月時点における、Facebook広告の配信面の種類を解説します。
Facebookの広告配信面
Facebookの配信面では、Facebook内のあらゆる場所に広告を出稿できます。以下、一部を抜粋してご紹介します。
Facebookフィード | Facebookニュースフィードは、Facebookホームページの中央に表示される近況アップデート、写真、動画などのリストのことで、内容は常に更新されます。この面に広告を表示できます。 |
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Facebook Marketplace | 商品を探したり売買したりできます。コミュニティでの利用や世界中から商品を発送することも可能です。Marketplace用の広告を作成すれば、買い物中の利用者へのリーチを拡大することができます。 |
Facebookの右側広告枠 | デスクトップ専用の広告フォーマット。Facebookの各ページの右側の枠に表示されますが、サイトの他の場所へ表示されることもあります。 |
Facebookストーリーズ | 没入感のあるフォーマットで商品・サービスの内容を伝えることができます。Facebookストーリーズの画像広告は5秒間、または利用者がそのストーリーズをスワイプして終了するまで表示されます。 |
Facebookインストリーム動画 | 知名度の高いパブリッシャーやクリエイターによる動画を視聴している利用者に対して、動画コンテンツの再生前後や再生途中に、15秒の動画または画像広告を配信できます。 |
Facebookの検索結果 | Facebook上の検索結果で画像フォーマットを使用して商品・サービスを紹介できます。 |
Facebookインスタント記事 | モバイルに最適化されたフォーマット。読み込み速度の速いインタラクティブな記事をFacebookのアプリに配信できます。 |
2021年11月より、Facebook上の動画コンテンツに広告を挿入できる「インストリーム広告」の日本での提供が開始され、注目を集めています。動画の開始前に再生される「プリロール広告」、動画の再生中に挿入される「ミッドロール広告」、動画コンテンツの下部に表示される「写真広告」の3種類。
引用:Meta
Instagramの広告配信面
Instagramの配信面では、没入感の高いクリエイティブの広告配信がおすすめです。特に「Instagramフィード」は、Instagramアプリを開いた時に表示されるため、効率良くユーザーにアプローチできます。さらにアプリを立ち上げた時に目を引くような動画を作成すれば、反応率アップも期待できるでしょう。
Instagramフィード | Instagramアプリを開いたときに表示される写真や動画のリスト。画像フォーマットを使用して商品・サービスを紹介できます。 |
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Instagram発見タブ | ユーザーの興味・関心に基づいてプラットフォーム全体から厳選されたInstagramのコンテンツを発見できます。 |
Instagramストーリーズ | 没入感のあるフォーマットで商品・サービスをリアルに伝えられます。 |
Instagramリール | モバイル向けに没入感の高い広告を作成できます。 |
Instagramビデオ(旧IGTV) | スマホ全画面表示の動画で広告配信が行えます。 |
Messengerの広告配信面
「Messengerストーリーズ」では縦型のフルスクリーンで動画広告が再生されます。15秒を超える場合は、複数のストーリーズカードに分割される仕組み。縦型のフルスクリーンでの配信となるため、インパクトがあり、ユーザーを引きつけやすい設計です。またMessengerでは、受信箱への広告配信も可能になっています。
Messengerストーリーズ | 縦型のフルスクリーン広告で、オーガニックストーリーズの間にユーザーに表示されます。 |
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Messenger受信箱 | Messenger受信箱の配置で画像フォーマットを使用して、商品・サービスを紹介できます。 |
Messenger広告メッセージ | ターゲットを絞ったMessengerアプリ向けコンテキスト広告。 |
Audience Network
Audience Network(オーディエンスネットワーク)は、Facebookのターゲティング機能を他のWebサイトやアプリに活用できる広告配信機能です。「カルーセルフォーマット」を活用すれば、1つの広告で最大10点の画像や動画を表示し、それぞれにリンクを挿入できます。複数の商品を紹介したり、ストーリー形式にしたりと、自由な広告配信が可能。
Audience Networkのネイティブ、バナー、インタースティシャル | Facebookの枠を超えて広告キャンペーンを展開し、ネイティブ広告、バナー広告、インタースティシャル広告で利用者にリーチできます。 |
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Facebook広告のクリエイティブフォーマット
広告の成果を最大化するために、Facebook広告のクリエイティブフォーマットも押さえておきましょう。以下が、Facebook広告のクリエイティブフォーマットの種類です。
画像 | 画像や写真によってリンク先のWebサイトやアプリに誘導できます。 |
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動画 | 商品・サービスの魅力を動画と音声で伝えることができます(15秒)。また広告マネージャのアセットカスタマイズ機能を活用すると、同じ動画を複数の配置とアスペクト比で使用できます。 |
カルーセル広告 | 広告ひとつあたり最大10点の画像や動画を表示して、それぞれに別のリンクを配置できます。 |
インスタントエクスペリエンス | モバイルデバイスでタップされるとフルスクリーン表示になる広告。商品・サービスを視覚的に訴えることができます。 |
コレクション | 複数の商品を表示できる広告。視覚的に没入できる広告を出稿できます。 |
参照:Metaビジネスヘルプセンター「 Facebook広告フォーマットタイプ」
近年では、デジタル動画の消費量が増え続ける中、Facebook広告においても、日々流れる多くの情報の中で、より強いインパクトと没入感を与えるため、動画クリエイティブを活用する企業が増えてきています。自社の目的に合ったフォーマットを検討しましょう。
Facebook広告の審査
Facebook広告の出稿には「審査」があります。審査では、出稿する広告が適切であるか、ポリシーに違反していないか、禁止されているコンテンツに該当しないか、などが調査されます。審査は広告が出稿される前に自動的に行われます。通常は24時間以内に完了しますが、それ以上の時間がかかる場合もありますので、スケジュールを立てる際は予定に含めておきましょう。
審査中の広告のステータスは「審査中」となり、公開後も含めて再審査が行われる可能性もあります。詳しくは利用規約とポリシーをご覧ください。
Facebook広告出稿前の準備
以下では、Facebook広告を出稿するための事前準備について説明します。
具体的には、以下のような準備が必要となります。
- ビジネスマネージャの作成
- Facebookページの作成、追加
- ドメイン認証
- 広告アカウントの作成
それぞれについて、解説していきます。
ビジネスマネージャの作成
Facebook広告の配信方法は、Facebookページから既存の投稿を広告として配信する方法と、ビジネスを管理するためのFacebookツール「ビジネスマネージャ」から配信する方法の2種類があります。
どちらでも問題ありませんが、当記事では、より自由度の高い「ビジネスマネージャー」による配信方法を前提に解説します。ビジネスマネージャのアカウントの作成には、個人用のFacebookプロフィールが必要となりますので、あらかじめ準備しておいてください。
ビジネスマネージャの作成方法は以下の通りです。
1. business.facebook.com/overviewに移動します。
2. 「アカウントを作成」をクリックします。
3. ビジネス名、名前、仕事用のメールアドレスを入力して「次へ」をクリックします。
4. ビジネスの詳細を入力し、「送信」をクリックします。
引用:Metaビジネスヘルプセンター ビジネスマネージャを作成する
Facebookページの作成、追加
Facebookページ(企業・ビジネス向けアカウントのページ)を登録していない場合は、以下の手順でFacebookページを作成しましょう。
2. 「カテゴリ」をクリックして選択します。
3. 必要な情報を入力します。
4. 「ページを作成」をクリックします。
5. 任意のプロフィール写真やカバー写真を追加してから、「保存」をクリックします。
引用:Metaビジネスヘルプセンター Facebookページを作成する
<ビジネスマネージャとFacebookページの連携方法>
1.business.facebook.com/overviewにアクセスし、「ユーザー」「ビジネス設定」の順番に開きます。
2.「追加」をクリックし「Facebookページのアクセスをリクエスト」を選択します。
3.あらかじめFacebookページを作成している場合は「ページを追加」をクリックします。
4.作成したFacebook名を入力して選択します。
5.ビジネスマネージャとFacebookページの連携が完了しました。
6.ビジネスマネージャ上で連携したFacebookページが表示されます。
ドメイン認証
ビジネスマネージャからドメイン認証を行います。ドメイン認証を行うことで、対象のドメインで8つのコンバージョンイベントの設定・優先順位付けを行う権限のあるビジネスマネージャアカウントを作成できます。
1. 「ビジネス設定」の「ブランドセーフティ」セクションにある「ドメイン」に移動します。
2. [追加]をクリックして新しいドメインを追加します。
3. プレフィックスのついていないルートドメインを入力します。
4. 「追加」をクリックします。
続いて、以下のいずれかのオプションを選択して、ドメインを認証します。
● HTMLソースコードにメタタグを追加する
● ルートディレクトリにHTMLファイルをアップロードする
● ドメインレジストラーでDNS TXTレコードを更新する
ビジネス設定の画面で「ドメインを認証」をクリックしたら完了です。
参照:Metaビジネスヘルプセンター ビジネス設定でドメインを認証する
広告アカウントの作成
広告アカウントとは、広告を管理するためのアカウントで、ビジネスマネージャとは別で作成する必要があります。
1.business.facebook.com/overviewにアクセスし、「ビジネス設定」「広告アカウント」の順番に開きます。「追加」をクリックし、「新しい広告アカウントを作成」を選択します。
2.「広告アカウント名」「時間帯」「通貨」を選択します。
3.広告アカウントで宣伝するビジネスを選択します。基本的には「自分のビジネス」を選択します。
4.ユーザーの追加とアクセス許可の設定を行います。
5.アカウントの作成は完了です。「支払い情報」を追加したら準備完了です。
Facebook広告出稿の手順
Facebook広告出稿の手順は以下の通りです。
- キャンペーンの設定
- 広告セットの設定
- 広告の作成
- 支払い方法の設定
- ピクセルの設置
それぞれについて、詳しく解説していきます。
キャンペーンの設定
まずはキャンペーンの設定を行います。
1.「ビジネスマネージャ」から「広告マネージャ」を選択し、キャンペーンから「作成」をクリックします。
2.キャンペーンの「購入タイプ」と「目的」を選択します。
例えば、サービスの認知度をアップしたい場合は「認知度」を選択しましょう。
3.「キャンペーン名」を作成します。
4.「特別な広告カテゴリ」では、「信用」「雇用」「住宅」「社会問題」「選挙または政治関連」から任意で選択します。
5.広告を掲載したい国を選択します。
6.任意で「A/Bテスト」を選択します。利用するとより成果の高い広告を配信できます。
7.「Advantageのキャンペーン予算」では、設定と入札戦略に応じて多くの成果を得られるように広告セット間で予算が分配される仕組みです。
広告セットの設定
キャンペーンの設定後は、広告セットの設定を行います。
1.「広告セット名」を入力します。
2.宣伝するFacebookページを選択します。
3.「予算」と「掲載期間」の設定を行います。例えば1日の予算を500円に設定しておけば、1日の平均消化金額は500円となり、1週間あたりの最大消化金額は3,500となります。
4.「オーディエンス」を設定します。例えば、コアオーディエンスであれば、年齢、興味・関心、地域などの条件でオーディエンスを指定できます。
5.広告の「配置」を設定します。Facebook広告の配信システムでは、最もパフォーマンスが高くなりそうな配置を予測してくれるため、基本的には「Advantage+配置(推奨)」がおすすめです。
広告の作成
続いて、広告の作成を行います。
1.広告名を入力します。
2.広告に表示されるFacebookアカウントを選択します。
3.広告のフォーマットを選択します。
4.クリエイティブの設定を行います。広告に使用するメディアやテキスト、リンク先を追加してください。
5.「言語」では、広告に翻訳や自動翻訳を追加できます。
6.「トラッキング」では、広告で誘発される可能性のあるコンバージョンが全て含まれるイベントデータセットをトラッキングします。
7.以上の設定が終われば「公開」をクリックします。
8.最後に支払い方法の設定を行います。支払い方法は以下の通りです。
- クレジットカード(VISA、MasterCard、American Express、JCB)
- デビットカード
- ペイパル
- 銀行振込
Facebook広告を効果的に運用するヒント
Facebook広告を効果的に運用するポイントは以下の通りです。
- ピクセルを活用する
- 競合調査をする
- ペルソナを設定する
- 配信面に合わせたクリエイティブを用意する
- A/Bテストを活用する
- 動画を活用する
それぞれについて、詳しく解説していきます。
ピクセルを活用する
ピクセルとは、出稿した広告の分析や最適化をしてくれる機能です。設置することで、Webサイトで実行されたアクションを分析し、宣伝の効果を測定できます。
設定は必須ではありませんが、活用することでより効果の出やすい運用が行えます。新しい潜在顧客を見つけたり、Webサイトで特定のページにアクセスしたユーザーや期待されるアクションを起こしたユーザーにリーチしたりできるのがメリット。自動入札機能を設定して、希望するアクション(サービスの申し込みなど)を行う可能性の高いユーザーにもリーチできます。
また広告を見たユーザーのアクションを測定し、PDCAを回すことも可能。ユーザーのアクションは記録されるので、データ分析にも役立ちます。
1.イベントマネージャを開きます。
2.「データソースをリンク」をクリックして、「ウェブ」を選択します。
3.「Metaピクセル」を選択して「リンクする」をクリックします。
4.「ピクセル名」に、ピクセルの名前を追加します。
5.WebサイトのURLを入力して、簡単な設定オプションを確認します。
6.「次へ」をクリックします。
引用:Metaビジネスヘルプセンター「Metaピクセルの設定とインストール方法」
競合調査をする
Facebook広告ライブラリを活用することで、競合が出稿している広告を確認できます。実際に配信されている広告がそのまま表示されるため、「どんな画像を使っているのか」「リンク先はどこか」などを調査しましょう。
企業名を入力したり、ジャンルを検索したりすれば、さまざまな広告を分析できます。ぜひ競合調査を行って、ライバルと差別化を行ってみてください。
ペルソナを設定する
Facebook広告は、ターゲティング精度の高さが魅力です。よって、広告で扱う商品・サービスのターゲットとなるユーザーを的確に捉えるために、細かいペルソナの設定を行いましょう。Facebook広告では、年齢や移住地、勤務先、結婚、引越し先、子どもの有無など、詳細にターゲティングできます。
例えば、「35歳」「独身」「東京住み」「企業名」などと絞って広告を配信すれば、より高い効果が期待できます。ただしターゲティングで絞りすぎるとユーザーデータが少なく、機械学習の精度が下がるため、最初は「35歳」「独身」「東京住み」のみにするなど、絞りすぎないように注意しましょう。
ペルソナの作り方については、以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:カスタマージャーニーに必須の「ペルソナ」の作り方とポイントを徹底解説!
配信面に合わせたクリエイティブを用意する
Facebook広告では「配信面」に合わせたクリエイティブを用意することが大切です。同じFacebook広告でも、フィードとストーリーズでは推奨サイズが違うので、それぞれのサイズを用意するのが望ましいでしょう。
またFacebookとInstagramではユーザー層が異なるため、違うクリエイティブを用意するのがおすすめ。例えば、Facebookはビジネス利用者向けに落ち着いた雰囲気のクリエイティブ、Instagramは気軽に閲覧する人が多いので感情に訴えかけるクリエイティブ、といったように切り替えると良いでしょう。
A/Bテストを活用する
キャンペーンにて設定できる「A/Bテスト」を活用すれば、クリエイティブやターゲティングのPDCAを回して改善が行えます。A/Bテストとは、広告を「Aパターン」「Bパターン」を用意して、それぞれの成果を比較するマーケティング手法です。
Facebook広告では、基準となる広告「A」と、比較対象の広告「B」を同時に配信し、効果を比較できます。また比較対象も「クリエイティブ」「オーディエンス」「商品セット」など、細かく設定できるのがメリット。広告で思うような成果が上がらない時や、より反応率の高い広告を配信したい場合におすすめの機能です。
動画を活用する
Facebook広告を配信するなら、動画の活用がおすすめです。なぜなら、大量に流れるSNSの情報の中で、静止画よりも動画の方が目に留まりやすく、より多くの情報を届けられるからです。アメリカの調査会社Forrester ResearchのJames McQuivey博士は、「1分間の動画は、180万字に相当する情報量を伝えられる」と公表しています。180万字を一般的なWebページに換算した場合、約3,600ページ分にもなります。
またMeta社がFacebook動画広告を利用したキャンペーンの結果を分析調査したところ「動画広告は人の目に触れさえすれば、それがわずか1秒足らずの間だったとしても、広告想起、ブランド認知、購買意向を向上させる」ことが判明しました。また、そのリフト効果は視聴時間に比例して向上することも実証されました。
引用:Meta「動画広告のブランドリフト効果が明らかに」
静止画やテキストよりも動画で訴えかけた方が、よりユーザーに伝わりやすいということや、視聴時間に比例してブランドリフト効果が高まることを踏まえ、動画広告の活用を検討しましょう。またFacebook広告の流入先のランディングページ(LP)についても、広告を踏まえたストーリー作りやクリエイティブを忘れずに。
Facebook広告出稿の注意点
最後に、Facebook広告を出稿する際に確認すべきポイントは以下の通りです。
- 審査落ちの広告がないか
- リンク切れになっていないか
- キャンペーンの終了日が入っているか
- ターゲティングを設定しているか
それぞれについて、詳しく解説していきます。
審査落ちの広告がないか
Facebook広告では「審査落ち」になるとメールが届きます。しかし、それに気づかないと配信された気になり機会損失を招いてしまうことも。メールの見落としを防ぐためにも審査に通るまでは、こまめにチェックをしましょう。また「アカウントのクオリティ」を使うと、審査状況をチェックできます。
リンク切れになっていないか
Facebook広告でありがちなのが「リンク切れ」です。リンク切れとは、ユーザーに表示された広告のリンクが機能しておらず「404エラー」などが出て、正常に表示されない状態です。リンク切れになると広告費用が無駄になるだけでなく、企業イメージの低下にもつながります。リンク切れを防ぐためには、リンクのダブルチェックや配信後すぐに確認するなど、確認体制を整えることが大切です。
キャンペーンの終了日が入っているか
キャンペーンが終了しているのにもかかわらず、広告が配信されているとユーザーに迷惑をかけたり、無駄な広告費を払ったりする恐れがあります。したがって、キャンペーンの期間が決まっている場合は、終了日を設定しなければなりません。キャンペーンの終了日は未来の日付で設定できます。過去の日付に設定するとエラーが発生しますので注意しましょう。
ターゲティングを設定しているか
ターゲティングをしていないと、あらゆる場所に配信されてしまい、高い効果は期待できないでしょう。Facebook広告は、他のSNS広告とは異なりターゲティング精度が高いのがメリット。この機能を使わない手はありません。
東京都の人に向けた広告が北海道の人に配信されると、思ったような成果は上がらないはずです。まずはペルソナを設定し、細かいターゲティングを行っていきましょう。
まとめ
Facebook広告は、Instagramをはじめ、さまざまな媒体に広告を出稿できます。ターゲティング精度も高く、商品・サービスの認知度向上やCVR率アップをしたい方におすすめ。媒体やユーザー属性の特徴を深く理解し、スピーディーにPDCAサイクルを回しながら、成果につながるクリエイティブ制作や広告運用を行っていきましょう。
執筆者
桑田 将臣
MIL株式会社 セールスグループ マネージャー
WEB系ベンチャー企業にて新規事業の立ち上げ・セールスなどを経験後、PR会社にてデジタルプロモーションの企画提案を担当。2019年3月よりMIL株式会社に入社し、現在はセールスグループの各部門を統括している。