ライブコマースとは?意味・事例から5つの成功ポイントまで徹底解説!

新型コロナウイルスによる影響で対面販売が難しくなっている中、5G解禁の追い風を受けて、「ライブコマース」という新しい販売手法が盛り上がりを見せています

本記事では「ライブコマース」の言葉の意味から、中国と日本における市場動向、三越伊勢丹などの百貨店やアパレルにおける活用事例代表的なアプリ・プラットフォームのまとめまで、基礎知識を徹底的に解説していきます。また導入における5つの成功ポイントをご紹介します。

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今注目の「ライブコマース」とは?

「ライブコマース」について、言葉の意味と特徴をわかりやすく解説していきます。

「ライブコマース」の言葉の意味

ライブコマースとは、英語で「Live Commerce」と表記し、「ライブ(Live)=録音・録画でない生放送」と「コマース(Commerce)=商品やサービスに関する取引・決済」を意味します。つまり、ライブ配信をしながら商品やサービスを売る、新しい販売手法のことです。配信者はリアルタイムで視聴者とコミュニケーションを図りながら商品を紹介し、購買や来店を促進します。

【特徴1】双方向のコミュニケ―ション

配信者となるインフルエンサーやタレントから名前を読み上げてもらえたり、質問コメントにその場で回答してもらえるなど、リアルタイムで双方向のコミュニケーションができる点が、視聴者の大きなメリットです。LIVEならではの臨場感や、「今、ここだけ」という特別感が購買意欲を高めます。

【特徴2】ネットショッピング特有の不安を解消

ECサイトの説明文や写真で確認できる内容には限界があり、使用イメージが湧きづらいというデメリットがあります。ライブコマースでは、配信者が商品を実際に手に取り、色々な角度から商品を見せたり、質感までも伝えることができます。また。視聴者からの素朴な疑問にもその場で回答することで、EC特有の不安を解消できます。

【特徴3】視聴から購入までのスムーズな導線

動画は画像やテキストよりも情報を理解しやすいため、購入意識を高く保つことができます。またライブコマースでは、視聴しながら画面内でそのまま購入ができるため、視聴者に負荷がかかりません。少ないタップやクリックで購入ページまでワンストップで導くことができ、スムーズな購入体験を提供できます。

中国と日本における、ライブコマースの市場動向

続いて、ライブコマースの先進国である中国と日本での市場動向について、解説していきます。

ライブコマース大国!中国における市場動向


引用:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「ライブコマースの動向整理」

ライブコマースは、中国から始まった販売手法です。中国では2012年前後からライブコマースが利用され始め、インフルエンサー(KOL=Key Opinion Leader)の台頭により、市場が爆発的に拡大しました。中国でライブコマースが拡大した理由として、偽物の流通の多さや、商品への信頼性の低さがあります。そのため、信用できるインフルエンサーの紹介する商品であれば、安心して購入できると感じる中国人ユーザーが多く、自然な流れで購入へとつながっています。

また2020年は新型コロナウイルスの影響により、中国におけるライブコマースの利用は更に加速しました。そして、中国のライブコマース市場における中心的存在が、アリババ・グループが運営するプラットフォーム「タオバオライブ」です。「タオパオ達人」と呼ばれるインフルエンサーたちが、商品を販売するライブ配信を行い、大きな盛り上がりを見せています。中国のリサーチ会社「iiMedia Research」が発表した「2020~2021年 中国ライブコマース市場のデータ分析とトレンド調査」によると、2020年の中国ライブコマース市場の規模は9,610億元(約15兆円)にも上ると予測され、前年の4,338億元(約6億9兆円)の2倍近くにまで拡大する見込みとのことです。

日本国内における市場動向

日本では、2017年頃から複数のサービスがローンチされたものの、中国と比較するとスムーズに普及が進まず停滞していましたが、新型コロナウイルスと5G開始の影響を受け、2020年より再び注目を集め始めました。コロナ禍で対面販売が難しくなった業界を中心に、ライブコマースに積極的に取り組む企業が増えてきてます。

株式会社Mofflyが実施した「ライブコマース利用実態調査2021」によると、日本におけるライブコマースの認知度は24%となっています(「よく知っている」「詳しくはないが聞いたことはある」の合計)。依然として認知度は低い状況にありますが、2018年からは3%上昇しており、企業での積極的な取り組みとともに、今後日本でもさらに認知と注目を高めていくことが予測できます。

国内のライブコマース成功事例

日本国内におけるライブコマースの成功事例として、三越伊勢丹、資生堂、ベイクルーズの3社の事例をご紹介します。

【事例1】三越伊勢丹(百貨店)


引用:株式会社 PR TIMES

株式会社三越伊勢丹ホールディングスは、国内企業の中でいち早くライブコマースを開始し、結果を出しています。2019年2月からお歳暮やお中元の商品を紹介するライブコマースを開始。生産者とバイヤーが商品開発の背景やストーリー・想いを視聴者の質問に答えながら紹介するなど、オンラインならではのライブ感あふれるトークが好評です。

2020年のお中元のライブコマースでは特に大きな反響があり、視聴者数は3万人を超えて、ライブコマース経由としては過去最高の売上を達成しました。さらに、お中元オンラインストア全体としても、前年の約2倍の売上となりました(アーカイブ配信はこちら)。

その他、ワイン漫画の原作者とソムリエ資格をもつバイヤーが配信者となって世界の厳選ワインを紹介したり、芸人がこだわりの趣味の商品を紹介したりと、百貨店ならではの企画力を活かした多様な企画を定期的に配信しています(アーカイブ配信はこちら)。

【事例2】資生堂(化粧品) 


引用:株式会社 PR TIMES

株式会社資生堂は、中国向けでのライブコマース成功をもとに、2020年7月よりライブコマースを開始。三越伊勢丹や阪急百貨店など、百貨店の化粧品オンラインストア上でのライブ配信を行ってきました。資生堂のビューティーコンサルタントやメイクアップアーティストなどの専門家が、化粧品やメイク法を紹介しながら視聴者からの質問に答えるなど、具体的なアドバイスをその場で得られる点が人気です(アーカイブ配信はこちら)。

2020年11月には、初のライブコマース型オンラインイベント「Shiseido BEAUTY EXPO」を開催しました。芸人のチョコレートプラネットをメインMCとし、YOU、Dream Ami、河北⿇友⼦らをゲストに迎えて、美容や化粧品をテーマにしたトークを展開。公式アカウントのフォローやライブコマース前に新規会員登録をした人にクーポンをプレゼントするなど、販促の工夫が見られます。

化粧品は、実際の色味・香りやニュアンスなど、実物を見てみないと詳細が分かりにくく、ECサイトのみでは販売が難しいものの、動画とは非常に相性の良い商材です。資生堂はライブコマースを積極的に活用することで、新たな販路を見出しています。

【事例3】ベイクルーズ(アパレル)


引用:株式会社ベイクルーズ

「ジャーナルスタンダード」などのブランドを展開する株式会社ベイクルーズでは、中国で実施したライブコマースの成功を元に、2020年5月より日本でもライブ配信を始めました。

配信者はベイクルーズの従業員が務めていますが、すでにInstagramなどのSNSで人気を得ているインフルエンサーが多く、オンライン上であっても、まるで店舗でショッピングしているかのような、双方向の楽しいコミュニケーションが生まれています。また「配信中に発表したキーワードを、InstagramのDMで送ると抽選でプレゼントが当たるキャンペーン」など、SNSとの相乗効果を狙った企画も特徴的です。

アパレルも化粧品同様に、ECサイトのみではサイズ感や素材・形の把握が難しい商材ですが、ベイクルーズではライブコマースの予告バナーにスタッフの身長を表示するなど、顧客視点に立ったライブ配信の工夫が見られます(アーカイブ配信はこちら)。

ライブコマースの代表的なサービス

2019年から、大手ECサイト・楽天株式会社もライブコマースに参入し、現在、日本国内には様々なライブコマースのサービスが展開されています。

引用:@Press「株式会社Moffly ライブコマース・サービス カオスマップ 2019年版」

ライブコマースの主要サービス

目的とターゲットに合わせて、適切なサービスを選びましょう。

SNS型

SNSに設定されているライブ配信機能で行う。コストが最小で手軽に導入可能。
YouTube、Instagram、Facebook、LINE LIVE など

ECモール型

ECモールが提供しているライブ配信機能で行う。購入画面への遷移がスムーズ。
RakutenLIVE(楽天)、Yahoo!ショッピングLIVE、Base LIVE、Live TV、SHOP ROOM など

SaaS型

自社ECサイトに埋め込み、ライブ配信を行う。高品質な配信が可能。
Tags API、LIVE kit  など

ライブコマース導入における「5つの成功ポイント」

ライブコマースを成功させるためには、以下、5つのポイントが重要になります。

成功ポイント1:配信者・集客

ライブ配信のため、その日その時に「視聴者」をどれだけ集められるか、が肝になります。ターゲットや商材を十分に分析した上で、配信者となるインフルエンサー・タレントをキャスティングし、SNS等で事前告知を行いましょう。自社の社員が配信する場合、社員の印象がそのまま企業やブランドイメージに、良くも悪くもつながります。商品知識があり、人前で話すことに慣れている人を慎重に選びましょう。

成功ポイント2:台本・コンテンツの事前準備

ライブコマースに慣れている配信者は少なく、配信中に臨機応変なコミュニケーションを取ったり、視聴者を飽きさせないトークを展開したりするのはなかなか難しいものです。事前に企業側がある程度の台本を作成して、盛り上がるコンテンツを用意しておくことが重要です。また紹介する商品の魅力や詳細についても、事前に配信者へしっかりと伝えておくことで、視聴者とのコミュニケーションがスムーズに進みます。

成功ポイント3:販売促進(クーポン・SNSキャンペーン)

多くの視聴者が集まり、ライブコマースを楽しんでくれたとしても、商品の購入につながらなければ意味がありません。先ほどの事例でご紹介した資生堂やベイクルーズのように、ライブ配信に合わせて、タイムセール、数量限定、期間限定、無料プレゼントなど、販売促進の施策を実施すると効果的です。

成功ポイント4:データ分析

配信後は、視聴者数や購入件数、人気商品の傾向などのデータを分析し、配信の効果を測定することができます。データからライブコマースでの販売に向いた商品や適切な時間設定・時間帯などを読み取り、PDCAを迅速に回しながら、次回の配信を検討していきます。またライブコマースでは、視聴者の質問やコメントがデータとして残りますので、商品企画・開発に活かすことも可能です。

成功ポイント5:アーカイブ配信

ライブコマースを資産として最大限に活かすために、配信後は、自社サイトやSNSでアーカイブ配信をしましょう。さらに、そのままの映像をアーカイブ配信するのではなく「インタラクティブ動画(触れる動画)」に編集して活用することをおすすめします。

「インタラクティブ動画」とは

インタラクティブ動画とは、触れる動画のことです。ユーザーのタップに応じて「商品詳細のポップアップ表示」「動画上のリンクから直接購入ページへの遷移」など、様々な機能をアーカイブ動画上に仕掛けることができます。視聴しながらの購入や詳細確認ができますので、ライブコマースと同様、視聴者に負荷のかからない、スムーズな導線を作り出すことができます。

ライブコマースのアーカイブ動画と「インタラクティブ動画」は非常に相性が良いので、合わせてご検討されることをおすすめします。

「インタラクティブ動画(触れる動画)」の活用事例

インタラクティブ動画のプラットフォーム「MIL」を使えば、誰でも簡単にインタラクティブ動画を編集し、配信後はすぐにデータ測定をすることが可能です。以下では、MILを使った成功事例を2点ご紹介します。

SNS広告経由でCVR2.15%をマーク!(インセクトコレクション様)

以下は、香川照之さんがデザイン監修する、昆虫をモチーフにしたブランド「INSECT COLLECTION」の例です。こちらは既存の素材をMILで編集し、インタラクティブ化したものです。

※上の画像をタップ・クリックして、視聴してみてください。

子供たちが着用している商品の上に表示される「ハートマーク」をタップすると、商品詳細と購入ページへの遷移ボタンがポップアップ表示される仕組みになっています。この事例では、視聴完了したユーザーの31.4%が、終了画面からECサイトに飛んでいます。またSNS広告とECサイトの間に、インタラクティブ動画を設置した結果、CVRは2.15%という極めて高い数値となりました(ネット広告からECサイトに流入したユーザーのCVRは、通常1%未満といわれています)。

LINE@でインタラクティブ動画を配信!(ワールド株式会社様)

続いて、アパレルメーカーのワールド株式会社様が運営する、女性向けファッションサイト「RUNA」の事例をご紹介します。こちらはインタラクティブ化を前提に作られており、「大きな動きを入れない」、「スローモーションを取り入れる」、「1カットを長めに取る」などを意識して、視聴しながらタップしやすいように設計されています。

※上の画像をタップ・クリックして、視聴してみてください。

気になったスタイリングをタップすると、商品詳細をチェックできる仕組みになっています。また、映像を見ながら☆マークをタップすると「お気に入り登録」ができ、視聴完了後に表示される「お気に入り一覧」を見て比較検討できるなど、購入へ向けた次のアクションをスムーズに促します。

MILで作ったインタラクティブ動画はLINEのアプリ内ブラウザ上でも再生可能なため、当動画はワールド様の公式LINEアカウント上でも配信されました。トーク画面からワンタップで、気軽に視聴していただくことができます。

まとめ

いかがでしたか?今後、5Gとともに、中国に続いて、日本でのライブコマースはますます拡大していくことと思います。ぜひ本記事をヒントとして、新しい販路拡大につなげていただければ幸いです。

また新時代のマーケティング施策として、ライブコマースと合わせて、インタラクティブ動画の導入も検討されてみてはいかがでしょうか。MILを使えば、ライブコマースのアーカイブも含め、既存の素材を簡単に「インタラクティブ化」することができます。MILでは、様々な業界において多数の実績がございます。インタラクティブ動画の活用にご興味をお持ちの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

動画マーケティング入門ガイド

執筆者
黒谷 純子

MIL株式会社 マーケティング

大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841

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MILであれば、インタラクティブ動画を素早く編集でき、動画配信後の測定結果はレポート画面より確認できます。インタラクティブ動画の制作から運用まですべての機能をプラットフォーム化し、動画PDCAを回します。