YouTubeチャンネルの運用担当者であれば、知っておきたいYouTubeのSEO対策。当記事では、「YouTubeヘルプ」の公式な見解を踏まえ、検索上位に表示されるために押さえておくべき4つの重要ポイントを解説します。万全のSEO対策を施し、自社の動画を多くのターゲットに届けましょう!
目次
YouTubeのSEOとは?
SEO とは「Search Engine Optimization(検索エンジンの最適化)」の略で、特定のキーワードで検索された際に検索結果の上位に自社のページを表示させるよう、サイト内外の要因を調整する施策を指します。
そして、YouTubeのSEOとは、YouTube内の検索システムで、上位に表示させることです。通常のWEBページをGoogle検索で上位表示させるときと同様に、SEO対策を施すことで、上位表示を狙ったり、おすすめの動画として表示させたりできるのです。自社の動画を必要としている、より多くの人に届けるために、動画をアップロードして公開する際に、もうひと手間かけましょう。
チャンネルのパフォーマンスは「YouTubeアナリティクス」で把握できる
Webサイトのアクセス状況などを、Googleアナリティクス等で分析できるのはご存知かと思います。同様に、YouTubeチャンネルの視聴状況は、YouTubeが無料で提供している「YouTubeアナリティクス」というツールで分析できます。自社のYouTubeチャンネルにログインして、「YouTube Studio」から利用します。
YouTubeアナリティクスでわかること
YouTubeアナリティクスでは、チャンネルの視聴者の状況を把握し、視聴率を伸ばす改善ができるよう、様々な指標を提供しています。例えば、以下のような指標を確認できます。
- 概要(総再生時間、視聴回数、チャンネル登録者数、人気の動画ランキング)
- 視聴者維持率:最後まで動画を視聴してくれた人の割合を示す指標
- インプレッション:サムネイルがYouTubeに1秒以上表示された回数
- クリック率:サムネイルが表示された回数の内、クリックされた割合
- 視聴者属性:年齢・性別・地域
- 時間帯:視聴者が過去28日間に自分のYouTubeにアクセスした時間帯
- トラフィックソース:動画への流入経路
YouTubeアナリティクスの見方について詳しくは、「【2022年版】YouTubeアナリティクスの見方&5つの注目指標をわかりやすく解説!」でご紹介しています。ぜひご一読ください。
YouTubeのSEO対策で重視すべき4つのポイント
以下では、SEO対策で重視すべき4つのポイントを、YouTubeの公式見解(YouTubeヘルプ)を元に紐解いていきます。「ヘルプ情報」と聞くと、困った時のトラブルシュートをイメージされる方も多いと思いますが、ユーザー同士のコミュニティやクリエイター向けのヒントもあり、担当者は知っておくと便利な情報が多く含まれています。
ポイント1:視聴者の検索意図に沿った動画を作ることが大前提
YouTubeヘルプでは、「検索結果に動画が表示されるランキングは、どのように決まるのですか?」という問いに対し、以下のような回答が掲載されています。
(前略)YouTube 検索でもキーワード検索への関連性が最も高い結果が表示されます。
動画のランキングは、次の要因によって決まります。
・タイトル、説明、動画のコンテンツが視聴者の検索にどれだけ一致するか。
・検索から特に多くのエンゲージメントが引き出された動画はどれか。
注: 検索結果は、特定の検索で最も多く視聴された動画のリストではないことに留意してください
また「YouTubeは、宣伝する動画をどのように選択していますか?」という問いに対して、以下のような回答が掲載されています。
YouTube で成果を上げるために大切なことは、アルゴリズムや分析に詳しくなることではなく、視聴者についてよく知ることです…(後略)
つまり、「何かを知りたい、したい」と考えた視聴者の検索意図を正しく汲み取り、それに合った最適な動画を見つけられるよう、システムが上位に表示する動画を決めているということが伺えます。
WebサイトのコンテンツSEO対策において、狙うキーワードと記事の構成を考える場合と同様に、視聴者の視点に立ち、視聴者の検索意図に沿った動画コンテンツを作りましょう。
ポイント2:タイトルやサムネイルを工夫して見つけやすくする
YouTubeヘルプには、動画のタイトルやサムネイルを変更することで、視聴者の反応が変われば、その結果として動画のランキングも改善する可能性があるという内容が記載されています。
毎分500時間以上のコンテンツがアップロードされているYouTubeの中で選ばれるためには、ポイント1でもお伝えしたように、視聴者の検索意図を知り、動画の内容をわかりやすく伝える工夫が大切です。検索結果に表示された中で目を引くよう、動画のタイトルやサムネイルを工夫しましょう。ここ数年はタブレットやスマホで楽しむ視聴者が増えていることから、サムネイルの情報(文字や画像)は、スマホの画面でも認識できる大きさを考慮して作ることをおすすめします。
- タイトルのメインは30文字以内にし、コンテンツの内容を端的に伝える
- 視聴者が思わずクリックしたくなるようなサムネイルを用意する
- スマホ画面で認識できることを意識して、サムネイルを作る
- サムネイルのポリシーを遵守する
ポイント3:ハッシュタグは補足的に使う
YouTubeヘルプには「動画の検索時には、動画のタイトル、サムネイル、説明などのメタデータのほうがタグよりも重要な役割を果たします」という記載があり、動画の検索においてはタグの役割はそれほど重視されていません。
タグとは、コンテンツを検索でヒットしやすくするために動画に追加できる説明的なキーワードです。動画の検索時には、動画のタイトル、サムネイル、説明などのメタデータのほうがタグよりも重要な役割を果たします。こうした主要な情報は、視聴者が動画を見るかどうかを決めるときの判断材料になります。
タグは、動画のコンテンツがスペルを間違えられやすいものである場合には役に立つことがあります。その場合を除けば、動画の検索時にタグが果たす役割はごく小さなものです。
ただし、スペルを間違えやすい単語や、複数の表記方法を持つ言葉の場合は、ハッシュタグを使うことが検索結果に役立つとされています。該当する場合には、ぜひ活用してみましょう。
以下の例では、動画タイトルには「ナイスプレー」と表記し、ハッシュタグには「#好プレー」「#fineplay」と似た意味を持つ他の言葉を使用しています。
引用:パーソル パ・リーグTV公式「PacificLeagueTV」
ポイント4:視聴時間と評価を高めることが必須
YouTubeヘルプには、YouTubeのおすすめシステムは、以下を考慮して最適な動画を絞り込むという記載があります。
・視聴者がどのような動画を見ているか
・視聴者がどのような動画を見ていないか
・視聴者がどれくらいの時間見ているか
・動画への高評価、低評価
・[興味なし] のフィードバック
・満足度に関するアンケート
これらの指標を高めるためには、まず視聴者にサムネイルをクリックして動画を再生してもらい、できるだけ最後まで視聴してもらえるような工夫を施し、高評価を得ることが欠かせません。YouTubeアナリティクスのデータも見ながら、動画の冒頭10秒の内容に気を配るなど、視聴時間を長く維持できるよう工夫をしましょう。
但し、YouTubeチャンネルの登録者数がそれほど多くない段階では、動画をアップするだけでは視聴してもらえませんし、視聴時間も短いため、検索上位へのランクインも難しい状況だと思われます。
SEOの効果が出るには時間がかかります。まずは、自社のホームページやSNS、メルマガ等、あらゆるチャネルを活用して、あなたのチャンネルや動画に集客をしましょう。それぞれに動画を埋め込んで視聴してもらう、サムネイルを画像にして貼り付けてリンクでYouTubeに誘導するなどの工夫をしましょう。
また、YouTubeにおいても、動画のエンディング画面でチャンネル登録を促したり、他の関連動画をおすすめしたりして、視聴者と視聴時間を増やす工夫をしましょう。
SEO対策に有効なその他のテクニック&ツール
最後に、上記以外のSEO対策に有効なテクニックとツールをご紹介します。
【テクニック】動画の説明文にもSEO対策をする
引用:YouTube Creators「タイムスタンプを使って動画にチャプターを追加する方法」
動画を視聴しているときに、「前置きはいいから、ココだけを見たい!」という場所に早送りしたくなったことはありませんか?それを実現するのが、YouTube Studioの動画チャプター機能です。説明文に動画の詳細な時間(タイムスタンプ)を記載しておけば、時間をクリックするだけで、好きな場所から再生させることができるようになります。
チャプターがあれば、視聴者にとっても便利ですし、離脱を防ぐのに役立ちます。またYouTubeの検索システムが動画の内容を理解する手助けにもなるので、ぜひ説明文を活用してみてください。
【ツール】ahrefs(エイチレフス)で検索ボリューム・ニーズを知る
Google検索エンジンなどの「SEO」を分析するためのツールとして有名な「ahrefs(エイチレフス)」の「キーワードエクスプローラー機能」を使えば、キーワードの検索ボリュームを調べることができます。またサジェストキーワードも調査できるため、そこから検索意図を推しはかることもできます。
検索ボリュームやニーズを把握し、YouTubeチャンネルの企画につなげていきましょう。
まとめ
企業のYouTubeチャンネルは増えていますが、CMやCMのメイキングオフ等を紹介するにとどまっているチャンネルも多いので、他社との差別化のために力を入れる意義は十分にあります。特にBtoCの企業にとっては店頭での接客が難しい今だからこそ、わかりやすい動画を制作して、顧客の商品・サービスへの理解を高めるチャンスです。顧客接点のひとつとして、ぜひ動画活用に取り組んでみてください。
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執筆者
黒谷 純子
MIL株式会社 マーケティング
大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841