「LPからの新規顧客流入や獲得が少ない」「ユーザーの態度変容を促す、アプローチ方法が分からない」などと悩んでいませんか? BtoC事業向けのCVR改善のひとつに、UGCを活用するという手法があります。UGCとは、ユーザー自身がコンテンツを作り上げるユーザー生成コンテンツです。近年では、情報検索手段としてSNSの活用が進んでいる背景から、流入増加やCV改善、認知向上を目的としたマーケティング施策の手法の一つとして注目が集まっています。
一般ユーザーに対して行われたUGCに関する意識調査では、「商品・サービスの購入時に、UGCを信頼するか」という質問に対し、64.6%の方が「UGCを信頼する」と回答しています。UGCは一般ユーザーが商品やサービス購入を検討する際の重要な判断材料であり、コンバージョンまでの態度変容を促す期待の高い施策といえるでしょう。
当記事では、UGCの活用を検討している方へ向けて、UGCの概要やメリット・デメリット、UGCの活用事例などを詳しく解説します。
目次
UGC(User Generated Contents)とは?
UGC(User Generated Contents)とはユーザー自らが作成するコンテンツのことを指し、別名では「ユーザー生成コンテンツ」とも呼ばれています。例えば、ユーザー自らが作成したイラストや写真、漫画、小説、ゲーム動画などのほかに、SNSの投稿サイト、写真や動画投稿サイトなどソーシャルサイト内に投稿したコンテンツや口コミやインタビューも含まれます。
マーケティングにおける代表的なUGCの活用手法
UGCは、顧客接点の創出の観点からマーケティング活動に取り入れられています。アライドアーキテクツ株式会社実施の「企業の UGC 活用に関する調査結果」によると、「マーケティング施策におけるUGCの活用の重要性」を「とても感じる」「どちらかと言えば感じる」と答えた企業は合わせて93.8%となりました。UGCは生活者にとって広告よりも信頼しやすく、商品購入やサービス利用のきっかけを作りやすいため、新しい顧客接点としてUGC活用の重要性が高まっていることがわかります。
出典:「企業の UGC 活用に関する調査結果」
企業のマーケティングにおける代表的なUGCの活用手法として、以下の3つが挙げられます。
【1】ランディングページ(LP)や商品ページにUGCを掲載
LPのCV改善を目的として、UGCをコンテンツとして掲載する活用方法があります。化粧品会社「株式会社アテニア」では、新規顧客用のLPに化粧品を使用した感想や写真のUGCを掲載し、CVR改善に成功しました。
出典:「【UGCは広告施策に欠かせない存在】「お客様の声を大切に成長を続ける」アテニアが、UGC活用施策に取り組むワケとは」
【2】SNS広告のクリエイティブにUGCを活用
SNS広告のクリエイティブ素材として、UGCを活用する手法もあります。メンズスキンケアブランドである「BULK HOMME」では、SNSのインスタグラムに投稿された自社商品の写真と評価の声を使用しました。その結果、従来の広告には伝えることができない「リアルな視点」での訴求を実現。1年でのCV数が施策前と比較し10倍、またCPAが3分の1に抑えられたという結果を出しています。
出典:「BULKHOMME」
【3】公式SNSアカウントにUGCを活用
公式SNSアカウントのコンテンツとして、UGCを活用する方法もあります。銀座千疋屋では、20代・30代のユーザーが購入しやすい価格帯の商品の販売促進のため、InstagramにUGCを活用。素材としてのUGC活用や、ハッシュタグキャンペーンの実施により、ブランドへの認知や興味関心の向上、ECサイトの流入率アップ(18倍)などの成果を出しました。
出典:銀座千疋屋
ランディングページ(LP)や商品ページ、SNS用の素材活用など、UGCは多様な活用方法があります。ユーザーの接点毎に、適切な場所、適切な訴求でUGCを掲載することを念頭におき、活用を試みましょう。
CGM、IGC、VOCとの違い
UGCと類似している言葉として、以下のようなものがあります。それぞれの違いについてまとめましたので、参考にしてみてください。
単語 | 意味 |
---|---|
CGM | Consumer Generated Mediaの略 ユーザーによって投稿される情報で形成されるWebサービス(Q&Aサイト、化粧品の口コミサイト、レシピ投稿サイト、グルメサイト、イラスト投稿サイトなど) |
IGC | Influencer Generated Contentの略 インフルエンサーによって作られる商品やサービス紹介のコンテンツ |
VOC | Voice of Customerの略 口コミサイトやレビューサイトなどの媒体を通じて発信されているユーザーの意見 |
参照)株式会社ギャプライズ「YOTPO」および株式会社BrainPadの定義を参照
CGM、IGC、VOCのそれぞれの違いは「誰が主体で、どこで発信しているか」という点にあります。UGCは、ユーザー(消費者)が主体で生成するコンテンツ全て、であることが特徴です。
企業のマーケティングでUGC活用が増加している理由
株式会社グローバルインフォメーションの市場調査レポートによると、ユーザー生成コンテンツプラットフォームの世界市場規模は、2021年〜2027年の間に24.3%で成長し、2027年には137億米ドルに達すると予測されています。世界の市場規模でみても拡大傾向にあり、今後、マーケ施策の一環でUGC活用に注力していく企業が増える可能性が高いことが見て取れるでしょう。
出典:「ユーザー生成コンテンツプラットフォームの市場規模、2027年に137億米ドル到達予測」
企業のマーケティングでUGC活用が増加している理由として、以下のような背景が考えられます。
- SNSやメッセージプラットフォームとモバイルデバイスの普及により、多くの一般ユーザーがコンテンツ制作者になっている
- インフルエンサー活用のコスト削減や、依頼するインフルエンサー選定の負荷の軽減、といった背景から、ユーザーの声を使った手法のトレンドが「IGC」から「UGC」へ変遷している
- コロナ禍による企業の売上低迷により、プロモーションコストのかかる大規模な広告制作の実行や、人が多く集まるオフラインイベントなどができなくなった、といった背景から代替手法としてUGCを活用する
上記のようにさまざまな背景から、日本国内のみならず世界市場でもUGCが活用されており、また今後もより活用が増加されていくことが推測できます。
UGCを活用するメリット・デメリット
UGCを取り入れたマーケティングは、企業側、ユーザー側それぞれにメリットをもたらす一方で、デメリットもあります。UGCを活用する前におさえておきたい、UGCの企業側へのメリット・デメリットについて解説します。
企業側のメリット
企業側がUGCを活用するメリットは以下の4つが考えられます。
- 信頼されやすくCVR改善に有効
- SNS経由で他サイトへの流入を増やせる
- 自社制作をしなくてもクリエイティブ素材が入手できる
- 商品開発や施策改善に活用できる
各メリットについて以下に詳しく解説します。
メリット1:信頼されやすくCVR改善に有効
UGCは企業ではなくユーザーである第三者の意見のため、企業メッセージの強いコンテンツよりもリアルな声として信頼を得やすい傾向です。リアルな声を見る→自分も使ってみようかな→購入に至る、といった自然な行動からCVを促すため、CVR改善に期待ができます。
出典:「企業の UGC 活用に関する調査結果」
「UGCを活用するようになってからの施策のパフォーマンス(CPA、CVR等)の変化」について、 2.1%が「とても向上した」、74.5%が「少し向上した」との調査結果が出ていることから、施策に対し効果向上への期待が伺えます。
出典:「企業の UGC 活用に関する調査結果」
メリット2:SNS経由でサイトへの流入を増やせる
SNSでのUGC活用は、ECサイトや商品ページへの流入を増加させる導線としても有効です。
「UGCを活用したことがあるマーケティング施策」の回答として「SNS公式アカウントの投稿」が63.8%ともっとも多く、次いで約半数が「LP」「SNS広告」「公式サイト・オンラインショップ」といった回答結果です。多くの企業が、SNSアカウントの投稿コンテンツとしてUGCを活用していることが伺えます。
出典:「企業の UGC 活用に関する調査結果」
またその他の調査でも、「生活者の63.0%が購入前に商品のUGCをSNS上で探している」という結果が出ていることから、UGCはSNSと非常に相性が良く、購入商品をSNS上で探しているユーザーをECサイトや商品ページへ誘導する有効施策であると言えるでしょう。
メリット3:自社制作をしなくてもクリエイティブ素材が入手できる
マーケティングに使用する素材を制作する場合、通常は制作費用や人的リソースが必要です。一方、UGCはユーザーが自発的に生成するコンテンツのため、コストをかけずにクリエイティブ素材として活用できる点にもメリットがあります。実際に「UGCをマーケティングに活用するようになった理由」の調査では、51.1%が「クリエイティブ等で活用する素材不足を補うため」と回答しています。
人材や制作コスト不足以外にも、新型コロナウイルスの影響によって、人の多い場所で撮影が必要な素材の収集ができなくなったという企業も存在すると考えられます。それらの理由からも、ユーザーの意見や創作物をコンテンツとして活用できることは、UGCのメリットの一つです。
メリット4:商品開発や施策改善に活用できる
UGCで集まるユーザーの意見は、良いもの悪いものの両方あり、真実としてリアルな声が聞ける点もメリットです。どちらの意見も両方取りいれながら、商品開発や施策改善を行うことで、ユーザーに寄り添った良好な商品を展開できるのではないでしょうか。
実際に、商品開発にUGCを取り入れた企業事例をご紹介します。化粧品メーカーの株式会社RAVIPAは、D2CマーケティングとしてInstagramとレビューによるUGCを導入。ユーザーからの意見を商品開発や施策に取り入れ、PDCAサイクルを回すことでCVRは1.5倍、売上は2倍アップし、3年間で売上20億円を達成しました。
出典:「-CVR1.5倍、売上2倍アップ-D2C成功の鍵はInstagramとレビューのUGC」
UGCから、取りつくろわれていない率直な意見を取り入れることで、商品開発やマーケティング施策の改善にもつなげられるということがわかります。
企業側のデメリット
UGCはマーケティングにおいて多くのメリットがある一方、デメリットもあります。主なデメリットは以下です。
- 情報の正確性が担保できない
- 著作権や肖像権の侵害となることがある
デメリット1:情報の質・数量・調整時間が担保できない
UGCはユーザー側の真の意見や評価です。当然ながら企業側が情報の内容の質、また収集量をコントロールすることはできません。質や量をを担保できないということはデメリットの一つと言えます。
「UGC活用のためSNSで投稿を募ったものの、想定していた投稿量に満たず活用することができなかった」
「投稿内容の許諾が取れずUGCとして活用できなかった」
「投稿された内容を確認したが、素材として活用できる質の高いものを得られなかった」
といった問題は起こり得るものです。
実際に、「UGC活用における課題、または現在UGCを活用できていない理由」への質問に対し、79.6%が「どのようなUGCが施策活用に適切かわからない(選定が難しい)」「UGCとして活用できるような投稿がない・少ない」、また19.6%が「ユーザーに許諾を取るのに時間がかかる」という結果が出ています。UGCを進める上で企業が懸念するポイントが質・量・時間であることがわかります。
企業側があらかじめ企画した上で制作するコンテンツではないこと、ユーザー情報に左右されることから、情報の正確性や質、数量を担保できない点がデメリットです。
UGCの数量を担保するために、集客を目的としたキャンペーン企画設計も同時に行ったり、質を担保するために「投稿例」を載せるなどの工夫も必要です。また、ユーザーが自発的にUGCを生み出したくなるような、いわゆる「映え」のある商品デザインやサービス提供を行うことも企業努力としても重要と言えるでしょう。
デメリット2:著作権や肖像権の侵害となることがある
UGCの内容が、著作権や肖像権の侵害に該当するケースも考えられます。投稿サイトの利用規約において、第三者の著作権等を侵害するコンテンツの投稿に該当しないよう、注意する必要があります。
UGCを導入するには、著作権や肖像権をはじめとした法令順守をふくめたガイドラインの作成が必要です。著作権や肖像権侵害に関しては、内閣府知的財産戦略推進事務局にて課題提起がされていますので、侵害にあたるコンテンツではないか確認をすると良いでしょう。
UGCがユーザーへもたらすメリット・デメリット
続いて、UGCによってユーザーが得られるメリット・デメリットを解説します。
ユーザー側のメリット
UGCは企業のPRではなく、一般ユーザーが生成したコンテンツです。UGCの閲覧者は自分と同じ立場であるリアルな意見や情報を得られるため、ユーザー側は情報を自分事化しやすいメリットがあります。
アライドアーキテクツ株式会社の「2022 UGCに関する意識調査」によると、「商品やサービスを購入する際に、生活者のクチコミやレビューを信頼しますか」の質問に対して全体の64.6%が「信頼する」と回答しました。
出典:「2022 UGCに関する意識調査」
また、商品カテゴリ別に「商品やサービスを購入する際に、生活者の口コミやレビューをを信頼しますか」と聞いたところ、UGCの信頼度が高まるカテゴリは、
- 無形商材(80.2%)
- 化粧品・スキンケア(79.4%)
- ヘアケア(75.3%)
の順に高くなっており、日常生活と関連の深いカテゴリのUGCの信頼度が高い傾向にあることが伺えます。
出典:「2022 UGCに関する意識調査」
無形商材が、特に結果として高い理由は、有形商材と違ってビジュアルでは商品の良さを伝えにくいといった要因も考えられます。例えば、旅行や保険などは実際に行ってみなければわからない、契約してみなければわからない、といった懸念が浮上するかもしれません。それらの懸念を払拭するためにも、ユーザーは第三者のリアルな感想がわかるUGCを信頼しやすいとも考えられます。
また、次に化粧品・スキンケア・ヘアケアの信頼度が高い背景には、これらの消費財の場合は、実際の使用感や効果、色味や香りといったつけ心地など、実際の使用感を知りたいと思う方が多いことも考えられます。
近年Webで広告を見る機会が増えたことで、「しつこい、信用できない」など広告への不信感や不快感を抱いているユーザーも多いでしょう。一方、UGCは同じ立場のユーザーが発信していることから、Web上で信頼できる情報とみなされていると言えます。
ユーザー側のデメリット
ここで言うユーザーは、UGCを生成する側です。著作物をコンテンツとして使用し、投稿した場合、著作権や肖像権侵害などの法律に抵触してしまう可能性があります。たとえば「ゲームプレイの様子を撮影して動画サイトに投稿する」場合、コンテンツとして使用するゲームプレイの動画は著作物です。
著作物への取り扱いは、任天堂のガイドラインのように、著作権を保持する側が規約を設けています。著作物をコンテンツとする場合は、ユーザー側も規約の確認や法律への理解が必要になります。
UGC活用の代表的な流れ 4ステップ
UGCを活用する流れを4つのステップに沿って解説します。
- 1:UGC活用目的の明確化
- 2:UGC生成・収集
- 3:UGC活用
- 4:効果検証
1:UGC活用目的の明確化
目的によって、UGCの活用施策は異なります。まずは解決したい課題の洗い出しを行い、UGCの活用目的を明確化しましょう。
一般的に、UGCを活用するおもな目的には、以下のようなものがあります。
- 商品・サービスの認知向上
- 商品・サービスの理解の促進
- サイトへの流入増加
- サイトの新規訪問者のCVR向上
- 商品・サービスの継続購入率の向上
出典:「UGCとは?マーケティングにおける活用手法・事例・注意点を徹底解説!」
効率的にUGCの活用を進めるためには、UGCツールの導入も有効です。洗い出した課題と目的に合うUGCツールを選ぶことで、マーケティング成果の最大化につながる可能性が高まります。以下、代表的なツールを3点ご紹介しますので、参考にしてみてください。
●Letro
出典:「Letro公式サイト」
UGC生成、掲載、計測、最適化のサイクルを回す運用型UGCです。複数商品を取り扱うECサイトの商品ページからの流入・CVR向上など、ダイレクトマーケティングの売上向上に直結する数値の改善に特化しています。
●YOTPO
出典:「YOTPO公式サイト」
レビュー(口コミ)・Instagram写真や動画などを収集・活用し、ECサイトの売上向上に寄与するUGCです。実店舗とEC事業を併用するマーケティングに強みがあります。
●UGCクリエイティブ
出典:「UGCクリエイティブ公式サイト」
EC・単品通販・D2Cに特化した売上を上げるUGCツールです。反応の良いUGCを上位表示し、CVRをアップさせます。
2:UGC生成・収集
UGCは基本的にユーザー自らが生成するコンテンツですが、ユーザーがUGCを自発的に生成できる環境、企業にとっても最適な環境を整備し、多くのUGCが生まれるようにしましょう。
- Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSで商品のハッシュタグを用意して投稿
- ユーザーのUGCを取り上げ、公式アカウントでリポストまたはリツイートする
- 「期間限定で特定のハッシュタグをつけて投稿」など、キャンペーンの実施
また、プラットフォームやSNS、サイトなどを経由してUGCを収集する方法もあります。具体的には、以下のような方法でユーザー自らが投稿したコンテンツを収集することができます。
- アンケートやレビューをメールから収集
- ユーザーアカウントのSNS投稿から収集
- 口コミ、レビューサイトの投稿の収集
- 公式サイトやECサイトに投稿できるスペースの設置
3:UGC活用
生成・収集したUGCの中からコンテンツとして活用できるものを選定します。以下のような方法でUGCを活用しましょう。
- 収集したレビューや写真、動画のUGCを公式サイトに掲載する
- Google検索結果のリッチリザルトに表示する
- Google広告の販売者評価に活用する
- 商品の企画開発、改善につなげる
生成されたコンテンツを活用する際、前述したように著作権侵害などといったトラブルを招く可能性もあります。トラブルの内容によっては、企業にとっての信頼にも関わるため、UGCによるトラブルを未然に防ぐことは重要です。著作権、肖像権、薬機法など法令順守、またネガティブレビューへの対応方法も事前に検討しておくと良いでしょう。
4:効果検証
UGCはただWebサイトやECサイト、LPなどに掲載しただけではマーケティングへの効果は得られません。自社の目的やKPIに対する効果測定を行い、必要に応じた改善を行うことが最も重要です。分析に基づき、適切にコンテンツの入れ替えや改善を行いましょう。戦略的にUGCを運用していくことで、成果の最大化につながります。
出典:「【完全版】UGCとは?今注目される理由とマーケティング成功事例7選」
UGCツールを使うことで、効果検証や最適化が測れ、効果的な運用が可能になります。中には、UGFの生成・掲載だけでなく、計測、最適化のサイクルを回すことまで可能なツールもあります。前述した代表的なUGCツールを参考にしてみてください。
UGCを活用したCVR改善の成功事例
UGCはユーザーから信用されやすいコンテンツであるため、多くの企業がユーザーの行動を自然に後押しするコンバージョン促進施策として活用しています。UGCを活用し、CVRを改善した企業事例について以下に紹介します。
オンラインショップのトップにUGCを設置しわずか1カ月でCVRが110%に!
出典:「【専属コンサルとの二人三脚でEC売上拡大!】日本酒D2Cが語るゼロから始めるUGC活用とは?」
日本酒メーカー「WAKAZE」はコロナ禍によりオフラインイベントが開催できず、顧客の声を直接聞く機会を失った代わりにUGCを導入。オンラインショップのトップに「#みんなのWAKAZE」の見出しを付けてUGCを掲載し、同社の日本酒が食卓に並んでいる様子や、料理との組み合わせなど、お客様それぞれの楽しみ方がわかる投稿を中心に掲載したところ、し、1カ月でCVRが1.1倍に向上しました。
ECサイトにUGCを設置。UGC接触ユーザーのCVRは非接触者より270%高い結果に!
出典:「売上2割がUGC経由、スノーピークが目指す「1対1でつながる人間味のある自社EC」 」
アウトドアメーカー「スノーピーク」は、自社ECサイトにUGCコンテンツを掲載。自社製品を使用するユーザーの写真やレビューを掲載したところ、UGCコンテンツへの接触率は約47%、さらにUGCコンテンツ接触ユーザーのコンバージョン率は、非接触ユーザーよりも270%高い結果となりました。
スノーピークでは、レビューと会員データを紐付け「ブラック会員のAさんのレビュー」などと表示されるように「誰が言っているのか」がわかるように工夫されています。これによって、ブランド側での発信ではなくいちユーザーの意見であることが明確にわかり、信憑性が高くなったことも、この高い結果の要因の一つなのではないでしょうか。
モニター募集ページにUGCを設置し、掲載前と比較しCVRが1.3倍に向上!
食品・飲料業界の「サンスター株式会社」は、主力商品である青汁「緑でサラナ」の自社モニター募集ページにUGCを掲載。ユーザーが対象商品を飲用しているリアルなシーンの写真一覧を表示し、掲載前と比較してCVRが約1.1〜1.3倍に向上、また単月1,000万円強の売上貢献といった成果をあげました。
UGC活用が不向きな商材と、その補完方法
UGCがユーザーの行動を後押しするという紹介をしてきましたが、すべての商材にその効果を発揮するわけではありません。以下では、UGCの活用が不向きな商材と、その補完方法についてご説明します。
UGCが適している商材/UGCが不向きな商材
前述の意識調査の結果からも分かるように、一般的に以下のような商材はUGCを活用しやすい傾向にあります。
<UGCを活用しやすい商材>
・日常会話で話題に上がりやすい商材…食品、飲食店、電化製品、書籍、音楽、旅行など
・自己表現やアピールに活用される商材…アパレル、化粧品、車など
・画像や動画でビジュアルを伝えやすい商材(「映える」商材)…美味しそうな食事、デザイン性のある商品、雰囲気の良い場所など
一方で、一般商材の中でもコンプレックス商材と言われる商品や、大々的に外にPRしにくい商品、企業向けのシステムやサービスなど個人の声として発信しにくい商材の場合はユーザーがSNSなどで発信しないことから、UGCが生まれにくい傾向にあります。
<UGCに不向きな商材例>
・他人にあまり知られたくないコンプレックス商材…脱毛、育毛、ダイエット商品など
・企業単位で利用されるBtoBサービス
・ビジュアルでは伝わりにくい無形商材など
UGCが不向きな商材の補完方法
UGCによるプロモーションが不向きな商材に対しては、UGCの代替手段として、自社の持つ現実感や客観性のあるユーザーからの意見の活用が有効です。たとえば、既存顧客からのアンケート結果や使用感についてのインタビューコンテンツが該当します。
またUGCに不向きな商材は、商材を自分事化させるようなコンテンツを活用することで、CVR向上につなげられます。ポイントは、コンテンツを通じて自身の悩みを明確化させ、商品の必要性を認識(自分事化)させること。
UGCの代わりに商品やサービスへの信頼性を高められるコンテンツ施策を順に紹介します。
・診断コンテンツ
診断コンテンツとは、表示される質問に答えていくユーザー参加型のコンテンツです。回答によって最終的に表示される結果が異なります。悩みや困りごとをユーザー自身に認識させながら、その解決につながる情報を提供するため、個別でニーズが異なる商材や継続性のある高価な商材への施策に有効です。例えば、UGCが不向きな「脱毛、エステ、ダイエット」などの商材や、「生命保険、金融、教育」などの無形商材を自分事化させるのにも向いています。
出典:「診断コンテンツの作り方を徹底解説!企画・ロジック・事例3選をご紹介!」
動画による診断コンテンツを設置した事例では、同じ内容の静的ページと比較し診断コンテンツをLPページと動画の2種類で展開したところ、動画の方が送客率2.6倍、CVR+0.3%という高い成果を出しています。
・商品・サービスの紹介動画
テキストや画像ではなく、動画で商品やサービスを紹介する施策です。動画で商品を紹介することで、ユーザーが実際の使用感などを具体的にイメージしやすくなります。株式会社ネオマーケティングの「SNSでの商品購入に関する調査」では、商品購入の決め手の質問に対して「商品の紹介動画」が43.2%とトップになりました。
出典:「「SNSでの商品購入に関する調査」~Instagramで購入したユーザーの7割以上が“購入予定がなかった商品”を購入!Pinterestユーザーの約5割がSNS上で商品購入!~」
動画コンテンツは商品やサービスの特徴やリアルな使用感を分かりやすく伝え、問い合わせや購入などのコンバージョン行動を促進します。
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・漫画LP
UGCが不向きな商材のコンバージョンを向上させたい場合は、架空の人物を使い、悩みを明確化させ、商品の必要性を認識させる漫画LPも手法の一つです。
漫画LPとは、「漫画を用いて商品やサービスの紹介を行うランディングページ」のこと。漫画はストーリー性があるため、商品やサービス内容の理解を促進し、コンバージョンしやすいという特徴があります。例えば、金融商品、アプリやシステム、代行サービスなど、専門用語が多く理解が難しい商材や、メリットやデメリットをイメージしにくい商材に適しています。
まとめ
ここでは、UGCとは何か、UGCの概要やメリット・デメリット、UGCの活用事例などをご紹介しました。
一般ユーザーから発信されるUGCは信頼性も高く、CVR向上にも有効だとわかっていただけたかと思います。UGCを活用してコンバージョン数を増やすには、ユーザーが自分事化しやすいUGC素材を増やすためのアプローチと、定期的な効果改善が重要です。またUGCが適さない商材の場合には、今回ご紹介したように既存顧客のアンケート・インタビューや、診断コンテンツ、紹介動画、漫画などのコンテンツを通じて、「商材の自分事化」を促進すると良いでしょう。ぜひ自社の特徴に合ったコンテンツ活用をご検討ください。
執筆者
黒谷 純子
MIL株式会社 マーケティング
大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841