顧客接点(タッチポイント)とは?強化方法やポイント、成功事例4選を紹介

顧客接点(タッチポイント)

近年、新型コロナウイルスの影響やスマートフォンの急速な普及により、消費者の行動は大きく変化しており、企業には新しい顧客接点の創出や強化が求められています。当記事では、顧客接点とは何か、顧客接点の強化方法やポイント、成功事例などをご紹介します。企業のマーケティング担当の方に参考にしていただければ幸いです。

顧客接点(タッチポイント)とは

「顧客接点」とは、顧客が購買行動を行う際の、顧客と企業の接点のことです。マーケティングにおいて使われる言葉で「タッチポイント」とも呼ばれます。

例えば以下のような接点があります。

  • 店舗やECサイトの店舗で商品を目にする
  • TVショッピング番組や通信販売のカタログで商品の使い方を知る
  • 駅や道路の広告や看板を見かける
  • Webサイトのバナー広告で口コミを読む
  • 友人から「○○良かったよ」と口コミを聞く
  • YouTubeで広告を見かける

顧客接点(タッチポイント)の種類

顧客接点には、さまざまな種類があります。オフラインかオンラインか、購入前か後かなどにより、以下のようにまとめることができます。
顧客接点の例
現在、自社がどんな顧客接点を持っているのかを把握し、今後どのような顧客接点を持つべきかを検討するためには、以下2点の作成が効果的です。

  • ペルソナ
  • カスタマージャーニーマップ

ペルソナとは、商品やサービスを利用する顧客の人物像です。カスタマージャーニーマップとは、ペルソナの思考や行動を、商品やサービスの認知から購入後までの流れに沿って洗い出すものです。

例)保険会社のペルソナとカスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップの例(保険会社)

顧客接点に注目すると、以下のような変化があります。

認知:
子どものための学資保険や、親となる自分の保険内容を見直すべきという情報を、マタニティ情報サイトやWebでの検索、InstagramなどのSNSで認知します。

情報収集:
どんな保険会社や商品があるのか、比較サイトや保険会社のサイトで情報収集します。

比較・検討:
絞り込んだ保険会社のWebサイトで保険料シミュレーションや資料請求を行い、比較・検討します。

購入:
選んだ保険商品を保険会社のWebサイトで購入。

継続:
郵送による商品案内や、メルマガによる条件見直しの案内などを受けながら、継続していきます。

上記のようにカスタマージャーニーとして顧客接点を可視化することで、不足している点や強化すべき点が見えてきます。

顧客接点(タッチポイント)が重要視される理由

顧客接点が重要視されるのには、次の2つの理由があります。

  • 「顧客理解」を深めることができる
  • 「顧客体験の向上」につながる機会となる

どのような理由なのか、一つずつご紹介します。

顧客接点ごとの分析で「顧客理解」を深めることができる

1つ目の理由は、顧客接点ごとに顧客の行動や感情を分析することで、顧客理解を深めニーズを把握できるからです。

インターネットやスマホの普及により、顧客の購買行動を取り巻く環境は大きく変わりました。顧客は知りたいことをスピーディーに調べられるようになり、SNSで自分の購買行動を発信するようになりました。また、店舗や企業のスタッフと接触せずにサイトから商品を買ったり、自宅から遠い場所の商品を取り寄せたりなど、購買行動の多様化が進んでいます。

このように多様化する消費者行動を捉えるには、顧客接点における顧客の分析と理解が必要です。

各顧客接点が、顧客体験の向上につながる機会となる

2つ目の理由は、顧客接点を見直すことが顧客体験の向上につながる機会となるためです。

顧客接点毎に顧客アンケートやNPS調査を行い、顧客の不満やニーズ、期待しているポイントなどを把握し、会社全体で顧客体験の改善に取り組む企業も増えています。

顧客体験が高まると、他社や他商品との差別化ができるだけでなく、顧客が企業や商品の熱いファンになりロイヤルティ(忠誠心)を持つ、LTV(ライフタイムバリュー)が最大化するなどのメリットにつながっていきます。

関連記事:顧客体験(CX)とは?重要視される背景、向上のためのポイントやステップを徹底解説

顧客接点(タッチポイント)を強化する方法

顧客接点を強化する方法には、主に次の3つがあります。

  • 顧客接点の新規創出
  • 顧客接点の多様化
  • 顧客接点のデジタル化

それぞれについて、ご説明します。

顧客接点の新規創出

1つ目は、顧客接点の新規創出です。

従来の顧客接点とは異なる「新しい顧客接点」を設定します。例えば、テレビCMではなくYouTube広告へ変更し、ターゲットを絞り、より興味・関心の高い層へのアプローチを行います。既存の顧客接点を変更することで、新しい層へアプローチし、顧客を創出します。

顧客接点の多様化

2つ目は、顧客接点の多様化です。

多様化とは、種類を増やすことです。接点となるメディアや問い合わせ方法、アフターフォローの方法などを増やします。例えば「問い合わせはコールセンターへの電話だけでなく、WebサイトのチャットボットLINEでも対応する」「アフターフォローはメルマガだけでなく、サンプルや割引券・イベントへの招待状を郵送する」といった具合で、顧客との接点を多様化します。

顧客接点の種類を増やすと、顧客の選択肢が増えて利便性が高まりますし、顧客のさまざまな好みにマッチするようになり、より効果的にアプローチすることができます。

顧客接点のデジタル化

3つ目は、顧客接点のデジタル化です。

従来はオフラインで行っていた顧客接点をデジタル化します。例えば、店舗で行っていた無料説明会をオンラインイベントにしたり、顧客からの資料請求に対して、パンフレットを郵送していたのをメールでの送信に変更したり、ポイントカードをアプリ化する、などの施策があります。

顧客接点のデジタル化を推進することで、顧客は移動しなくても自宅からサービスを受けられますし、企業にとっては遠隔地の顧客や多忙な顧客にも情報を届けられ、集客できるメリットが生まれます。

顧客接点を強化するポイントは「オムニチャネル戦略」

顧客接点を強化する方法を3つご紹介しましたが、いずれも軸となるのが「オムニチャネル戦略」です。

オムニチャネルとは「あらゆる接点の連携」という意味であり、オムニチャネル戦略とは、さまざまなメディアや販売チャネルをシステムによって連携させ、シームレスな顧客体験を提供する販売戦略のことを指します。オフライン・オンラインに関わらず顧客とのあらゆる接点を連携させ、いつでもどこでも顧客と取引できる状況を創り出します。

例えば、金融機関でいえば、銀行の店舗でもWebサイトでも、どちらでも説明を受け、購入ができる仕組みを構築し、またどちらの顧客情報もリアルタイムで把握できるシステム環境を構築するイメージです。

ベルフェイス株式会社の「金融・保険商品購入者のオンライン接客と対面接客の希望意向に関する調査」によると、45.4%が対面接客、35.9%がどちらでもよい、18.7%がオンライン接客を希望しています。5人に1人がオンライン接客を求めている一方で、半数近くが対面接客を求めており、どちらの接客方法も金融・保険の営業活動において必要な手法といえます。

ベルフェイス調査データ
引用:ベルフェイス株式会社「金融・保険商品購入者のオンライン接客と対面接客の希望意向に関する調査」

オムニチャネル戦略によってデジタル化を進め、顧客の多様化に対応しながらさらなる新規顧客の創出に乗り出していきましょう。

顧客接点を強化した企業事例4選(金融業界)

以下では「デジタル化」により顧客接点を強化した金融業界の事例を4つご紹介します。

  • 保険デザイン
  • SOMPOひまわり生命保険
  • 第一生命保険
  • 新生銀行

保険デザイン(住友生命グループ)

住友生命グループの株式会社保険デザインは、AIを活用した「AIぴったり保険診断」サービスを2022年4月より開始しました。

保険デザイン
引用:株式会社保険デザイン

Webサイトのバナー画面をクリックし無料で使用できるサービスであり、顧客の年齢や性別などの属性データに加え、価値観や嗜好性、保険に対する考え方を回答してもらい、おすすめの保険を提示します。

一般的には、年齢や性別、家族構成や職業などの外形的な属性データに基づいて保険商品のコンサルティングが行われることが多いものですが、さらに価値観や嗜好性などの内面的な情報を得てAIが診断することで、より顧客に合う保険商品を提案し、顧客体験の向上を目指しています。

デジタル化を通じて、Webサイトからアクセスする新たな顧客接点を創出している好例です。

SOMPOひまわり生命保険

SOMPOひまわり生命保険株式会社は、AI自動音声対話エンジンを利用した給付金請求における「AI自動音声応答サービス」を2022年4月より開始しました。
SOMPOひまわり生命
引用:SOMPOひまわり生命保険株式会社

保険金・給付金請求受付専用フリーダイヤルに電話をかけ、音声に沿って顧客名や証券番号などを話すと、新型コロナウイルス感染症での給付金請求が 24 時間 365 日、いつでも受付が可能となります。

オペレーターによる電話対応も継続しますが、会話後のオペレーター対応品質に関するアンケートはAIにより自動化することで、顧客の負担軽減や確実なアンケート回収をはかっています。

デジタル化によって、AIとオペレーター双方による受付を採用し、顧客接点を多様化している好例です。

第一生命保険

第一生命保険株式会社は、情報Webサイト「ミラシル」を2021年12月より開設しました。
第一生命
引用:第一生命保険株式会社

このオウンドメディアでは、人と暮らし、健康、お金、保険についての情報や著名人のインタビュー記事を閲覧し、専属オペレーターとチャットやオンラインで保険について相談することができます。無料の会員登録を行うと、さらに会員限定の記事の閲覧やイベント・キャンペーンへの参加が可能となります。

デジタル化で、顧客と双方向のコミュニケーションの場を作ることで、新たな顧客接点を創出している好例です。

新生銀行

株式会社新生銀行では、新型コロナウイルス等の影響で店舗へ来店しにくい顧客に対して、インターネットチャネルでの顧客接点を強化するため2021年よりインタラクティブ動画マーケティングMIL(触れる動画)を導入しました。

※下の画面をタップ・クリックするとインタラクティブ動画が始まります。ぜひ“触って”体験してみてください。

インタラクティブ動画はWebサイト上に設置。インタラクティブ動画はWebサイト上に設置。従来、長文のテキストで説明していた内容を動画化しました。顧客が自身の選択(タップ)から診断形式で、運用意向に近い金融商品を選ぶことができる内容になっています。

動画内では店舗の営業スタッフが実際の接客と同じテンポで説明。対面接客で資料を見せながら視覚的に説明している部分には、動画ではグラフとアニメーションで分かりやすく表現する工夫を加えたり、右下に表示される「ポップアップボタン」をタップするとより詳細な情報が表示されたりと、インタラクティブ動画ならではの機能を使って、顧客の理解を促進しています。

オンラインでのビデオ相談や電話相談とは違い、「インタラクティブ動画」ならオンラインで商品の説明をする営業スタッフの役割を置き換えることができる点が大きなメリットです。導入後、支店のない県の顧客からの商品申込等があるなど、従来のアプローチとは違う、新しい顧客層との出会いが生まれています。

まとめ

この記事では、テクノロジーの進化によってマーケティングのデジタル化が推進されつつある今、企業と顧客の接点(タッチポイント)がなぜ重要視されているのか、どのようなタッチポイントがあり得るのか解説しました。また、金融業界における顧客接点の事例を4つご紹介しました。

顧客接点をより良い内容にしていくには、オムニチャネル戦略がキーとなります。リアルとオンライン双方での顧客接点を融合し、顧客の利便性を高めると、新たな顧客と出会うことができ、同時に顧客の満足度やロイヤルティの向上にも効果があります。ぜひ自社の顧客接点について、見直してみてください。

関連記事:オムニチャネルとは?意味やメリット、戦略実施までの流れをわかりやすく解説
関連記事:【3分でわかる!】カスタマージャーニーとは?カスタマージャーニーマップのメリット・活用法を徹底解説
関連記事:カスタマージャーニーに必須の「ペルソナ」の作り方とポイントを徹底解説!

執筆者
黒谷 純子

MIL株式会社 マーケティング

大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841

インタラクティブ動画ならMIL

インタラクティブ動画ならMIL

MILであれば、インタラクティブ動画を素早く編集でき、動画配信後の測定結果はレポート画面より確認できます。インタラクティブ動画の制作から運用まですべての機能をプラットフォーム化し、動画PDCAを回します。