スマホでの動画視聴が一般化する中、YouTubeやSNSでも「縦動画」が増加しています。本記事では、縦動画のメリット、YouTubeでの縦動画の事例やSNSでの活用、トレンドについて、分かりやすく解説していきます。
スマホ視聴に最適な「縦動画」とは?
7割以上が「スマホ縦向き」のまま動画視聴!
2021年に実施された「若者世代のスマートフォン利用に関するアンケート(TIME&SPACE調べ)」によると、スマートフォン(以下、スマホ)で動画視聴をするユーザーは全体で約8割という結果になりました。
それでは、ユーザーはスマホを用いて「どのように」動画を視聴しているのでしょうか。
上記の調査結果を見ると、スマホの利用率が高い”20代”は、およそ4割が「縦向きのみ」で動画を視聴していることがわかります。
年齢層が上がるにつれ、「縦向きのみ」で視聴する割合は減るものの、それでも全体で約3割は「縦向きのみ」で視聴しており、「両方」と回答したユーザーと合わせると、縦向きで動画を視聴するユーザーは全体で7割に上ります。
多くの動画は「横向き」で視聴されることを想定して作られていますが、スマホ上では「横向き動画」も実際は「縦向き」で視聴されていることが分かります。スマホユーザーの「縦向き視聴」に最適な形として、スマホの縦スクリーンに合わせた「縦動画」の制作が必要になってきます。
縦動画のメリット
それでは「縦動画」にはどのようなメリットがあるのでしょうか?以下、3点をご紹介します。
1.片手で気軽に視聴できる
「スマホの向きを変える」というアクションをユーザーに取らせることは、映画のような長時間のコンテンツでない限りは難しく、手間だと思われてしまいます。縦動画の動画であれば、ユーザーはスマホの向きを変える必要がなく、片手で気軽に視聴することができます。電車の中など限られたスペースの中で、隙間時間に視聴する際は、片手で持って視聴するのがスムーズです。
2.没入感が高い
縦型動画では、スマホのスクリーンをフルに使用することができるため、横型動画と比較するとスクリーン上の表示面積は約3倍になります。動画をフルスクリーンで表示できるため、横型動画よりも没入感の高い動画を制作することができます。Netflixなど動画配信サービスのユーザーも増え、スマホで映画・ドラマを視聴するケースも増えています。
3.SNS広告との相性が良い
多くのユーザーはスマホを「縦向き」で利用しています。前述した通り、ユーザーに「スマホの向きを変えさせる」ことは難しく、広告動画では更にその難易度は上がるでしょう。そのため、縦向きのままフルスクリーンで動画を再生できる「縦動画」は、SNS広告との相性が良く、SNS上で配信されている広告動画の多くは、「縦向き」もしくは「スクエア」の動画になっています。TikTokやInstagramなどの動画SNSで広告を展開する場合、縦動画が効果的です。
YouTubeでの縦動画の事例
Billie Eilish
デジタルネイティブである「Z世代」のアーティストとして、世界中た絶大な人気を博している「Billie Eilish」は、「縦型のMV」をYouTubeにアップロードしており、この動画は2019年11月現在で1.5億回再生されています。
YouTubeのプレイヤーは、様々な動画サイズに対応
YouTubeアプリのプレイヤーでは、再生時に動画のサイズに合わせて、縦長の比率や正方形の比率に切り替えることが可能です。そのためYouTubeアプリでは、縦動画もフルスクリーンで再生することができます。
また2018年より「ストーリー機能」が、2021年からは「YouTubeショート」が追加され、コンテンツの多くが横動画で占められるYouTube上でも、「縦動画」に接する機会が増えました。
日本版YouTube公式ブログ(YouTubeショート)
SNSでの縦動画の活用
「縦向き視聴」が主流となった今、「縦動画」が最適であることを裏付けるように、スマホ利用率の高い10代~30代の若年層では、「縦動画」がメインの動画SNSが流行しています。
縦動画コンテンツが多く投稿されている「動画SNS」からは、縦動画制作のヒントが得られるので、制作を検討の際には下記SNSを一度チェックしてみましょう。
TikTok
縦向き視聴に特化した動画SNSの代表例として、10代~20代を中心に、若者の間で大人気の「TikTok」が挙げられます。
横向きの動画も投稿されていますが、多くは縦動画で占められており、「上下」にスワイプすることで別の動画が再生されるなど、縦向きであることを意識したUIになっています。
TikTok上で配信されているインフィード広告の多くも「縦動画」になっており、まさに縦向きに特化した動画SNSとなっています。
2016年に開始された「ストーリーズ」機能は、今やメイン機能といっても過言ではないほど利用されています。ストーリーズの特徴は、「投稿から一日でコンテンツが消える」、「最大15秒のショート動画」そして、「縦向きフルスクリーン表示」であることです。ストーリーズ上に掲載されている広告コンテンツも、TikTokと同様に「縦向きのコンテンツ」が多く見られます。
また2020年8月にリリースされた「リール(Reels)」機能は、最長で15秒の縦型フルスクリーン動画を編集・投稿できる機能です。「発見タブ」などより多くの場所に動画が表示されることで、アカウントに興味をもってもらえる確率も高まり、フォロワー増加が期待できます。またフォロワー以外に動画を届けられ、偶然の出会いを創出できる点も魅力です。
縦動画の最先端は、リール×インタラクティブ動画
これまで縦動画への注目が高まっていることを紹介してきましたが、縦動画の最先端は「リール×インタラクティブ動画」です。
インタラクティブ動画とは「タップ・クリックするなど、視聴者が触れる仕掛けを組み込んだ次世代型動画」です。従来「視聴のみ」で終わっていた動画の中に「仕掛け」があることで、視聴者自身が能動的に「動画を体験」できるようになります。興味喚起から、購買・予約などコンバージョンまでを完結できる点が特徴です。
この機能に、一度再生すると中毒性が高く離脱率が低い「リール機能(スワイプによる動画の切替)」を組み合わせることで、単に「面白い」だけでなく、興味喚起・成果向上につながる「縦型ショート動画」を実現します。
以下では、「リール×インタラクティブ動画」の機能を提供しているインタラクティブ動画マーケティング「MIL」による、リール事例をご紹介します。ぜひ実際の動画を触って(上下にスワイプしながら)、ご体験ください。右上の「i」マークをクリックすると、詳細情報がポップアップされます。
Instagramリールとの違い
「MILリール」はInstagramのリールと比較すると、以下のような特徴があります。
- 1動画素材あたり「1分尺」でInstagramの15秒と比べて長い!
- 「インタラクティブ機能」との併用により、わかりやすく情報を届け、コンバージョンにつながる導線を作り出せる!
- サイト・広告LPへの埋め込み、メルマガ、各種SNSにおける配信が可能!
- リールの総再生数/動画毎の再生数/動画毎の閲覧時間などをまとめた「レポート機能」で動画の成果が分かる!
特にSNSでリール視聴に親しんでいる「F1/M1層」との相性が良く、興味喚起・成果向上において高い効果が見込めることから、以下のような領域と相性が良いと言えるでしょう。
- 企業PRを目的としたリール化(自社ブランディングや商品キャンペーンなど)
- インタビューコンテンツのリール化(企業の新卒・中途採用、高校・大学の学生募集など)
- 偶発的な購買体験が求められる商品のリール化(アパレル・化粧品・車など)
まとめ
各世代へスマホが普及した現在、今後ますます、スマホでの動画視聴が増えることが予想されます。スマホ視聴に最適な「縦動画」を作成し、効果的なマーケティング活動につなげましょう。
執筆者
黒谷 純子
MIL株式会社 マーケティング
大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841