クッションページとは?効果的な活用のポイントとLPのCVR改善事例を紹介!

クッションページとは?効果的な活用のポイントとCVR改善事例を紹介!2

Braftonの調査によると、LP(ランディングページ)直帰率の平均は60〜90%。ECサイトや企業ホームページと比べると非常に高い数値となり、LPの訪問者は広告を通じて漠然と興味を抱いた「潜在層」が多いためであると推測できます。

LPからの直帰や離脱を防ぎコンバージョン率を向上させるには、LPに遷移する前に潜在層の興味関心を高める「クッションページ」という手法があります。

当記事では、クッションページとは何か、その目的やメリット・デメリット、CVRを改善した成功事例についてご紹介します。LPやWebサイトからのコンバージョンを向上させ、新規顧客を獲得したいとお考えのマーケティング担当者の方に、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
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クッションページとは?

クッションページとはクッションLPとも呼ばれ、LP(ランディングページ)の前に表示されるページを指します。
クッションページとは
通常、Web広告のリンク先は、商品やサービスのLPを設定するケースが多いですが、広告とLPの間に一度「クッションページ」をはさむことで、まだ購入の気持ちが薄いユーザーに悩みの認知を促したり、漠然と商品・サービスに関心のあるユーザーの興味や関心をより高めたりする効果があります。

クッションページは、商品・サービスの販売を目的としたLPよりも潜在ニーズの覚醒や商品ジャンルの認知に重点をおいた、広告色の薄い内容が一般的です。

<クッションページの代表的なコンテンツ形式>

アンケート型 アンケートに答えてもらいながら悩みを認識させ、解決法として商品・サービスを紹介(アンケートの回答特典を提示してLPへ誘導)
診断型 回答から導き出した診断結果によって悩みを認識させ、最適なサービス・商品のLPへ誘導
記事型 ニュース風のタイトルで始まり、興味関心を喚起しながら、最終的には解決策として、商品・サービスの通常のLPに誘導

クッションページの活用目的

クッションページを活用する目的は、主に3つあります。

  • 潜在層の興味関心を向上
  • ハブページとして、ニーズに合ったページへ誘導
  • LPの離脱防止・コンバージョン向上

それぞれについてご説明します。

潜在層の興味関心を向上

1つ目は、潜在層の興味や関心を向上させる目的です。

潜在層とは、悩みや課題をはっきりと認識しておらず、具体的な商品やサービスも知らないユーザーのこと。Web広告からの集客の場合、悩みが明確なユーザーだけでなく、漠然とした関心がある潜在層のユーザーも含まれます。

例えば保険商品は、健康なときは興味がなくても、健康に不安が出てきた際に「保険に入っておけばよかった」と痛感するサービスです。記事型のクッションページを設置し、罹患率の高い年代や罹患した場合の治療費などの情報を提供した上で「このような医療保険があります」と通常のLPを提示すると、商品への興味関心が高まりやすくなります。

ユーザーに情報提供のクッションページを閲覧してもらうことで、潜在意識下にあった悩みを認識させ、解決方法に興味を持ってもらい、商品・サービスの必要性を「自分ごと化」していきます。

関連記事:顕在層と潜在層の違いとは?潜在層に有効なWeb広告・マーケティング手法とCVR向上のポイントを解説

ハブページとして、ニーズに合ったページへ誘導

2つ目は、ハブページとしてユーザーのニーズに合ったページへ誘導する目的です。

ハブページとは、車輪の中心部のように、そのページから複数のページにリンクするように設計した、中心的役割を担うページです。
ハブページ

例えば美容に関する商品・サービスで、「クリニックでの施術」と「セルフケアのための化粧品」があるとします。同じ美容クリニックの顧客であっても、それぞれのニーズは異なりますから、顧客ごとのニーズに合ったLPに誘導する必要があります。このような場合には、簡単な設問に答えるうちにニーズが明らかになっていくようなアンケート型のクッションページを通常のLPの前に設置するとよいでしょう。

ユーザーにニーズを問うクッションページを提示することで、ニーズに合ったページへの誘導が実現します。

LPの離脱防止・コンバージョン向上

3つ目は、LPからの離脱防止やコンバージョンの向上をはかる目的です。

株式会社カタリベの調査によると、通常LPと記事型のLPを比較した場合、記事型LPのCVRが高くなっています。例えば、女性向け栄養ドリンクの通常LPではCVRが3.4%なのに対し、記事型LPでは5.22%。これは、記事型LPがクッションページとなり、潜在層ユーザーには悩みの認知を促し、悩みが明確なユーザーにはより理解と商品への興味を与えた状態で通常LPへ流入してもらえたことで、CVRが向上したと考えられます。

LPの離脱防止について詳しくは、以下の記事でご紹介しています。

関連記事:ランディングぺージ(LP)の離脱原因と離脱を防止する7つの方法

クッションページ活用のメリット・デメリット

クッションページの活用には、メリットとデメリットがあります。企業の立場と、ユーザーの立場に分けて、それぞれご紹介します。

企業側のメリット・デメリット

企業側のメリットは、クッションページのコンテンツによって商材への理解と関心を高めた状態でユーザーが商材のLPを閲覧するため、LPからの離脱を防止しコンバージョンを向上できることです。もともとニーズが顕在化しているユーザーだけでなく、準潜在層や潜在層へもアプローチでき、コンバージョンの量だけでなく質を高める効果が得られます。

クッションページ企業側のメリット
一方で、企業側のデメリットは、制作物が増えることによる負担増加です。Web広告とLPに加えて、クッションページを作る費用と手間がかかります。クッションページ制作にあたっては、広告やLPによるコンバージョンの現状をきちんと把握し、目的・KPI・費用対効果を明らかにして取り組むとよいでしょう。

ユーザー側のメリット・デメリット

ユーザー側のメリットは、クッションページが理解の助けとなり、悩みの解決につながること。充実したコンテンツであれば、自身でリサーチをする手間がなくなります。通常LPによっていきなりセールスされると、理解や決断が追い付かずつい離脱してしまうユーザーも、理解を助けてもらえれば、課題解決や理想の実現に乗り出そうという気持ちになるでしょう。

一方で、ユーザー側のデメリットは、長文のクッションページを読まされてストレスに感じる場合や、クッションページを閲覧して選択肢がいろいろあると知り、かえって迷う場合もあることです。このような場合には、表現方法の工夫が必要です。

「動画」を使ってコンパクトにわかりやすく表現したり、「診断コンテンツ」や「Web接客ツール」を使って必要な情報をすぐ取得できるようにしたりするとよいでしょう。

クッションページの活用例

クッションページと相性が良いのは、一言でいえば「魅力や特徴を伝えるのに、多くの説明が必要な商材」です。一見するだけで、自分に必要な商材かどうかの判断ができないため、第三者からの客観的な評価や、商品のニュアンスが伝わる動画、自分の嗜好を改めて確認できるアンケートなどがあると、ユーザーは商材への興味関心が自然と高まります。

以下では、クッションページを活用して遷移率やCV率を改善した3つの事例をご紹介します。

クッションページに動的なユーザーレビューを設置し、LPへの遷移率1.15倍!

ボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST」のシャンプーにおいて、LPの前に表示するクッションページ(記事LP)にユーザーの動的なレビューを設置した例です。

レビュー
出典:アライドアーキテクツ株式会社「Letro」

マイボイスコム株式会社の調査によると、商品やサービスの利用時にネット上の口コミ情報を参考にする人は55.7%にのぼり、特に10代〜30代の女性では7割を超えています。当事例では、クッションページにユーザーの星付き評価レビューをそのまま表示しており、リアルな体験談が説得力を増しています。

また、画面が少しずつ動く動的表示にすることで、短縮表示のコメントであってもクリックすれば全文が閲覧できますし、次々とレビューが現れレビューが多く集まっているように見える効果も。結果として、LPへの遷移率を1.15倍に向上させています。

ECサイトの前にクッションページを設置し、CVRを向上!

昆虫をモチーフにした子ども服ブランド「INSECT COLLECTION」において、SNS広告とECサイトの間にインタラクティブ動画によるクッションページを設置した例です。

関連記事:SNS広告経由でCVR2.15%をマーク!子供服の動画コマース

子どもが商品を着用している姿を動画で見せると、ECサイトの静止画像よりも着用イメージや質感がユーザーに伝わります。また、すべての商品に商品の詳細を確認できる「ポップアップタグ」や「お気に入り登録ボタン」を設置することで、ECサイトに移動する前の商品検討ページとしても役立っています。

クッションページの例_インセクトコレクション
動画のクッションページをSNS広告とECサイトの間に設置した結果、CVRは2.15%をマークしました。ネット広告からECサイトに流入したユーザーのCVRは通常1%未満といわれていますので、高い数値であるといえるでしょう。

アンケート型動画を活用し、ニーズに合う3種類のページへ遷移!

日本最大級のマンション相場公開サイト「マンションナビ」上で一括査定サービスを提供し、マンション所有者と不動産会社をマッチングしているマンションリサーチ株式会社。新規に獲得する顧客の質向上を目的とし、Web広告とLPの間にインタラクティブ動画によるクッションページを設置しています。

広告から流入するマンション所有者の売却意欲には差があるため、売却意欲の高いユーザーを集客してCVRとCVの質向上をはかるべく、クッションページにハブページの役割を持たせました。ユーザーがアンケート型動画の設問に沿って回答をしていくと、それぞれの温度感・ニーズに合わせて「査定依頼のLP」「無料相談のLP」「会員登録のLP」の3つのページが案内されます。

インタラクティブ動画クッションページ
関連記事:広告からのクッションページとして「アンケート型」のインタラクティブ動画を活用。ユーザーの回答に合わせて3種類のLPへ遷移させ、CVRとCVの質を向上!

CVRの向上に加えて、ユーザーの悩みに沿ったLPを案内することでユーザーの顧客体験が上がり、さらに不動産会社に売却意欲の高いユーザーを厳選して紹介できるため、不動産会社の満足度向上も期待できる好例です。

効果的なクッションページを作るポイント

離脱防止やCVR向上に効果的なクッションページを作るポイントとして、2点をご紹介します。

  • 定量的なKPI(重要業績評価指標)を決め、指標に基づくデータを採取し、PDCAサイクルを回し続ける
  • 広告色を感じさせず、コンテンツを通じて商材を自分ごと化させる

CVRやCPA(顧客獲得単価)の数値を把握し、コンバージョンの改善を確認します。クッションページについても、通常LPと同様にABテストなどを実施しながら、PDCAサイクルを回していきましょう。

またターゲットのニーズや好みに合わせつつ、広告色を感じさせないコンテンツを制作し、自分に必要な商品・サービスであると思わせましょう。例えば「アンケート回答者のみに特典をプレゼント」としてアンケートLPを展開し、アンケートに答えながら漠然とした悩みを明確化させて「この商品は自分に必要かもしれない」と自分ごと化してもらう、などのアプローチです。

まとめ

当記事では、クッションページについて、活用する目的やメリット・デメリット、活用例、効果的なページを作るポイントをご紹介しました。Web広告とLPの間にクッションページをはさむことで、まだ商材の必要性を感じていない潜在層であっても、商材への理解や関心を高めた状態でページへ誘導できるため、コンバージョン率を高める効果が期待できます。LPのコンバージョンを最大化させる次の一手をお探しの方は、ぜひ検討してみてください。

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執筆者
黒谷 純子

MIL株式会社 マーケティング

大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841

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