リード獲得のための動画活用法4選!企業の成功事例とともにポイントを解説します

リード獲得のための動画活用法4選!企業の成功事例とともにポイントを解説します

新型コロナウイルス感染症の流行で顧客との接点が減り、オフラインの新規リード獲得が困難になっていると悩むBtoB企業は少なくありません。リスティング広告やSEOなど定番のデジタルマーケティング手法は依然として重要ですが、オンライン上でさらなるリード獲得を目指すのであれば「動画」の活用がおすすめです。

wyzowlの調査では、回答企業の91%が動画をマーケティングツールとして活用しています。

文字や画像だけのコンテンツと比較すると、動画はリード獲得を始めとしたマーケティング活動に有利ですが、それでは、リード獲得につながる動画とはどのようなものでしょうか。本記事では、リード獲得に動画がなぜ有効か、また、動画活用法や成功事例、活用する際のポイントをご紹介します。

動画マーケティング入門ガイド

リード獲得に動画がなぜ有効か?

リード獲得とは、見込み客の連絡先や会社名、役職など、営業のアプローチに必要な情報を得ることを指します。その後の商談を生み出すために、リードの獲得は不可欠です。

サービス資料ダウンロード時のフォーム入力など、オンラインでのリード獲得方法は様々ありますが、近年注目を集めているのが「動画」です。wyzowlの調査によれば、マーケティング担当者の90%が「動画はリード獲得に貢献している」と回答。たとえば三井住友カード株式会社はランディングページに動画を設置して、コンバージョン率120%上昇という結果を出しています。

リード獲得に動画が有効な理由は、以下の2つです。

  • 短時間で多くの情報を伝えられる
  • 記憶に残りやすい

次の章では詳しいデータを交えながら、リード獲得を促進する4つの動画活用法を紹介します。

リード獲得を促進する4つの動画活用法

BtoB企業では、主に以下の方法で動画を活用できます。

  • 1:サービスサイトへの動画埋め込み
  • 2:Web動画広告/SNS動画広告
  • 3:YouTube
  • 4:ウェビナーのアーカイブ配信

ここからは、各活用法の詳細を解説します。

1:サービスサイトへの動画埋め込み

リスティング広告やオウンドメディアの運用などでサービスサイトに集客できているものの、コンバージョンにつながっていないという悩みを持つ企業は多いのではないでしょうか。

リード獲得動画_ユーザーの滞在時間と離脱率

出典「ニールセン・ノーマン・グループ

ニールセン・ノーマン・グループの調査によれば、ユーザーは有益な情報を見つけられなければ10〜20秒で離脱すると判明。そこでサービスサイトに動画を埋め込む施策が有効になります。アメリカの調査会社であるForrester Research, Inc のDr.James McQuivey氏は「1分間の動画は180万語に相当する情報を持つ」と述べています。

たとえば比較検討段階の見込み顧客に向けて、自社サービスの活用シーンや製品紹介を動画で行うことで、テキストよりも効果的に情報を伝えられるでしょう。

リード獲得動画_canon

出展:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

サービスサイトに動画を設置すれば、短時間で多くの情報をユーザーに伝えられるため、ユーザーが離脱する前に課題を顕在化させ、解決策を提示することもできます。結果的に、資料請求や問い合わせなどのコンバージョンへ繋げられるのです。

2:Web動画広告/SNS動画広告

Web広告/SNS広告での動画活用も効果的です。テキストや静止画の広告よりも、動画広告のほうが高いパフォーマンスを出せそうだと考えている方も多いのではないでしょうか。

動画広告がリード獲得に有効な理由は次の2つです。

◆ユーザーの印象に残りやすい

スタンフォード大学院ビジネススクールの教授ジェニファー・アーカー氏によれば、ストーリーは事実の列挙よりも22倍も記憶に残りやすいとのこと。動画を使えば、自社商材の訴求ポイントをストーリーとして伝えられるため、印象に残りやすくなるわけです。

また、ニールセン社の調査では動画広告はユーザーの目に触れさえすれば、1秒未満でも広告想起や購買意欲などの向上につながると判明しています。広告配信プラットフォームのリターゲティング機能を活用し、特定のユーザーに複数回動画広告を表示することで、比較検討段階で自社ブランドを思い出してもらえるようになる可能性が高まるでしょう。

◆商材理解を促進できる

先にお伝えしたように、動画は情報伝達力に優れていて、ストーリーとして訴求できます。また、Wyzowlの調査では回答者の96%が「商材サービスの理解を深めるために動画を視聴した経験がある」と回答しており、ユーザーも動画を活用して商材理解を深めています。

これらの事実を踏まえると、静止画や文字情報による訴求と比べて、動画広告のほうがユーザーにとってもストレス少なく商材の活用法や操作性などの情報を十分に訴求できると言えます。クリック率やコンバージョンレートが低い場合は、Web・SNSの動画広告を検討してみるとよいでしょう。

3:YouTube

YouTubeは国内月間利用者数7,000万人(2022年)を超える動画配信プラットフォームです。Wyzowlの調査によれば、マーケターが選ぶ最も効果的な動画配信プラットフォームとしてYouTubeが選ばれています。

リード獲得動画_HubSpotのYouTubeチャンネル

出典:Hub Spot Japan – YouTube

YouTubeを使ったリード獲得施策は、広告出稿と自社チャンネル運用の2つです。広告に関しては前の章で説明したとおりですが、YouTube上で自社チャンネルを開設・運用することで、多くの潜在顧客にアプローチできる可能性が生まれます。

特に、既存の製品紹介動画やセミナー/ウェビナー動画などがあれば、大きなリソースをかけることなく運用を開始できます。

なお、動画の冒頭や終わり、ユーザーの興味関心が高まった段階でCTAを表示してアクションを促し、リード獲得への導線を作りましょう。

4:ウェビナーのアーカイブ配信

新型コロナウイルスの流行で、オフラインの展示会や営業が困難になり、ウェビナーが重要なリード獲得チャネルになりました。InsideSalesの調査によれば、マーケティングとセールスリーダーの73%が「ウェビナーは質の高いリード獲得に有効」と回答しています。

ただし、配信方法には工夫が必要です。ON24の調査では特定の日時に開催する「ライブ配信」のみ視聴するユーザーは約60%にとどまり、録画したライブ配信の映像を公開する「アーカイブ配信」だけを視聴するユーザーは31%もいるとのこと。ウェビナーのライブ配信のみでは、業務や日程の関係で参加できないターゲットにアプローチできません。そこで有効になるのが、ウェビナーのアーカイブ配信です。

ホワイトペーパー以外のリード獲得コンテンツ_ウェビナーアーカイブ

ウェビナーのアーカイブ動画を配信することで、ライブ配信を視聴できなかったユーザーにも好きな時に視聴してもらえるため取りこぼしがなく、リード獲得のチャンス拡大を見込めます。

動画を活用して新規リード獲得に成功した企業の事例

ここからは、動画を活用して新規リード獲得に成功した企業事例を4つご紹介します。

株式会社スタディスト|ウェビナーのインタラクティブ動画化

株式会社スタディストは、BtoB企業向けのクラウドサービス開発・コンサルティングサービスの提供企業です。ウェビナーを活用してリード獲得・ナーチャリング・クオリフィケーションをするという目的のもと、インタラクティブ動画の制作・分析プラットフォームインタラクティブ動画マーケティングMIL」を導入。ユーザーが動画内にある要素をタップして、能動的に視聴できるようになっています。

リード獲得動画_株式会社スタディストのインタラクティブ動画事例1

まずはMILのプラットフォームで、ウェビナーの録画動画に、「資料請求」や「無料トライアル」などのCTA(インタラクティブ要素)を追加します。これにより、動画視聴からコンバージョンアクションまでを1つのアーカイブ動画で完結できるようになりました。

リード獲得動画_株式会社スタディストの事例2

ナーチャリング・クオリフィケーションは、MILとMAツール「Pardot」・SFAツール「Salesforce」の連携で実現。Pardotを活用し、個別にIDを付与した動画付きメールを配信し、ターゲットの視聴・タップデータをSalesforceに反映する仕組みを構築しています。

インサイドセールスは視聴データを元に、質の高いリードをクオリフィケーションし、最適なタイミング・内容でアプローチして、商談化を促進できるようになりました。

ウェビナーのアーカイブ動画を活用し、継続的なリード獲得とナーチャリング・クオリフィケーションに成功した事例です。

シナジーマーケティング株式会社|アポ率8割!BtoBの製品サイトに動画を設置

シナジーマーケティング株式会社は、CRMを起点としたクラウドサービスとデジタルマーケティングサービスを通じて、多くの企業を支援しています。主力製品「Synergy!」のリード獲得を目的に、リスティング広告やSEOなど様々なデジタルマーケティング施策を試してきましたが、新たな打ち手として「動画」の活用に着目します。

動画に注目した理由は、Synergy!は活用方法が様々ある説明が必要な商材であり、テキストや画像などのコンテンツよりも、動画の方が直感的に理解してもらえると期待したためです。

リード獲得を目的にした場合、視聴者が見たい項目を選んで視聴できる動画、つまり顧客が課題を選びそれに合ったソリューションの提供ができるインタラクティブ動画が効果的と考え、「インタラクティブ動画マーケティングMIL」を導入します。

リード獲得動画_シナジー

出典:アポ率8割!BtoBの製品サイトに診断型のインタラクティブ動画を活用し、新規リードを獲得

まずはTOPページと製品ページの上部に診断型の動画を埋め込み、再生数を増やすために様々なページにポップアップ形式で動画を展開しました。

具体的な動画の内容は、顧客に2つの設問に回答してもらった後、適切なソリューションを解説し、動画内から「資料ダウンロードフォーム」と「お問い合わせフォーム」に遷移させることを狙った診断型動画です。診断型動画にすることで、顧客の漠然とした課題を明確化できるようになりました。

結果、インタラクティブ動画経由で獲得したリードのアポ獲得率は8割に達しており、質の高いリード獲得ができています。

SUPER STUDIO|タクシー動画広告でリード数158%アップ

SUPER STUDIOはSaaS型のEC基幹システム「ecforce」の開発・提供企業です。同社は顧客層の拡大を狙いタクシー広告の出稿を決めます。数ある広告媒体の中でも、タクシー広告を選定した理由は、認知の底上げだけではなく、信頼感の醸成や意思決定者にしっかりとメッセージを届けられるためです。

リード獲得動画_ECフォース

出典:oricon | YouTube

SaaS企業のタクシー動画広告は「課題の提示 → 自社商材の紹介(課題の解決法) → サービスの特徴 → 導入後の成果」という流れで構成されることが多いですが、SUPER STUDIOはワンメッセージで伝えきる広告を制作しました。上記動画を見るとわかるとおり、売り上げの漏れないECカート制作が重要というワンメッセージのみ伝えています。こうすることで、サービスの一番の特徴と製品名を覚えてもらえるわけです。

ユニークなクリエイティブも相まって、SNSでの拡散やテレビをはじめとした様々な媒体で取り上げられたこともあり、リード数158%向上、商談数159%向上という結果につながりました。

Slack|顧客インタビュー動画でリード獲得を促進

リード獲得動画_sandwich

出典:Slack | YouTube

Slackは、顧客であるSandwich Video agencyの活用事例を動画でまとめました。この動画キャンペーンの優れている点は、ストーリーテリングです。Sandwich Video agencyの複数社員に出演してもらい、初めは導入に消極的だった様子や次第にSlackの魅力に気づき、夢中になっていく様子を伝えています。

スタンフォード大学の研究では「事実の列挙よりもストーリーで伝えた方が説得力が22倍も増す」と判明。また、「消費者の80%以上が製品購入前に口コミを確認する」という調査結果があるように、比較検討段階の顧客は、実際のユーザーの意見を確認します。

これらの調査結果を踏まえると、Slackのように「導入前に抱えていた課題」「商材がどのように課題解決に役立ち、どのような結果を得られたのか」をストーリー形式で伝えれば、効果的に比較検討段階の顧客に訴求できるといえるでしょう。

リード獲得に動画を活用する際のポイント

単に動画を活用するだけでは、リード獲得の促進はできません。リード獲得に動画を活用する際は、下記ポイントを意識しましょう。

  • 動画の役割を明確にする
  • 最後まで視聴してもらえる動画にする
  • 視聴後のアクションを促す

ここからは、各ポイントの詳細を解説します。

動画の役割を明確にする

BtoBの購買プロセスは複雑だからこそ、動画の役割を明確にして、各フェーズごとの顧客ニーズや関心に合わせた動画コンテンツを提供することが重要です。例えば、認知フェーズの顧客はまだ自身の課題や問題が明確になっていない可能性があるため、商品やサービスの特徴をわかりやすく伝える動画や、成功事例で紹介したシナジーマーケティングのように課題を引き出す診断動画などが良いでしょう。

検討フェーズの顧客は具体的な解決策を探しているため、製品の機能やメリットを訴求する動画が有効です。このように各フェーズにおける顧客課題とニーズに適した動画を提供することで、スムーズに態度変容を促せます。

最後まで視聴してもらえる動画にする

動画制作における重要なポイントは、動画冒頭でユーザーの興味関心を惹き、最後まで視聴してもらえる内容にすることです。

人間の情報処理速度は、2001年の平均値0.3秒から0.03秒まで短縮されました。つまり、私たちは一瞬のうちに動画コンテンツを視聴するかどうか判断しています。

そのため、動画の冒頭にキーメッセージやユーザーインサイトを盛り込んだり、動画のなかで「~を知っていますか?」と興味を引き出すような呼びかけを織り交ぜるなど、ユーザーの注意をひくのが有効です。

視聴後のアクションを促す

リード獲得を目的に動画を活用するなら、動画内にCTA(Call To Action)を設置して、視聴後のアクションを促しましょう。動画で視聴者の興味関心を高められても、次のアクションを促すCTAがなければ、リード獲得につながらないためです。

また、今回ご紹介したスタディスト社の「インタラクティブ動画」のように動画内にもCTAを設置できるツールを活用すれば、ユーザーが能動的に動画視聴できるようになり、また、タップした個所やよく視聴されているパートなどのユーザー行動をデータとして蓄積することも可能です。アクションデータを分析し、ユーザーインサイトを把握すれば、コンテンツの改善やナーチャリング材料などに活かせます。

サービス紹介動画やウェビナーのアーカイブ動画を配信する際は、CTAを忘れずに設置しましょう。

まとめ

企業が成長を続けるためには、継続的なリード獲得は欠かせません。説明が必要なBtoB商材は情報伝達力の優れた動画との相性が良いと言えます。商材説明動画やウェビナー動画を編集し、様々なチャネルで配信することで、継続的にリード獲得できる仕組みの構築ができます。ターゲットのリード化を促進するためにも、動画の冒頭や終わり、興味関心が高まった段階でCTAを設置するようにしましょう。

動画マーケティング入門ガイド

執筆者
黒谷 純子

MIL株式会社 マーケティング

大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等、おもにコンテンツ領域を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841

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