スマホで動画を視聴する際の向きと動画の形|縦・横・正方形

ここ最近、動画を視聴する際に横動画ではなく、縦や正方形といった形の動画を見にする機会が増えてきています。なぜ、横動画から変わりつつあるのか?どういう場合に縦や正方形の動画が向いているのか?など、株式会社モバーシャル社の調査結果をもとに紹介していきます。

動画マーケティング入門ガイド

スマホ端末の向きについて

縦向きのみ、横向きのみ、それとも両方?

縦動画、正方形動画が増えてきた背景として、実際のユーザーが「どのように動画を視聴しているか」が深く関わってきます。そこで、2016年9月に動画制作・動画マーケティングを支援する株式会社モバーシャル社が20代~50代の男女700名に対して行った、「スマートフォンの動画視聴実態について」を紹介させて頂きます。

スマートフォンの動画視聴実態調査①

引用:第3回スマートフォンの動画視聴実態調査

  1. 縦向きのみで視聴するユーザーは「34.7%」で増加
  2. 横向きのみで視聴するユーザーは「28.4%」で微減
  3. 両方で視聴するユーザーは「36.9%」で微増

という調査結果でした。女性だけでみると、縦向きのみでの視聴は「41.7%」にも上り、縦向きを好む傾向が見られました。

年代別で見るスマホ端末の向きは?

スマートフォンの動画視聴実態調査②

引用:第3回スマートフォンの動画視聴実態調査

30代、40代は増加、20代、50代は微減という結果となっています。特筆すべきこととして、30代女性が前回調査(2016年1月)と比較すると、縦向きのみでの動画視聴が「29.8%→49.4%」と大きく伸長しています。

縦向きで視聴するユーザーの声

・長く見たい時、大きく表示したい場合は横、ただちょっと見たい動画は縦向きで短時間で見終わる
・普段スマートフォンをタテ向きで使うことが多く、タテ向きでロックしているから
・横向きにして持つのに慣れていないし、操作性も考えると、いつも通り縦向きの方がやりやすいから
・外出先で見る場合は、縦向きにしている。横だといかにも動画見てます感が出るのが嫌なので…家だと気にせず、横向きで基本的は見ます
・状況によりタテの場合とヨコの場合を使い分けていますが、じっくりと落ち着いた環境で動画を視聴する場合はヨコ向き、移動中に動画を見る場合はタテ向きが多い様に思います。
・横向きにするのは面倒なので、原則的に縦向きだが、音声よりも主として映像を楽しみたい動画を視聴する場合は、横向きにする
・通勤中に電車の椅子にすわれたら横向き、座れなかったらタテ向きで見ています。
・縦使いに慣れているから、わざわさ横にしない。
・縦向きのほうが関連動画などを見ながら視聴できるし縦向きのほうが見やすい
・社内にいるときはばれないように縦向きで見るが、家の時は横で見る

引用:第3回スマートフォンの動画視聴実態調査

正方形の動画が増えてきた理由

テロップが入れやすい

SNS経由での動画視聴が増えていますが、SNS経由の動画は基本音声が出ません。そのため音声が出ない代わりにテロップで説明する必要があるのですが、縦型動画は横幅が出ない分自由さがなく、編集時点でテロップを入れるのに苦労します。そこで、縦と横の中間地点で使いやすい形として正方形動画が増えてきました。

コンテンツとしてインパクトが出る

SNSで視聴する場合、各種SNSのヘッダーなどを考えると、丁度正方形が縦向きのスマホに収まりやすく、且つ動画内容によっては寄りで撮れるためにコンテンツにインパクトを出すことが可能です。

縦動画の事例

RUN and RUN / lyrical school 【MV for Smartphone】

花王 ビオレu うるおいミルク すいすいスキンシップ

正方形動画の事例

Mugyuu

HowTwo!(ハウトゥー)

インタラクション設計例

料理動画の場合

料理動画のインタラクション設計
注)上記画像は横動画の方がわかりやすいので横としています

Mugyuuさんの「とろ~りあったか♪ 中華風コーンスープ」動画であれば、

  1. レンゲ
  2. フライパン

調理アイテムと本の固定アイコンを動画の最下部に配置します。インタラクションとして調理アイコンをタップすると、調理アイテムの詳細情報がポップアップとして表示され、実際に購入が可能なサイトに遷移ができ、本アイコンをタップすると、詳細なレシピが記載されたポップアップが表示されるなど、仕掛けを持たすことが可能です。

他には、動画最後のエンディングに各種アイコンを10秒程度表示させておき、それぞれをタップすると詳細なポップアップが表示されるようにする、なども仕掛けとしては面白いと思います。

前者は動画視聴最中に、後者は動画視聴最後にインタラクションさせる設計です。


メイク動画の場合

メイクHowto動画のインタラクション設計
注)上記画像は横動画の方がわかりやすいので横としています

画面を3分割し、インタラクティブな場所を決めておく方法があります。

  1. メインでメイクのHowto動画を流す
  2. 実際に使われている道具のアイコンを表示
  3. 道具アイコンについて説明した内容を表示

これを1セットとし、メイク道具が気になったユーザーは、動画内で実際に使われている道具アイコンをタップすることで、ECサイトに遷移することができ、より詳細な情報を知ることができます。


まとめ

動画を視聴するデバイスが動画の形を決める大きな要素となりますが、現状のスマホ保有率を考えると、縦型・正方形型の動画がより増えてくることは間違いありません。

縦や正方形という現在のトレンドに沿った形で動画を作成するだけではなく、且つ、インタラクティブという仕掛けが入ると、よりコンテンツ自体がリッチになりユーザー体験の質が上がりますので、是非、インタラクティブ動画の活用をご検討下さい。

動画マーケティング入門ガイド

執筆者
光岡 敦

MIL株式会社 代表取締役 CEO

2006年Webコンサルティング会社入社。2009年モバイルに特化した代理店を共同創業。取締役として10以上の新規事業を立ち上げた後、2018年3月、インタラクティブ動画に特化したMIL株式会社を設立。
Twitter : https://twitter.com/mittsuuuuuu

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