【2020年版】360度動画とVR動画の活用事例からカメラ選び、編集まで徹底解説!

新型コロナウイルスと共存しながら生きていくウィズコロナというキーワードを昨今、耳にするようになりました。

ウィズコロナの状況で、自治体、企業が様々な取り組みをみせていますが、その中でも対面が規制される時代の切り札となっている取り組みが、仮装現実を動画で紹介する「360度動画」「VR動画」です。

ここでは、今だからこそ気になる「360度動画」「VR動画」の最新活用事例から、実際に制作する方法まで徹底的に解説していきます。

各業界が360度動画とVR動画に注目している

ウィズコロナの言葉を耳にする前から注目を集めていた360度動画VR動画。なぜ今注目されているのか、背景から紐解いていきましょう。

360度動画の起源はアップルの「QuickTime VR」

周囲360度が見渡せる360度動画の起源はアップルが1991年に発表した「QuickTime VR」です。当時は360度を撮影できるカメラはなく、複数の画像をつなぎ合わせ360度のパノラマ画像を作成できる画期的なシステムでした。

そもそもの360度動画とは

360度動画とは、通常の動画とは違い様々な角度から景色、物を楽しめる動画になります。全天球動画、パノラマ動画、VRといった言葉もよく使われ、いずれも、一度に360度全方向からのアングルを見られる動画を指しています。

360度動画には、3つの種類があります。

・ドームマスター形式

ドームマスター形式とは、360度カメラで撮影したものを1枚にまとめて、魚眼レンズのように表現したものになります。

・正距離円筒形式(パノラマ形式)

正距離円筒形式(パノラマ形式)は、球面状に撮影された映像を平面に変更し、緯度と経度を整えたものになります。風景撮影などによく使われます。

・キューブマップ形式

キューブマップ形式は、立方体の中心から周囲を覗き込む形の映像です。3DCGのマッピングによく活用されるものになります。

また、360度動画とVR動画の違いですが、現実世界をカメラで撮影したものは360度動画、テクノロジーによってつくられた仮想現実へダイブするものはVR動画と区別されています。

なぜ今360度動画なのか

360度動画に注目が集まるのは、近年のSNS、YouTubeが次々と360度動画への対応を発表したことから、マーケティングに活用する企業が増えたことが関係しています。通常のインストリーム動画広告よりもビュースルーレートを36%上昇させたという360度動画の事例もGoogleが発表しています。

また新型コロナウイルスの影響で海外旅行も含め、自由に国内旅行も行けなくなったことや、ロックフェスなどのイベントが中止されるなどといった状況を打破するために、行政や多くの企業が360度動画に現実世界をシフトさせる動きも見られるようになりました。

企業としても360度動画は実施しやすく、ユーザーも簡単に再生しやすいという需要にもマッチしていることから360度動画に注目が集まっています。

360度動画は誰でも簡単に再生できる

360度動画のコンテンツはどのような環境で再生できるのか紹介していきます。

基本的に360度動画の再生は、パソコンとスマホがあれば可能です。特段、視聴が難しいといったことはなく、VRゴーグルのような専用装置がなくても再生できます。

・360度動画が再生できる環境

パソコン・スマホでは、ChromeやFirefoxといったwebブラウザの最新バージョンで視聴ができ、多くはYouTube上での視聴となります。Google Street Viewのように画面をドラックして向きを変えることもでき、ジャイロセンサーのついたスマホであれば、再生中に端末を動かして視角を変えたり、指をスワイプして視点を切り替えられます。

360度動画がもたらす効果

通常のカメラでは一つの視点でしか物事は見られませんが、360度動画は動かしながら見られることから疑似体験ができます。 実際の仮想空間をイメージできるだけではなく、様々な視点で何回も視聴できます。

・360度動画のメリット

360度動画は視聴者の印象に残る広告となります。昨今、多くの動画広告を見かけるようになりました。YouTubeを視聴していても途中で差し込まれる動画広告を目にするかと思います。

通常の動画を受動的に視聴するよりも、体験しながら動画を視聴したほうが印象に残りやすくなります。また体験できる動画ということから、興味のない層にも視聴をしてもらえる機会が生まれやすくなると考えられます。

ウィズコロナ時代の活用事例

ここではウィズコロナ時代だからこその360度動画の活用事例と、背景を紹介してきます。

360度動画で会いに行ける熊本市動植物園

熊本市動植物園では、来園しなくても普段の動物たちを見学できる仮想現実の360度動画の配信をはじめました。熊本市動植物園は2月末から5月中旬まで新型コロナウイルスの影響を受けて休園としていましたが、その間でも動物たちと飼育員の日常を紹介するための動画を配信してきました。

感染対策の3密を避けた新しい生活様式で園内を楽しんでもらおうと、360度の撮影カメラで動物エリアを16箇所、植物エリアを2箇所収録された活動となります。

引用:360度見られる熊本市動植物園

360度見られる!熊本市VR動植物園のページはこちら

360度動画によるVRトラベルコンテンツ

長期休暇も海外旅行に行けない状況で注目度が高まっているのがVRトラベルゲーミング・トラベルの世界です。

ナショナルグラフィック誌の情報では、VRトラベルコンテンツの制作会社Ascapeのアプリのダウンロード数は2020年4月、昨年12月と比較して60%増加しました。通常の繁忙期である12月よりも大幅のアップとなっています。

Ascapeだけではなく、YouTubeなどでも手軽に楽しめる360度動画よるVRトラベルコンテンツは多数あり、海外旅行に行きたいという欲求を満たしたい多くの人に視聴されています。

引用:AirPano VR

・国内でも旅行者は半分に激減している
観光庁は新型コロナウイルスの拡大による直近の影響と今後の政策の方向性が盛り込まれている「観光白書」の令和2年版を発表しました。

国連世界観光機関(UNWTO)の世界観光動向の発表では、2020年4月の訪日外交国旅行者数が昨年4月の同月と比較して99.9%減少し、2900人まで落ち込みました。1~3月期の訪日外国人旅行消費額も昨年と比較して41.6%減となっています。

出典:国土交通省「観光白書」(資料:観光庁作成)
https://www.mlit.go.jp/statistics/content/001348580.pdf

不要不急の外出を避ける動きに合わせた360度動画によるVRトラベルコンテンツは旅行に行けない欲求を発散するための動画コンテンツとなりました。

オープンハウス、モデルルームのバーチャルツアー

オープンハウス、モデルルームの実施が難しくなったことがあり、米国と日本ではオンラインで物件紹介が可能なバーチャルツアーの導入が急速に進んでいます。それを受けてリコーの全天球カメラシータで360度の仮想現実VRコンテンツを制作・公開できる法人向けのクラウドサービス「シータ360.biz」が好調になっています。リコーが米国で展開するバーチャルツアー作成のサービス契約数は3月後半以降、通常時の30倍のペースで増加しています。

引用:戸建賃貸住宅 casita(カシータ)

日本ではオープンハウス、モデルルームの360度動画だけではなく、中古車、建設現場、教育施設、観光地などの見学向けに引き合いも増えています。

引用:トクヤマVR工場見学

展示会に来場しなくても会場の様子を360度動画で体感

360Channel社は、展示会に来場しなくても会場の様子を見ることができるバーチャル展示会のシステムの開発、提供をはじめました。

特設のサイトにアクセスして、画面をドラックすることで展示会を見渡せるだけではなく、床面にある白いアイコンに触ることで視点を移動でき、実際に展示会を歩いているように体感できます。

アイコンを押して地図をみたり、シークバーでいきたい場所に移動するなども可能になっています。

引用:「Future Store“Now”」バーチャル展示会

・展示会を含めたオフラインイベントは中止、売上もゼロ

ぴあ総研の2020年3月23日調べによると、新型コロナウイルスによるライブ・エンタテインメント業界への影響で、中止延期等により売上がゼロもしくは減少した公演・試合の総数は81,000本であり、今後更に72,000本が追加される見込みとなっています。

出典:ぴあ総研調べ「新型コロナウイルスによるライブ・エンタテイメント業界への影響」
https://corporate.pia.jp/news/detail_covid-19_damage200323.html

展示会などの大規模イベントでは、収容人数の半分、または参加人数5000人のいずれか少ない方が入場数の上限となり、大きな打撃を受ける中、VRを使ったオンライン展示会としての開催、集客は非常に画期的な取り組みです。

アナベル人形が襲いかかるホラー360度動画

コロナ禍以前の2019年にはすでに360度動画は世の中に浸透しはじめ、ホラーコンテンツも注目されていました。アナベル 死霊博物館の映画のトレーラーでは360度動画VR映像が活用されました。

トレーラーの予告編では目の前に映画の舞台である死霊博物館が広がります。現実世界と勘違いするほどの映像と怪奇現象はとても迫力のあるコンテンツとなっています。

引用:【360度VR】ホラー映画『アナベル 死霊博物館』トレーラー

またジェットコースターも360度で体験できる時代となりました。
今後、遊園地に足を運ぶことなくお家から体験する時代も近いのではないでしょうか。

引用:ナガシマリゾート「シャトルループ」

360度動画を使用したMVのティザー動画

YOASOBIが7月20日に新曲「たぶん」をリリースしました。曲の原作をikuraが朗読したティザー映像には360度動画が使われています。映像は自主制作アニメーションを手がけるクリエーターの南條沙歩が手がけ、視聴者に視点を変えて視聴させることが目的とされています。

引用:YOASOBI 第三章「たぶん」teaser

実際に360度動画を制作するには

360度動画の編集の難易度は高くありません。YouTubeでも個人で投稿される360度動画も多く見かけるようになりました。

360度動画に必要な機材と編集する流れを紹介していきます。

360度動画を撮影するためのカメラ

360度動画を撮影するカメラを選ぶポイントは、全天球なのか半天球なのか、です。

・全天球カメラ

全天球であれば前後に1枚ずつの計2枚のレンズを搭載しており、1枚のレンズがそれぞれの片面を撮影し、2枚のレンズの撮影した映像を合成することで360度動画が完成します。

天地撮影が可能になりますが、デメリットとして撮影者や三脚が360度動画の中に映り込んでしまうことがあります。

・半天球カメラ

反面、半天球はレンズが1枚だけになります。カメラは水平方向の360度、あとは地球儀の上半分のみの撮影となります。

2020年おすすめの360度撮影カメラ機種

・RICOH THETA SC2

360度動画を撮影するカメラの入門機になります。
従来のモデルよりも動画性能の向上、内臓メモリーの増量などが改良されています。

比較的安価であり、小型ボディなので常に鞄に入れて持ち歩けたり、負荷にならない携帯性が魅力です。

・Insta360 ONE X

Insta360 ONE Xは今までのInsta360 ONEの最新のモデルであり、画質などの基本性能はもちろん、アプリなどの拡張もされました。

最高5.7K30fpsの最高動画記録画質は、携帯型360度動画撮影用カメラとしては最高クラスの動画画質となります。

・GoPro Fusion

元々アクションカムで有名なGoProですが、新しいジャンルに挑むということで初めて360度動画撮影ができるカメラを発売しました。

5.2Kの動画撮影、脱ジンバルのスタビライゼーション機能など注目の機能です。

360度動画を制作する流れ

・360度動画素材を用意

360度動画を撮影できる機材を使い、実際に360度動画を撮影します。
テンポの遅い映像のほうが、視聴者は360度動画の世界を堪能できます。また360度動画ならではの、周りを見渡したくなる、視点を切り替えたくなる工夫を散りばめるとなお良いでしょう。

・360度動画素材を編集

360度動画は2つのレンズで撮影した動画をつなぎ合わせるビデオ・スティッチングという作業が必要になります。以下の動画で詳しくつなぎ合わせのイメージを紹介しています。

引用:【Mobage Developers Blog】360度動画/ライブストリーミングの技術、リアルタイム・イメージ・スティッチング

この作業は360度動画をYouTubeやアプリで再生するために必ず行わなければいけない作業となります。

360度動画を撮影できるカメラであれば自動でビデオ・スティッチングを行いますが、プロフェッショナルな360度動画を撮影し、編集するとなると一眼レフを複数台使用して編集するほうがクオリティをコントロールできます。ビデオ・スティッチングはここで必須な作業となってきます。

引用:CARA VRチュートリアル : ステッチング Part 1

・完成した360度動画を共有する

YouTubeは360度動画VR動画に対応しています。アップロードすることで簡単に共有することができます。

YouTubeにアップロードする場合には変換と圧縮が必要になります。一般的にはエンコードと言われています。この作業は360度動画に限らず使われています。

エンコード完了後は360度動画の再生を有効にするためにメタデータを入れていきます。
以下の流れになります。

  1. 360 Video Metadataのアプリをダウンロードし、アプリを起動します。
  2. アプリから、動画ファイルを選択します。
  3. 「Spherical」にチェックを入れて「Save as」をクリックします。
  4. 作成したファイルに名前をつけ保存を行います。

上記の流れから、アップロード可能なファイルデータが元のデータのある場所に作成されます。ここでできたファイルデータをYouTubeにアップロードすればYouTubeでの共有が完了となります。

360度動画を使った新しい表現はインタラクティブ動画 

今まで360度動画を使った取り組みを紹介してきましたが、新しいインタラクティブ動画という表現をご存知でしょうか。360度動画で制作したコンテンツを視点を変えながら楽しむだけではなく、動画の中にあるポイントに触ることができるようになります。

インタラクティブ動画を活用した360度動画について紹介していきます。

360度インタラクティブ動画「観る」

MILはインタラクティブ動画を制作できるプラットフォームです。MILでは通常の動画だけではなく、360度動画のアップロード、360度動画のインタラクティブ編集、制作した360度インタラクティブ動画の公開までを行うことができます。

MILが360度動画機能をリリースした際のプロモーション動画がありますので、紹介します。

360度動画を使い、部屋の中をタップしながら見回せるだけではなく、触って推理を楽しむことのできる謎解き動画となっています。

今まで紹介してきた飲食業、観光業、イベント業すべてにおいて活用ができ、今までにない視聴体験を視聴者に与えることができます。

MILを使った360度インタラクティブ動画の可能性

今後の360度インタラクティブ動画の可能性は多いにあると考えています。

  • アパレルの新商品発表、社内セミナーなど非公開な展示会動画
  • 視聴者の観たいコンテンツだけを選択して視聴できる観光PR動画
  • 遠方にいる求職者に向けた社内疑似体験動画

360度動画の体験というメリットに、インタラクティブ動画の触れるというメリットが加わることで、より視聴者がその地に訪れたという印象を与えることが可能になります。

360度動画のインタラクティブ動画の制作の流れ

MILを使った360度インタラクティブ動画は非常に簡単で、MILのプラットフォームに制作した360度動画をアップロードし、360度動画の触れるポイントにMILのタグを設置すればすぐに触ることのできる360度動画が出来上がります。

今なら無料のトライアルプランもご用意しております。お手持ちの360度動画素材を使ってのインタラクティブ編集、または360度動画の素材からのご相談も承っております。

まとめ

今回ご紹介した360度動画が皆様の取り組みの参考になれば幸いです。
360度動画はただおもしろい映像として視聴されるだけではなく、時代の変化に合わせて、おうちにいてもどこかに行ける、体験できる、購入できるといった新しい視聴体験を私たちに与えてくれるものになるのではないでしょうか。

360度インタラクティブ動画の表現方法も他にもいくつかございますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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MILであれば、インタラクティブ動画を素早く編集でき、動画配信後の測定結果はレポート画面より確認できます。インタラクティブ動画の制作から運用まですべての機能をプラットフォーム化し、動画PDCAを回します。