DX(デジタルトランスフォーメーション)を考えた動画活用を事例でわかりやすく解説!

私たちの生活にスマホ・PCといったデジタルデバイスは必要不可欠となり、インターネット環境でつながっていることが当たり前となりました。つながるのは、インターネットを通したヒトとのコミュニケーションや、コトの情報収集だけではなく、モノとつながることも可能になり、「ヒト・モノ・コト」はデジタルとより近い存在となりました。

特に、現在のコロナ禍のような様々な活動が制限された時代において、その難局に適応するための手段としても、デジタルは欠かせません。そこで今改めて注目されているのが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。

本記事では、「DX」を促進させる「動画」の効果、「DX 動画」に焦点を当てて紹介していきます。

動画×DX入門ガイド

なぜ今DXなのか

9月14日に自民党総裁選挙で菅義偉官房長官が勝利し、16日には新首相に指名され、新内閣が発足しました。菅氏が政策として言葉にしているのが「行政機構のDX政策」です。

国としても現在の難局を乗り越えるにはデジタル化、DXを進めることが重要と考え、その背景として大きいのはコロナ禍に実施した特別給付金といわれています。米国では半月ほどで現金が国民全員に届くものを、日本では2ヶ月以上かかるケースがみられました。

日本の全国民が導入したマイナンバーやマイナンバーカードのデータも、縦割りの各省庁による管理となっていて、国税庁、厚生労働省、警察庁、総務省がそれぞれのデータを持ち連携がとれていない状況です。

DXを推進するためのに「デジタル庁」を作り、日本の方針としてDX、デジタル化を推進することがますます活発になるといわれています。国だけではなく、企業や私たちの生活もDXを進めることが今後注目されていきます。

DXで経営変革に取り組む企業を「DX銘柄2020」と選定

経済産業省は2018年に、企業がDXの実現、ITシステムの構築を行うために経営者が抑えるべき事項を明確にするため、「DX推進ガイドライン」をとりまとめました。

2020年8月にはDXで経営改革に取り組む上場企業から「DX銘柄」「DX注目企業2020」を選定し、発表しました。選定された「DX銘柄2020」選定企業35社と「DX注目企業2020」21社は、コロナ禍の環境の変化にもデジタル技術とDXを最大限に活用したという活躍が期待され、評価されています。


出典:経済産業省「DX銘柄2020」選定企業レポート

これらは経済産業省と東京証券取引所が手を組み、DXを推進した優秀なデジタル活用企業のモデルを広く普及させ、IT活用の重要性を経営者に促すことを目的としています。

そもそものDXとは 

AI、IoT、5G、ビッグデータ、AR、VRといった技術の進歩は、人とデジタルをつなげ、私たちの暮らしを快適にしてくれます。今まで人間が指示を出し、意思決定をし、作業を機械に手伝ってもらっていたものが、これからはAIが指示を出し、意思決定をし、ロボットの機械が実行できるようになっていきます。

こうした人間の暮らしを快適にする、人間が行っていた作業を機械が行うことで現実世界の行動をデジタルに置き換えることがDXといわれています。

なぜDXは可能になったのか

人とデジタルの結びつけを可能にした技術の進歩を読み解くと、現実世界の私たちの行動をデジタル空間上にコピーできるようになったということが大きな要因になります。

・歩いた歩数をスマホ、スマートウォッチで計測
・車の動向をセンサーを使い、渋滞情報を計測
・電子決済の商品購買の情報を計測

これらすべては現実世界の動向を、機械を通してデジタル空間上にコピーし、データを集め、コンピュータによって計測できるようになっています。

人の予想は、コンピュータの予測に

人間は仮説をもとにこうなるであとうと予想をしますが、そこには少なからず憶測や「こうなってほしい」という期待が含まれます。

一方でコンピュータは、データの数値を元にシミュレーションを立てて予測します。数値からの予測は確実で、AIがロボットに実行させるといった、人間がボタンを押すことなく、人間の行動や設定された時間のデータを元に自動でカーテンが開くようになったり、冷暖房をつけられるのもDXの一種です。自動車でさえも自動運転の研究をされています。

導入企業に学ぶDX事例5選

DXを導入することで企業には、以下のようなメリットがあります。

・生産効率が上がる
・新しい商品、ビジネスモデルの開発
・変化する環境への対応

これらのメリットを、DXを導入されている企業の事例を元に解いていきます。

Google

Googleの「Google Duplex」では、Googleアシスタントを経由し、GooleのAIが人間の代わりにホテルやレストランなどの店舗に電話をかけ、予約を代行してくれます。

導入するメリットとしても、ホテルやレストラン側が電話に出られない場合でも代わりに電話対応ができることや、外国語の対応も可能です。予約された情報は自動的にスケジュールにも反映され、会話内容の録音可能、会話のトーンやニュアンスも確認することができるDX事例です。

Amazon

Amazonは書籍販売をはじめとした商品の売買をインターネットで行い、ECという分野では最先端を走ってきました。Kindleによる電子書籍の普及もあり、リアル店舗の本屋よりも今では優れたECビジネスを行う、DXの事例です。

Microsoft

AIといった技術だけではありません。MicrosoftはMicrosoft自身をDXし、自社の事例をもとに企業のDXをサポートしています。日本マイクロソフトは2020年1月23日に、データ活用によるDXの推進を支援する「X(クロス)インテリジェンス・センター」の本格稼働の発表をしました。

「データ、クラウド、エッジデバイスのスペシャリストで構成し、データ活用によるインテリジェンスの獲得を顧客とともに実現する」と説明されており、同社内にDXの推進とデータ活用に向けた専任体制を設け、探索的なアプローチでプロジェクトを進行とデータの活用を目指しています。

またMicrosoftのDXで大きく変化を見せたのは売り切りのOffice365をクラウドサービスとして提供し、利便性を改善しました。月額課金にすることで、買い切りでは手が出しにくい層も広げて獲得しています。

家庭教師のトライ

従来のお宅に講師が訪問する家庭教師のスタイルではなく、スマホ・PC・タブレットを通し、インターネット上で生徒が学びたいときに学べる「Try IT」があります。

最近では「トライ式 AI学習診断」といったAIを活用した診断も取り組んでいます。


引用:家庭教師のトライ

RIZAP

2018年4月1日よりソニー株式会社のレッスンソリューション「スマートゴルフレッスンTM」の技術と「RIZAP GOLF」のメソッドを融合させた新サービス「RIZAP GOLF LESSON System」を開始。

「RIZAP GOLF」のサービスから蓄えられたデータを、科学的に分析。可視化されたデータを元にお客様の目標達成に向けたレッスンを提供できるサービスになっています。

スウィングを分析し、ショットを打つときのクラブの軌道、フェース角、アタック角、ヘッドスピード、スイングテンポを測定できることから、その場でトレーナーからのアドバイスをもらうことができます。

従来のトレーナーの知見を元にしたアドバイスだけではなく、データにも基づいた確実なアドバイスであり、今後はAIにレッスンをしてもらう時代も遠くはないかもしれません。

DXと動画の関係性

さて、ここまでDXについて紹介してきましたが、動画とどのようなつながりが出てくるのかについて本章で解説していきます。

動画の現状

DXと同様に動画も非常に注目度を集めてきました。動画の市場を今から説明するほどでもないくらい浸透してきている現状です。

さらに動画を加速させるのが、5Gによる通信速度の向上、デジタルデバイスの普及といった環境の変化だけではなく、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響もあり、イベントの自粛、対面規制、店舗入場の制限などのため、動画による対策を行う企業も増えてきています。

視聴行動分析サービスを提供しているニールセンデジタル株式会社はスマホ視聴情報「ニールセンモバイルネットビュー」のデータを元に、2019年1〜2月と3~4月。また、2020年1〜2月と3~4月のデータを比較しています。以下の図から解いていきます。


引用:COVID-19の影響で、3-4月の若年層の「投稿動画」視聴時間が大幅増加~ニールセン、スマートフォンの動画アプリ利用状況を発表~

上記は、動画投稿アプリの「YouTube」「TikTok」「ニコニコ動画」をアプリから視聴している18歳以上が対象となっているデータになります。

2020年の3~4月の動画投稿アプリの動画視聴時間は2019年を約1時間上回り、若年層が視聴時間を大きく引き上げていることがわかります。

動画の視聴時間も日々、長くなっていることが見てわかります。

動画を活用したDX

環境の変化により、動画を活用して、今までのイベント、対面形式、紙での訴求を動画に置き換えたDXのケースも増えてきています。

いくつかシチュエーションを例に解いていきます。

360度動画によるイベントの疑似体験

直接会場に行くこともなく、イベントを体験できる360度動画であれば、対面することもなく展示会場を回ることも、店舗の内部を確認することもできます。

動画ではないですが、「Googleストリートビュー」もわかりやすい事例ではないでしょうか。

動画マニュアル

今まで紙やPDFファイルを使用した製品説明、または何かの操作マニュアル等も、動画1つで完結できます。操作手順などを実際の流れと同じように視聴者が確認ができることもあり、まねしやすくテキストよりもわかりやすい内容となっています。

紙のコスト削減にもなり、ダウンロードなどの手間も必要ありません。

動画による営業アプローチ

提案書のような資料を使用しての説明ではなく、サービス紹介を動画のアニメーションにする、利用シーンを実写でみせるケースも増えてきました。

営業マンの説明にも差がでず、動画で提案ができることや、YouTubeによるTrueView広告をはじめとした動画広告での営業的なアプローチも動画で可能になります。

動画による採用人材獲得

求職者が採用活動の際に気になる先輩社員、社内の制度、イメージを動画で伝えることができます。新卒採用も中途採用も求職者は複数企業の情報を調べていることもあり、わかりやすいだけではなく3分〜5分の動画で簡潔に伝えられることも動画の大きなメリットになります。

DXを加速させるインタラクティブ動画

DXと動画の関係性を知っていただいた上で、よりDXを加速させるのがインタラクティブ動画です。

動画だけでも現実世界をデジタル化する方法はいくつかありますが、動画によってデジタル化を成功できたか?といった指標はどこで立てるべきでしょう。

現時点では答えがない、というのが回答で、動画だけでは視聴回数、視聴完了数などでしか指標が図れません。または別途アンケートを回収する、直接ヒアリングするリソースがかかってしまいます。

インタラクティブ動画と動画の大きな違いは、動画を触れることに大きな利点があります。動画の中で気になるポイントは触ることができ、触ったアクションによって動画はユーザーにあった訴求をしてくれます。

インタラクティブ動画はDX動画を実現させる

動画の中を触れられるだけではなく、触った情報はすべてレポーティングされています。
動画の課題である成功の指標を、動画を触られた回数、動画を触られた箇所、動画の中で離脱した秒数と細かくKPIを立てることができ、加えてユーザーに新しい視聴体験を与えることもできます。

インタラクティブ動画を使ったDX表現

それでは、インタラクティブ動画の機能を使用すると通常の動画とはどのように違った表現ができるのか事例を元に紹介していきます。

インタラクティブ動画によるイベント疑似体験

謎解きゲームを触りながら視聴体験できるインタラクティブ動画の事例になります。
謎解きゲームをイベント会場に行かずとも動画上で表現し、触ると出てくる画像(ポップアップ画像)では、詳細の説明や、MILの宣伝もいくつか含まれています。

触ったポイントはもちろん計測されており、ユーザーがどの箇所をタップしたのか、興味をもったのか、全体の動画視聴はどの程度だったのかといった計測が可能です。

実際にFacebook広告、Instagram広告で配信したところ、インタラクション率は約500%と1人5回ほどが触って視聴するインタラクティブ動画となりました。

インタラクティブ動画を使ったマニュアル動画

インタラクティブ動画を使用したマニュアル動画であれば、ユーザーは説明を全て視聴する必要はありません。また、何本もマニュアル動画をまたぐ必要もありません。

動画内の気になるチャプターをクリックして、動画内を回遊することもできれば、動画内の難しいポイントを触って画像を表示する表現(ポップアップ機能)で詳しく確認することも可能です。

インタラクティブ動画による営業アプローチ

対面で会えないといった課題にもインタラクティブ動画であれば問題なくサービス内容を伝えることが可能です。

QRコードなどで読み込んで表示させる、またはwebサイトへの設置、メルマガでの個別ユーザーへの展開が考えられます。

動画を視聴したユーザーはマニュアル動画と同様に営業マンの顔が見れます。
またワイプをクリック(タップ)して動画を切り替えられるスイッチング機能を使えば、説明とリンクしてサービス資料を確認することが可能になります。

2つの表現を1つの動画に収めることにより、口頭の説明とサービス内容がわかりやすく伝わり、またフォームを動画に機能として入れることも可能のため、サイトなどに遷移することなく、ユーザーからのお問い合わせを受け付けることもできます。

インタラクティブ動画による採用人材獲得

通常動画でも先輩社員、社内の制度、イメージを動画で訴求できますが、求職者によってその中でも気になるポイントはそれぞれです。

求職者の気になる要望にあった動画コンテンツを簡単に視聴させることができれば、複数の企業で検討している求職者にとって短時間で知りたい情報を訴求できます。

また視聴レポートも計測できることから、自社のどこをポイントとしてよく見られているのかを確認し、ポイントに絞って社内制度などの改善を行うこともできれば、見せたいポイントを求職者に訴求するために動画クリエイティブを改善することでより伝わる動画に進化させることも可能になります。

DX×インタラクティブ動画に取り組むために必要なのは 

インタラクティブ動画を使ったDXは何からはじめればいいのかと思った方のために以下ツールをご紹介させていただきます。

インタラクティブ動画制作プラットフォーム「MIL」

インタラクティブ動画制作プラットフォーム「MIL」であれば、動画編集の知識なしでインタラクティブ動画の制作が可能です。

MILは、SaaSモデルで提供されている「インタラクティブ動画制作・運用プラットフォーム」になっており、「誰でも・素早く・簡単に」をテーマに、ツールの提供とインタラクティブ動画制作に関するサポートを行っています。

DXでの導入を考えているが、どのような活用がいいかわからないといったご相談から、制作後のレポート運用まで全てをサポートしています。

まとめ

DX(デジタルトランスフォーメーション)と動画の関連性について皆様のお役に立つ情報であれば嬉しいです。

今後、より技術の進化は早くなり、新しいソリューションが生まれてくる中で「動画」の可能性もまだまだ進歩するでしょう。

よりテクニカルなインタラクティブ動画の使い方、表現もございますので、お気軽にお問い合わせいただけましたら幸いです。

動画×DX入門ガイド

執筆者
田中 達也

MIL株式会社 セールスグループ

デジタルマーケティング会社にて5年間勤務し、Webサイト・WebCMをメインにWebコンサルタントとして活動。MIL株式会社に入社後、マーケティングマネージャーを経て、現在はフィールドセールスとして活動している。

インタラクティブ動画ならMIL

インタラクティブ動画ならMIL

MILであれば、インタラクティブ動画を素早く編集でき、動画配信後の測定結果はレポート画面より確認できます。インタラクティブ動画の制作から運用まですべての機能をプラットフォーム化し、動画PDCAを回します。