現在、トレンドとなっている「動画マーケティング」ですが、動画の効果を最大化するには、データに基づく分析が必要不可欠です。マーケティング担当者の中には、どんな指標で動画の効果を測定し、またどのような分析ツールを使えばいいのか、迷っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、動画の効果を測る主要指標や、YouTubeを含めた「動画マーケティング」におすすめの分析ツールをご紹介します。動画マーケティングを加速させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
動画マーケティングに分析が必要な理由
動画マーケティングとは、動画コンテンツを用いたマーケティング手法です。
もともと動画マーケティングといえば、テレビCMが主流でした。しかし近年は、スマートフォンなどのモバイル端末が普及し、通信環境も高速化しています。各自が好きなコンテンツをスマートフォンで視聴する時代となり、消費行動が多様化する中で、YouTubeなどWeb動画を用いたマーケティングに注目が集まっています。
動画マーケティングを効果的に運用していくために「データ分析」は必要不可欠です。
例えば「YouTube」を使ったマーケティングにおいては、YouTubeの動画で商品やサービスの認知度を上げて、顧客獲得を進めていきます。そして公開後には、公開した動画の視聴データを分析し、次の動画に向けて新しい施策を打ち出していくのです。
動画をアップロードしたら終わりではなく、公開後に改善を加え、成果の最大化を追求する。
これが「動画マーケティング」であり、その判断軸となるのが「データ分析」です。
関連記事:【2022年】動画マーケティングとは?メリット・手法・事例から最新トレンドまで徹底解説!
動画マーケティングの効果を測る主要指標
動画マーケティングの目的によって必要な指標は異なりますが、動画の効果を測る主要指標は以下の通りです。
- 視聴回数:動画が視聴された回数
- クリック率:視聴回数/表示回数
- 再生完了率:再生数の中で動画が最後まで完全に視聴された割合
- 総再生時間:ユーザーが動画を再生した合計時間
- ユニークユーザー数:一定期間に動画を視聴したユニークユーザーの数
- コンバージョン率:動画視聴者が購入・問合せなどの行動を起こした割合
これらの数値を分析しながら、より質の高い動画を目指しましょう。
YouTubeの動画分析ツール おすすめ3選
続いて、世界最大の動画配信プラットフォーム「YouTube」の分析ツールのうち、おすすめの3点をご紹介します。
- YouTubeアナリティクス
- NoxInfluencer
- kamui tracker
それぞれについて、詳しく解説していきます。
YouTubeアナリティクス|YouTubeチャンネル運営に必須の無料ツール
「YouTubeアナリティクス」とは、YouTubeに実装されている無料のデータ分析ツールです。YouTubeに投稿した動画や、チャンネル全体のアクセス解析ができます。再生数はもちろん、「どんな属性の人が集まっているか」「どの動画が人気なのか」などを分析し、次の動画に活かすことができます。
様々な指標がある中で、チャンネル改善につながる重要な指標は、以下の3点です。
- クリック率:視聴回数/表示回数
- 視聴者維持率:最後まで視聴された割合
- 視聴者属性:視聴者の年齢層や性別、地域など
各指標を総合的に分析し、どのような動画コンテンツを作成すれば良いのか、視聴者から何が求められているのか、戦略を練りましょう。YouTubeアナリティクスの見方について詳しくは、以下でご紹介しています。ぜひご一読ください。
関連記事:【2022年版】YouTubeアナリティクスの見方&5つの注目指標をわかりやすく解説!
またYouTubeの動画をWebサイトに設置している場合、Google Analytics4 (GA4)の「拡張イベント計測機能」を活用することで、動画を再生したユーザーがコンバージョンにつながっているかどうか、も計測できるようになりました。動画がサイトのコンバージョンにつながっているのかどうか? 効果検証を行いましょう。
NoxInfluencer|登録不要&無料で手軽に使える!InstagramやTikTokにも対応
NoxInfluencerとは、YouTubeをはじめ、InstagramやTikTokの分析もできるツールです。会員登録は必要なく、利用料も無料です。
NoxInfluencerにアクセス後、そのまま上部の検索窓からチャンネルを分析できます。お持ちのチャンネル名やURLを入力すると、チャンネルの統計データが表示されます。
例えば、YouTubeチャンネルであれば以下のようなデータが表示されます。
- グローバルランク:登録者数のランキング
- 国 / 地域ランク:国での登録者がどのくらいのか
- Noxスコア:Noxが独自に算出したスコア
- アップロードされた動画:直近1ヶ月に公開した動画の本数
- 広告収益の見積もり:Adsenseの推定収益
- アフィリエイト収益の見積もり:Nox独自の広告における推定収益
このデータ分析は自社のチャンネルだけでなく、他のチャンネルの分析にも対応しています。競合が多いジャンルやライバルを分析したい企業におすすめです。
kamui tracker|国内最大級のYouTubeデータ分析ツール
引用:kamuitracker
kamui trackerとは、国内最大級のYouTubeデータ分析ツールです。国内の登録者1,000人以上のYouTubeチャンネルのデータを網羅し、独自の分析機能を備えています。利用料は無料ですが、「チャンネルの登録者が100人以上であること」が条件となります。条件を満たした後、登録を行いましょう。
kamui trackerの代表的な機能は以下の通りです。
- チャンネル検索:指定のジャンルのチャンネルを検索して数値で比較
- 動画検索:指定のジャンルの動画をリサーチし伸びている企画を検索
- 視聴評価:伸びている動画のサムネイルやタイトルを表示
自社だけでなく、YouTube市場全体のトレンドを掴めるのが、kamui trackerの特徴です。動画マーケティングに必要な市場予測にも役立ちますので、全ての企業におすすめのツールです。
動画配信&分析プラットフォーム おすすめ4選
YouTube以外のプラットフォームを使って、より本格的な動画マーケティングを実施したい企業には、以下の4点をおすすめします。
- Wistia
- Vidyard
- J-Stream Equipmedia
- MIL
いずれも、高い分析機能と動画配信機能を兼ね備えています。それぞれの特徴について、詳しく解説していきます。
Wistia|アメリカ発の動画配信&分析プラットフォーム
引用:Wistia
Wistiaは、アメリカの企業が開発した企業向け(BtoB)の動画配信プラットフォームです。マーケティングに特化しており、YouTubeアナリティクス以上に細かい指標で分析することが可能です。
<Wistiaの特徴>
- A/Bテストでクリック率の高いサムネイルを検証
- ヒートマップを設置し「◯秒まで◯人が視聴を続けた」などを表示
- 他のマーケティングシステムとの連携(Hubspot、MailChimp、Marketoなど)
- 動画内に入力フォームやURLを埋め込み
- 動画内にメールアドレスの入力フォームを挿入
- 会社のロゴを動画内に表示
- 細かいトラッキング(追跡)⇒誰がどの動画をどの程度、視聴したか
また、より詳しい分析がしたい方や、動画内にさまざまなコンテンツを埋め込み、リードの獲得やナーチャリングなどマーケティングに活かしたい企業におすすめのツールです。
Vidyard|カナダ発の動画配信&分析プラットフォーム
引用:Vidyard
Vidyardはカナダの企業が提供している、企業向けの動画配信と分析のプラットフォームです。MicrosoftやLinkedinなど、世界的企業も活用しており、「ビジネス向けYouTube」とも称されています。詳細な分析に特化している点がVinyardの強みです。
<Vidyardの特徴>
- CTAをカスタマイズして動画内にボタンやフォームを設置
- A/Bテストでクリック率の高いサムネイルを検証
- 最適な配信時間帯の提案
- YouTubeやTwitterへの配信
- 視聴者毎の分析(誰がどのくらい視聴したのか)
- コンバージョンにつながったポイントの把握
- リアルタイムでのアクセス分析
無料プランもありますので、データを元に動画マーケティングを加速させたい企業はぜひご活用ください。
J-Stream Equipmedia|ライブに強い!動画配信&分析プラットフォーム
J-Stream Equipmediaは、企業における使いやすさと充実した機能を備えた、動画配信プラットフォームです。動画マーケティングや企業プロモーション用途だけでなく、企業内の情報共有や教育・研修まで幅広く利用されています。
<J-Stream Equipmediaの特徴>
- ライブ配信
- コンテンツ内製支援
- 動画視聴解析
- 多機能プレイヤー
- ポータル分析(いつ誰がどのコンテンツをどの程度視聴したか?)
- セキュアな機能
中でも「オンデマンド配信」や「ライブ配信」において強みがあり、ライブ配信を目的とする企業におすすめです。
MIL|動画の最先端!インタラクティブ動画配信&分析プラットフォーム
「インタラクティブ動画」とは、再生されるだけの動画から進化した「触れる動画」です。インタラクティブ動画は「タップ・クリック」など視聴者のアクションに沿ってストーリーが進む参加型動画のため、興味を喚起しながら情報提供ができ、LPや広告でのCVR・エンゲージメント向上に結びつきやすいという特徴があります。
「MIL」とは、インタラクティブ動画マーケティングツールです。動画上のタップ(クリック)データを元に「動画レポート」として50以上の視聴動態データを取得。データを基に視聴者の興味・離脱のポイントやインサイトを把握し、より効果的に動画マーケティングを実施することが可能になります。
<MILの特徴>
- ストーリー分岐機能:ユーザーの選択次第で指定した動画に遷移
- ポップアップ機能:情報の深堀や商品ページへ直接リンク
- スイッチング機能:同じタイムラインで再生される2本の動画をタップで切り替え
- 動画内フォーム:Webページに遷移させることなく、動画上でフォームを立ち上げ
- 電話リンク:動画上のタップだけで、特定の電話番号に発信
- 外部ツール連携:Google Analytics、Salesforceなど
- 動画レポート:50以上の項目から視聴者の視聴動態を分析
- 視聴分布レポート(特許):動画からの離脱原因を「ポジティブ」と「ネガティブ」という2種類に分類
- ストーリーレポート(特許):歩留まりを発見
また、MILとGA4と連携させることで、インタラクティブ動画を視聴したユーザーと視聴していないユーザーのコンバージョン率の違いや、流入元別の分析なども可能です。MILでは単にツールを提供するだけでなく、インタラクティブ動画のプロフェッショナルが、企画・構成、制作、編集、広告運用、分析レポートに至るまで、包括的なサポートをご提供しています。制作や分析・運用をプロに任せたいとお考えの企業様におすすめです。
まとめ
動画マーケティングにおいて、分析ツールは必要不可欠です。自社の動画施策にあわせて配信プラットフォームや分析ツールを使用し、データに基づく動画マーケティングを進めていきましょう。
執筆者
黒谷 純子
MIL株式会社 マーケティング
大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841