コロナ以降、リアルな場を訪問しての物件紹介・見学が減少傾向にあり、不動産業界では、集客やマーケティング施策としての動画活用が活性化しています。
この記事では、物件紹介動画を活用するメリット、最新トレンド事例、制作のポイントをご紹介します。
物件紹介動画を活用するメリットとは?
物件紹介動画を活用するメリットは、以下の3点です。
メリット1:物件の魅力・情報をわかりやすく伝えられる
物件紹介動画を活用する一番大きなメリットは、静止画や文字コンテンツよりも、その空間の雰囲気や空気感を分かりやすく、魅力的に伝えられることです。
メリット2:動画を通じて疑似体験ができる(バーチャル見学)
物件を紹介する場合、平面だけでなく立体的に見せることも重要なので、静止画よりも動画での紹介が適しています。物件紹介に動画を活用すれば、物件を訪問したかのような疑似体験が可能となり、視聴後に訪問意欲の向上が期待できます。
メリット3:業務効率化・コスト削減につながる
これまで人間が担っていた「紹介」の業務を、動画に置き換えることで、業務の効率化につながります。また紹介動画があれば、来訪者への接遇時間や配布資料の印刷費などを削減できるため、コスト削減にもつながります。
物件紹介動画の最新トレンド事例5選
物件紹介動画は、物件の購入を検討しており、まだ現地に訪れたことのない人へ向けて、その物件の魅力を紹介し、関心を高め、物件購入を促進することを目的としています。視聴後は、見学予約、WEBサイトでの詳細確認など、ネクストステップへつなげます。
物件紹介動画においては、その空間における自分をイメージさせて「ここに住みたい」と思わせることが大切なので、動画を通じて「疑似見学」できるようなクリエイティブが効果的です。
以下では、物件紹介動画の事例を、構成・クリエイティブのポイントという視点からご紹介します。
事例1:パナソニックホームズ/リポーター取材によるモデルハウスの「疑似見学」
引用:見てキテチャンネル「パナソニックホームズ つるみ住宅公園」
動画チャンネル「見てキテ!」は、リポーターがモデルハウスへ取材する形式で進行します。この事例では、SDGs認証住宅展示場「つるみ住宅公園」のモデルハウスのひとつ、パナソニックホームズの物件を紹介しています。
営業スタッフと共にモデルハウス内を回り、そのモデルハウスの要点をおさえ、わかりやすい動画にまとめています。また動画の終了画面にはQRコードを表示し、概要欄にリンクを入れて見学予約へと誘導します。
構成 | リポーターがモデルハウスへ取材する形式で進行 |
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ポイント |
・リポーターが見学する様子を疑似体験 ・終了画面のQRコードと概要欄のリンクで、見学予約へ誘導 ・シリーズになっている |
事例2:住友不動産/社員の案内によるマンションの「疑似見学」
引用:住友不動産のマンション公式チャンネル
住友不動産の物件紹介動画は、住友不動産の社員が出演し、マンションを紹介する内容になっています。住友不動産のマンション公式チャンネル(YouTube)では、上記動画以外にも、モデルルームの動画を数多く掲載しています。
テロップで重要部分を強調しており、特徴を把握しやすいのがポイントです。物件紹介動画以外に、駅から物件までの道のりを案内する「現地案内編」動画もあります。
構成 | 住友不動産の社員が物件を案内する形式で進行 |
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ポイント |
・テロップで重要部分を強調 ・動画の最後でインターネット検索へ誘導 ・シリーズになっている |
事例3:あおぞら不動産/街の不動産屋のつくるオシャレな「ルームツアー動画」
あおぞら不動産は、長崎の家族3人の小さな不動産屋さんです。公式Youtubeでは「かわいいお家を良心価格で」をコンセプトとしたカフェ風新築住宅のルームツアー動画を投稿しています。
この動画では、海外風カフェスタイル平屋の新築注文住宅を紹介しています。動画に人は出演せず、間取り図と音楽でスタイリッシュに物件を紹介しています。重要な箇所や、映像では分かりにくい情報は、テロップで強調する形式です。動画の左上には常時「間取り図」が掲載されているため、今紹介している内容が物件のどこを映しているのかを確認できます。
YouTubeでも「いいね」や好意的なコメントが多く、また丁寧にコメント返しをしていて、物件紹介にYouTubeをうまく活用していることが伺えます。
構成 | 玄関から物件内を回遊する形式で進行 |
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ポイント |
・動画内に間取り図が掲載されているので位置を把握しやすい ・重要な箇所はテロップで強調 |
事例4:住建ハウジング/360度VR動画でリノベーション物件を「疑似見学」
住建ハウジングの物件紹介動画は、フルリノベーションの物件を紹介する360度のVR動画です。自分が見たい方向にアングルを移動できるため、気になるポイントをじっくりと確認することができます。動画の最後では、別の物件紹介動画へ誘導しています。
構成 | 玄関から物件内を回遊する形式で進行 |
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ポイント |
・部屋の中を360度回転できる ・動画の最後は別の物件紹介動画へ誘導 |
事例5:「360度動画×インタラクティブ動画」を合体させた室内紹介動画
最後に、最新の動画トレンド事例として、360度動画とインタラクティブ動画(触れる動画)を組み合わせて作られた動画をご紹介します。
動画の内容は物件紹介ではなく、謎解きドラマになっていますが、部屋の中を360度回転させることができ、なおかつ気になった部分をクリック/タップして詳細情報を得られるという、非常にユニークな動画です。
これを物件紹介に応用すれば、動画を通じて、部屋の中を360度さまざまな角度から見渡し、気になった部分をクリック/タップして詳細を確認してもらう、動画内に予約フォームを設けてそのまま予約入力してもらう、なども可能です。
「360度動画×インタラクティブ動画」の組み合わせは、実際にマンションのモデルルーム見学や、リフォーム会社の事例紹介などに多く活用されています。
構成 | 視聴者自身が室内を見渡し、気になった部分をクリック/タップして詳細情報を得る形式 |
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ポイント |
・部屋の中を360度回転できる ・気になった部分をクリックして詳細情報を得られる |
物件紹介動画 制作における3つのポイント
物件紹介動画は、以下の3つのポイントを意識して制作するとよいでしょう。
- 実際に物件を見学しているような視点で撮影する
- 重要なポイントは「テロップをつける」など簡単な加工を施す
- 動画1本あたりの時間を短く、内容をコンパクトにまとめる。
実際に物件を見学しているような視点で撮影する
物件紹介動画では、実際に物件を見学しているような視点で撮影することが重要です。視聴者が気になる箇所をしっかり押さえることで、満足度が高い動画を制作できます。
重要なポイントは「テロップをつける」など簡単な加工を施す
すべてを音声で紹介すると、情報の強弱が伝わりにくい場合があります。特にアピールしたい箇所や、映像を見ただけでは分からない特徴は、テロップで強調すると効果的です。
動画1本あたりの時間を短く、内容をコンパクトにまとめる
物件紹介動画を視聴する方は、複数の物件を比較することが多いです。動画が長すぎると、最後まで視聴してもらえません。物件紹介動画は、動画1本あたりの時間を短くすることを心掛け、重要な部分をまとめて、なるべくコンパクトな動画を制作しましょう。
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まとめ
物件紹介動画は、間取り図や画像より物件の魅力・情報をわかりやすく伝えることができ、動画を通じて疑似体験を提供できる動画です。「実際にモデルルームを見学するより、ゆっくりと物件を見られる」「気になった部分を何度でも見られる」などの理由から、物件を検討している人にも動画は好まれています。
2022年現在は、視聴者が見たい方向にアングルを移動できる「360度動画」や、視聴者自身で気になるポイントをクリック/タップしながら詳細情報を得られる「インタラクティブ動画」など、疑似体験型の動画に注目が集まっています。新しい機能を使った動画制作も、ぜひご検討ください。
執筆者
岡本 祐樹
MIL株式会社 インサイドセールス マネージャー
京都大学大学院を中退した翌月にITベンチャー企業に早期就職。SaaSのグループ会社にて大手企業の新規開拓営業を経験した後、IS代行のグループ会社に異動しコンサルティングに従事。動画編集フリーランスとして独立後、インタラクティブ動画マーケティングに可能性を感じ、2021年にMIL株式会社へ入社。ISの立ち上げをミッションに、既存顧客のデータからターゲティングとアプローチを繰り返し、日々多くのお客様の課題解決に伴走している。定期的にウェビナーにも登壇。