近年、多くのBtoB企業がリード獲得・ナーチャリングを目的として、ウェビナー配信を行っています。
ウェビナーを本格的に行うにあたり、配信に適した環境を準備したいと考えているかたも多いのではないでしょうか。よりよい環境としては、「専用スタジオ」の利用がひとつの選択肢になります。機材や配信環境が整ったスタジオを利用することで、ウェビナーの品質をアップさせ、施策の効果向上につながります。
当記事では、ウェビナースタジオのメリット・デメリットに加え、関東・関西エリアのおすすめスタジオ、さらにウェビナーの費用対効果を最大化するポイントも紹介します。これからウェビナーを本格的に実施していきたいという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ウェビナーの外部スタジオとは?目的と種類
ウェビナー(Webinar)とは、オンライン上で行われるセミナーや講演の形態です。自宅やオフィスなどからインターネットを通じて参加できるため、対面のセミナーではリーチできなかった多くの人との接点を構築します。
そして、ウェビナーの「外部スタジオ」とは、ウェビナーの収録・配信専用のスタジオを指します。利用の目的と種類について、以下で解説していきましょう。
引用:越後屋スタジオ
外部スタジオ使用目的
自社オフィスからでも配信はできますが、ウェビナー用のスタジオなら、配信に必要な機材・環境が揃っている特徴があります。また、ウェビナーの外部スタジオを利用すれば、ウェビナーについての専門知識や機材の準備などが必要なく、必要に応じて、プロのサポートも受けられます。
そのため、外部スタジオの活用は「配信にまるわる段取りをとにかく丸っとお任せしたい」「予算がかかっても、高品質なウェビナーを実施したい」「外部のプロフェッショナル人材に任せたい」という企業に適しているでしょう。BtoB企業が実施するウェビナーの他、企業ブランディングとしてクオリティの高いコンテンツに仕上げたい「企業説明会」、繰り返しコンテンツとして活用したい「従業員用動画」の撮影などで利用されるケースもあります。
スタジオの種類
ウェビナーの外部スタジオの種類は、「配信に特化したスタジオ」と「配信前後のサポートも行うスタジオ」の2つに分けられます。
配信に特化したスタジオ (場所・機材のみレンタル) |
<このような企業におすすめ> ・自社にウェビナー配信のノウハウがあり、配信場所や機材だけを借りたい。 |
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配信前後のサポートも行うスタジオ | <このような企業におすすめ> ・ウェビナーを成功させるためにウェビナーの戦略的な企画・準備、実施、フォローアップなどのサポートも受けたい。 |
ウェビナーの外部スタジオを利用するメリット
BtoB企業がウェビナーを外部スタジオから配信するメリットは、次のとおりです。
- 質の高いウェビナーの配信環境・機材を借りられる
- 専門スタッフのサポートも受けられる
以下より、個別にみていきましょう。
質の高いウェビナーの配信環境・機材を借りられる
一般的に、ウェビナー配信を行う外部スタジオでは、下記のような専用機材を揃えています。これらを利用することで、自社から配信する以上に高品質なウェビナー配信が可能に。
- 配信用のウェブカメラ、ビデオカメラ
- 集音性のあるマイク
- 高画質・高音質での配信が可能なネットワーク環境
- 遮音環境
など
自社で各機材を揃え、インターネット環境や遮音環境までしっかりしたものを用意するためには、時間も費用も多く必要です。
外部スタジオであればプロ仕様の機材をレンタルできますので、クオリティの向上につながります。
専門スタッフのサポートも受けられる
ウェビナー配信の専門スタッフからサポートを受けられるスタジオも多くあります。例えば「機材の使い方」「ウェビナー配信のレクチャー」「当日の運営サポート」など。
ウェビナー配信に関する知見を持った「専門スタッフによるサポート」を提供しているスタジオを選べば、ウェビナー配信にかかる各業務を代行してもらえます。それにより、自社の人材はウェビナー内容の品質アップに集中できるでしょう。
ウェビナーの外部スタジオを利用するデメリット
ウェビナー施策で外部スタジオを利用するデメリットは「費用面」「スケジュール面」の2点が考えられます。
「費用面」は、スタジオの利用料や機材のレンタル料、サポート依頼料金などが必要になる点です。自社で簡易的なウェビナーを行う場合にはかからない費用が、外部スタジオを利用すると発生します。
「スケジュール面」についていえば、外部スタジオは他の予約などで埋まっていることもあるため、自社の都合とスタジオの予約可能時間が一致しない場合、利用できない可能性があるということ。もし、ウェビナー開催のスケジュールが限られているなら、スタジオの予約に問題が発生した場合、実施に支障が発生しかねないため注意が必要です。
ウェビナースタジオを選ぶ際のポイントと注意点
ウェビナー配信用の外部スタジオを選定する場合、以下のポイントに注意が必要です。
- スタジオのインターネット環境
- 防音設備
- レンタルできる機材
- 配信プラットフォーム
それぞれについて、簡単に解説します。
スタジオのインターネット環境
ウェビナー配信において、安定的かつ高速なインターネット接続は重要な要素です。スタジオのインターネット環境は、配信の品質に直接影響を与えます。
ウェビナーの参加者にとって、画像や音声の乱れがあると集中しにくくなり、離脱や満足度の低下の原因となりかねません。安定した配信を維持するためにも、インターネット接続設備の整ったスタジオを選定しましょう。
防音設備
特にスタジオのレンタル費用が低単価な場合、スタジオが十分な防音設備を備えているかどうかを確認することが大切です。
外部のノイズや騒音がウェビナー中に混ざると、参加者が公演内容を聞き取りにくくなるため、しっかりとチェックした防音性が求められます。
レンタルできる機材
レンタル可能な機材の「種類」を事前に確認しておくこともポイントです。例えば、基本的なカメラや音響設備、照明装置などに加えて、「グリーンバックスクリーン」「エンコーダー」などの機材が充実したスタジオを選ぶことで、配信するウェビナーの質をアップさせられます。
スタジオで用意されている機材なら、それらの取り扱いについてのサポートも受けられるでしょう。
配信用システム
ウェビナーの配信プラットフォームは、スタジオ選定においても重要な要素です。より質の高いウェビナー配信のためにも、スタジオが対応している配信プラットフォーム(例:ZoomやYouTubeなど)やシステムを確認しましょう。
例えば、株式会社ブイキューブは自社で配信用スタジオを運営していることに加え、ウェビナー配信用プラットフォーム「V-CUBEセミナー」を提供。配信環境の準備から本番当日まで、トータルサポートを受けられます。
【エリア別】ウェビナースタジオのおすすめ5選&リンク集
ここからは、関東・関西のウェビナーの配信スタジオを5つ紹介します。
- 【関東エリア】東京セミナースタジオ
- 【関東エリア】ワンストップスタジオ東京
- 【関東エリア】TMCミカンスタジオ
- 【関西エリア】ROYAL STUDIO(ロイヤルスタジオ)
- 【関西エリア】Wise Up
次項より、個別にみていきましょう。
【関東エリア】東京セミナースタジオ
東京セミナースタジオは、企業向け動画マーケティング・動画制作・配信実績15年の株式会社ナツメスタジオワークスが運営しているオンラインセミナー動画制作・配信代行スタジオです。ウェビナー配信においては、プレゼンテーション資料や動画をリアルタイムで合成し、ライブ配信が可能。
引用:東京セミナースタジオ
「ただスタジオを借りる」だけでなく、制作・配信代行やオンランイベント運営ツールの提供、ウェビナーセミナー、研修の運営サポートなども受けられるため、専門スタッフの知識を借りたい企業にとって選択肢になるででしょう。
住所 | <本社スタジオ> ・東京都千代田区岩本町1-8-1 第5テラサキビル5F<東京セミナースタジオ> ・東京都千代田区岩本町2-11-3第八東誠ビル1F<東京オンラインスタジオ> ・東京都千代田区岩本町1-8-15岩本町喜多ビル8F |
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公式HP | https://tokyo-seminar-studio.com/ |
スタジオの広さ | ・同時登壇可能人数:最小1名~最大7,8名(※スタジオによる) |
利用料金 | ・スタジオ収録料金:5万円/時間 ・ライブ配信代行料金:30万円/2時間 ・簡易編集料金:8,000円〜 |
機材レンタル | 〇 |
配信環境 | ・「1Gbps高速回線(NuroBiz)+バックアップ回線(NTT光)」の高速ネットワーク |
引用:東京セミナースタジオ
【関東エリア】ワンストップスタジオ東京
ワンストップスタジオ東京は、スタジオだけでなく、ウェビナー配信に必要な撮影関連サービスをワンストップで利用できる施設です。「映像 × スチール複合型スタジオ」として利便性を追求した、最新の撮影機材・設備が完備されています。
引用:ワンストップスタジオ東京
カメラマンやヘアメイク、スタイリストなどの専門のスタッフが多数所属している点も特徴。現場クルーの手配だけでなく、撮影サポートも充実しているため、専門知識がなくてもより高品質なウェビナー配信を実現できるでしょう。
住所 | 〒101-0042 東京都千代田区神田東松下町38 鳥本鋼業ビルB2F |
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公式HP | https://www.1stop-studio.tokyo/service/special01/ |
スタジオの広さ | ・広さ:W7m×D10m×H6m(※最も広いSTUDIO3の場合) |
利用料金 | ・STUDIO 1:1万5,000円/時間 ・STUDIO 2:2万円/時間 ・STUDIO 3:1万2,000円/時間 ・STUDIO 1〜3(貸切):4万円/時間 ・VIPルーム:1万円/4時間、2万円/1日 (※電気代別途) |
機材レンタル | 〇 |
配信環境 | ・防音設計 ・グリーンバック完備 |
引用:ワンストップスタジオ東京
【関東エリア】TMCミカンスタジオ
TMCミカンスタジオは、4K配信や4K収録、NURO2回線などにより、高品質なウェビナー配信を実現できる外部スタジオです。
引用:TMCミカンスタジオ
利用の際は会場だけでなく、カメラレンタルとスタッフ1名によるサポートがワンセットになっているのが特徴。追加費用を支払うことで「簡易編集プラン」「技術スタッフの追加(1名)」「テロップ作成代行」なども利用できます。
住所 | 〒104-0045 東京都中央区築地7-12-7 築地FTSビル502 |
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公式HP | https://www.mikan-japan.com/ |
スタジオの広さ | ・最大30名収容 |
利用料金 | ・1camプラン(+スタッフ1名):1万6,500円 ・2-3camプラン(+スタッフ1名):2万7,500円 |
機材レンタル | 〇 |
配信環境 | ・4K配信 ・4K収録 ・NURO2回線 |
引用:TMCミカンスタジオ/SPACEE
【関西エリア】ROYAL STUDIO(ロイヤルスタジオ)
ROYAL STUDIO(ロイヤルスタジオ)は、ブイキューブが運営する、最先端の配信設備とプロフェッショナルの映像技術チームが在籍する映像収録・配信特化型スタジオです。
引用:ROYAL STUDIO
大阪梅田から徒歩5分のアクセス良好な立地かつ、配信サポート付きサービスにより、ウェビナーにかかるコストや工数を低減できます。
住所 | 〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島1丁目6−20 21F |
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公式HP | https://jp.vcube.com/eventdx/royal |
スタジオの広さ | ・同時登壇可能人数:最小1名~最大5名(※スタジオによる) |
利用料金 | ・配信サポート費:30万円 ・スタジオ利用料(中スタジオ8時間):16万円 |
機材レンタル | 〇 |
配信環境 | ・帯域保証のインターネット回線 ・徹底した遮音対策 |
引用:ROYAL STUDIO
【関西エリア】Wise Up
Wise Upは、専門的な知識・機材がなくても、バーチャル空間でのライブ配信が可能なウェビナースタジオです。
引用:Wise Up
オペレーターやカメラマンなどの専門スタッフによるサポートを受けつつ、PowerPointやZoom画面といった複数コンテンツを配信映像に合成可能。リアルタイムでのクロマキー合成を活用することで、より高品質なウェビナーを配信できるでしょう。
住所 | 〒550-0014 大阪市西区北堀江2丁目2-24PRADIPA北堀江ビル401 |
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公式HP | https://onestudio.jp/ |
スタジオの広さ | HPを参照 |
利用料金 | <スタッフ・機材含む利用> ・1〜8時間:2万5,000円/時間(延長:2万5,000円/時間) ・8時間:19万円/時間(延長:2万4,000円/時間)<スタジオのみの利用> ・1万円/時間 |
機材レンタル | 〇 |
配信環境 | ー |
引用:Wise Up
外部スタジオを探せる検索サイト
ここまで紹介したスタジオ以外にも、ウェビナー用の施設は多く存在します。以下のサイトにはリンク集がまとめられていますので、その他の外部スタジオを確認したい方はご参照ください。
<サイト一覧> | |
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会議室.com | 国内最大級の貸し会議室検索サイト |
会場ベストサーチ | 希望条件のマッチした会場を簡単・便利に手配できるサービス |
pick share | 東京都内で厳選されたハイクラスな貸し会議室・イベントホールを紹介する会場のマッチングプラットフォーム |
貸会議室ネット | 日本全国・海外の大小様々な会議室・会場を提供するサービス |
Office Park | 東京・大阪・名古屋の貸会議室、シェア・レンタルオフィス提供サービス |
ウェビナーの費用対効果を最大化するポイント
ウェビナーを商談や受注へと繋げ、費用対効果をさらに高めるには、スタジオ利用でクオリティを上げる以外に、以下のポイントも大切です。
- 集客の工夫
- 視聴者ファーストの配信体制
- ウェビナー後のフォロー体制の構築
それぞれについてみていきましょう。
集客の工夫
集客面の工夫により参加者数を増やし、費用対効果を最大化しましょう。ポイントは、適切なターゲットを設定した上で、ターゲットに合わせた集客チャネルでアプローチすることです。
たとえば、顕在層や比較検討中の見込み客を集客する場合はハウスリスト宛てのメールにする、新規のリードを広く集めたい場合はWeb広告を配信する、などです。
関連記:ウェビナーの集客方法5選!集客力と商談化率を高めるポイントを合わせてご紹介
視聴者ファーストの配信体制
より多くの見込み客にウェビナーを視聴してもらうためには、ライブ配信以外の方法を取り入れるのも効果的です。例えば後からも視聴できるように「アーカイブ配信(オンデマンド配信)」をする、リアルイベントをオンラインでも同時配信する「ハイブリッド配信」にするなど、視聴者に合わせた配信方法を選定しましょう。
関連記事:ウェビナーアーカイブの配信方法&成果を出すポイントを解説!動画でリード獲得やナーチャリングを促進
ウェビナー後のフォロー体制の構築
ウェビナーの効果を最大化させるためには「配信後」のフォロー体制も大切です。基本は、ウェビナ―後のアンケート回収で参加者の興味関心を把握し「インサイドセールスやメールでのアプローチ」に繋げるという方法があります。また、アンケートは「ウェビナーの内容改善」にも役立ちます。
以上のようなポイントを押さえて、ウェビナーの費用対効果を最大化させましょう。
まとめ
ウェビナー開催時の外部スタジオ利用はレンタル料が発生するものの、機材・設備が整った環境で配信することで、配信の質をアップさせられます。加えて、専門スタッフによるサポートも受けられるスタジオなら、さらに高品質なウェビナー配信が実現可能です。
そして配信して終わりにせず、参加者の態度変容を促すことを意識しましょう。配信後には、「アーカイブ配信を行いコンテンツを再利用する」「配信後のフォローの仕組みを整えてリードにアプローチする」といった施策をセットで行い、リード獲得やナーチャリングの成果を高めてみてください。
執筆者
瀧口 愛
MIL株式会社 マーケティング
Web制作会社でサイト構築に従事後、MIL株式会社へ入社し、マーケティングチームに所属。ウェビナーや展示会実施の基盤を構築し、毎月のウェビナーやオフラインイベントの企画・運営全般を担当している。その他、メルマガ配信やマーケ全体の施策効果分析など、フィールドマーケティング領域全般を担う。