記事LPとは?通常LPとの違い、成果の出る作り方のコツ5選を徹底解説!

記事LP

「記事LP」とは、見た目が記事のようになっているLP(ランディングページ)のことで、ユーザーは記事を読む感覚で訪問します。ユーザーは記事LPを読みながら、商品・サービスへの理解や興味関心が高まった状態で通常のLPに遷移するため、コンバージョンにつながりやすくなります。

当記事では、LPのCVR向上を目指す方のために、記事LPと通常のLPの違い、効果的な記事LP制作のポイントをわかりやすく解説していきます。

CVを獲得するLPの作り方ガイド

記事LPとは

記事LPとは、見た目が記事のようになっているLP(ランディングページ)のことです。

集客のために広告を掲載する場合にも、一般的な広告枠を使わず、ニュースサイトの記事やSNSの投稿に並べられるような体裁の広告枠を使います。これは「インフィード広告」と呼ばれ、「PR」、「広告」など、通常の記事ではないことがわかる表記が添えられています。

ユーザーは気になるニュース記事を読むのと同じ感覚で自然にクリックし、記事として読み進めます。そのため、通常のLPとは違って、ニュース風のタイトルを付けたり、記事のような体裁でページが構成されているのが特徴です。
記事LPとは

記事LPを作る目的

記事LPを作る目的は、まだ問題が顕在化していない潜在顧客や、広告を嫌って反応しない顧客と出会い、興味関心を高め、通常のLPに誘導すること。

ニュース記事と共に並べられるので、幅広い層の目に触れさせ、興味を持ってもらえる可能性が高まり、まだ問題が顕在化していない「潜在ニーズ層」にもアプローチできるのです。

記事LPは、一般的な話題からはじまり、自社の商品・サービスに興味関心を持ってもらえるような流れで、ストーリーを展開していきます。そして最終的には、記事の中に埋め込んだ、自社の商品・サービスへの導線から、購入や資料請求などのコンバージョンを目的としたLPや販売サイトへと送客するのです。
記事LPを作る目的

記事LPと通常LP(コンバージョンLP)、記事の違い

記事LPと通常LP、一般的な記事の違いを下記にまとめてみました。流入経路、ターゲット、顧客の興味関心の度合いに合わせて、記事の構成や内容が違ってくることを押さえておきましょう。

記事LP 通常のLP 一般的な記事
<主な流入経路>
ニュースサイトのインフィード広告
<主な流入経路>
ターゲットを設定して出稿されたSNS広告
<主な流入経路>
ニュースサイトやキーワード検索
<ターゲット>
あるトピックになんとなく関心はあるが、具体的な解決策としての商品・サービスにたどりついていない人
<ターゲット>
あるトピックに関心があり、具体的な解決策として、商品・サービスを検討している人
<ターゲット>
ニュースタイトルや話題に興味を持った人
<セールスファネル>
・認知
・興味関心
<セールスファネル>
・比較検討
・購入
<セールスファネル>
・認知
<構成・内容>
ニュース風のタイトルで始まり、ユーザーの興味関心を喚起しながら、最終的には解決策として、商品・サービスの通常のLPに誘導
<構成・内容>
自社の商品・サービスを全面的にアピールし、資料請求や購入を促す
<構成・内容>
ユーザーの興味関心に寄り添い、記事の中で問題の解決策までがわかり、完結
<執筆者>
商品・サービスの担当者、セールスコピーライター
<執筆者>
商品・サービスの担当者、セールスコピーライター
<執筆者>
記者、専門家、WEBライター
記事LP 主な流入経路:
ニュースサイトのインフィード広告
ターゲット:
あるトピックになんとなく関心はあるが、具体的な解決策としての商品・サービスにたどりついていない人
セールスファネル:
認知~興味関心
構成・内容:
ニュース風のタイトルで始まり、ユーザーの興味関心を喚起しながら、最終的には解決策として、商品・サービスの通常のLPに誘導
執筆者:
商品・サービスの担当者、セールスコピーライター
通常のLP 主な流入経路:
ターゲットを設定して出稿されたSNS広告
ターゲット:
あるトピックに関心があり、具体的な解決策として、商品・サービスを検討している人
セールスファネル:
比較検討~購入
構成・内容:
自社の商品・サービスを全面的にアピールし、資料請求や購入を促す
執筆者:
商品・サービスの担当者、セールスコピーライター
一般的な記事 主な流入経路:
ニュースサイトやキーワード検索
ターゲット:
ニュースタイトルや話題に興味を持った人
セールスファネル:
認知
構成・内容:
ユーザーの興味関心に寄り添い、記事の中で問題の解決策までがわかり、完結
執筆者:
記者、専門家、WEBライター

通常のLPについて詳しくは、以下の記事でご紹介しています。
ランディングページ(LP)とは?メリット、目的、作り方など基本をわかりやすく解説!

記事LPと相性の良い商材例

記事LPと相性の良い商材とは、どのようなジャンルでしょうか?

まず、個人の興味関心を持ちやすい身近な話題ではあるものの、いざ商品・サービスを選ぼうとすると競合が多く、ある程度知識がないと選べない、保険・金融などの商材が合うでしょう。また等身大(同世代など同じ属性の方)の体験談や口コミが説得力を生みやすい美容・健康系商材や、ニュースで話題になるトピックと親和性の高いジャンルも向いています。

  • 保険:個人の属性や環境によって複数の選択肢があるが、同じ属性の人の口コミに共感できると決めやすい
  • 化粧品やサプリ、ダイエットプログラムなどの美容・健康系商材:体験談や口コミが効果を発揮する
  • 不動産購入や投資:未経験者には「難しそう」と敬遠されがちなので、記事による自分ごと化が有効
  • こども向けのプログラミングや英会話教室:ニュース性のある話題(教育改革など)と関連が高い

効果的な記事LPを作るための5つのポイント

記事LPとは何か、が分かったところで、ここからは、効果的な記事LPを作るためのポイントを、5つに絞って解説していきます。ポイントをしっかり抑えておくことで、より反応の取れる効果的な記事LPを書けるようになりますよ。また、既に記事LPをお持ちで改善したいという方も、これら5つのポイントを踏まえて、改善を検討してみてください。
効果的な記事LPを作るための5つのポイント

ポイント1:記事LPの目的やターゲット、数値目標を明確にする

記事LPは、コンバージョンを目的とした通常LPへ集客をするために作ります。
その前提で、記事LPでは「誰の」、「どのような問題・悩みに寄り添い」、「どのような展開で商品・サービスを紹介し」、「どんな気持ちで通常LPに送客するのか」を明確にしておきましょう。
ピッタリ合致するユーザーを送客することができれば、高いコンバージョンが期待できますよ。

逆に、目的やターゲットがしっかり決まっていないと、記事LPに集客する広告の出稿先も決まりませんし、記事LPの内容もずれてしまいます。万一、通常のLPに集客できたとしても、ターゲットやターゲットの感情と乖離があれば、残念ながらコンバージョンにはつながりません。

広告費、制作費も発生するので、記事LPへの集客数、そこから通常LPへの集客数、通常LPでのコンバージョンといった数値目標を決めておくのも忘れずに。

ポイント2:あくまでも「記事=読み物」の体裁で制作する

前述の通り、記事LPはニュースサイトなどで、記事のような体裁の広告から流入してきます。ニュース記事を読む感覚でクリックしたユーザーが、通常LPのような明らかな売り込みページを目にしたら、「企業広告」と感じて興ざめし、すぐに離脱されてしまいます。

そうならないためにも、記事LPは、見た目(デザイン)も、内容も記事のように作る必要があります。

文章を中心に構成し、違和感なく商品・サービスを紹介する流れを作りましょう。当然、テキストが中心になるので、見出しや強調したい部分に自然と目が行くよう、テキストのフォントサイズや色、太字などで工夫をします。リンク部分も、そのまま読み飛ばされてしまわないよう、わかりやすく設定しましょう。

商品・サービスの購入や資料請求をするのは、あくまでも遷移した先の通常LPの役割であると割り切って、「宣伝・PR」は控えめに。日本速脳速読協会によると「社会人の読む速度の平均は、1分間に600文字程度」ですので、あれもこれもとコンテンツを欲張らず、2~3分でさっと読めるように文字数は1,200~1,800文字程度に抑えましょう。

ポイント3:タイトルや見出しを工夫する

通常のLPの場合は、ターゲットも解決策も明確なので、そのものスバリのキャッチコピーやイメージ画像から始まります。しかし、記事LPの場合は、ニュースの中に並んでいても違和感がなく、それでいて、思わずクリックしたくなるようなタイトルと画像を用意する必要があります。

なお、ニュースと一緒に並ぶ広告のタイトルと記事LPのタイトルは、違和感さえなければ完全に一致しなくても構いません。

◆美容サプリメントや健康飲料の広告タイトル例
「43歳70キロだった私が、朝3分の習慣でお腹ポッコリを改善」

◇遷移した先の記事タイトル例
「40代からでも間に合う、朝3分の習慣で体脂肪を減らす方法」
———
◆保険サービスの広告タイトル例
「【FPが解説】結婚・出産の保険、5つのチェックポイント」

◇遷移した先の記事タイトル例
「結婚・出産を控えた女性と、家族のための保険をFPがわかりやすく解説」

ポイント4:定番の構成を使う

記事LPの定番の構成(流れ、型)としておすすめなのが、マーケターの神田昌典氏が提唱している「新PASONAの法則」です。PASONAの法則では「A=Agitation(煽り)」ですが、新PASONAの法則では「A=Affinity(親近感)」となっている点が、ユーザーの悩みに寄り添う記事LPに向いていると言えます。

【新PASONAの法則】

認知 Problem(問題):問題提起として悩みや不安を示す
興味関心 Affinity(親近感):ユーザーの共感を誘う、寄り添う
Solution(解決策):問題解決策を示す
比較検討 Offer(提案):魅力ある提案をする
Narrow down(絞込):緊急性、限定性を伝える
購入 Action(行動):行動を呼びかける

記事LPでは「P=問題」「A=親近感」「S=解決案」「O=提案」までは本文でしっかりカバーして商品・サービスを紹介しましょう。そして、「N=絞込」「A=行動」についてはリンク挿入などを工夫し、詳細は誘導した先の通常のLPで説明をするようにしましょう。

ポイント5:客観的なデータや利用者の声を元に、読み進めてもらう

通常のLPでは最初から最後まで、一貫して自社の商品・サービスの良さを伝えますが、記事LPの場合は、ユーザーにとって身近な問題や悩みにフォーカスしてストーリーを作ります。そのため導入部で「そうだよね」「わかるわかる」と共感させた後、アンケートや統計など客観的なデータ(数字、グラフ、図)を添えてストーリーに説得力を持たせる流れが効果的です。

その後、コンテンツに「利用者の声」「購入者の声」「体験談」といった口コミコンテンツを盛り込めば、さらに自分ごと化を進めることができます。
KDDIエボルバ EC・通販ユーザー動向調査レポート2021
株式会社KDDIエボルバの実施した「EC・通販ユーザー動向調査レポート2021」によると、「良い口コミによる購入決定経験はあるか?」という設問に「頻繁にある16.2%」、「何度かある68.9%」と合計85.1%もの人が回答しました。口コミの存在により「自分だけじゃないのね」とユーザーは安心感を得たり、興味関心が深まったりして、意思決定が後押しされていることが読み取れます。

記事LPの中にも違和感なく、口コミコンテンツを盛り込んでみましょう。

記事LPの効果を高めるための工夫

記事LPの最大の目的は、通常のLPに誘導することです。作って終わりにならないために「効果測定と改善」の体制を構築しましょう。

ネイティブ広告を使って、集客効果を高める

記事LPを読んでもらうためには、広告からの集客が目標通りにできているか、数値で確かめることが重要です。

1人でも多くの見込み顧客を獲得するためには、出稿先の媒体の特性やユーザー層、デザインに合わせて、インフィード広告のタイトルや画像を工夫しましょう。ネイティブ広告とは、一見広告のように見えない体裁で出稿することができる広告、という概念のこと。インフィード広告はその中の1で、SNSでは投稿のように、ニュース媒体ではニュース記事のように出稿できます。

膨大な量のSNS投稿やニュース記事に埋もれず、その中から選ばれるためには、同じ媒体でビジュアル、タイトルの組み合わせを変えてA/Bテストを行うことも珍しくありません。社内だけでうまく行かない場合には、プロに外注することも検討しましょう。

口コミを定期的にチェックし、効果的に使う

口コミは「ユーザーの本音」が「ユーザーの言葉」で書かれています。社内の人間の言葉よりも、同じ属性、同じ悩みを持つユーザーの言葉のほうが、潜在ニーズと合致し、その掘り起こしに役立つことがあります。

記事LPでは「寄り添う姿勢」が大切。ユーザーに寄り添うためにも、SNSなどの口コミを定期的にチェックして、インフィード広告や記事LPのタイトルや記事に使うフレーズを見直すヒントにしましょう。

LPOでページ内を改善する

設定した数値目標を達成できるよう、通常のLPと同じように、LPO(Landing Page Optimization=ランディングページ最適化)を行って、記事の内容や構成を改善します。
そもそも記事LPへの集客数が少ない場合は、広告の出稿方法を見直しましょう。
LPOのpdcaサイクル
LPOの方法について詳しくは、「LPOとは?コンバージョンを改善する流れ、効果的な実行のポイントを解説」の記事をご覧ください。

まとめ

潜在顧客を開拓し、通常のLPへと送客する「記事LP」の目的と役割、作り方のポイントがわかりましたでしょうか。「まずは、記事LPを1本作ろう」「既存の記事LPを見直してみよう」という気持ちになっていただけましたら、幸いです。

CVを獲得するLPの作り方ガイド

執筆者
黒谷 純子

MIL株式会社 マーケティング

大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841

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