「結局通常の動画と何が違うの?」という疑問にお答えするために、今回は、インタラクティブ動画ならではの「5つの効果」について、解説していきます。
インタラクティブ動画とは
インタラクティブ動画では、動画内にユーザーが「触れる」領域を設定することで、ユーザーはニーズに合わせてインタラクティブ(双方向的)に情報を取得することが可能になっています。
例えば、商品をタップすると「ポップアップ」で商品詳細が動画上に表示されたり、視聴者の選択によって「ストーリーが分岐」する、といったような動画がインタラクティブ動画の例として挙げられます。
最近では、海外の大手VODサービスである「NETFLIX」がインタラクティブな動画コンテンツを配信しています。
それでは、そんなインタラクティブ動画が持つ「5つの効果」について見ていきましょう。
①PR効果
動画内に「仕掛け」が組み込まれ、触れることのできるインタラクティブ動画では、ユーザーによる「操作性」が生まれるため、オリジナリティあるユニークな企画であればあるほど、“ワクワク感” “面白さ” “驚き”をユーザーに伝えることができます。
ユーザーモチベーションが上がることで、「Facebook」「Twitter」「Instagram」などのSNSで自然とシェアがされ、低コストで多くの人に認知させることができます。
動画事例 MILPR用360°動画「観る」
MILを用いて制作した、PR用インタラクティブ360°動画です。
一人当たり平均6回、動画にタップ
動画はFacebookとInstagramに広告を配信し、インタラクティブ動画を知らないユーザーに視聴していただきました。
結果として、Instagram上では「インタラクション率561%」、Facebook上では「インタラクション率626%」と、一人当たり平均6回も動画内のタップポイントに触れていたことから、多くの人にインタラクティブ動画を楽しんでいただけたことが分かります。
「MIL」を認知してもらう
また、今回の動画では「プロダクトプレイスメント」という、「動画内に認知させたい情報を紛れ込ませる手法」を用いて、MILのアイテムをポップアップ形式で表示させることで、多くの方に動画を楽しみながら「MIL」を認知してもらうことにも成功しました。
②印象効果
最近の若年層はスマートフォンで「ながら見」をしている視聴環境が多いため、一方向性である通常動画だと集中して視聴してもらうことが難しいです。
インタラクティブ動画であれば、動画内に仕掛けを設置し視聴者にアクションを促すことで、「一方向で受動的なユーザー」を「双方向の能動的なユーザー」に変化させることができます。
また、アクションと共に情報を与えることで、「単なる情報」は「記憶」としてインプットされ、従来よりも深い印象を残すことが可能です。
動画事例 三井住友カード様「SPY WORLD」
「ゲーム感覚」の動画で若年層へ訴求
若年層へのVISAカードの認知やブランドリフトを目的とした動画です。
「ゲーミフィケーション」の要素を取り入れることで、「ゲーム感覚」で楽しく視聴できる動画になっています。
動画は、一人称視点且つ、視聴者のタップによって動画が進行するため没入感が高く、集中して視聴してもらうことができます。
クリアするごとに情報を公開
動画内で正しい選択肢を選ぶと、話が進行すると共に「バッジ」を獲得することができます。
獲得したバッジをタップすると、「初年度年会費無料」など、カードに関する情報を取得することができます。このように情報を「報酬」として与えることで、ただ情報を見せるよりも記憶に残りやすくなっています。
③企画担当者効果
動画のプロモーション提案を行う担当者としても、動画単体で企画を行う従来よりも、「動画+仕掛け=インタラクティブ動画」の方が企画の引き出しが増え、企業プロモーションとしては提案がしやすくなります。
また、動画を数百万円の予算で折角制作するのであれば、低予算でインタラクティブ動画を導入し、双方向的な動画コンテンツにした方がユーザの満足度が高まることは間違いありません。
動画事例 つばめタクシーグループ様「採用動画」
「釣り部採用」を擬似体験
「面接の代わりに一緒に釣りに行く」というユニークな採用面接を、ユニークなインタラクティブ動画で表現することによって、より効果的なプロモーションとなりました。
動画は、主人公である女性の選択を「視聴者が決める」ことで進行するため、インタラクティブ動画を通して「釣り部採用」を擬似体験することができます。
動画上から直接エントリーページへ
動画の最後に、エントリーページへのリンクを設置しているため、動画上から直接エントリーページへ遷移できるようになっています。
インタラクティブ動画は、ユニークなプロモーション手段としては勿論、「効果的な動画施策」となるよう、通常の動画にはない「コンバージョンの手助け」となる機能も多く備えています。
④エンゲージメント効果
インタラクティブ動画は、動画上でタップアクションを促すことで、ユーザーの視聴態度を能動的なものに変えるため、通常の動画よりも「視聴時間」が伸びる傾向にあります。
視聴時間が伸びれば、印象効果により自然とサービスへの興味や理解が高まり、目標としている「コンバージョン獲得」に近づきやすくなります。
動画事例 三井住友カード様「三井住友ビジネスカード for Owners」
ニーズに合わせてストーリー分岐
本事例では、「受注機会増加」、「会社経理支援」、「スマートな出張体験」と、3つの選択肢を用意することで、1本の動画上から3種類の異なるニーズに対応しています。
通常の動画は一方的なコンテンツであるため、視聴者が「知りたい情報に辿り着く前に離脱してしまう」ケースも多くありましたが、インタラクティブ動画では、視聴者の選択によって「与える情報を最適化」することで、視聴時間の向上が図ることができます。
導入後コンバージョン数が120%に
「三井住友ビジネスカード for Owners」サイトにインタラクティブ化されたMIL動画を埋め込んでいただいたところ、導入前と比較し、「CV数が120%」に上昇しました。
インタラクティブ動画によって、ニーズに合わせて最適な動画を視聴させることで、サービスへの興味や理解が高まった結果だと言えます。
⑤動画改善効果
動画をインタラクティブ化し、視聴者に動画内アクションを促すことで、インタラクティブ動画ならではの解析結果を取得することができます。
MILでは、「平均視聴時間」、「動画の離脱地点」、「視聴者の流入経路」などYouTubeアナリティクスなどで計測できるデータに加え、「どの商品が何回タップされたか」、「動画上からどれだけのユーザーがサイトへ流入したか」など、ユーザーが「動画内で起こしたアクション」を計測することができます。
また、MILによって設置したインタラクティブ要素は簡単に変更、更新することができるため、動画自体のクリエイティブは変えずに、非常に素早く、簡単に動画改善を行うことができます。
動画事例 Live Nation Japan様「Walking With Dinosaurs」
MILレポート機能を活用
前述した通り、MILでは「視聴時間」などの通常の計測データに加え、視聴者の「動画内アクション」まで取得することが可能です。
取得したデータは1時間おきに更新され、「数値」や「グラフ」という形で、MIL管理画面のレポート機能より確認することができます。またこれらのデータをCSVファイルとして書き出すことも可能です。
上記動画では、この「レポート機能」を用いて、視聴者の動画内での動きを細かに計測しました。
3つの数値を大幅に改善
一定期間配信後にMILのレポートを確認したところ、特定秒数での離脱率が多かったため、該当地点に「タップポイント」を追加する等の改善を行いました。
結果、改善後は改善前と比較し、「リンククリック率→約10倍」、「視聴完了率→約3倍」、「インタラクション率→約6倍」と大幅に数字が改善しました。
MILを用いて計測したデータを基に、動画自体のクリエイティブは一切変えることなく、動画改善を行うことができました。
まとめ
以上が通常の動画にはない、インタラクティブ動画5つの効果になります。
執筆者
田中
MIL株式会社 クリエイティブグループ エディター
1997年生まれ、神奈川県出身。大学在学中にインターンとしてMIL株式会社にジョインし、2020年12月に入社。インタラクティブ動画を専門とした制作経験を活かし、クリエイティブグループでは主に、インタラクティブ動画特有のUIデザインや映像編集を担当する。