本ブログではインタラクティブ動画に関する様々な情報をご紹介してきましたが、遂にあのNETFLIXでも、インタラクティブ動画を活用したコンテンツが公開されました。
作品名は「ブラック・ミラー:バンダー・スナッチ」。「ブラック・ミラー」はNETFLIXのオリジナルドラマで、科学技術が進化していくことで歪んでいく人間社会の様子を描き出した作品です。「バンダー・スナッチ」はそのスピンオフ的立ち位置の作品として配信されました。
物語の概要
主人公ステファンは幼い頃に母を失った体験からトラウマを抱えており、精神科医のカウンセリングを続ける情緒不安定な少年です。ある日、母が好きだったゲームブック(読者が物語の展開を決められる本)である「バンダー・スナッチ」をテレビゲーム化することを思いつき、大手ゲーム会社へその話を売り込みに行きます。そのゲームブックの作者は、かつて「バンダー・スナッチ」の執筆中に発狂し、自分の妻の首を切り落として殺害してしまいました…。
インタラクティブ化のポイント
最初の選択肢はライトに
ストーリーの展開を握るのは視聴者であるため、物語中盤からは重たい選択を迫られる場面が増えてきますが、最初の選択は「朝食にどっちを食べるか」というとてもライトなものになっています。そうすることでインタラクティブ動画に慣れていない視聴者を無理なく少しずつ物語へ引き込んでいく仕掛けになっています(ちなみに2番目の選択である「どっちの音楽を聴くか」で選択した音楽が作品のBGMになります)。
制限時間を設ける
視聴者の選択には制限時間が設けられています。猶予が与えられていないことで視聴者は選択することに集中せざるを得なくなり、結果として没入感を高めることに繋がっています。
視聴者と登場人物の繋がり
「バンダー・スナッチ」にはエンディングが5種類用意されています(物語の本筋から逸れたおまけエンディングもあるので、ぜひご覧になってみて下さい)。それぞれのエンディングに行き着くまでに様々な選択を行いますが、そのルートによっては主人公ステファンが画面の向こうにいる我々視聴者の存在を認識することもあります。それにより、視聴者にとっては、ただ物語の展開を選択しているというだけでなく、「登場人物の運命を握っている」とさえ錯覚する感覚を覚え、没入感を高める効果に繋がっています。
重要な選択肢へ誘導
5種類のいずれかのエンディングへたどり着くと、クレジットへ進んで視聴を終了するか、特定の分岐へ戻るかを選択できます。ここで言う「特定の分岐」とは、物語の展開を大きく左右する重要な分岐のことです。始めから全ての選択をやり直しさせるのではなく、重要な分岐を動画側から提示することで、興味を持った視聴者がスムーズに他のエンディングへたどり着ける親切な導線を設置しています。
MILの場合
MILによるストーリー動画
弊社MILでも、クライアント様のご要望に対応したストーリー動画をお作りしております。
事例の一つとして、若年層への商品の認知獲得を目的とした三井住友カード様の動画があります。
動画の詳細
三井住友カード様の事例については他の記事でもご紹介しております。
制作費用と時間
「バンダー・スナッチ」の制作に携わったクリエイターらによると、「バンダー・スナッチ」を制作するのに、通常の「ブラック・ミラー」の2倍の制作時間とコストを費やしたそうです。ストーリーが分岐するというコンテンツを取り入れるため、「状態トラッキング」や「ブランチマネージャー」といった独自開発した技術も導入しています。弊社MILのインタラクティブ編集動画ツール「MIL」であれば、すでにお持ちの動画をMIL内に格納し、最短1日で編集することができます。
MILの使い方は下記リンクより確認頂けます。
MILへのお問い合わせ
MILの費用等について気になる方は下記弊社サイトの問い合わせフォームまでお問い合わせください。
まとめ
ユーザ数が急速に拡大しつつあるNETFLIXがインタラクティブ動画に着手したことは、今後のインタラクティブ動画の大きな可能性を示唆しています。NETFLIXのような大手VODサービスが始めたことで、動画をタップすることが当たり前のカルチャーになるはずです。
インタラクティブ動画のような画期的な動画施策を、世の中の注目に先駆けて検討することに大きな意味があります。弊社MILでも、「バンダー・スナッチ」のようなインタラクティブドラマ制作のご依頼を受け付けておりますので、ぜひご検討ください。