パーソナライズド広告とは?仕組みやメリット・デメリットを事例とともに解説

パーソナライズ広告

検索した商品や、気になってクリックしたサイトの広告が、検索後すぐ、画面に表示された経験はありませんか?これは、GoogleやTwitterなどのプラットフォームが配信する「パーソナライズド広告」です。

当記事では、パーソナライズド広告を活用したい方に向けて、仕組みやメリット・デメリット、パーソナライズド広告を運用する際の注意点などについて、事例とともにわかりやすく解説します。

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パーソナライズド広告とは

マーケティングにおける「パーソナライズ」とは、個人の属性や行動履歴・興味関心に基づいて、最適なコンテンツやサービスを提供する仕組みを指し、「パーソナライズDM」、「パーソナライズド動画」など、さまざまなシーンで活用されています。

このうち「パーソナライズド広告」とは、Googleなどが提供する、ユーザーの興味関心に個別に合わせた内容のWeb広告サービスです。ユーザーが端末で何かを検索・閲覧すると、ユーザーの属性情報や検索内容、閲覧したサイトなどの情報を元に、ユーザーが現在興味や関心を持っていると考えられる商品やサイトのWeb広告が表示されます。

例えば、「火災保険はどこまでが補償対象か確認したい」と考え、自分が契約している保険会社のサイトや一般的な火災保険の補償対象を検索すると、次に何か別のサイトを閲覧した際には保険会社の広告が表示されるといった具合です。

企業は、パーソナライズド広告により、自社の商品・サービスに適したユーザーに広告を配信できるため、クリック率やコンバージョン率の向上、ROI(費用対効果)の最適化などを見込むことができます。

非パーソナライズド広告(NPA)とは

一方、「非パーソナライズド広告(NPA)」とは、パーソナライズド広告ではないもの、つまり個人に合わせたものではない広告を指します。ユーザーの検索や閲覧などの行動から判明する興味・関心には基づいておらず、また性別・年齢といったユーザーの属性情報も利用しません。

現在の検索内容や現在閲覧しているサイトのコンテンツ、アクセスした地域などの情報を利用して、広告を表示します。

パーソナライズド広告の仕組み

続いて、パーソナライズド広告の仕組みについてご説明します。

まず、広告主がキーワードや広告を表示してほしいユーザーの属性を決めて、広告配信プラットフォームに設定をします。例えば、「30歳以上で、車を持ち、自動車保険に興味がある人」といったようにターゲットとなるユーザーを設定します。

広告配信プラットフォームは、ユーザーが過去に検索したワードや閲覧したサイト、クリックした広告などの収集データと、広告主が設定したキーワードとを照らし合わせながら、該当する属性のユーザーに向けて広告を表示します。

例えばGoogleであれば、検索やGoogleが提供しているアプリ経由で収集したデータから、広告主が設定したキーワードやユーザー属性にマッチするユーザーを選出し、いつどのように広告を表示させるかを判定し、広告を配信します。

パーソナライズド広告を配信できるプラットフォーム

パーソナライズド広告を配信できるプラットフォームにはさまざまな種類がありますが、以下では主要な4点をご紹介します。

  • Twitter
  • Amazon
  • ABEMA
  • Google

どのような特徴があるのか、それぞれご紹介します。特徴を理解した上で、商品やサービスに合うプラットフォームを活用しましょう。

Twitter

Twitterが提供する広告サービスには、ツイート画面に表示されるプロモ広告、フォロワー獲得広告、広告用ツイートなどがあります。

プロモ広告 幅広いユーザー層にツイートを表示させる広告
フォロワー獲得広告 興味を持ちそうなユーザーに、現在フォローしていないアカウントを勧める広告
広告用ツイート 広告主がターゲティングしたユーザー層にツイートを表示

Twitterのパーソナライズド広告は以下のようなユーザー情報を利用しています。

  • ツイート内容
  • クリックしたサイトURL
  • フォローアカウント
  • アクセスした地域 など

Amazon

Amazonは単なるECサイトモールではなく、月に5,000万人以上のユーザーを抱える広告プラットフォームでもあります。Amazonの広告サービスには、以下のような種類があります。

スポンサープロダクト広告 Amazon内に出品されている個々の商品のための広告。商品検索結果ページや商品詳細ページに表示される。
スポンサーディスプレイ広告 ブランドと商品ポートフォリオを紹介。ブランドロゴ、カスタム見出し、一部の商品が掲載されて商品検索結果に表示されるため、商品の露出と売上を伸ばす
スポンサーブランド広告 セルフサービス型の新しい広告ソリューション。Amazon内外の購入者のカスタマージャーニーにおいて広告を掲載し、関連性の高いオーディエンスにリーチ

参照:Amazon.co.jp「広告」

Amazonのパーソナライズド広告では以下のような情報を元に、商品をレコメンドします。「この商品を買った人はこちらも購入しています」というコーナーで他のユーザーの購入商品を表示したり、「あなたへのおすすめ商品」でまとめ買いできる商品や関連商品を表示したりします。おすすめ商品についてメールで紹介するサービスもあります。

  • ユーザーの購買履歴
  • 検索履歴
  • 利用状況
  • アクセスした地域 など

Amazonが取得する情報について詳しくは、以下を参考にしてください。
参照:Amazon.co.jp「プライバシー規約」

ABEMA

動画配信事業を展開するABEMAでは、ユーザーが好きな時に視聴できる「オンデマンド配信」と、テレビの番組表のように番組表に沿った配信を行う「リニア配信」があります。オンデマンド配信では、開局以来、パーソナライズド広告を実施していましたが、リニア配信においても番組中のCMで、パーソナライズド広告を配信するようになりました。
abema ads

引用:ABEMA Ads

ABEMAのパーソナライズド広告では、以下のような情報が利用されています。

  • これまで視聴した番組の内容・ジャンル
  • 視聴回数 など

Google

GoogleはGDN(Googleディスプレイネットワーク)を通じて、Googleと提携するWebサイト、YouTube、Gmail、アプリなどにパーソナライズド広告を配信できます。

Googleのパーソナライズド広告では、以下のような情報が利用されています。

  • Googleアカウント情報
  • Chromeブラウザでの検索内容
  • サイトの閲覧履歴
  • YouTubeにおける視聴データ
  • Googleが提供しているマップなどのアプリの利用状況の情報 など

<Googleのプライバシーポリシー>

パーソナライズド広告を提供するプラットフォームの中でも、Googleは、Chrome検索やGmailサービス、多数のアプリ提供などユーザーと多くの接点を持ち、個人のプライバシーに関する情報を多く収集できる立場にあります。それゆえ、サイトやアプリから共有される情報を処理する際はユーザーに必ず同意を求めるメッセージが表示され、同意を得られなければ個人情報を収集しない、方針に則り運営されています。

Googleの「ポリシーと規約」ページには以下のような表記があり、ユーザー自身が「広告のカスタマイズを無効とする」という選択ができることと、その方法が記載されています。

広告のカスタマイズが有効に設定されている場合、Google は、個々のユーザーに最適な広告を表示するためにユーザーの情報を利用します。たとえば、マウンテン バイクを販売するウェブサイトが Google の広告サービスを利用しているとします。ユーザーがこのサイトを閲覧すると、Google から広告配信を受けている別のサイトを閲覧したときに、マウンテン バイクの広告が表示される場合があります。
広告のカスタマイズを無効にしている場合、Google は、広告プロファイルの作成やユーザーに表示する広告のカスタマイズを目的としたユーザー情報の収集や利用は行いません。
引用:Google「プライバシー規約」

パーソナライズド広告のメリット

多くの企業が実施している「パーソナライズド」には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ユーザー側のメリットと、広告主側のメリットに分けてご説明します。

ユーザーにとってのメリット

ユーザーにとってのメリットは、現在興味や関心を持っている事柄についての情報を詳しく、すそ野を広げて知ることができる点です。広告によって興味のある情報を表示してもらえ、関連情報まで広く知ることができます。

また、一度見かけて気になっていたことを、忘れても後から記憶を呼び覚ましてくれるので、放置せずに課題解決に取り組めるメリットもあります。例えば、テレビのニュースで見た「つみたてNISA」を一度検索したものの、そのときはサイトを読む暇がなく画面を消したけれども、翌日また広告として表示されることで「そういえば」と思い出すきっかけとなります。

ターゲティング広告 調査データ
引用:消費者庁「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」

消費者庁の「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」によれば、ターゲティングされた広告を「参考にしている」「どちらかというと参考にしている」と回答した人が合わせて50%近くにも上りました。いわば秘書のように、関心事をリマインドしてくれる存在といえるでしょう。

広告主にとってのメリット

広告主にとってのメリットは、見込み客に効率よくアプローチができる点です。

商品に直接的な興味はまだなくとも、商品のジャンルや解決できるテーマについて関心があると思われる見込み客に接触することができます。そして、不特定多数向けの、誰が見るか見ないかわからない広告を展開するよりも、広告費用対効果(ROAS:Return On Advertising Spend)を最適化することができます。

また、広告の設定次第では、広告主が想定するターゲット以外に潜在的なユーザーがいる場合、そういったユーザーにもアプローチできますので、認知を広げる効果も期待できます。例えば、50代以上の富裕層を想定していた投資商品について、実際にはそのメディアをよく利用する20代からサイトへのアクセスが伸びる、という可能性もあるでしょう。

パーソナライズド広告のデメリット

パーソナライズド広告は、ユーザーへのダイレクトなアプローチができ、広告の費用対効果が高い一方、デメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか?ユーザー側、広告主側に分けてご説明しましょう。

ユーザーにとってのデメリット

ユーザーにとってのデメリットは、興味や関心が高くないのに広告が表示されたり、別のことに興味が移ったのに広告が何度も表示されたりする煩わしさです。

例えば、家族に頼まれてサイトを検索した場合や、閲覧したサイトですぐ調べ終わった場合、その後何日間も広告が表示され続けることで、その広告をネガティブにと捉えてしまうかもしれません。

ターゲティング広告の印象
引用:消費者庁「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」

先ほどご紹介した消費者庁の「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」によれば、ターゲティング広告を受け取ることについて、「煩わしい」「どちらかというと煩わしい」と回答した人は、合わせると約70%近くいます。また、要配慮情報(人種や信条、病歴など配慮が求められるべき情報)を元に表示された広告については、約25%の人が「不快である」と回答していました。

パーソナライズド広告を参考にはするものの、いつでも歓迎しているわけではない、ということがうかがえます。

広告主にとってのデメリット

広告主にとってのデメリットは、ユーザーデメリットの裏返しであり、ユーザーにダイレクトにアプローチできるだけに、嫌悪感を持たれる可能性があるという点です。

ユーザーが見込み客であっても、今現在、本当に興味や関心を持っているかまではわかりません。そのような気持ちの変化に対応できず、結果として広告の商品に嫌悪感を持たれ、むしろ「この商品だけは買わない」と候補から外されてしまう可能性があります。

ユーザーは、プラットフォームが個人情報を収集することについて同意していたとしても、いつどのような情報を収集したか、どれほどの期間情報を保持しているかわからないので、プラットフォームというよりも、目先の広告に対して不信感を覚えてしまいます。

パーソナライズド広告をあまりに多用すると、主軸となる見込み客層に嫌悪感を持たれてしまい、広告効果が期待できなくなってしまうため、慎重な取り組みが必要です。

パーソナライズド広告の注意点

パーソナライズド広告のデメリットを最小化し、メリットを最大化するためには、次のようなポイントに注意することが必要です。

  • ターゲットを柔軟に調整する
  • 依存せず、他の集客手段を併用する

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

1.ターゲットを柔軟に調整する

1つ目の注意点は、ターゲットを柔軟に調整することです。

「ユーザーにとってのデメリット」の章で触れたように、「興味や関心のない広告」や「要配慮情報を元に表示されたと思われる広告」について、特に不快感を持たれる可能性があります。表示する期間や頻度を慎重に検討する、配慮すべき情報については配慮して広告を表示させない、などきめ細やかに調整しましょう。

広告の表示期間や頻度を検討するには「フリークエンシー」の数値を利用できます。フリークエンシーとは、そのユーザーに対して何回その広告が表示されたか、ブラウザのCookie機能によって回数をカウントするものです。この数値に上限を設定できるフリークエンシーキャップ機能もありますので、そういった機能を利用するのも一法です。

2.依存せず、他の集客手段とも併用する

2つ目は、パーソナライズド広告だけに依存せず、他の集客手段を併用することです。「広告主にとってのデメリット」の章で触れたように、パーソナライズド広告に頼りすぎると、想定する有力な見込み客層へのアプローチが弱くなり、広告が届かない可能性があります。

また、2022年4月から施行された改正個人情報保護法では、サードパーティCookieが「個人関連情報」と定義されました(サードパーティCookie=サイトのリンク先やIPアドレスなどを一時的に保存するCookieのうち、ユーザーが自社サイトを離れ別のサイトを閲覧した場合、別のサイトについての情報も得られるCookie)。

「個人関連情報」(データベースとして管理されているもの)の第三者提供を行う際には「個人関連情報の提供を受けて個人情報として利用することについて、本人の同意を得ていること」を、提供元が提供先に対して確認しなければなりません。

この法改正により、企業のパーソナライズド広告の運用にも影響が現れており、パーソナライズド広告ばかりに依存せず、SNSや動画活用、オムニチャネル化への取り組みなど、各社が新しい展開を始めています。

まとめ

この記事では、パーソナライズド広告について、定義や仕組み、配信プラットフォーム、メリットやデメリット、広告運用における注意点などをご紹介しました。

パーソナライズド広告は、ユーザーに寄り添う広告を表示でき、費用対効果が高いメリットがある一方で、現在の関心事でなければ煩わしく思われ、広告の商品やサービスに不快感を持たれてしまうデメリットもあります。また法改正により、以前より運用が難しくなっている状況にあります。

パーソナライズド広告をうまく活用するには、ターゲットを柔軟に調整し、他の集客手段と併用することがポイントです。今回ご紹介したメリット・デメリットを意識しながら、ぜひ効果的に活用してみてください。

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執筆者
佐藤 駿輔

MIL株式会社 インサイドセールス

大学卒業後、大手外食チェーンへ入社し、新店舗の立ち上げや店長経験等を経て、2020年1月よりMIL株式会社に入社。現在はインサイドセールスとしてSDRを担当するとともに、MA運用も行っている。

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