今回は、ライフスタイルメディア「macaroni」を運営する株式会社トラストリッジ様に、インタラクティブ動画に関するインタビューを実施いたしました。
株式会社トラストリッジ
小久保 直宣様
macaroni編集部 編集長
「macaroni」におけるWeb記事や動画コンテンツなど、多岐にわたって担当。
田中 辰典様
macaroni編集部 ビデオグラファー
「macaroni」における動画コンテンツの撮影と編集を担当。
macaroni
「食からはじまる、笑顔のある暮らし。」をコンセプトに、レシピ動画と最新グルメニュースを毎日配信しているライフスタイルメディア。
月間PV数8000万/ユーザー数2000万のWebサイトと、約97万人のフォロワーを持つInstagramをメインに配信しています。(2020年2月時点)
MIL導入の経緯について
山田:本日はよろしくお願いいたします。
小久保様、田中様:よろしくお願いします。
山田:それでは早速ですが、「MILの導入至った経緯」について伺わせてください。
「ユーザー参加型動画」を作りたかった
小久保様:今までのコンテンツの届け方は、メディアからの一方的な発信だったと思うんですが、ユーザーの求めるものが複雑化してきている中、それぞれに最適なコンテンツを届けるには、一方的に「これを見て」とコンテンツを差し出すよりも、「どれが良いですか?」とコンテンツを選ばせる方が良いと感じていました。
インタラクティブ動画では、動画上でのタップアクションを通じて、ユーザーがコンテンツを選ぶ「ユーザー参加型」の双方向的な発信が出来るので、「一度試してみたいな」と思い、MILを導入しました。
山田:ありがとうございます。「ユーザー参加型」と「コンテンツの最適化」がMIL導入のキーポイントになったわけですね。
制作時のポイントについて
ユーザー目線で制作する
山田:インタラクティブ動画を制作する際に、意識しているポイントを教えてください。
田中様:やっぱり一番は「ユーザー目線」になることですね。ユーザーのニーズに沿うことは勿論、ユーザーが楽しめるように意識してコンテンツを制作しています。
山田:素敵な考え方ですね、「ユーザー目線」。ユーザー目線になるにあたり、具体的にはどのようなことを行っていますか?
田中様:まずは「ニーズを把握する」ことですね。季節の食材などといった、「ユーザーが今気になっているもの」をテーマに、その時期に配信すべきコンテンツを考えて制作しています。
小久保様:ここでMILを使うと、更にユーザーそれぞれが動画内でニーズに合わせて選択するので、「(ニーズに応じて)最適化する」という点は、高いレベルで出来ていると思います。
既存の動画を活用する
山田:トラストリッジさんには、70本以上のインタラクティブ動画を作っていただいていますが、これだけの本数を作る上で、制作時に工夫した点などはあったりしますか?
田中様:「既存の動画」を活用することですね。例外もありますが、基本的には僕たちが制作したインタラクティブ動画って、分岐画面の動画だけ新たに制作して、それを既存のレシピ動画に繋げたものなんです。
元々動画コンテンツは沢山持っているので、持っている動画から逆算して分岐画面を制作し、インタラクティブ動画に仕上げていますね。
山田:なるほど、既存動画を最大限活用することで、これだけ多くのインタラクティブ動画を制作していただけた訳ですね。
タップの余裕を作る
山田:インタラクティブ動画を制作するにあたり、「例外として新たに撮影したレシピ動画も何本かある」とのことでしたが、「インタラクティブ化を前提としたレシピ動画」と「通常のレシピ動画」で、撮影、編集時に違いがあったりするんでしょうか?
田中様:若干ありますね。例えば通常のレシピ動画では、あまり「間が必要無い」のですが、インタラクティブ動画用に制作する場合は、「タップの余裕」を作りたいので、あえて間を持たせたりしています。
山田:やはり「タップの余裕を作る」というのは、インタラクティブ動画制作において必須になっているんですね。
実際の制作事例
山田:色々な尺度があると思うのですが、トラストリッジさんの中で「これ良かったな」と思うインタラクティブ動画をいくつかご紹介いただけると嬉しいです。
「今日はなにつくろう?|鶏豚編」
田中様:まずはオーソドックスに、この「鶏肉と豚肉」の動画ですね。インタラクティブ動画の初回投稿だったこともあると思いますが、これは「インスタグラムストーリーのCTR」が歴代1位でした。
山田:この動画いいですよね。MILを紹介する時に「お昼ご飯食べました?」みたいな感じで見せると、結構楽しんで視聴してもらえるのもあって、鉄板ネタとして使わせてもらっています(笑)。
田中様:ありがとうございます(笑)。ただCTRは良かったんですが、動画の内容としては実は微妙だったと思っています。というのも、ニーズの面から考えると「鶏肉か豚肉か迷っている人なんていなくない?」と後から気付いたんですよね(笑)。ビジュアル的には凄く良かったのですが。
山田:そんな裏話があったんですね。確かに「鶏肉食べようか、豚肉食べようか」という迷いはあまり無いかもしれないですね。
田中様:そうなんです。なので今は料理家さんと協力して、よりユーザーの潜在的なニーズに応えられるような「診断コンテンツ」をメインに制作しています。
ちなみに、「インスタストーリーのランディング先」として使用する際には、遷移先のインタラクティブ動画も勿論重要なのですが、ストーリー上に投稿する動画もかなりこだわって制作しています。
参考:インスタグラムストーリーで実際に利用した動画 ※インタラクティブ動画ではありません
山田:いつも16:9で見ていたので、この「インスタストーリー用の動画」は初めて見ましたが、これは思わずスワイプアップしちゃいそうですね。
「Joseph Joseph様タイアップ|商品紹介動画」
田中様:あと、キッチン用品ブランドの「Joseph Joseph」様の商品紹介動画も良かったですね。
最初に「気になったモノに触れてみよう」というアテンションを入れるだけで、その後「タグデザイン」を一切入れていないので、文字通り「商品に触ると詳細が表示される」という新しい体験の動画になってます。
山田:これはMIL社内でも話題になりました(笑)。インタラクティブ動画では、タップできることを伝えるために「目立つタグデザイン」を設定するのが普通なのですが、逆に「タグデザインを無くす」という。
それでも結果として、「インタラクション率(タップ率)」は約90%、動画から外部サイトへの遷移を表す「リンククリック率」に至っては50%超と、驚異的に高い数字を記録していますよね。
小久保様:これは凄かったです(笑)。ちなみに「Joseph Joseph」様はこの動画にかなり喜んでくださって、その後色々と頼っていただけるようになったので、「お客様の満足度」という面でも良い動画でした。
「殿堂入りレシピシリーズ|夏野菜編」
田中様:「ユーザー体験」としての面白さでいうと、この「殿堂入りシリーズ」も結構良いと思います。
野菜をタップすると、その野菜を用いた人気レシピがポップアップで表示されるのですが、やっぱり「動画内の野菜をタップするとポップアップが出る」なんて、誰も思わないじゃないですか。
「テキスト」ではなく「ビジュアル(野菜)」をタップさせるという点が、インタラクティブ動画における「ユーザー体験」を考える上で重要なポイントの一つだと、この辺りから気付き始めました。思えば「鶏と豚」の動画もビジュアルをタップできる動画だったんですよね。
山田:なるほど。「ユーザー体験」を追求しているからこそ、トラストリッジさんは「見ていて楽しいコンテンツ」の制作が上手なんですね。
「みんなが選んだアボカド人気レシピ|ランキング動画」
田中様:新しい見せ方をした動画で言えば、この「アボカドランキング」を始めとした「ランキング動画」も反応がいいですね。
普通ランキング系の動画って、下位から順に見せていくと思うんですけど、この動画では「タップすることで順位が分かる」ようにしています。
山田:これ一回タップすると「じゃあ1位は?逆に4位は?」といった調子で、「隠されたものを見たくなる」とか「順位をコンプリートしたくなる」みたいな、心理的な面でもインタラクションを促されますよね。
田中様:ありがとうございます。これは「テレビ番組」をヒントにしてて、ランキングでお店を紹介する番組なんかで、「出演者が順位を当てながら紹介する」企画があるじゃないですか。ランキングの見せ方として「これ面白いな」と思って、インタラクティブ動画で表現しました(笑)。
山田:お昼の番組とかであるやつですね(笑)。日常に潜む様々なアイデアをMILで形にしている訳ですね。
MILの魅力について
山田:最後に、MILをたくさん利用していただいている「メディア」様から見て、「MILの魅力」みたいなものがあれば、教えてもらえると嬉しいです。
とにかく「使いやすい」
田中様:とにかく「使いやすい」ですよね。「こんなに簡単にインタラクティブ動画が作れるんだ」というのが第一印象でした。
元々動画はたくさん持っていたので、「分岐画面を作るだけでインタラクティブ動画に仕上げられる」というのは、動画を扱うメディアとしては魅力の一つになりますね。
山田:ちなみに今って、「インタラクティブ編集」にどれくらい時間をかけていますか?
田中様:最初は探り探りで時間かかったりしていましたが、今はもうテンプレ化しているので、インタラクティブ編集で言ったら30分もかからないですね(笑)。
「ユーザーアンケート」として優秀
小久保様:あと、ストーリー分岐画面のタップ率から「何が一番選ばれているか」が一目でわかるので、実は「ユーザーアンケート」としても優秀で、一番アンケート取りやすい形なんじゃないかなと思ってます。
田中様:確かに。例えば、「フライパンとレンジどっちをよく使っているか」っていうストーリー分岐動画を作った時、料理家さんは「この時期は絶対にレンジの方が多い」と予測してたんですけど、いざやってみたら「圧倒的にフライパンが多い」ことが、選択肢のタップ率から分かったんですよね(笑)。
こういうユーザーアンケートとしての要素が面白くて、この結果を受けて「次はフライパンを使うレシピ動画を配信する」といった感じで、動画の結果をその後のコンテンツに反映させたりしています。
山田:気になるものを直感的にタッチしているだけなので一切のバイアスがかかってなく、素直な結果になるわけですね。
ユーザーが「楽しめる動画」を制作できる
小久保様:でも一番の魅力は、「ユーザー体験型のコンテンツが制作できる」という点に尽きますね。
インタラクションの種類もMILだとすごく豊富なので、「発想次第でいろんな使い方ができる」。それがコンテンツを制作する人間としては凄く面白いです。
田中様:最初に言った通り、僕たちが制作において大事にしているのは「ユーザー目線になること」なので、MILを使ったインタラクティブ動画は、それを助ける大きな武器の一つになっています。
山田:ありがとうございます。今後もMILを使って、トラストリッジさんならではの「インタラクティブ動画」を沢山作っていただけると嬉しいです。
改めまして、本日は長々とお時間いただきありがとうございました。
まとめ
今回はメディアとして、MILをご活用いただいている株式会社トラストリッジの小久保様、田中様にインタビューさせていただきました。
今回のブログを見て、「食についての動画やレシピ動画をインタラクティブ動画で作りたい」とご検討いただけた場合は、「macaroni×MIL」でタイアップパッケージをご案内することも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。