【2023年】Instagram動画広告の種類・費用などの基本から成功のポイントまで、インスタ徹底解説!

Instagram動画広告の種類・費用などの基本から成功のポイントまで徹底解説!

テキストや静止画中心の従来の広告の場合、商材の特徴や価値を十分に伝えようとするほど、コンテンツが長くなり、結果的に見られなくなるという課題が発生します。従来の広告施策に限界を感じている方も多いのではないでしょうか?

そのような方におすすめしたいのが、膨大な情報でも直感的に理解できる「動画広告」です。

特に、Instagram(通称:インスタ)はユーザーの6割が「広告を楽しんでいる」と回答し、8割以上のユーザーがInstagram上で商品・サービスを見つけ、その半分近くが購入まで至っているほど強力なプラットフォームで、コンバージョンやクリック単価の改善が期待できます。

しかし、Instagram動画広告に興味がありながらも、「どのような種類があるのか?」「クリエイティブに規定や料金形態はあるのか」などの悩みがあるため、出稿に踏み切れていない方も多いことでしょう。そこで本記事では、Instagram動画広告の特徴やメリット、種類、費用などを徹底解説します。Instagramへの動画広告を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

動画マーケティング入門ガイド

Instagram(インスタグラム)広告の特徴

Instagramは、世界のアクティブユーザー数は20億人(2022年)、国内のアクティブアカウント数は約3,300万(2019年)にも及ぶ巨大プラットフォームです。Instagramは「若い女性向けのSNS」というイメージを持たれる方も多いかと思いますが、Meta社の発表によると、国内利用者の43%が男性、57%が女性と判明。若干女性が多い程度の割合になっています。

Instagram動画広告_主なSNSの利用率を示した表

出典:総務省「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

さらに総務省によれば、Instagramの利用率は「全年代で48.5%」とLINEとYouTubeに次いで高く、40代・50代の利用率はそれぞれ50.3%・38.7%とユーザー層が多様化している点も特徴です。Instagram広告を使えば、画像や動画を通して、多様なユーザーにアプローチできます。また、きめ細かなターゲティングで自社と関連性の高いユーザーにリーチできるため、認知獲得やコンバージョン数の増加、ブランディングなどさまざまな効果を見込めるのです。

Instagram動画広告のメリット

Wyzowlの調査によれば、動画マーケティング担当者の67%が「Instagramは動画マーケティングに効果的」と回答しています。その理由として、Instagram動画広告には以下3つのメリットがあることが考えられます。

    • ターゲティング精度が高い
    • 少額から配信可能な運用型広告
    • 目的に合わせた配信が可能

ここからは、それぞれのメリットについてみていきましょう。

ターゲティング精度が高い

数あるSNSプラットフォームの中でも、Instagramはターゲティング精度が非常に高いことで知られています。

Instagramのアルゴリズムは、FacebookやWhatsappなどを含むMeta社が保有するグローバル36億人のユーザーデータを学習・分析しているため、100%に近い形でターゲットユーザーに広告を配信できるのです。Instagram動画広告で利用できる主なターゲティング機能は以下の通り。

ターゲティング機能 説明
ユーザー属性 年齢や性別などのユーザー情報をもとにターゲティング
インタレスト Instagram上でのユーザー行動や興味関心をもとにターゲティング
カスタムオーディエンス 自社で保有している顧客情報をもとに広告配信を実施
類似オーディエンス カスタムオーディエンスをもとに類似ユーザーに広告配信を実施

Instagramによれば、ユーザーの87%が「Instagramで商品を見た後に行動を起こす」と回答しており、ターゲティングで自社と関連性の高いユーザーにリーチでき、高確率で行動を喚起できるInstagram動画広告は、費用対効果が高いプラットフォームと言えるでしょう。

少額から配信可能な運用型広告

Instagram広告の運用コストは、広告フォーマットやターゲティングオプション、競合状況などのさまざまな要因によって大きく変動します。一般的に、広告枠の競争率が高いほど、インプレッションやクリックあたりのコストは高くなります。

Instagram広告は数百円から配信できますが、十分な数のユーザーにリーチし、ビジネス上の目標を達成するには、少なくとも月10万円の予算は確保したいところです。ただし、実際の広告運用コストはさまざまな要因によって大きく変動します。動画広告を運用しながら、クリエイティブやターゲティングなどを最適化して広告の精度を高め、予算内でベストな結果を得られるようにしましょう。

目的に合わせた配信が可能

Instagram広告のキャンペーン目的は以下の通りです。

Instagram広告キャンペーンで設定できる目的

出典:Metaビジネスヘルプセンター

6つの目的を見るとわかるように、Instagram動画広告は認知から購入まで、すべてのファネルに対応しています。

例えば、従来のWeb広告でのコンバージョン数が頭打ちになっているとしましょう。この場合、潜在層との接点を増やすために、リーチやトラフィックを目的にInstagram動画広告を運用するのが有効になるかもしれません。

Meta社の研究によれば、「動画広告は人の目に触れさえすれば、広告想起やブランド認知、購買意向を向上させる」と判明しているため、動画広告は潜在層との接点づくりに効果的です。さらに、遷移先にも動画を設置すれば、商品理解の促進などの見込み客化にも期待できます。フルジャーニーに対応しているため、自社のステージに合わせた運用ができます。

Instagram動画広告と相性の良い商材

先にも述べたように、Instagramのユーザー比率は男性と女性で大差がありません。総務省の調査から、年代別の利用率を見てみると、もっとも利用率が高いのが20代の78.6%、次いで10代の72.3%と30代の57.1%の順でした。

そのため、基本的に、10〜30歳代をターゲットにした商材との相性が良いといえます。しかし、2021年より「18歳未満のユーザーを対象にした興味関心やWebサイトでの閲覧にもとづく情報などでのターゲティングができなくなった」点には注意が必要です。

特に国内利用者の多くが、出かける場所や飲食店、ファッション、メイク、インテリアなどの情報を日常的にInstagramで調べていることや、見栄えがよかったり、おしゃれな商品や空間を指す「インスタ映え」という言葉が流行ったことを踏まえると、旅行やアパレル、コスメなどのビジュアルで訴求できる商材は高い効果を見込めるでしょう。また、動画はわかりやすく直感的にメッセージを伝えられるため、従来の市場にはない新しい概念の商品やサービス、英会話などの空間の雰囲気が訴求点になる商材との相性も良いと言えそうです。

Instagram動画広告の種類(サイズ・長さ)

Instagram動画広告と一口に言っても、それぞれサイズや動画の長さ、配信場所が異なります。ここからは、Instagram動画広告4種類の詳細を見ていきましょう。

Instagram動画広告の種類

フィード広告

フィード広告とは、ユーザーがアプリを開いたときに目にするフィード(ホーム)画面に配信する広告です。単一の画像または動画広告、カルーセル広告(1つの投稿に複数の画像または動画を使用)などさまざまなフォーマットで広告の掲載が可能。

フィード広告は、Instagramのメインページに表示され、オーガニック投稿と自然に調和できるため、ユーザー体験を邪魔することなく、多くのユーザーにリーチできます。

Instagram動画広告_フィード広告の例

出典(以下同様):Instagram

ストーリーズ広告

ストーリーズ広告は、ユーザーのストーリーズ画面に配信する広告。オーガニックのストーリーズ投稿とは異なり、ストーリーズ広告が24時間後に消えることはありません。動画の長さが10秒以上の場合は、複数のストーリーズカードとして分割して配信されます。

Instagram動画広告_ストーリーズ広告の例

ストーリーズ広告の魅力は、購買意欲の高い多くのユーザーにリーチできることでしょう。Animotoの調査によれば、消費者の4分の1が「ストーリーズ広告を見た後に商材購入をした経験がある」と回答。また、国内アクティブユーザーの約7割がストーリーズを利用し、国内では1日当たり700万件以上のストーリーズが投稿されるほど、日本でストーリーズは大人気の機能です。

これらの点を踏まえると、ストーリーズ広告は認知獲得やブランディング、コンバージョンなどさまざまな目的に向いています。

ディスカバリー広告(発見タブ)

ディスカバリー広告は、発見タブを利用中のユーザーに配信する広告です。発見タブは検索と同じページにあり、ユーザーの情報収集の場になっています。

Instagram動画広告_ディスカバリー広告の例

株式会社 SAKIYOMIの調査では、「Instagramを1日に9回以上開く」と回答したユーザーは約6割であり、もっとも「使用頻度が高い機能」は発見タブの37.4%でした。また、ユーザーの70%が新たなブランドを発見するためにInstagramを使用している点を踏まえると、発見タブは潜在顧客との接点構築に有効な場といえます。

リール広告

リールとは、最大90秒の動画を投稿するプラットフォームです。ユーザーからの人気が徐々に高まっており、Instagram利用時間の約2割がリールを占めるほど成長しています。さらにサムライト株式会社がZ世代を対象にした調査によれば、「リールを視聴したことがある」と回答したのは67.6%にものぼります。

Instagram動画広告_リール広告の例

リールの最大の特徴は、「音声有り(サウンドオン)」で視聴するユーザーが多いことでしょう。Meta社によれば、80%以上のユーザーがサウンドオンで動画を視聴しています。縦のスワイプでサクサクとコンテンツを消費できるため、すぐに離脱されないようにユニークな音や語りかけを使用するなど、ユーザーの興味関心を集めるクリエイティブの工夫が求められます。

Instagram動画広告の課金方式

Instagram動画広告の課金方式は以下の通りです。

課金方式 特徴
CPC(Cost Per Click) 広告が表示された回数(インプレッション)にかかわらず、ユーザーがその広告をクリックした場合にのみ料金が発生。
CPM(Cost Per Mile) ユーザーが広告をクリックするかどうかにかかわらず、広告が表示された回数にもとづいて料金が発生。
CPI(Cost Per Install) ユーザーがアプリをインストールするごとに料金が発生。
Thruplay ユーザーが動画広告を15秒以上視聴したときに料金が発生する課金方式。

ここからは、それぞれの課金方式の詳細について解説します。

CPC

CPCとは、Cost per Click(クリック単価)の略で、広告がクリックされるたびに料金が発生する課金方式です。CPMよりも費用相場は高いですが、ユーザーが広告をクリックしたときに初めて料金が発生するため、Webサイトへの遷移やコンバージョンの促進が目的の運用においては、費用対効果の高い課金方式といえます。

CPM

CPMとは、Cost per Mill略で、広告が1,000回表示されるごとに料金を支払う課金方式です。つまり、CPMの課金形式でInstagram広告を出稿した場合、広告をクリックした人がいるかいないかに関わらず、広告が1000回表示されるごとに料金を支払うことになります。これはブランドの認知度を高め、多くのユーザーにリーチしたい場合に有効な選択肢です。

CPMのメリットは、適切なターゲティング設定をすれば、比較的低コストで多くのユーザーにリーチできることです。CPCとCPMで迷った場合は、キャンペーンの目的を明確にしましょう。Webサイトへの流入やコンバージョンの促進が目的であればCPC、認知度拡大やリーチを高めることが目的であればCPMが適しています。

CPI

CPIとは、Cost per Installの略で、アプリがインストールされるごとに費用が発生する課金方式です。これは、アプリの新規ユーザー獲得を目指すアプリ開発企業に向いています。インストールあたりのコストは、アプリのカテゴリーや競合状況、広告で使用するターゲティングオプションなどの要因によって異なります。

Thruplay

Thruplayは、動画が最後まで、もしくは15秒以上再生されたときに費用が発生する課金方式です。動画の再生ごとに料金が発生する「CPV(Cost Per View)」とは異なり、最低でも15秒以上動画が視聴されなければ料金は発生しないため、費用対効果の高い課金方式といえます。

Thruplayは、動画の最後に強いメッセージやCTAがあるブランディングやコンバージョンを目的にした動画広告に有効です。一方、動画広告が20秒以上と長い場合やコンバージョンよりも認知度の獲得を目的としている場合は、CPCやCPMが適切な課金方式かもしれません。

Instagram動画広告出稿の手順

Instagram動画広告の特徴を理解したところで、動画広告の出稿手順を見ていきましょう。Instagram動画広告は下記手順で出稿します。

  • Metaビジネスマネージャの開設
  • Facebookページの作成
  • Instagramアカウントの連携
  • 広告アカウントの作成
  • キャンペーンの作成

Metaビジネスマネージャの開設

Metaビジネスマネージャとは、FacebookやInstagramのページやアカウントなどを一括管理、広告の作成などができるツールです。まずは下記手順でMetaビジネスマネージャのアカウントを開設しましょう。

Instagram動画広告_Metaビジネスマネージャの開設1

出典(以下同様):Meta

こちらのページより [アカウントを作成する] をクリック。

Instagram動画広告_Metaビジネスマネージャの開設2

ビジネス名(アカウント名)、氏名、仕事用メールアドレスを入力し、[送信] をクリック。登録したメールアドレスに認証確認メールが届くため、[今すぐ認証] をクリック。これでMetaビジネスマネージャの開設が終了しました。

Facebookページの作成

Instagram広告を配信するには、Facebookページでの作成が必須のため、ビジネス設定より下記手順で作成します。

Instagram動画広告_Facebookページを作成

[アカウント] > [ページ] > [新しいFacebookページを作成] の順にクリック。すでにFacebookページがある場合は、[ページを追加] を選びましょう。

Instagram動画広告_Facebookページを作成2

最適なカテゴリを選択します。

Instagram動画広告_Facebookページを作成3

Facebookページ名とカテゴリを入力し、[Facebookページを作成] をクリックして完了です。

Instagramアカウントの連携

Metaビジネスマネージャのトップ画面より、広告を配信するInstagramアカウントとビジネスマネージャを下記手順で連携しましょう。なお連携前には、Instagramアカウントをプロアカウントに変更しておくことを推奨します。

Instagram動画広告_Instagramアカウントの連携1

[ビジネス設定] をクリック。

Instagram動画広告_Instagramアカウントの連携2

[Instagramアカウント] > [追加] の順にクリック。

Instagram動画広告_Instagramアカウントの連携3

[Instagramアカウントをリンク] をクリックし、Instagram動画広告を出稿するアカウントを選択。

広告アカウントの作成

次に広告アカウントの作成をします。

Instagram動画広告_広告アカウントの作成1

[アカウント] > [広告アカウント] > [追加] > [新しい広告アカウントを作成] の順にクリック。

Instagram動画広告_広告アカウントの作成2

広告アカウント名・時間帯・支払い通貨を入力。

Instagram動画広告_広告アカウントの作成3

自社商材を宣伝する場合は、[自分のビジネス] にチェック。これで広告アカウントが作成されたので、そのまま支払い情報も追加しましょう。

キャンペーンの作成

広告マネージャを開き、広告キャンペーンの作成をします。

Instagram動画広告_キャンペーンを作成1

キャンペーンタブを開き、[作成] をクリック。

Instagram動画広告_キャンペーンを作成2

Instagram動画広告を運用する目的を選択しましょう。

Instagram動画広告_キャンペーンを作成3

キャンペーン名やキャンペーン詳細情報などを入力します。

Instagram動画広告_キャンペーンを作成4

広告セット名やコンバージョンの場所、ターゲティング設定などをします。

ここから動画広告を作成します。広告名やフォーマットなどを入力したら、クリエイティブ欄で [メディアを追加] > [動画を追加] の順に選択し、作成済みの動画クリエイティブをアップロードしましょう。

Instagram動画広告_キャンペーンを作成6

フィードやストーリーズ、リールなどに配信する際のクリエイティブが表示されます。可能な限り、推奨サイズに調整する、もしくは新しいクリエイティブと置き換えましょう。

Instagram動画広告_キャンペーンを作成7

動画をアップロードすると、画面右に広告プレビューが表示されます。プレビューを確認しながら、テキストや見出し、説明文などを設定します。

最後に [公開する] をクリックすれば、広告の配信が開始されます。

Instagram動画広告の活用事例

ここからは、Instagram動画広告の具体的な活用法や成果をイメージできるように、3つの成功事例をご紹介します。

動画広告のストーリー性を高めてクリック率60%増を達成|株式会社ツヴァイ

株式会社ツヴァイは業界大手の結婚相手紹介サービス。同社は、結婚相手紹介サービスについてネガティブな印象を持っている方や敷居が高いと感じる方に対しての「イメージ改善」と「新規会員獲得」を目指し、Instagramストーリーズ広告の運用を決定します。数ある広告プラットフォームの中から、Instagramストーリーズ広告を選んだ理由は、同社のメインターゲットが「若年層の女性」であるためです。

Instagram動画広告_ツヴァイのストーリーズ広告

出典:Instagram「株式会社ツヴァイ」

広告運用においては、年齢や結婚歴に応じたターゲティングを行い、ターゲットユーザーに最適なメッセージを伝えました。さらに、ストーリーズカルーセル広告を使ってブランドの世界観やサービスを伝え、コンバージョン率アップを試みます。ストーリーズカルーセル広告では、オーガニック投稿になじめるようステッカーやテキストを活用し、動画広告を3つのチャプターに分けることで、ストーリー性を高めました。

結果、クリック率63%向上、クリック単価41%減少という成功をおさめたのです。この事例からは、ターゲット層に合ったプラットフォームの選定とターゲティング設定の重要性、およびストーリーズのオーガニック投稿に似せる動画クリエイティブを作成してPR色を薄めることが重要だとわかります。

Instagram動画広告でブランド認知を高め売上を倍増|パナソニック株式会社

パナソニック株式会社は、新製品である高級トースター「オーブントースター ビストロ」の販売量を最大化するため、Instagram上でのキャンペーン展開を決定。まずはInstagramでトーストや在宅ランチに関する投稿を分析し、消費者のインサイトを確認しました。

Instagram動画広告_パナソニックの動画広告

出典:Instagram「パナソニック株式会社」

また、同社のオーガニック投稿を分析した結果、「商品で調理された料理のイメージビジュアル → 商品イメージ」の順で映すほうが効果的であるとわかったため、このインサイトを動画クリエイティブに反映。Instagram動画広告キャンペーンの結果、古いモデルと比較して販売数が2倍に増加し、広告認知率が16ポイント増加する成功を収めたのです。

この事例からは、Instagram動画広告の運用では「分析」が成果のカギを握るとわかります。Instagramで自社と関連するワードでの検索や自社のオーガニック投稿などを分析し、成果につながるインサイトを発見して、動画クリエイティブに反映させましょう。

インタラクティブ動画で商材理解の促進と購買意欲の醸成|airCloset

airClosetとは、普段着に特化したファッションレンタルのサブスクリプションサービスです。従来の市場にはない新しいサービスのため、認知度が低く、ターゲットユーザーにサービス内容と利用価値を理解してもらう必要がありました。

以前はSNS広告からアンケートLPや記事LPに誘導して、サービス内容と利用価値を伝える施策を実施。しかし、サービスを正しく理解してもらうには情報量が必要である一方、情報が多すぎると見てもらえないという問題が生じ、静止画とテキストのみのアピールには限界があると感じるようになりました。そこで膨大な情報量を、わかりやすく伝えられる動画の活用に興味を持つようになったのです。

双方向でコミュニケーションをとれる「インタラクティブ動画」なら、ユーザーに楽しんでもらいつつ、サービス内容を理解してもらえると考え、導入を決定しました。

具体的な施策は、Instagram広告からの誘導先にインタラクティブ動画を設置して、ユーザーのサービス理解を促進し、コンバージョンの最大化を目指すというもの。インタラクティブ動画はアンケート形式で、ユーザーは5つの設問に答えながら、自身の悩みを明確にできる仕組みです。アンケート終了後には、期間限定の割引クーポンを提示し、動画内のCTAから申し込みページへと誘導できるようにしました。

アンケート型のインタラクティブ動画

広告開始から3カ月で、従来の記事LPと比べ、有料会員のコンバージョン率が160%、遷移率も30%向上しました。成功の要因の1つには、動画とInstagram広告との相性の良さがあげられます。動画広告からインタラクティブ動画LPへと誘導すれば、ユーザーはスムーズに理解体験を進められるのです。

この事例のように、従来の市場にはない商材や内容が複雑でテキスト・静止画での説明が難しい商材を扱う場合は、動画で商品理解を促進するのが有効。また、広告だけではなく、LPなどの誘導先にも動画を設置し、ユーザーの興味関心を維持しながら購買意欲を醸成しましょう。

関連記事:SNS広告からのCVRが160%に!アンケート型のインタラクティブ動画でサービス内容と利用価値を訴求

Instagram動画広告でCVRを高めるポイント

Instagram動画広告は、コンバージョンやクリック単価の改善が見込める施策ですが、単に配信するだけでは期待した成果は見込めません。Instagram動画広告でコンバージョン率を高めるためには、下記4つのポイントを意識しましょう。

  • 冒頭で惹きつける
  • 視聴環境を想定した制作
  • 適切なターゲティング設定
  • PR色を薄める

ここからは、各ポイントの詳細を解説します。

冒頭で惹きつける

Instagram動画広告を制作する際は、冒頭の3秒でユーザーの興味関心を惹く工夫をしましょう。

Meta社の調査によれば、2001年の人間の情報処理能力速度の平均値は0.3秒だったのに対し、スマートフォンが普及した2014年には0.03秒にまで上がっているそうです。つまり、現代人は一瞬でコンテンツを見るかどうか判断しているということ。

Instagram動画広告_最初の数秒で多くの価値が生まれる

出典:Meta for Business「The Value of Video Brands」

さらに同社の別の研究によれば、「動画の最初の3秒を視聴した場合」はブランド認知や購買意向などの動画広告がもたらす総合的な効果の最大47%、「10秒未満を視聴した場合」は最大74%の効果が生じます。

Instagramではサクサクとコンテンツが消費されることを前提として、一瞬でユーザーを惹きつけるクリエイティブ制作に注力しましょう。ポイントは以下の通りです。

  • キーメッセージを冒頭に持ってくる
  • 語りかけやユニークな音を使う
  • ブランドや宣伝する商材を動画の冒頭で出す

配信面に合わせた制作

Instagram動画広告の配信面に合わせて動画クリエイティブを制作すれば、ユーザーに受け入れられやすくなります。

例えば、フィード画面なら横型動画でも対応できますが、ストーリーズやリールに配信するなら縦型動画広告の制作が必須です。さらに深堀りすれば、リール動画広告なら音声ありの鮮明な画質の縦型ショート動画、ストーリーズ動画広告なら動画時間に合わせた構成を考えるとよいでしょう。

適切なターゲティング設定

Instagram広告で成果をあげるには、適切なターゲティング設定が欠かせません。広告の配信範囲が広ければ、コンバージョンの見込みが低いユーザーにも広告が配信されるため、費用対効果悪化の原因となります。一方、配信範囲を限定的にすると、クリック率やコンバージョン率の低下を招くでしょう。

また、適切なターゲティング設定をすれば、Instagramのアルゴリズムに自社のターゲットユーザーを伝えられます。Instagram動画広告の場合、高精度アルゴリズムが想定していなかったオーディエンスを含め、自社商材を気に入りそうなユーザーにも広告を配信するため、ターゲットを正確に伝えることが重要です。

PR色を薄める

市場調査を展開するイソプスによると、Instagramでは「広告を楽しんでいる・気にしない」と回答した人は6割以上にもなります。この理由として、Instagramは娯楽性とつながりのバランスが取れたSNSであり、興味関心を軸にユーザーと企業が関われる点があげられます。

Instagram動画広告_絵文字やスティッカー使った例

出典:Instagram「株式会社ツヴァイ」

Instagramの特徴を生かすために、PR色を薄めた動画広告の制作を意識しましょう。例えば、先にご紹介した株式会社ツヴァイは、上の画像の通りオーガニック投稿になじめるようステッカーやテキストを動画広告に活用する工夫を施しました。

またInstagramのアンケートやクイズ機能を利用してインタラクティブ性を出すのも有効です。企業が一方的に伝えたい情報を発信するのではなく、ユーザーと双方向のコミュニケーションを通して、ターゲットユーザーが知りたい情報を娯楽要素をバランスよく交えながら伝えることが重要です。

まとめ

テキストや静止画が中心の従来のWeb広告に限界を感じた場合、膨大な情報量をわかりやすく伝えられる動画広告が有効な解決策となるかもしれません。数ある動画広告配信プラットフォームの中でも、Instagramは広告が受け入れられやすく、認知から購入までのフルジャーニーに対応できるという点で強力なプラットフォームです。

しかし、遷移先のコンテンツが最適化されていなければ、集客できてもコンバージョンにはつながりません。Instagram動画広告で集客したら、遷移先にも動画を活用し、動画を軸にしたシームレスな商材理解体験の提供をして、コンバージョン率の向上を実現しましょう。まずは本記事を参考に、Instagram動画広告が自社に最適な施策かどうか検討してみてください。

動画マーケティング入門ガイド

執筆者
黒谷 純子

MIL株式会社 マーケティング

大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841

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