対面だけでなく、Webサイト、アプリなど、顧客との接点が広がる現在、顧客体験を最適化するための指標として「NPS」に注目が集まっています。「NPS(ネットプロモータースコア)」とは、顧客ロイヤルティを計る指標のこと。「他人への推奨度」を問うことにより、企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるかを計ります。
当記事では、NPSと顧客満足度との違い、NPSの算出方法、導入のメリット・デメリット、導入の注意点、おすすめのNPS運用支援企業、理解を深めるおすすめ本など、NPSについて詳しく解説していきます。
目次
NPS(ネットプロモータースコア)とは?
NPSとは「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略であり、顧客ロイヤルティ(企業やブランド、商品・サービスに対する愛着や信頼感)を測る指標のことです。
そして「顧客ロイヤルティが高い」とは、「この企業が好きだ」「この商品は、友人にすすめたいほど気に入っている」などのように、企業や商品に忠誠を誓うほどのファンになった状態です。
ロイヤルティが高い顧客は、「保険のことなら〇〇生命さんに相談しよう」などと課題解決のために企業や担当者を思い出してくれるため、リピート率が高い特徴があります。また、実際に周りの人へ良い口コミ情報を発信し、熱心に商品やサービスを紹介してくれる心強い存在です。逆にロイヤルティが低い状態にある顧客は、すぐにサービスを解約したり、悪い口コミをネットやSNSに書き込んだり、知人にネガティブな意見を話したりと、企業にダメージを与える存在になります。
この「顧客ロイヤルティ」を客観的に測定する指標が、NPSなのです。
NPSの誕生
NPSは、アメリカの大手コンサルティング会社「ベイン・アンド・カンパニー」のフレドリック・F・ライクヘルド氏を中心とするチームが、2003年にハーバード・ビジネス・レビューで発表した指標です。その後「NPSは事業の成長率や売上と高い相関関係にある」と大手企業が指標の有効性を証明し、世界中にこの指標が広まりました。
日本でも、顧客満足度に並ぶ指標として、大手企業や外資系企業を中心にNPSが導入されつつあります。「企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるか」、また逆にどこに改善ポイントがあるか、顧客の本音を把握することにより、顧客体験の向上につなげています。
引用:NTTコムオンライン「NPS®ベンチマーク調査 2022【生命保険】」
日本においても、NPSの数値は、顧客のとる行動や売上などの業績、企業の成長と相関関係があることが証明されています。NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が2022年6月に発表した生命保険業界のNPS調査によると、「NPSが高い企業」が「生命保険の保有契約高の年平均成長率も高い」傾向にあることが伺えます。
顧客満足度との違い
NPSは、顧客満足度(Customer Satisfaction)の調査とはどう違うのでしょうか?
顧客満足度調査は、顧客の期待に企業がどれほど応えているのかを測るものであり、顧客にアンケートをとって調査します。アンケートの内容はさまざまな角度から複数の質問が用意され、例えば以下のような項目について問います。
- 商品(価格、品質)
- 接客(担当者の対応、スピード、店舗の利便性)
- 接点の利便性(Webサイト、アプリ)
NPSが「人にすすめたいほど気に入っているか」という期待値以上の満足度を問うのに対し、顧客満足度は、商品やサービスについて期待した通りかを問う内容です。顧客の本音や潜在的なニーズ(期待値)の確認はできず、必ずしも業績や企業の成長とは相関しないことが相違点です。
またNPSは顧客が体験した直後および定期的にアンケート調査を依頼するのに対し、顧客満足度調査は、年1回など企業側のタイミングで一斉に調査・分析を行うことが多いのが特徴です。顧客満足度は多くの母数を元に全体の傾向をしっかりと把握する、NPSはタイムリーに顧客の声を収集・分析し、改善施策のPDCAサイクルをスピーディーに回していく、という点でも異なるでしょう。
eNPSとは?
NPSと似た言葉にeNPSがありますが、これは「Employee Net Promoter Score(エンプロイー・ネット・プロモーター・スコア)」の略で、従業員が職場に愛着や満足感を持っているかを測る指標です。
NPSと同じように「あなたの友人に、あなたの職場をどれくらいすすめるか?」を聞き、推奨度を数値化します。アップル社が、顧客向けのNPS調査を従業員向けに活用し、従業員のエンゲージメントを数値化するための指標としたことで誕生し、他の企業でも使われるようになりました。
eNPSが高い企業は離職率が低く、人材が集まりやすいメリットがあります。またeNPS向上のために課題を把握し、有効な施策を実行することで、生産性の向上や離職の防止、リファラル採用(社員の紹介で人材を採用すること)などに効果が得られます。顧客同様に従業員を大切にしたい企業にとって、重要な数値となっています。
NPSの算出方法・質問文・調査方法
次に、NPSスコアの計算式や顧客への質問文、調査方法などについてご紹介します。
質問文と算出方法
NPSの質問文は、以下のように大変シンプルな問いです。
これに対し、0点~10点の11段階で評価してもらいます。また、推奨度を質問した後は、そのスコアをつけた理由について、自由記述の形式で問います。フリーコメントを通じて、顧客が自社の商品・サービスをどう思っているかを具体的に探り、結果分析や施策検討に活かしましょう。フリーコメント以外に項目を設け、推奨度に何が関与しているのかを分析するケースもあります。
そして評価の点数に基づき、回答者を以下3つに分類していきます。
引用:NTTコムオンライン「NPSの計算方法」
他人にすすめたいほど企業や商品に満足している状態を示します。推奨者の割合が批判者より大きければ、NPSスコアはプラスに転じます。10~9点を得ることは非常に難しく、顧客の期待値を把握し、期待以上の価値を提供することが必要になります。●8~7点⇒中立者
推奨者に比べると満足度は高くなく、メリットやデメリットが混在している状況であり、リピーターとなるかは不明です。●6~0点⇒批判者
企業や商品に満足しておらず、他人にすすめるほどではなかったと感じていることを示します。他のセグメントと比べると点数の開きが大きいですが、これは6までの点数が継続利用に至らない傾向があるため、このように設定されています。
そして「回答者全体に占める推奨者の割合(%)」から「批判者の割合(%)」を引きます。
⇒30%-50%=NPS -20
実際には、統計的な観点から、最低でも400サンプル(回答)以上を確保することが望ましいと言われています。
2種類の調査方法
NPSには、「リレーションシップ調査」と「トランザクショナル調査」の2種類の調査方法があります。以下、それぞれについてご説明します。
リレーションシップ NPS調査
顧客と企業の関係性(リレーションシップ)を把握する調査であり、企業やブランドに対する顧客ロイヤルティの把握が目的です。調査を実施するのは、四半期に一度といったタイミングです。ヒアリング内容は、企業やブランド、商品やサービスに関して「おすすめ度合」を聞くものです。
トランザクショナル NPS調査
取引や契約(トランザクション)など、具体的な顧客接点における顧客ロイヤルティを把握することが目的です。調査を実施するのは、商品やサービスの提供直後といったタイミングでです。ヒアリング内容は、店舗や接客担当者、カスタマーサポートなど、一つ一つの体験に関する具体的な項目についておすすめ度合を聞くものです。
例えば、銀行においては、リレーションシップNPS調査では「〇〇銀行をあなたの親しい友人におすすめしますか?」とヒアリングし、トランザクショナルNPS調査であれば「〇〇銀行△△支店」「〇〇銀行住宅ローン」など、実際に接点のあった店舗や商品を対象に調査する、といった具合です。
NPS導入のメリット・デメリット
非常に万能に思えるNPS調査ですが、メリットとデメリットの両面があります。以下ではそれぞれどのようなことか、ご説明していきます。
メリット
NPS導入のメリットは「NPS」という具体的な数値をつかむことで、業界内における顧客からの評価を確認し、事業成長へとつなげられることです。
顧客体験の良し悪しは目に見えないものですが、NPSにより自社の過去数値からの伸びを測ったり、競合とのスコアを比較したりすることで、明確な数値目標を設定できます。NPSスコアが高ければ、顧客ロイヤルティを得られているとわかり、マーケティング戦略や顧客体験の方向性が合っていると確信がもてるでしょう。
また、顧客へのアンケート送信からスコア算出まで、簡単なプロセスで結果を把握できることも、導入のメリット。顧客への調査は、アンケート項目が多ければ多いほど作成も分析も時間がかかりますが、NPSは設問がシンプルでスコア計算式も複雑ではないため時間がかからず、スコア算出の頻度を上げることが可能です。
デメリット
NPS導入のデメリットは、NPSスコアが顧客の主観に基づいた回答から算出されるものであり、原因分析が難しいことです。
例えば、「商品は親しい人にすすめたいが、企業そのものは別に気に入っていない」という顧客も「商品も素晴らしいし企業の姿勢も素晴らしい」という顧客も、双方が9~10点をつけるかもしれませんし、どちらかは7~8点をつけるかもしれません。もともとこういった調査で点を高くつける人も低くつける人もいますから、原因分析が難しい側面があります。
またもちろん、アンケート調査を行うだけでは、スコア改善にはつながりません。更なる原因分析のためには、フリーコメント以外に「何が顧客のNPSに影響を及ぼしているのか?」の具体的なポイント(ロイヤルティ構成要素)を測る質問を加えることが効果的です。
データを元にアクションプランを講じることで、NPS改善へとつながります。専門ツールを使用すれば、容易にロイヤルティ構成要素の確認・分析ができるので、ぜひ検討してみてください。
日本におけるNPSスコア
日本でのNPSは、他国の調査と比べると低くなる傾向があり、他国との比較が難しいという特徴があります。日本人の傾向として、0~10点の評価では、中間となる5点付近に評価が集まりやすく、0~6点の批判者セグメントが大きくなるため、NPSがマイナス値に出やすくなります。
グローバルでNPSを導入している外資系企業では、国別にNPSのスコア比較を行うことが多く、日本の担当者がスコアの説明に苦慮するというケースもあるようです。
日本におけるスコアについて、NPSの創始者である「ベイン・アンド・カンパニー」のフレドリック・F・ライクヘルド氏は、著書『ネット・プロモーター経営』の中で、以下のように述べています。
日本において九点、10点をつける顧客が少ないということは、日本人は「人に薦める」という行動を実際にとることが少ない、ということでもある。そのような国民性においても自社を薦めてもらうためには、九点、10点をつけてもらえるような感動を与えるためにより踏み込んだ工夫の必要がある、ということに他ならない。一方で、国別に単純にスコアを比較することはまったく意味がない。国によってスコアの分布は異なる。またNPSの意義の一つは業績の先行指標となりえることだが、事業の成長性を左右するのはスコアの絶対値ではなく、競合と比較しての相対的なスコアである。したがって、国別にNPSを比較する場合も、スコアの絶対値ではなく競合との相対的なスコアを比較しなければならない。
引用:『ネット・プロモーター経営 第6刷』P169より(著者:フレッド・ライクヘルド+ロブ・マーキー/プレジデント社)
以上も踏まえ、日本においてNPSを分析する際は、以下のポイントを押さえるとよいでしょう。
- NPSスコアの絶対値(マイナスなど)は気にしない
- 国別のスコア比較は意味がない
- 継続的に調査し、自社におけるNPSスコアの変化を見る
- 業界内や競合他社との比較を行い、相対的に評価する
- 顧客を属性や顧客接点などでグルーピングして分析する
NPS導入の注意点
NPSを導入するにあたって、注意したい点が3つあります。
- 全社で取り組む
- ロイヤルティへの影響度に沿った優先順に、改善施策を実施する
- 継続的に調査し、PDCAサイクルを回し続ける
どのような注意点なのか、それぞれご説明します。
1.全社で取り組む
NPS導入に際しては、全社で取り組むことが大切です。
NPSアンケートを顧客から回収したり、分析の結果洗い出された改善点を実践したりする工程をスムーズに行うには、全員がNPSによるスコア算出や分析の目的を理解する必要があります。NPS運用支援企業のコンサルティングを受ける場合にも、分析結果の読み取り方や提案される改善点の理解などは、一部のNPS担当者だけでなく全社員に関わることです。
経営層にも、NPSスコアの数値を上げることが目的ではなく顧客ロイヤルティを向上させることが目的だと理解してもらい、改善点を実施するための体制づくりや、従業員への定期的なメッセージ発信などで後押しをしてもらうと、効果がスピーディーに発揮されます。
2.ロイヤルティへの影響度に沿った優先順に、改善施策を実施する
続いて、顧客ロイヤルティへの影響度に沿った優先順に、改善施策を実施することも大切です。
NPSで顧客からの声を集めると、さまざまな期待や要望、あるいは不満が届きます。すぐ改善できるもの、改善には時間がかかるもの、多くの声があるが重要ではないもの、少数派の声だが重要なものなど、さまざまな課題が見えてくることでしょう。
やみくもに改善に取り組むのでなく、顧客ロイヤルティ向上に影響を与え、顧客体験の向上につながる課題から先に取り組むようにしましょう。次章でご紹介するようなNPSの専門ツール・サービスを利用することで、ロイヤルティに影響を与える指標も効率的に選定できるようになります。
3.継続的に調査し、PDCAサイクルを回し続ける
NPSは継続的に調査し、改善点を洗い出したらPDCAサイクルを回し続けましょう。
リレーションシップ調査であれば四半期に一度や半年・1年に一度、トランザクショナル調査であれば対象のアクション(購入直後など)の後などとサイクルを決め、1週間・1ヶ月に一度などの頻度で継続的に調査します。顧客接点における改善点や優先順位を整理した後、PDCAサイクルを回していきます。
NPSは一度きりや短期間でなく、継続し続けることが何より大切です。
NPS運用支援企業のオススメ3社
これまでご紹介した通り、NPSの調査自体は簡単ですが、調査後のスコア分析やアクションプランの策定には高度な知見を必要とするため、本格的にNPSを導入するのであれば、運用支援企業の利用を検討すると良いでしょう。
支援内容として「ツール提供」と「コンサルティングサービス」の2種類があります。NPSの知見に優れた、おすすめの3社をご紹介しますので、自社の目的に合わせてご検討ください。
Emotion Tech:豊富なノウハウで戦略面からサポート
株式会社Emotion Tech は、NPS運用支援サービスとして「EmotionTech CX」のツール提供とコンサルティングサービスを行っています。
引用:Emotion Tech
「EmotionTech CX」は、NPSを用いた調査・分析がいつでも簡単かつ正確に実施できるクラウドツールであり、カスタマーサポートの支援も充実しています。
コンサルティングサービスは、数百社を支援してきたノウハウを活かし、戦略立案から調査設計、分析、KPIの策定、PDCAサイクルの構築と改善の実行までを並走して支援してくれます。基礎調査で顧客にとって重要なポイントを特定し、優先的に解決すべき課題の可視化とKPIを設定。改善施策の実行と効果検証、仕組み化までをサポートします。
NPS運用支援のほか、従業員体験や満足度の向上をマネジメントするサービス「EmotionTech EX」、投資家体験や満足度の向上をマネジメントするサービス「EmotionTech IX」の開発・運用支援を行っています。誰でも正確な分析を行える、特許を持つ独自の分析手法に魅力を感じる企業や、NPSやeNPS、投資家満足度に同時に取り組みたいと考えている企業におすすめです。
NTTコムオンライン:ベンチマーク調査も実施
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、NPS向上支援サービスとして「NPX Pro」のツール提供とNPS活用コンサルティングサービス、NPSベンチマーク調査を行っています。
引用:NTTコムオンライン
「NPX Pro」は、NPSプログラム設計、調査、分析、アクションの展開までをワンストップで実現する、グローバルトップクラスの活用実績を持つクラウドツールです。
NPS活用コンサルティングでは、NPSの効果的な活用のために、アンケート設問設計、結果分析、改善サイクルの構築と定着化まで、NPS認定コンサルタントがサポートしています。
NPSベンチマーク調査では、リサーチモニターを活用したNPS調査により、競合他社を含む業界NPS分析、業界内での位置付け算出、現状把握と改善ポイントをレポートします。
数多くの実績やベンチマーク調査の豊富なデータがあること、NPS資格取得講座・基礎講座を開催するほどのノウハウがあることから、高度なNPS分析を求めている企業におすすめです。
マーキットワン:AI搭載ツールで分析
マーキットワン株式会社は、AIを搭載したNPS・満足度集計や分析を行うクラウドツール「M-ONE(エムワン)」のツール提供と、調査・分析・コンサル・教育までを行うコンサルティングサービスを行っています。
引用:マーキットワン
「M-ONE(エムワン)」はAIを使ったコメント分析をしており、膨大な回答数を読みやすい分類に短時間でまとめてくれ、視覚的にもつかみやすくまとめてくれます。
コンサルティングサービスでは、回答をリアルタイムで確認できるダッシュボードや、調査のプロが具体的な改善点を明記したレポートで、多忙な担当者をサポートします。NPS調査の分析結果を基にした、社員へのカスタマイズ研修も実施可能です。
AIによる調査結果が見やすく、改善点を社員にきめ細やかに提案してくれることから、NPS分析は任せて、改善策の実施に力を入れたい企業におすすめです。
NPSをより深く理解したい人へ!おすすめ書籍2選
さらに深くNPSについて知りたい方へ、おすすめの書籍を2冊ご紹介します。
『ネット・プロモーター経営』著:フレッド・ライクヘルド+ロブ・マーキー(プレジデント社)
引用:プレジデント社
NPSの創始者であるベイン・アンド・カンパニーのフレッド・ライクヘルドとロブ・マーキーが書いた一冊。NPSの誕生の背景から、究極の質問の発見、NPSが利益ある成長をもたらすメカニズムなどについて、アップル社など実際の企業の事例をもとに詳しく解説されています。
日本版コラムとして、当記事でもご紹介した「日本企業がよく陥る課題と改善のアプローチ」と「顧客ロイヤルティ強化で成功している日本の事例」が追記されています。NPSを始める前に、読んでおきたい一冊です。
『実践的カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント』著:今西 良光/須藤 勇人(日経BP)
引用:日経BP社
当記事でご紹介したEmotion Tech社の代表取締役今西 良光氏とマーケティング部 部長の須藤 勇人氏による一冊。「カスタマー・エクスペリエンスとは何か」といった概念から、NPSの捉え方、NPSを「最も効果的に改善する」顧客体験の見つけ方などを具体的に解説しています。
また「実践企業に学ぶ カスタマー・エクスペリエンス向上事例」として、NTTドコモ、バイク王&カンパニー、トヨタ自動車、リクルートキャリア リクルートエージェントサービスの4社の取り組みを紹介。日本企業における具体的な成功事例が紹介されており、実践に活かせる一冊となっています。
まとめ
NPSを導入すると、具体的な数値が把握できるため、現在の顧客ロイヤルティがどれほどか、競合企業と比べたときの目標をどこにするか、明確になります。その一方で、顧客の主観に基づく調査のため、原因分析が難しいことがデメリットとして挙げられます。
NPS運用支援企業のツールやコンサルティングサービスを活用すると、数値算出から分析、改善提案までワンストップで行うことができます。これらの活用を検討するとともに、NPS導入に際しては全社で取り組み、継続的に調査を行い、顧客ロイヤルティに影響のある改善点から施策を行うようにすると、NPS導入効果を得られるでしょう。NPS導入を機に、ぜひ感動を与えるサービスの追求に取り組んでみてください。
執筆者
黒谷 純子
MIL株式会社 マーケティング
大学卒業後、編集プロダクション等を経て、人材サービス企業のマーケティング職に従事。2021年3月よりMIL株式会社に入社し、現在は自社サイトやMILblogの企画・ディレクション・執筆等を担当している。
Twitter : https://twitter.com/MIL29292841