無料から有料まで!目的別・ヒートマップツールおすすめ5選と選ぶポイントを解説

ヒートマップツール

Webマーケティングにおいて、コンテンツのリライトや販売ページ・ランディングページ(LP)の分析改善に欠かせないのが「ヒートマップ」です。

ヒートマップは、体温の高さを色のグラデーションで表すサーモグラフィーのように、ユーザーの関心の高い部分、低い部分を色で塗り分けて表示します。ヒートマップをアクセス解析ツールや売上、資料請求などのコンバージョンの数値と合わせて分析することで、Webページの改善に役立てることができます。

この記事では、ヒートマップ導入を検討されているWeb・マーケティング担当の方のために、ツールごとの特徴をわかりやすく解説します。

売れる!LPO施策11選ebook

ヒートマップの種類と、分析できること

ヒートマップツールを検討する前に、まずはヒートマップの種類とどのような分析ができるのかを把握しておきましょう。ツールによって名称が変わる場合もありますが、代表的なのは次の4つです。自社のWeb分析と改善に使うことをイメージしながらご覧ください。

  • アテンションヒートマップ
  • スクロールヒートマップ
  • クリックヒートマップ
  • マウスムーブヒートマップ

アテンションヒートマップ:熟読された箇所がわかる

アテンションヒートマップの例
引用:Ptengine
ページを訪問したユーザーが、ページ内のどこを熟読していたのかを表します。一般的には赤やオレンジなどの暖色が興味関心の高く熟読された箇所、青やグレーなどの寒色が読み飛ばされた箇所を表します。

熟読された箇所や読み飛ばされた箇所を把握して、ページ内の説明の順番を入れ替えたり、不要な部分を削除したりするという判断ができるようになります。

スクロールヒートマップ:読了率と離脱箇所がわかる

スクロールヒートマップの例
引用:SiTest
スクロールヒートマップは、ページを訪問した人がどこまでスクロールしたのかをグラデーションで表示します。ユーザーがどこまで見てくれたのか?と同時に、ページのどこで離脱したのかが一目でわかります。

ただし「スクロールした=熟読された」という意味ではないことに注意が必要。ページ内で情報を探したけど、見つけられなくて離脱しているケースもあるからです。アテンションヒートマップと合わせて、スクロールの質を分析しましょう。

クリックヒートマップ:クリックされた箇所がわかる

クリックヒートマップの例
引用:Ptengine
クリックヒートマップでは、その名の通り、ユーザーがクリックした箇所がわかります。色の寒暖で、押してもらうことを意図して設置したボタンのクリックや、予期せぬ箇所がクリックされていることを直感的に把握できます。

例えば、頻繁にクリックされた箇所に画像やグラフがある場合には、ユーザーが図を拡大して見たいという要望の表れと推測でき、図を大きくするなど改善につなげます。

マウスムーブヒートマップ:ユーザーのページ内の動きがわかる

マウスムーブヒートマップの例
引用:SiTest
マウスムーブヒートマップでは、ユーザーがページ内をどのように移動したかを表します。他のツールと違い、ページ内にある情報同士の関連を知ることができるので、ユーザーの導線改善に役立ち、滞在時間やコンバージョン向上につながります。

目的別!ヒートマップツールおすすめ5選(有料&無料)

以下では、おすすめのヒートマップツールをご紹介します。導入後に後悔がないよう、導入前にチェックしておきたいポイントを表にまとめました。ぜひご活用ください。

  • User Heat
  • MIERUCA HEAT MAP
  • Mouseflow
  • SiTest
  • Ptengine

「User Heat」(ユーザーヒート)/複数ページ30万PVまで無料で使える!

userheat
引用:User Heat

「誰でも簡単に無料でヒートマップ解析」というキャッチコピーの通り、自社のサイトを登録してすぐに利用することができます。しかも1サイトあたり月間30万PVまで計測することができるので、アクセス数の多いサイトをお持ちで、複数のページを無料で計測したいという企業におすすめです。

デメリットとして、UserHeatでは高さ約6000pxまでしか分析データを閲覧できず、長文で縦に長いページは途中で途切れてしまう点があります。この制限を撤廃したい場合は有料版の導入が必要となります。まずは無料版で操作性を試してみるのが良いでしょう。

公式サイト https://userheat.com/
アテンション機能
スクロール機能
クリック機能
マウスムーブ機能
マルチデバイス対応
個別ユーザーの追跡 ×
無料時のPV数の制限 30万PV/月
無料期間 無制限
有料プランの価格 要問合せ
特徴 ・月間30万PVまで無料で使えるが、解析できるページの長さと幅には制限がある
・有料版として、アクセス解析の機能も加わった「User Insight(ユーザーインサイト)」がある
導入実績 非公開
サポート体制 基本なし。バグやシステムトラブルのみ日本語で受付。
よくある質問 https://userheat.com/stage/help/

「MIERUCA HEAT MAP」(ミエルカヒートマップ)/ミニマムから利用できる!

mieruca
引用:MIERUCA HEAT MAP

「無料から使えるコンバージョン改善ツール」とキャッチコピーにある通り、ヒートマップを手軽に無料で試してみたい・ミニマムから使ってみたいという企業に向いています。WordPressのサイト用に無料のプラグインが用意されているため、設置はとても簡単。無料で使えるヒートマップツールの多くが、計測タグの設置など使い方のサポートをしていないため、この機能は助かります。

1ページであれば無料で使用できるため、まずは主要なランディングページ(LP)など、1ページの分析からスタートしてみましょう。有料プランも9,800円のミニマムプランがあり、まずは最低限の機能を利用してみたい企業におすすめです。

公式サイト https://mieru-ca.com/heatmap/
アテンション機能
スクロール機能
クリック機能
マウスムーブ機能 ×
マルチデバイス対応
個別ユーザーの追跡 ×
無料時のPV数の制限 3,000PV
無料期間 無制限
有料プランの価格 9,800円〜 *税抜、年払い時
特徴 ・1ページであれば期間無制限で使える
・SEO分析ツールMIERUCA(ミエルカ)と連携できる
導入実績 富士フィルム、花王、ビズリーチほか多数
サポート体制 無料版はなし。有料版はメール、電話サポートの他、動画マニュアルや活用セミナーがある。
よくある質問 https://mieru-ca.com/heatmap/faq/

「Mouseflow」(マウスフロー)/ユーザーの動きを細かく把握できる!

mouseflow
引用:Mouseflow

「ユーザーひとりひとりの行動をつぶさに可視化。必要なデータをより詳しく、より正確に。」というコピーの通り、ユーザーの行動を個別に追跡することができます。

コンバージョンの有無だけでなく、サイトへの流入経路やページの遷移など、特定の条件下で絞り込んでユーザーの行動を細かく追って分析したい企業におすすめ

デンマークのIT企業が開発しているツールですが、日本国内に販売代理店があり、日本語で使うことができるので言語面での心配はありません。無料プランでも、日本語のオンラインマニュアルが充実しているのも魅力です。

公式サイト https://mouseflow-jp.com/
アテンション機能
スクロール機能
クリック機能
マウスムーブ機能 ×
マルチデバイス対応
個別ユーザーの追跡 〇セッションリプレイ
無料時のPV数の制限 なし
無料期間 14日間
有料プランの価格 2,735円〜*為替変動あり、年払い時
特徴 ・デンマークのIT企業が開発
・無料でもオンラインマニュアルが充実
導入実績 マイクロソフト、コストコ、ダイソン他
サポート体制 オンラインマニュアル。有料版はメール、チャット、電話
よくある質問 https://mouseflow-jp.com/support/

「SiTest」(サイテスト)/サイト改善機能を網羅!

sitest
引用:Mouseflow

「ヒートマップ × A/Bテスト × EFOでWEBサイトの収益を最大化」と訴求しているように、サイト改善に必要な機能をまとめて無料トライアルすることができます。ヒートマップ以外にもEFO(入力フォーム最適化)、ヒートマップで分析したデータを元にポップアップなどの様々な機能を使って、サイト改善を図りたい企業におすすめです。

特徴的な機能は、サイト訪問者の行動をすべて録画して、あとから再生する機能が録画再生機能(セッションリプレイ)です。マウスポインターの動き、クリック/タップ、ページの遷移など、セッションごとの行動を動画で詳細に確認でき、コンバージョン向上につながります。

SiTestはヒートマップ単体のツールと違い、他の機能と1つのツールで連携することができるため、より効率的に分析・改善をすすめられるでしょう。

公式サイト https://sitest.jp/
アテンション機能
スクロール機能
クリック機能
マウスムーブ機能 ×
マルチデバイス対応
個別ユーザーの追跡 〇録画再生機能
無料時のPV数の制限 30,000PV/月
無料期間 1ヶ月間
有料プランの価格 要問合せ
特徴 ・Web分析が初めてでも、担当者に相談して解析・改善プランを設計してもらえる。
導入実績 マネーフォワード、KADOKAWA、なんぼやほか
サポート体制 契約内容による
よくある質問 https://sitest.jp/faq.html

「Ptengine」(ピーティーエンジン)/サイトの最適化を総合的に進められる!

ptengine
引用:Ptengine

Ptengineは、世界180ヶ国、20万以上のユーザーにサービス提供実績があり、大企業、中小企業を問わず多くの企業に利用されています。「今のサイト運用を直感的にワンストップで」というコピーの通り、タグ実装の5分後から利用開始できるという仕様。

Insight(インサイト)というヒートマップ分析ツール、Experience(エクスペリエンス)というA/Bテストやポップアップなどのサイト改善機能が使えるツール、それらを同時に利用するという3つのパターンが用意されています。

SiTest同様にサイト改善に必要な機能も併用できるため、「今すぐ分析をして、サイトを改善したい!」というスピード重視の企業に向いています。1ヒートマップ、3,000 PVまでを対象とした無料プランもあるため、まずは実際に操作して試してみるのもよいでしょう。

公式サイト https://www.ptengine.jp/
アテンション機能
スクロール機能 △類似機能あり
クリック機能
マウスムーブ機能 ×
マルチデバイス対応
個別ユーザーの追跡 ×
無料時のPV数の制限 3,000PV/月
無料期間 無制限
有料プランの価格 5,478円〜*税込、年払い時
特徴 ・ヒートマップツール、Webテストツール、両方のツールを同時に使うパッケージがある。
・ユーザー同士が教え合うコミュニティがある。
導入実績 RIZAP、電通、アットホームほか
サポート体制 無料版はなし。有料版はメール、チャット、電話。
よくある質問 https://help.ptengine.jp/

ヒートマップ選びのポイント3点

1.ヒートマップで何をしたいのか?目的を明確にする

1点目は、自社のWebサイトの課題解決にヒートマップが使えるかどうかを考えることです。どの種類のヒートマップを使いたいかによって、選ぶツールが変わります。また、ヒートマップ機能に特化したツールがよいのか?他のWeb分析機能をもつツールを選ぶべきなのか?目的に合わせて、総合的に判断しましょう。

2.データを取りたいページとツールの仕様を確認する

ヒートマップツールを選定する際は、自社のサイトのどのページを対象としてデータをとるのか、具体的に決めてから、ツールの機能など詳細を確認します。最近では、ユーザーがパソコンよりもスマホで閲覧をしているケースが圧倒的に多いので、全体・スマホだけなど切り替えて分析できる機能も人気です。多くのツールに無料お試しプランがあるので、条件に合うものを実際にいくつか試してから決めるのもおすすめです。

3.社内のリソースと予算を確認する

ヒートマップツールを担当する社内のメンバーのリソースと、かけられる予算を確認しましょう。マーケティングのチームにヒートマップに慣れたメンバーがいる場合は問題ありませんが、初めてだったりWebマーケの人材が少なかったりする場合は、ツールのサポート体制も確認するようにします。また、複数ツールの無料トライアルを利用して、実際の操作性やコストパフォーマンスを試し、自社に合うものを選択することが重要と言えます。

まとめ

ご紹介した5つの中に、試してみたいと思うツールはあったでしょうか?今回ご紹介したツール以外にも、ヒートマップツール、ヒートマップ機能を持つWeb分析ツールは、海外製のものを含めて沢山あります。ヒートマップ選びのポイント3点を参考にして、自社のWebページ改善に最適なヒートマップツールを元に、改善を進めていってください。

ヒートマップを使った分析やLPOについて詳しくは、以下の記事でご紹介しています。ぜひ合わせてお読みください。
関連記事:Web分析に使える「ヒートマップ」とは?導入に失敗しないための基礎知識を解説
関連記事:コンバージョンを改善するLPOとは?用語の意味、流れ、効果的な実行のポイントを解説

売れる!LPO施策11選ebook

執筆者
黒谷 純子

MIL株式会社 マーケティング

大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841

インタラクティブ動画ならMIL

インタラクティブ動画ならMIL

MILであれば、インタラクティブ動画を素早く編集でき、動画配信後の測定結果はレポート画面より確認できます。インタラクティブ動画の制作から運用まですべての機能をプラットフォーム化し、動画PDCAを回します。