展示会でリードを獲得し、商談につなげるコツとは?自社例を交えながら分かりやすくご紹介【チェックリスト付】

展示会でリードを獲得し、商談につなげるコツとは?自社例を交えながら分かりやすくご紹介【チェックリスト付】

多くの企業が一堂に会し、企業と来場者の新しい出会いを生み出す「展示会」。JETRO(日本貿易振興機構)によると展示会の開催数は年々増加しており、2022年の1年間では704件の展示会が日本で開催されています。コロナ禍で展示会出展から遠ざかっていたものの、再び、出展を検討している企業も多いのではないでしょうか?

展示会は、数万人規模の来場者に直接商材をアピールし、多くの見込み客の獲得が期待できる場です。但し、単に展示会に出展するだけで、リードを獲得したり商談化できるわけではありません。展示会を成功に導くには、入念な準備と当日の運営、アフターフォローの徹底がポイントになります。

この記事では、弊社の展示会出展経験も踏まえ、展示会の選定ポイント、準備・運営・フォローのコツをご紹介します。また「チェックリスト」に項目をまとめましたので、ぜひご活用ください。「展示会で質の高い新規リードを獲得しフォローするコツや、ナーチャリングのポイントを知りたい」とお考えのBtoB企業の方に参考にしていただければ幸いです。

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BtoB企業のリード獲得チャネル「展示会」とは?

リード獲得チャネル_展示会の会場イメージ
出典:2022年 DX及びIoT/AI関連展示会・イベント一覧

展示会とは、「商品・サービス・情報などを展示、宣伝するためのイベント」を表します(出典:国際標準化機構)。

展示会には、主催企業・団体が決めた「テーマ」があります。例えば「DX EXPO」はDX化によるソリューションをテーマとしており、出展するのはデジタル化やDXに関連する商材を持つ企業です。

会場にはテーマである「DX」に興味関心を持つ企業担当者が多数来場するため、確度の高い新規リード獲得や商談へのアプローチが期待できます。

展示会を活用する重要性

ビジネスのオンライン化が進む今、BtoB企業にとって展示会の活用はなぜ重要なのでしょうか?

それは、展示会を活用することで、以下のような効果が期待できるためです。

  • テーマに興味のある企業担当者が集まる場であり、質の高い新規リードとの出会いが期待できる
  • デジタルと違い、偶発的な出会いがある
  • 対面でやり取りできるため、興味関心の強さや領域を確認できる

デジタル上の情報収集だけでなく、展示会の会場にわざわざ足を運ぶ来場者は、展示会のテーマや出展企業に興味関心があるといえます。そういった来場者と直接やり取りでき、Webサイトや広告だけでは伝わりにくい商品の動きや質感を体感してもらえるため、濃度の高いリードを数多く獲得しやすいといえるでしょう。また目的をもって情報収集するデジタル上の動きと異なり、展示会では会場内を歩いて目に留まったブースを訪問するため、偶発的な出会いが生まれるのも、オフラインならではの魅力です。

そして、展示会では来場者と対面して話せるため、課題や興味関心度合いがつかみやすくなります。自社商材と来場者の課題とのマッチ度などから興味度を振り分けて、スピーディにリードクオリフィケーション(見込み顧客の選別)を行い、ナーチャリングや商談化へつなげられる点も、展示会ならではのメリットでしょう。

展示会に適している企業の特徴

展示会のテーマは多彩であり、さまざまな企業が出展していますが、中でも次のような企業や商材は展示会に適しているといえます。

  • 無形商材で商品や実店舗がなく、認知度を高めにくいBtoB企業
  • 他の企業にはない、先進的なソリューションを提供できる企業
  • オンラインでの説明よりも、デモンストレーションを体験する方が価値を理解しやすい商材

無形商材で商品やショールームなどの店舗がなく、商材を認知されにくいBtoB企業は、展示会での出展が適しているといえます。また、展示会には新しいソリューションを求めて全国から企業担当者が来場するため、一般的にはまだ認知度の低いサービスであっても、時代の先端を行くようなオリジナリティのある商品は目にとめてもらいやすいでしょう。

また、サービスの説明が複雑であったり、見て触って機能を実感してもらうことに適した商材は特に展示会で強く訴求します。例えば動きや操作感、五感(色や光、音、手触り、味、香り)などをリアルの場で体験できるのは展示会の強みです。

展示会出展のメリット・デメリット

続いて、展示会への出展のメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

主なメリットは3つあります。

  • 狙いたいターゲット層の新規リードを一度に獲得できる
  • リアルの場で、商材を強く印象付けられる
  • その場で来場者の連絡先を得られる

展示会のテーマによってある程度ターゲットを絞り込むことができ、自社に合った新規リードを一度に獲得できるメリットがあります。また、デジタルでのリード獲得と違い、顧客の課題をヒアリングしながら社員が対面で商材について訴求できるため、より強く印象付けることも可能です。

そして、その場で名刺交換や来場者のQRコード読み込みなどで連絡先を得られることもメリットです。展示会の最中や直後にクオリフィケーションを行えば、スピーディに相手の興味関心度合いに合わせたフォローを実施できます。

デメリット

最大のデメリットは、費用や手間がかかる点です。例えば出展料、ブースの制作・施工費、ノベルティやパンフレットなどの制作費などがかかります。

出展料(主催者へ支払うもの) ブースサイズ・コマ数による
制作費(パネルなど装飾物、ノベルティ、パンフレットなど) 制作物・部数による
ブース制作・施工費 ブースサイズ・施工内容による

費用以外に、デジタルマーケティングでのリード獲得と違って人手もかかります。展示会当日のスタッフも必要ですから、通常業務と並行してプロジェクトを推進する人的余裕を持つことが求められます。また展示会出展が初めての場合、少し予算はかかりますが、展示会の運営やブース設計のノウハウを有する代理店へ委託すると安心でしょう。

このような費用や手間を想定した上で出展を検討し、自社に適した展示会を選定してみてください。

次の章では、展示会選定のポイントをご紹介します。

失敗しない!展示会選定のポイント

展示会は出展メリットが大きい一方で費用や手間も必要となるため、費用対効果を高めるためには、ポイントを押さえた企画・運営が重要です。

展示会を選ぶ際のポイントを3つご紹介します。

  • 自社に合った展示会テーマ
  • 過去の実績
  • 主催者からのサポート

選定ポイント1:自社に合った展示会テーマ

マーケティング、流通業、製造業など、さまざまな職種や業種に向けた展示会がある中で、自社商材に興味を持つ人が来場しそうな展示会を選びます。例えば弊社(MIL株式会社)はオンラインマーケティングに効果的なインタラクティブ動画サービスを提供しており、ITによるソリューションに興味を持つ方が集まる「デジタルマーケティングEXPO」「DX EXPO」などに出展実績があります。

気になる展示会があればまずサイトを見て、当日会場で行われるセミナー内容や出展予定企業を把握し、「どのような人が来場する展示会になりそうか」「自社のターゲットになり得るか」などのポイントを検討しましょう。

東京ビッグサイトのような広い会場では、同日、同会場内で様々な展示会を開催している場合もあります(下記参照)。
リード獲得チャネル・展示会のテーマ例_japanitweek
出典:第33回 Japan IT Week春 ビッグサイト

選定ポイント2:過去の実績

ある程度展示会を絞り込んだら、展示会主催企業から媒体資料を取り寄せて、その展示会の過去の開催状況をリサーチします。

<過去実績のチェックポイント>
・出展企業数や業種割合
・展示面積
・来場者数
・リード獲得数の平均など
・イベントやセミナー内容
・出展者の声や事例

また、自社が過去に展示会に参加しているならば、リード獲得数や商談化率などの自社実績を振り返り、費用対効果と照らし合わせて、成果の高い展示会を選ぶとよいでしょう。

<展示会の主要KPI>
・ブース訪問者数
・ブースの配置や面積
・リード・MQL・ISQLの獲得数
・商談化率・商談化数・有効商談数
・受注率・受注数・受注金額

選定ポイント3:主催者からのサポート

主催者から出展企業へのサポート内容が、自社にとって必要なサービスかを確認します。

例えば次のようなサポート内容は、リード獲得を目指す企業に役立ちます。

リード獲得のためのサポート

来場者の属性情報を付したQRコードをブース訪問時に読み取る仕組みがあり、業種、職種、役職、来場目的などリード獲得につながる情報を得られる

集客のための取り組み

主催企業が多くのメディアで宣伝・集客を行い、来場見込みの人数を担保する取り組みを行っている

リード獲得のための展示会「準備」のコツ&チェックリスト

展示会で成果を上げるために、準備・当日運営・フォローのコツを押さえておきましょう。

まず、準備についてのコツと、タスクを漏らさないためのチェックリストをご紹介します。

リード獲得のための展示会「準備」のコツ

展示会の準備段階では、下記のようなポイントを忘れないようにしましょう。

ターゲットへのメッセージを考える

ブースデザインや装飾、配布物の検討に着手する前に、ターゲットとなる来場者が興味を持ちそうなデザインやメッセージを考える。ブースの壁面やパネル、ノベルティやパンフレットなどの配布物、動画、ブース前での呼び込みなど、ブース全体で共通のメッセージを発信することで印象付けターゲットに足を止めてもらいやすくする。

特に社名や商材の認知度が低い企業の場合は、自社ブースを目当てに来場する人は少ないと思われるため「商材が何の課題を解決するのか」「どのような人に貢献するのか」を分かりやすく発信する。

呼び込みからブースでの説明まで、スムーズな導線を設計する

フロントスタッフが声がけして来場者を呼び込み、デモンストレーション担当が説明し、リード情報のデータ化の流れを、来場者視線に立って導線を設計する。

商品やデモンストレーションに必要な機材の場所や配布物・備品の置き場所、トークスクリプトの展開といったポイントもスムーズになるよう心がける。

運営スタッフの選定と事前教育を行う

展示会の当日に外部のスタッフとともにブースを運営する場合は、外部スタッフの選定と依頼内容の説明を行う。

例えば声がけを行うフロントスタッフの役割を依頼する場合は、商材の概要や展示会参加の目的・声がけの目標、ノベルティの配布方法などをマニュアル化し、全員に漏れなく伝える。
がける。

準備のチェックリスト

準備のためのチェックリストを作成しました。適宜、自社で必要となるタスクを追加していただき、ご活用ください。

展示会の1年〜半年前 ・展示会で達成したい目的や目標を策定する
・展示する商材やターゲットを決める
・出展する展示会を決めて申し込みを行う
展示会の半年〜3カ月前 ・ブースレイアウトを考える
・ターゲットへのメッセージを考え、コピーを作成する
・ブースの装飾を考え手配する
展示会の2カ月前 ・会場で配布するノベルティやパンフレットなどの配布物を作成する
・運営スタッフのユニフォームを決め、発注する
・呼び込みからブースでの説明まで、導線を設計する
・最適な運営スタッフの選定を行う
・備品の搬入・搬出業者を手配する
・既存顧客宛にダイレクトメール・招待状を発送する
展示会の1カ月前 ・運営マニュアルを作成し、スタッフへの事前教育を行う
・自社のSNSで告知する
展示会の7日前 ・当日会場で必要となる備品のチェックリストを作成する
・備品をそろえ、漏れがないか点検する
展示会1日前 ・主催者の指定した日に搬入を行う
・ブース設営や機材のテストを行う
・役割分担の確認や、運営リハーサルを行う

展示会「当日運営」のコツ&チェックリスト

次に、当日運営についてのコツと、タスクを漏らさないためのチェックリストをご紹介します。

リード獲得のための展示会「当日運営」のコツ

十分に事前準備ができていたとしても、イベントは生モノです。当日の来場者の動きを見ながら、スピーディーにPDCAを回し、臨機応変に対応していきましょう。

その際、次のようなポイントを意識してみてください。

臨機応変な人員配置

スタッフを声かけメインの「フロントチーム」とブース内で商談を行う「説明チーム」に分ける場合、例えばブース訪問者数が少ない時間帯はフロントチームを多くし、多い時間帯は説明チームを多くするなど、状況に応じて配置を変更し、集客の最大化をはかる。

漏れのない顧客状況把握

当日、訪問者の課題や解決の可能性を確実に把握するために「自社がどれだけ解決・貢献できる可能性があるか」「費用対効果は合いそうか」「先方が商談を希望しているか」などのヒアリング項目や商談化優先度項目を作っておき、漏れのないヒアリングを実行する。

目標管理と即日PDCA

リード獲得をKPIとして設定し、時間を決めて進捗を確認する。一日が終わるタイミングで振り返り、各チームの動き方やトークスクリプトの変更、訪問者一人あたりの対応時間短縮などの改善をその場で行う。

当日運営のチェックリスト

当日運営のチェックリストを作成しました。適宜、自社で必要となるタスクを追加していただき、ご活用ください。

朝のミーティング・目標確認 ・目標や役割分担の指差し確認、注意事項の共有を行う
・シフト時間や休憩時間の確認を行う
来場者への声がけと集客 ・来場者の動きに合わせ、状況に応じて配置を変更する
・訪問者数が少なければ声かけを強化し、ブースへの訪問者を増やす取り組みを行う
ブース内商談 ・連絡先、説明内容、課題、興味関心度合いなどを漏れなく把握する
イベント(セミナーなど) ・セミナーなどに登壇する場合は、ブースでの特典配布やブース位置の連絡を行う
終了後のミーティング・実績確認 ・その日の反省点の振り返りや実績確認を行う(当日中)
・主催者への挨拶、撤収完了報告などを行う

展示会「リード獲得後のフォロー」のコツ&チェックリスト

次に、フォローについてのコツと、タスクを漏らさないためのチェックリストをご紹介します。

展示会「リード獲得後のフォロー」のコツ

展示会の開催日から、記憶が薄れないうちに、間をあけずに来場者へのフォローを行いましょう。次のようなコツに留意してみてください。

スピーディーなデータ化

訪問者の名刺は、名刺管理アプリケーションなどでその場でデジタル化すると、スピーディにメール送信やリードクオリフィケーションに取り組むことができる。

メール送信

当日もしくは翌日には、リード情報先に来場の御礼メールを行い、興味喚起を行う。例えば展示会ブースの写真や展示会で発信していたキーワードを本文中に入れ、どのブースの企業かを思い出してもらい、再び体験してもらえる動画や資料などのコンテンツリンクを添付する。セミナーやメルマガの案内なども行い、ナーチャリングを行う。

インサイドセールスからのアプローチ(架電)

リードの課題や興味関心度合いについて、クオリフィケーションを行う。ホットなリード(MQL)にはインサイドセールスからアプローチし、商談化をはかる。

リード獲得後フォローのチェックリスト

フォローのチェックリストを作成しました。適宜、自社で必要となるタスクを追加していただき、ご活用ください。

データ化 ・速やかにリード情報をデータ化し、分析を行う
インサイドセールスによるクオリフィケーション・アプローチ(架電) ・展示会で把握したリードの課題や興味関心度合いを元に、インサイドセールスがクオリフィケーションを行う
・優先度の高い順に架電して商談化をはかる(基本は翌日)
御礼メール ・リード情報先に来場の御礼メールを送信する
ナーチャリングメール(ステップメール) ・展示会リードの多くは「潜在層」のため、何本かのナーチャリングメールを送信して、商材への興味関心やリードの温度感を高める
・ウェビナー招待など、ネクストアクションを促進する

展示会で獲得したリードには「ナーチャリング」が不可欠

展示会への来場者は、一般的には潜在層が多く、アプローチすれば商談化できる見込み客ばかりというわけではありません。まず商材を認知してもらい、その後ナーチャリングしていく必要があります。
展示会で獲得したリードのナーチャリング例
例えば、展示会でヒアリングした課題に合うウェビナーへの招待や課題解決に役立つ資料送付などを行い、関係を構築し、関心度合いを高めていきます。特に、展示会のテーマに合わせたウェビナーを展示会後に開催する流れを作っておくと、数多くの展示会来場者を一斉にナーチャリングできるため効率的です。ウェビナーの企画の立て方については、次の記事を参考にしてみてください。

関連記事:ウェビナー企画の立て方&成果につなげる3つのポイントとは?効果測定や企画改善の方法もご紹介

さらに、来場者の興味関心度合いにあわせて、アーカイブ動画を活用すると、継続的・計画的にナーチャリングを遂行することができます。以下の記事では、BtoB企業がウェビナーやウェビナーアーカイブ動画を活用している事例をご紹介していますので、ぜひご覧ください。

関連記事:BtoBウェビナーのメリット&効果的な活用法とは?成功事例とともにわかりやすく解説!

まとめ

今回は、企業と来場者の出会いの場となる、展示会への出展について解説しました。

展示会はテーマを設定して開催されるため、自社がターゲットとするリードを短期間で獲得できるメリットがあります。ただし、その多くは自社の商材についてまだ深く知らない「潜在層」。顕在層から見込み客へとしっかりナーチャリングするために、ウェビナーの開催やウェビナーアーカイブの配信を活用してみてください。

ウェビナー企画・運営完全ガイド_900_280

執筆者
瀧口 愛

MIL株式会社 マーケティング

Web制作会社でサイト構築に従事後、MIL株式会社へ入社し、マーケティングチームに所属。ウェビナーや展示会実施の基盤を構築し、毎月のウェビナーやオフラインイベントの企画・運営全般を担当している。その他、メルマガ配信やマーケ全体の施策効果分析など、フィールドマーケティング領域全般を担う。

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MILであれば、インタラクティブ動画を素早く編集でき、動画配信後の測定結果はレポート画面より確認できます。インタラクティブ動画の制作から運用まですべての機能をプラットフォーム化し、動画PDCAを回します。