SEOキーワードとは、ユーザーが何かを調べたいと思ったときに、検索窓に入力するキーワードのこと。ユーザーの意図をしっかり汲み取り、それに合致したキーワードを選定することができれば、自然検索流入が見込めます。この記事では初心者向けに、SEOキーワードとは?SEOキーワード選定の基本をわかりやすく解説しています。キーワード選定に役立つツール10選も、無料から有料まで幅広く紹介しますので、参考にしてみてください。
目次
SEOキーワードとは?
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、日本語にすると「検索エンジン最適化」を意味します。
そして、SEOキーワードとは、検索窓にユーザーが入力するキーワード(言葉)のことです。何かを調べようとするとき、どんな言葉を入れるかはユーザーの自由ですが、適切な言葉を入れないと、思うような検索結果が得られません。
それと同様に、Webサイトを運用する側も、ユーザーの検索意図を考慮して適切なSEOキーワードを選ぶ必要があります。適切なキーワードを選び、それにふさわしいコンテンツ(記事など)を用意して初めて、WEBサイトの訪問者数が増えるからです。
SEOとは何か?について詳しくは、以下の記事で解説しています。
関連記事:SEOとは?初心者にもわかりやすく仕組みや主要な対策を解説!
SEOキーワードが大切な理由
前述の通り、SEOキーワードが適切であれば、自社の商品・サービスのターゲットユーザーに検索で見つけてもらうことができます。これを「自然検索流入(オーガニック流入)」と呼び、広告などを使わなくても、継続的にユーザーの訪問を増やすことが可能になります。
また、コンテンツの内容が、自然検索流入によって訪問したユーザーのニーズを満たしていれば、ユーザーの滞在時間が伸び、Googleからの評価も上がり、表示される順位が上昇!これを繰り返すことで、検索順位が安定してくるため、「適切なキーワード選定」はとても重要なのです。逆にキーワード選定を間違えると、SEO対策をしたつもりが、検索流入が見込めず、かけた費用と労力が無駄になるのは明白ですよね。
たとえば弊社(MIL株式会社)の場合は「インタラクティブ動画マーケティング」を軸にしたサービスのため、「インタラクティブ動画」というキーワードで上位表示されるようにSEO対策をしています。これにより、弊社の存在や社名を知らなくても「インタラクティブ動画」に興味をもっている方が検索結果を通じてサイトに訪問。資料請求やお問い合せなどのコンバージョンにつながる、という流れになっています。
SEOキーワードの種類と考え方
WebサイトのSEO対策を行うには、自社の商品・サービスに適切なSEOキーワードを選定し、それぞれのキーワードに対して、SEO対策をしたコンテンツを用意しなければなりません。
そこで、SEOキーワードについて理解するために、選定・分類するときの4つの考え方を解説します。
- キーワードボリューム(ビッグ、ミドル、スモール)
- ロングテールキーワード
- サジェストキーワード
- 単一キーワードと複合キーワード
キーワードボリューム(ビッグ、ミドル、スモール )
キーワードボリュームとは、検索キーワードが、月にどれくらいの回数検索されているのを示す指標です。回数に応じて、ビッグキーワード、ミドルキーワード、スモールキーワードの3つに分類されます。
ビッグキーワード
月間検索数1万回以上のキーワード。1つの単語である場合が多く、会社名、商品名、サービス名、サイト名などの固有名詞や一般名称で検索されます。これらは「指名検索」とも呼ばれ、当事者以外がSEOで上位を狙うには、非常に難易度が高いキーワードです。
*( )内の数値は月間検索回数です。利用するツールによって多少前後します。
ミドルキーワード
月間検索数1,000回から1万回未満のキーワード。1つの単語よりも、2語で検索されるものが多く、キーワード選定とSEO対策をしっかりと行えば、上位を狙うことも可能。難易度が高いものの、上位表示ができたときには、多くの検索流入が見込めるので、チャレンジする価値はあります。
スモールキーワード
月間検索数1,000回未満のキーワード。2語、3語の組み合わせで検索され、検索で知りたいことがより具体的にわかる。自社の商品・サービスに適切なものを選定し、コンテンツを作ることで、充分に上位を狙えると考えて良いでしょう。
ロングテールキーワード
ロングテールとは、アメリカのWired誌編集長のクリス・アンダーソンが提唱した概念。ネット通販で、「売れ筋商品(Best Sales)」と「それ以外の商品(Worse Sales)」を売上高順に並べたとき、売れ筋商品よりも、それ以外の「ニッチな商品群全体」の売上げ額のほうが上回るという理論です。グラフに表した際、「ニッチな商品郡」が低くて長い生き物のしっぽに見えたことから、ロングテール(長いしっぽ)と呼ばれるようになりました。
これをWebマーケティングにも応用した考え方が「ロングテールキーワード」。検索ボリュームが少ないスモールキーワードでも、そこからの流入を合算していけば、全体のボリュームは大きくなると言われており、先ほどご紹介した「スモールキーワード」や「スモールキーワード全体」の総称を総称して、「ロングテールキーワード」と呼ぶのです。
「ロングテールキーワード」は、検索ボリュームこそ少ないですが、より具体的な検索キーワードであるため、購入やお問い合わせなどのコンバージョン率(CVR)が高いという特徴があり、注力すべきキーワードともいえます。
サジェストキーワード
サジェストキーワードとは、主となるキーワードと一緒に検索されやすいキーワードのこと。Googleの検索窓に単語を入れたときに、検索キーワードの候補が下記のように表示されることがあります。これは、他のユーザーの検索結果を元に、Googleが一緒に検索するキーワードの候補としてサジェストを表示しているのです。
例えばキーワードが「NISA」の場合、「口座」、「とは何の略」、「日本語」、「とは」が、サジェストです。
サジェストは、ミドルキーワード、スモールキーワード選定の候補ともいえるでしょう。
単一キーワードと複合キーワード
単一キーワードとは、「生命保険」「NISA」のように、1つの単語だけで検索されるキーワードで、複合キーワードは、「女性 保険 おすすめ」のように2語、3語で検索されるキーワードです。
察しの良い方は、ピンと来たと思いますが、単一キーワードはビッグキーワードで説明した、固有名詞や一般名詞で、SEO対策の難易度が高め。語感や表記の似ている、他の商品・サービスと間違われないよう、自社固有のものをしっかりSEO対策しておくことをお忘れなく。
一方、複合キーワードは、ミドルキーワード、スモールキーワードに相当します。こちらは、コンバージョンに近いものを特定して、優先順位の高いものから、SEO対策をしましょう。
SEOキーワードの選定方法
SEOキーワードについて理解が進んだところで、ここからは具体的なキーワードの選定方法とポイントについて解説します。SEO施策が初めてという新任担当者の方でも、今スグにはじめられるよう、以下5点をわかりやすくご紹介します。
- 自社サイトの検索キーワードを確認する
- 商品・サービスとターゲット層に相性の良いキーワードを考える
- SEOキーワードツールを使って調べる
- 専門家に相談をする
- 注意!キーワードは重複させない
自社サイトの検索キーワードを確認する
まずは、自社サイトを訪問したユーザーが、何という検索キーワード(=検索クエリと呼びます)を入れて、WEBサイトにたどり着いたのかを知る方法です。ページ毎に検索キーワードを確認する方法と、サイト全体の検索キーワードを確認する方法があります。
どちらの場合も、検索クエリの中には、元々SEOキーワードとして狙っていたものもあれば、全く意図していなかった予想外のものが含まれています。ひとつひとつ確認して、SEO対策すべきか否かを精査しましょう。
ページ毎に検索キーワードを確認する方法
Search Consoleにログインし、左側のメニューから[検索パフォーマンス]→[ページ]をクリックして、右側のリストから検索キーワードを確認したいページを選択→[クエリ]をクリック。検索キーワード(=検索クエリ)、クリック数、表示回数を確認できます。
サイト全体の検索キーワードを確認する方法
Google Analyticsにログインし、左側のメニューから[集客]→[Search Console]→[検索クエリ]をクリック。検索された単語(=検索クエリ)、クリックされた回数、検索結果に表示された回数、クリック率、平均掲載順位を確認できます。
商品・サービスとターゲット層に相性の良いキーワードを考える
次の方法として、自社の商品・サービスとターゲット層に、相性が良さそうなキーワードを考えてみましょう。多くの場合、商品・サービスというのは、お客様の困りごとを解決したり、何かをしたいというニーズを満たしたりするもの。お客様の悩みや、欲求を具体的に書き出すことで、相性の良いキーワードが見つかります。
ここで重要なのは、お客様の立場になって考えること。わかりやすくいうと、専門用語を使わずに、一般的な言葉を使ったり、お客様がよく口にしたり、アンケート等に書く言葉を探すのです。
例えばNISAの新規口座を作る場合、証券会社にとっては「NISA口座の契約」かもしれませんが、お客様であるユーザーは、「NISA 口座 開設」、「NISA 口座 おすすめ」といったキーワードで検索をしています。
自社の業界では当たり前に使う単語が、お客様にとっても当たり前かどうかは、次の章でご紹介するキーワードツールを使って、必ず確認するようにしましょう。キーワードが的外れだと、検索流入は見込めません。
SEOキーワードツールを使って調べる
SEOキーワードツールを使うと、自社サイトに適したキーワードを抽出したり、競合サイトが対策をしているキーワードを調査したりすることができます。前述の方法で、キーワードに大まかにあたりをつけてから、併用するのがおすすめ。
キーワードツールについては、無料・有料のものがあり、次の章でご紹介しています。有料ツールはそれぞれ得意なことが違い、特徴があります。まずは無料ツールを使ってみてから、検討しても遅くはありません。
専門家に相談をする
SEOに関して、社内に詳しい人材がいない場合には、外部専門家への相談を検討してみましょう。SEOコンサルティングの依頼方法は、大まかに以下の3つに分かれます。
- SEOコンサルを提供している会社
- SEOツールを提供している会社
- SEOコンサルタント(個人)
SEOツールの導入を予定している場合には、ツールの利用料金に担当者によるサポートも含まれる場合も。予算と社内の体制で決めましょう。
注意!キーワードは重複させない
キーワード選定を行う上で、注意すべき重要な点をお伝えしておきます。
それは、キーワードを重複させない!ということ。キーワードの重複とは、1つのキーワードに対して、2つ以上のコンテンツを作ってしまうことを意味します。
「1つのキーワードに対して、1つのコンテンツ」というルールを守らないと、自社内で検索結果が2つに分散してしまい、検索順位はなかなか上がりません。投稿後、検索クエリを確認して、同じキーワードで2つ以上の記事に流入している場合には、以下のような対策を取りましょう。
- 検索キーワードを2語から3語にして、コンテンツを差別化する
- 重複しているコンテンツを統合して、1記事を強化する
おすすめのSEOキーワードツール5選(無料)
最後に、おすすめのSEOキーワードツールを、無料・有料(数日間のお試し期間あり)の両方から厳選してご紹介します。
尚、SEOキーワードツールといっても、キーワードの選定や検索ボリュームの予測など、シンプルな機能だけに特化したものから、SEO対策全般に使える機能が満載のものまで、多岐にわたります。ここでは「キーワード選定に関わる機能」を中心にご紹介していきます。
まず無料ツールと、機能の概要を紹介します。
キーワードプランナー
気になるキーワードやWEBサイトのURLを元に、商品・サービスに適切なキーワードを探したり、入力したキーワードの検索ボリュームを予測してくれます。利用には、Google広告アカウントの開設(無料)が必要。
ラッコキーワード
2語、3語のキーワードを選定するのに役立つ、サジェストキーワード(Google/Bing/Youtube等)を抽出できたり、Q&Aサイトを検索する機能を使って、ユーザーの悩み(解決したいこと)を調べるのにも役立ちます。その他、共起語(あるキーワードと同時もしくは頻繁に出現する単語)や検索見出しの取得にも対応。有料機能を使えば、競合の検索流入キーワードや月間検索数も取得可能。
サクラサクラボSEO無料ツール
関連語調査ツールでサジェストを取得したり、キーワード選定ツールで月間検索数を調べることが可能。その他、自社サイトの登録によりコンテンツの順位を計測できるなど、SEO対策に役立つ機能も搭載。
aramakijake(アラマキジャケ)
月間検索数の取得に特化したツール。調べたいキーワードを入力すると、SEO検索結果が1位の場合◯回、2位の場合◯回というように、検索順位別に検索数を予測してくれます。
キーワードマップツールおむすび
サジェストのマッピング表示に特化したツール。調べたいキーワードを入れると、キーワードを中心に、サジェストの2語目、3語目の関連が図になって表示されます。つながりを俯瞰して捉えられるので、対策すべきキーワードを見つけやすいのがメリット。
サイト:https://omusubisuggest.appspot.com/
おすすめのSEOキーワードツール5選(有料)
以下では、有料ツールと、機能の概要をご紹介します。
*記載の価格は2022年7月現在のHP掲載価格(税抜)のため、目安としてご覧ください。実際には初期費用や、契約期間1年などの条件がありますので、詳しくは各社までお問い合わせください。
MIERUCA(ミエルカ)
関連するキーワードを可視化してくれる機能で、ユーザーの知りたいことやローングテールキーワードを探しやすい。また競合サイトの登録で、競合の流入キーワードを調査して、新規キーワードを提案してくれる新機能も搭載。SEO施策の立案から、効果測定まで、トータルで強い味方となるツール。
※費用:月額5万円〜。無料トライアル有り
SEARCH WRITE(サーチライト)
対策すべきキーワードと施策案を提案してくれるので、分析にかける工数を削減できます。その他、月間検索数、関連キーワードとそこからの新規キーワードの発見、競合サイトの対策キーワードもわかります。SEO施策を検討段階から、成果の計測までトータルで管理できるツール。
※費用:月額5万円〜。無料トライアル有り
Ahrefs(エイチレフス)
SEOの競合分析に強い、世界で60万人が導入しているツール。流入見込みのあるキーワードから新規コンテンツを検討する、競合サイトの流入キーワードを調査する、自社と競合サイトのキーワード難易度を調査するなどができる。
※費用:月額99ドル〜。無料トライアル無し
EmmaTools(エマツールズ)
SEOライティングに強みを発揮するツール。上位表示されている競合サイトのキーワードを可視化して把握できたり、広告出稿しているキーワードなども調査できる。外部ライターを管理したり、作成したコンテンツを評価する機能があるのが特徴的。
※費用:月額59,800円〜。無料トライアル有り
Keywordmap(キーワードマップ)
競合サイトを分析して、キーワードの提案をしてくれるツール。SEO上の競合となるサイトを発見してくれるという機能もある。ニーズマップでユーザーのニーズをテーマごとに分類してくれるので、キーワードの網羅性を高めるのに役立つ。
※費用:要問い合わせ。無料トライアル有り
まとめ
「SEOやキーワード選定って、難しそう」と感じていた方も、SEOキーワードの基本と、選定方法、ツールを知ることで、一歩前に進めるのではないでしょうか。
まずは無料のツールを使って、自社のWEBサイトに検索流入しているキーワードを把握し、キーワードの選定方法を参考に、SEO対策すべきキーワードを検討してみてください。自然検索流入につながる、良いキーワードを探し出せると良いですね!
執筆者
黒谷 純子
MIL株式会社 マーケティング
大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやオウンドメディア「MIL blog」の企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841